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Page:NiimiNankichi-NurseryRhymes and Poems-2-DaiNipponTosho-1981.djvu/42

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靑梨


夏のはじめの

梨ばたけ

指さきほどの

靑いなし

少女よ

お前󠄁はまだ熟れぬ

お前󠄁の乳󠄁房󠄁はまだかたい

夏の初めの

靑い梨


〈B〉


枯葉のやうに

一つ二つ

風の中から

舞ふおちてくる

――小さい庭の

 ひだまりに


いそいで何か

ついばみ

枯葉のやうにまた

風の中へ

舞ひたつてゆく

自分は歡迎󠄁されないと