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整除に關する整數の性質

公約數の最小公倍數なり.

なる二個の數與へられたるとき,其最小公倍數又は最大公約數を定むるは, の順序に關係なき一の算法なり.卽ち此算法は交換の法則に從へり.又 なる三個の數の與へられたるとき其最小公倍數は の順序に關係なき定まりたる數なり.

の最小公倍數を と名づけんに,定理一によりて の公倍數は必ず の公倍數にして,又 の公倍數は必ず の公倍數なり.是故に の最小公倍數は亦 の最小公倍數 との最小公倍數に等し.同一の理由によりて の最小公倍數は又 の最小公倍數との最小公倍數なり.最小公倍數を定むる算法は組み合せの法則に從へり.最大公約數につきても亦同じ.

是故に多くの數の最小公倍數又は最大公約數を求むるに當て,第二章(四)の方法を適用することを得,隨て此算法は畢竟二個の數の最小公倍數又は最大