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Page:Shisekisyūran17.pdf/216

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凶禮式

切腹之法

一寺院又ハ組頭の所にても沐浴する時ハたらひを直し先下へ水を入其上へ湯を入て沐浴させ髮を洗ときハ逆に湯を掛る法なり

一髪結樣引さきもとゆひ四まき左卷にすへし常よりたかくゆひ逆に曲るなり

一裝束ハ白衣左前にあはせ柿色の上下を着す口傳有之帶も白きなり

一疊の事土色を用長サ六尺白緣に二疊用へし敷樣口傳あり

一死衣の事四□長六尺白地也疊の上に敷樣口傳

一切手死衣の上に著座する時三方又ハ足打のきりめの緣をはなし笹の葉先を切人へ向改敷にして盃二つ組上土器下ハ塗盃也扨肴ハ大根の香物三切鹽味噌を組付逆箸にして据る撿使へ三方に改敷せす盃壹つ肴ハ大根香物一切組之居る也

一酒呑飮之事酌切手へ銚子を持行逆手酌にして上の盃へ二酌其銚子を撿使の前へ持行順に一獻つきたる時撿使切手へ挨拶して其盃を萬臺へ居て指置切手夫にて又二獻呑時に御肴といふへし此とき腹切刀を揃出し以上四獻のませ以後ハ切手獻請るといふとも加ふへからす是酌の古實也酌人ハ腰さしせぬもの也口傳

一酒終刀出すと通ひ出て雙方の膳を取太刀とり後へ廻る也此時切腹人畏り樣口傳

一太刀とりの人の振廻面影見する作法秘傳