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Page:Ruling on eugenics law osaka1.pdf/5

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の翌日、母親に連れられて病院に行き、人工妊娠中絶を受けるとともに、不妊手術を受けた。同不妊手術は、aの母親の同意をもってa及び被上告人Xの同意があったものとして、優生保護法3条1項1号の規定(昭和27年改正法による改正後のもの)に基づいて行われたものであった。

イ bは、昭和▲年生まれの男性であり、▲歳の頃、両耳の慢性中耳炎が悪化して難聴となった。被上告人Xは、昭和▲年生まれの女性であり、出生時から両耳が聞こえなかった。bと被上告人Xは、昭和43年頃に結納を交わし、昭和43年▲月に婚姻の届出をした。

bは、昭和43年1月ないし同年3月頃、母親に連れられて病院に行き、不妊手術を受けた。同不妊手術は、bの母親の同意をもってbの同意があったものとして、優生保護法3条1項1号の規定(昭和27年改正法による改正後のもの)に基づいて行われたものであった。

ウ 被上告人Xは、昭和30年生まれの女性であり、先天性の脳性小児麻痺である旨の医師の診断を受けていた。

被上告人Xは、昭和43年3月、不妊手術を受けた。同不妊手術は、優生保護法13条2項の規定(昭和27年改正法による改正後のもの)に基づいて行われたものであった。

(4)ア 平成8年4月1日、らい予防法の廃止に関する法律(同年法律第28号)が施行され、同法により優生保護法3条1項3号の規定が削除された。

平成8年9月26日、優生保護法の一部を改正する法律(同年法律第105号)が施行された。同法による優生保護法の改正(以下「平成8年改正」という。)においては、同法の題名が「母体保護法」に、同法1条中「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに」が「不妊手術及び人工妊娠中絶に関する事項を定 めること等により」に改められ、同法3条1項1号、2号、4条から13条までの各規定が削除されるなどした。