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Page:NDL2947124 官報 1896年04月27日.pdf/28

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但占有者カ損害ノ發生ヲ防止スルニ必要ナル注意ヲ爲シタルトキハ其損害ハ所有者之ヲ賠償スルコトヲ要ス

前項ノ規定ハ竹木ノ栽植又ハ支持ニ瑕疵アル場合ニ之ヲ準用ス
前二項ノ場合ニ於テ他ニ損害ノ原因ニ付キ其責ニ任スヘキ者アルトキハ占有者又ハ所有者ハ之ニ對シテ求償權ヲ行使スルコトヲ得
第七百十八條
動物ノ占有者ハ其動物カ他人ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス但動物ノ種類及ヒ性質ニ從ヒ相當ノ注意ヲ以テ其保管ヲ爲シタルトキハ此限ニ在ラス
占有者ニ代ハリテ動物ヲ保管スル者モ亦前項ノ責ニ任ス
第七百十九條
數人カ共同ノ不法行爲ニ因リテ他人ニ損害ヲ加ヘタルトキハ各自連帶ニテ其賠償ノ責ニ任ス共同行爲者中ノ孰レカ其損害ヲ加ヘタルカヲ知ルコト能ハサルトキ亦同シ
敎唆者及ヒ幇助者ハ之ヲ共同行爲者ト看做ス
第七百二十條
他人ノ不法行爲ニ對シ自己又ハ第三者ノ權利ヲ防衞スル爲メ已ムコトヲ得スシテ加害行爲ヲ爲シタル者ハ損害賠償ノ責ニ任セス但被害者ヨリ不法行爲ヲ爲シタル者ニ對スル損害賠償ノ請求ヲ妨ケス
前項ノ規定ハ他人ノ物ヨリ生シタル急迫ノ危難ヲ避クル爲メ其物ヲ毀損シタル場合ニ之ヲ準用ス
第七百二十一條
胎兒ハ損害賠償ノ請求權ニ付テハ既ニ生マレタルモノト看做ス
第七百二十二條
第四百十七條ノ規定ハ不法行爲ニ因ル損害ノ賠償ニ之ヲ準用ス
被害者ニ過失アリタルトキハ裁判所ハ損害賠償ノ額ヲ定ムルニ付キ之ヲ斟酌スルコトヲ得
第七百二十三條
他人ノ名譽ヲ毀損シタル者ニ對シテハ裁判所ハ被害者ノ請求ニ因リ損害賠償ニ代ヘ又ハ損害賠償ト共ニ名譽ヲ回復スルニ適當ナル處分ヲ命スルコトヲ得
第七百二十四條
不法行爲ニ因ル損害賠償ノ請求權ハ被害者又ハ其法定代理人カ損害及ヒ加害者ヲ知リタル時ヨリ三年間之ヲ行ハサルトキハ時効ニ因リテ消滅ス不法行爲ノ時ヨリ二十年ヲ經過シタルトキ亦同シ