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受けざる一地方を存在せしめ以て着實なる國內改造を行はしむるに力めざる可らず、而して此職分を行ふに就き最適當なる地位を占むるものをライン共和國となす、即ちライン共和國にして儼然としてボルシエビズムの大火の外に立ち商工業の繁盛を圖り經濟生活の復舊に力を盡さば戰後に於ける獨逸の前途は必ずしも悲觀するの要なき也。

 第四、對外關係より見たるライン共和國の使命

全世界の吾人に對する激甚なる憎惡なるものは獨逸一般に對するものと云はむよりは寧ろプロシヤに對するものなり、故にライン地方の分離によりてプロシヤの勢力弱められ所謂プロシヤ精神なるものが獨逸國內に於ける優越權を失はゞ獨逸の