さて , 共に のいづれにても割り切るゝが故に も亦然らざるを得ず,而もこは が の最小公倍數なるべしとの約束に牴觸せるにあらずや.是によりて次の定理を得.
一, 若し のいづれにても割り切れなば は亦 の最小公倍數にても割り切れざるを得ず.
のいづれをも割り切る數を其公約數と云ふ. は必ず の公約數なり. が を外にして公約數を有せざるときは を公約數なき一組の數と云ふ.公約數なしとは絕て公約數なきにあらず,當然にして極端なる公約數 を外にしてはこれなしと言ふなり.公約數なき二つの數を相素なる數と云ふ.
の公約數は のいづれよりも大なることを得ざるにより其數に限あり.是故に其中一個最大なる者なかるべからず.之を