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Page:NDL992519 千島アイヌ part1.pdf/26

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アイヌ 指示數
頭形 唐太 七六、七
蝦夷 七七、二
千島 七八、三

更に身長を記せば(男子)

アイヌ 指示數
身長(ミ、メ) 唐太 一五六六
蝦夷 一五六六
千島 一五七九

小金井敎授は男子の中、一人プレチンアウヱリアン、女子の中一人、ツヱルナヤステパニダは或は露西亞人との雜種にあらずやと疑はれたり、(三六四頁及び三九三頁)、

言語 千島のアイヌ語は蝦夷のアイヌ語と毫も異なるなし、只だ發音、其他の少しく異なるは是れ二者︀の久しく相接せざるに因るとて、其證として總計二十五の代名詞、名詞を比較せらる、(三〇〇頁)

口碑︀ 敎授は明治九年長谷部氏等の「千島巡航雜記」中記する口碑を基礎とし、千島アイヌは元、得撫島附近󠄁にありしが漸時に北進せしものなりと云はる、(二九九頁)

名稱 人名は現今露西亞名を用ゆれども、固有語は全󠄁くアイヌ名なり、即ちストロソアヤコフのコンガマグルの如し(二九九頁)

土俗 風俗は露化なしたりと雖ども、尙ほアイヌ固有の風は殘り居るものあり、假令は婦女の口邊及び手甲の入墨︀の如き是れなり、現今露人堅くこれを禁じたり、(二九九頁)

 以上は小金井敎授の千島アイヌに就ての硏究結果なり、(色丹󠄁島の現今の家屋の記󠄂載は三〇六—三八頁にあり)

現今千島アイヌ調査の精󠄀密(躰質)なるものこの論文󠄁の外にあらざるべし、されば苟くも千島アイヌ殊に彼等の躰質を云はんとするものは、この書を座右に置かざる可からず、

 (六)ラタム氏 Elements of Comparative Philology.  (七)同    Descriptive Ethnology. 第一册

二書ともラタム氏の著︀なり、前者︀(一六八—一六九頁) 後書 (四九七—四九九頁) ともにタライカ、蝦夷、千島の單語を列記せり、この三種族の單語全󠄁く相類似せり、この書にはタライカ、蝦夷、千島語の傍に滿州語、カムチヤツカ語、チユクチ語、コリヤク語、ナモロ語等の比較もあれば參考とする