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繪本
繪本 見飽󠄁きたる
こどものやうに
われはうつしよに
うみたるなり
はや
をみなも 煙草も
われをとらへえず
咲󠄁きいでし花󠄁さへや
われに匂ひなし
繪本なげやる
こどものやうに
われはうつしよの
そとなる 空󠄁へ
眼やるのみ
春の電車
わが村を通󠄁り
みなみにゆく電車は
菜󠄁種ばたけや
麥の丘をうちすぎ
みぎにひだりにかたぶき
とくさのふしのごとき
小さなる驛々にとまり
風呂敷包󠄁み持てる女をおろし
また杖󠄀つける老人をのせ
或る村には子供等輪がねをまわし
或る村には祭りの笛流れ
ついに半󠄁島のさきなる終󠄁點に
つくなるべし