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かに後者に優れるが如く考へ後に新プラトーン學派に至りては宇宙が完美なることに於いて幾多の段階を成すが如く見たりき。之れに對してストア學派は同一なる神性が萬物を通貫すといふ思想より宇宙の部分の同等なることを說くに近づきたりしが、近世哲學の序幕に於いてジョルダーノ、ブルーノがコペルニクスの天文說を應用したるを初めとして其の後物理學の硏究及びそれと密接の關係ある哲學思想の發達するに從うて終に全物界には均しき機械的法則の行はるといふ說、勝を制するに至れり。而してニュートンが數學上の計算によりて同一なる重力上の法則が地上にも又天體の間にも同樣に行はるといふことを證明するに至りては宇宙の部分を同質なるものと見る說は茲に奪ふべからざる勝利を得たりと云ふべきなり。
《ニュートンの硏究法、數學的硏究即科學的硏究。》〔四〕ニュートンに從へば、物界を硏究する正當の方法は數學的の見方にして數學的に考ふる是れ實に唯一の眞正なる科學的硏究なり。畢竟ずるに是れ其の根本思想に於いてガリレオが物體の運動を說明せむが爲めに主張せし思想、即ち物體の運動を分析して其れの原因を小部分の運動の結合に歸せむとする思想を