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びヒューム等の論も上には專ら心理及び知識に關する方面のみを述べたり、彼等が道德上の論は別に後章に述ぶべし)先づ次ぎに吾人の注意せむとするは自然科學上の現象にして此の範圍に於いて最も偉大なる人物をニュートンとす。
第四十章 ニュートン
《當時に於ける哲學科學兩思想の相互の影響。》〔一〕近世哲學は其の初めより自然科學と疎からざる關係を有し來たりき。ジョルダーノ、ブルーノがコペルニクスの天文說を取り入れたるを初めとしてライブニッツが當時の自然科學硏究の結果を多く其の哲學思想に編み込みたるに至るまで、其等の硏究が哲學思想に影響したる例多きのみならず又一般哲學上の推究が飜つて科學の根本的思想及び硏究法を更に遍通なるもの、更に明瞭なるものとなし來たれる両者相互の關係の疎遠ならざることは毫も見るに難からず。ケプレル及びガリレオ等によりて提出されたる物理的硏究の見方がホッブス及びデカルト等によりて一般の哲學的思想の上に於いて全物界を通貫する機械的說明として揭げられたるが如きは哲學方面より自然科學の進步及び運命に反響