る。
127
空にありても、海の中にありても、將た山閒の窟に入りても、世に罪業より脫るべき、方所とてはあるなし。
128
空にありても、海の中にありても、將た山閒の窟に入りても、世に死の勝たざる方所とてはあるなし。
刀杖品第十
129
總て〔有情〕は刀杖を怖れ、總て死を懼る、己を喩として、〔他を〕毆つことなかれ、害ふことなかれ。
130
總て〔有情〕は刀杖を怖れ、生は總てのものの愛する所、己を喩として〔他を〕毆つことなかれ、害ふことなかれ。
131
樂を求むる有情を、刀杖を以て害ふものは、己の樂を求めても、後世に之を得ることなけん。
132
樂を求むる有情を、刀杖を以て害はざるものは、己の樂を求めて、後世に之を得ん。
133
何人にも麤語を用ふることなかれ、受けては〔彼〕亦汝に返さん、憤怒の語は苦なり、返杖は汝〔の身〕に觸れん。
134
汝若し默して語らざること、破れたる鐘の如くならば、これ涅槃に達せるなり、汝に憤怒ある