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心的方面に於いて最高なるものは神の靈に於ける意識的統一なり、物的方面に於いて窮極なるものは單純なる元子なり。而して彼れは此の兩者を相離さずして考へ神の靈が全物界に通じて活動すと說けり。
ヘーゲル學派の分裂、唯物論爭及び新カント學派
《ヘーゲル學派の分裂、唯物論の爭、新カント學派。》〔八〕ヘーゲル學派は一時獨逸の哲學界を風靡して他國にまでも盛んに其の勢力を及ぼしたりしがヘーゲルの所說に對する解釋の異同によりて其の學派に分裂を生ずることとなれり。而して其の解釋に於ける論爭の中心點はヘーゲルの謂はゆる理性即ち絕對者の何たるに在りき。一派は之れを解して有意識的のものとなし之れを基督敎の謂はゆる有神論に近づけむとせり、此の派を名づけてヘーゲル學派の右翼といふ。シャルレル(Schaller 一八六八死)等之れに屬す。之れに反對する者はヘーゲルの謂ゆる絕對者を解して無心のものとなせり、而して此等の徒は無神論に傾けり。之れを名づけてヘーゲル學派の左翼といふ。フォイ