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イソップ童話集/犬と牛

提供:Wikisource
あるとき一ぴきの犬が、たいへんつかれたので、枯草の一ぱいはいった「かいばおけ」の中へもぐりこんで、ぐうぐういい気持でねてしまいました。
するとそこへ、非常におなかのすいた牛がよろよろやって来て、これはありがたいと、その枯草をたべようとしますと、犬は怒ってワンワンほえたてて、どうしてもそばへよせつけません。牛はいろいろたのみましたが、どうしても犬がきいてくれないので、とうとうどなりました。
「きさまは何という性わるだろう。きさまは自分ではたべられもしない枯草を、ひとにもくわせまいとするのか。」