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ホッブス先きに之れに著眼したりしもロックは其の言唯だ之れに觸れたることあるのみにて特に之れを用ゐることを爲さざりしが、ヒュームに至りて心理學上有力なる說明の利器として用ゐられたるなり。而してヒューム以後英國に於いては聯想律を基礎として一切の心理的現象を說かむとする學者多く出で遂に所謂聯想學派を成すに至れり。ヒュームは聯想の規則として三ケ條を揭げて曰はく、一に類同律(association by resemblance)即ち吾人の觀念の類似せるものが相喚起すといふこと、二に隣接律(association by contiguity)即ち空間及び時間に於いて相接近せるものの觀念が相喚起すといふこと、三に因果律(association by causality)即ち原因結果の關係をなせるものの觀念が相喚起すといふこと是れなり。但し仔細に推究し行けばヒュームが(後に委しく論じたる如く)三個の規則の中第三は第二に歸せしめ得べきものなれども吾人の觀念の相聯續し來たる有樣を說くに便利なる爲め、少らく之れを相別かちて揭げたるなり。
かくの如く吾人の觀念は相互の關係に從うて相聯結すると共に一觀念に伴へる感情の狀態も亦其の觀念に結合し來たる他の觀念に移り行く傾向を有す。例へ