コンテンツにスキップ

国民議会「フランスにおけるセクト (カルト) 教団」 : 調査委員会リポートno.2468 情報資料

予算の関係で重要な所から翻訳中。 原文。 http://www.assemblee-nationale.fr/rap-enq/r2468.asp フランス語を読める方による加筆訂正は歓迎します。 関連する資料の日本語訳についてはフランス政府セクト対策一覧←こちらに纏めてあります。

セクト調査委員会報告書(1995年)目次 序文


Ⅰ.把握困難なるも増殖しつつあるかに見られる現象

[編集]

A.-定義困難な現象

[編集]

1.-法的定義の不可能性

[編集]

2.-日常言語から生まれた定義の曖昧さと多様性

[編集]

a)語源的アプローチ

[編集]

b)社会学的アプローチ

[編集]

c)セクトの危険性に基づくアプローチ

[編集]

【95年報告書Ⅰ-A-c)の一部P.12 】 当委員会で聴聞した何人かの有識者は、運動の危険性に基づくセクト定義のアプローチについて論述されました。そのうちの1人が、この手法の成果を総括する意味で、次のようなセクトの定義を提示されました。 《心理的な不安定状態を操作することにより、信者に無条件の忠誠心、批判精神の喪失、社会的に認められている価値基準(倫理的、科学的、市民的、教育的)との断絶を強制し、個人の自由、健康、教育、民主的諸制度への危険をもたらす団体。  これらの団体は、哲学的、宗教的または治癒者としての見せかけをよそおい、信者に対する強権、支配および搾取の目的を隠蔽している》

d)委員会が採用した基準

[編集]

【95年報告書Ⅰ-A-d)の一部P.14 】 宗教団体を名乗る一つの運動をセクトと判断させるような疑わしい事実を特定しうる手がかりの中で、当委員会は総合情報局がセクト現象の分析のために使用し、当委員会に報告してきた指標を援用することにしました。

-精神的不安定化 -経済的要求に関する抑制の欠如 -出身環境との断絶への誘導 -身体的完全性に対する侵害 -子供の取り込み -反社会的傾向を帯びた言辞 -公の秩序に対する揺さぶり -裁判沙汰の多さ -伝統的経済制度の悪用の可能性 -公権力への浸透の試み

B.-定量化困難な現象

[編集]

1.-総合情報局による推定

[編集]

2.-各種専門家による推定

[編集]

C.-潜在的な広がりを見せる現象

[編集]

1.-現状での際立った傾向

[編集]

a)セクトの性格

[編集]

b)セクトの構造

[編集]

c)セクトが主張するテーマ

[編集]

d)セクト現象の認知

[編集]

2.-潜在的拡散の要因

[編集]

a)切実な問題に対する回答

[編集]

b)巧妙さを増す布教技術

[編集]

c)財力

[編集]

Ⅱ.-複雑な様相を示す多彩な形態の現象

[編集]

A.-多様化する現象

[編集]

フランスにおけるセクト現象を完全に網羅するリストを作成することがとりわけ困難な理由は、それを構成する運動が著しい多様性を呈しているところにあります。

1982年、アラン・ヴィヴィアン氏の報告書では、116のセクトが3つのカテゴリーに分類されていました。すなわち、オリエンタリズム、シンクレティズム/エゾテリズム【習合・秘教主義】、人種差別主義/全体主義です。

今日では、より精密な分析を可能にする方法が総合情報局によって採用されています。総合情報局が選択した方法およびその主たる調査結果を、当委員会の要請に基づき当委員会に報告されたとおりに記述します。

1.-総合情報局が採用した方法 総合情報局が行なった方法は、調査対象となった一つひとつの団体を思想または行動の《グループ》に分類することでした。分類に当たっては、13の形容語が選ばれました。明確な分析を期するために、ここにそれらの概略を明記します。

1.-総合情報局が採用した方法

[編集]

2.-調査結果

[編集]

【1995年報告書64ページ】 『オリエンタリスト』グループ

この呼称のもとに、仏教、ヒンズー教あるいは道教といった東洋の宗教や形而上学的論理に準拠する、と同時にそれらを歪曲した、きわめて雑多な団体が分類されます。

このグループには、パリ=スリ・チンモイ協会、マハタイマ瞑想センター、クリシュナの意識フランス連合、マハ・シャクティ・マイディール、スニミ・アトマナンダ・アフマ・ボダ・サトサンガの遣い、シ・ラム・チャンドラの遣い、そしてもちろん創価学会が含まれます。

創価学会は、愛国的で不寛容な教義を説いた13世紀の仏僧、日蓮の教えを広めると称しています(1990年の日蓮正宗との分裂にもかかわらず)。平穏と幸福の境地は、法華経の特定の経文の勤行、礼拝の式文の題目を唱えること、曼荼羅および曼荼羅が描かれた巻物への信心といった一連の修行を実践する信者にのみ保証されるのです。創価学会は仏教と社会とを結びつける普遍性のある宗教を自任しています。

B.-危険性をともなう修行

[編集]

1.-多数かつ多様な違法行為

[編集]

2.-裁判所によって検証された違法行為の範囲を大きく逸脱する有害性

[編集]

a)個人に対する危険性

[編集]

b)社会に対する危険性

[編集]

Ⅲ.-セクトの危険性に応じた対策の必要性

[編集]

A.-大規模な法的改革をともなわないバランスのとれた総合的対策

[編集]

1.-宗教の自由を担保しつつセクト的活動の弊害を排除できる制度

[編集]

a)宗教運動の活動手段として認められた複数の合法的枠組み

[編集]

b)セクト的『逸脱行為』を罰するための豊富な法的手段

[編集]

2.-望ましくない急激な改革

[編集]

a)セクトを対象にした法制度創設の難点

[編集]

b)セクトを完全な権利を有する宗教と認めることのリスク

[編集]

B.-セクト的現象への現実的対応のために

[編集]

1.-よりよく知り、知らしめる

[編集]

2.-現行の法律を活用する

[編集]

3.-法制度を改善する

[編集]

5.-元信者を援助する【5は原文のまま、本文も5になっている】

[編集]

結論