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生えて
でる
三年前󠄁のノートから
○
野にうたはむと
野に來つれ
草ひかるのみ
ひかるのみ
○
街にうたふと
街ゆけば
日󠄂の照れるのみ
家々に
○
松の芽︀立ちに
手は觸れて
生きむとこそは
思ひしか
○
いのちひそかに
あるものか
うまれて靑い
かたつむり
○
夜更︀けに
蛙のきろろきろ
さめて寂しく
聞こずよの
○
そゞろあるきに
洋杖󠄀に
月󠄁夜となれば
月󠄁がさし
○
松の新芽︀の
頃は
また新たなる
愁ひかな
○
おもひここに
およべば
くだけて散れよ
實のかたばみ