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訓令
陸軍省訓令甲第二號
各師團及廳府縣〈除東京府〉
勅令第十二號ニ依リ施行手續相定候條右手續ニ據リ施行ス可シ
明治二十二年二月十一日
陸軍大臣伯爵󠄂󠄁大山巖
- 大赦施行手續
- 第一條
- 勅令第十二號第一條ニ記載スル罪ヲ犯シタル者ハ既ニ判󠄁決ヲ經タルト否トヲ問ハス又既ニ刑ノ執行ヲ終ハリタルト否トヲ別タス總テ赦免ヲ得ル者トス
- 第二條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付キ刑ノ宣吿ヲ受ケ其執行ヲ終ヘサル者衞戍監獄ニ在ルトキハ監獄長裁判󠄁宣吿ヲ爲シタル軍法會議ヲ管轄󠄁スル師團長若クハ旅團長ニ申報シ陸軍裁判󠄁所󠄁若クハ軍團裁判󠄁所󠄁ニ於テ裁判󠄁宣吿ヲ爲シタルモノハ第一師團長ニ申報ス可シ
- 罰金ノ宣吿ヲ受ケ未タ納󠄁完セサル者アルトキハ理事長官ノ認󠄁可ヲ得赦免ヲ得タル旨ヲ本人ニ通󠄁知ス可シ
- 第三條
- 赦免ヲ得ヘキ者衞戍監獄以外ノ監獄ニ在ルトキハ司獄官前󠄁條ニ記載シタル長官ニ申報ス可シ
- 第四條
- 赦免ヲ得ヘキ者假出獄ヲ許サレ營內ニ在ルトキハ所󠄁屬隊󠄁長第一條ニ記載シタル長官ニ申報ス可シ
- 第五條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付キ監視若クハ特別監視執行中ノ者ハ執行地ノ警察官第一條ニ記載シタル長官ニ申報ス可シ
- 第六條
- 師團長旅團長前󠄁數條ニ記載シタル申報ヲ受ケタルトキハ理事ニ付シ其調査ヲ爲サシメ赦免ヲ得タルニ付キ釋放スヘキ旨ヲ通󠄁知ス可シ
- 第七條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付キ審問若クハ判󠄁決ニ著手中ノ者ハ陸軍治罪法ニ從ヒ免訴ノ處分󠄁ヲ爲ス可シ
- 第八條
- 數罪俱發例ニ依リ處斷セラレタル者若クハ數罪併科セラレ若クハ刑期限內再ヒ罪ヲ犯シ刑ノ宣吿ヲ受ケタル者現ニ執行ヲ受ケタル罪ノ赦免ヲ得タルニ因リ更󠄁ニ赦免ヲ得サル罪ノ刑ヲ執行スヘキトキハ赦免ヲ得タル罪ニ付キ執行シタル刑ヲ通󠄁算ス
- 前󠄁項ノ場合ニ於テ更󠄁ニ執行スヘキ刑期金額裁判󠄁宣吿書ニ疑點アルモノハ理事訴訟󠄁書類及ヒ例證等ヲ調󠄁査シ長官ノ認󠄁可ヲ得刑期金額ヲ定ム可シ
- 第九條
- 勅令第十二號ニ照シ治安ヲ妨害スルノ目的ニ出テ若クハ政治ニ關スル意思ニ出テタル等ノ區別ヲ審辨スヘキ犯罪ニ付テハ理事發行シタル新聞紙又ハ出版シタル文󠄁書圖畫ノ性質其他裁判󠄁宣吿書ニ記載シタル事實ノ模樣ニ因リ之ヲ査定ス可シ
- 第十條
- 師團長旅團長大赦ノ施行ニ付キ疑議アルトキハ陸軍大臣ニ具狀シテ指揮ヲ請󠄁フ可シ
- 第十一條
- 遠󠄁隔ノ地ヨリ大臣長官ニ稟請󠄁若クハ申報ヲ爲シ及ヒ長官遠󠄁隔ノ地ニ通󠄁知スルトキハ電報ヲ用ユ可シ但電報ニテ事情󠄁ヲ悉クス能ハサルモノハ此限ニ在ラス
- 第十二條
- 大赦施行ノ處分󠄁ヲ爲シタル者ハ第一條ニ記載シタル長官ニ申報ス可シ長官ハ之ヲ陸軍大臣ニ申報ス可シ
- 第十三條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付キ刑ノ言渡ヲ受ケ既ニ執行ヲ終ハリタル者ヨリ赦免ヲ得タルノ證明ヲ請󠄁フトキハ理事事實ヲ調査シ長官ノ認󠄁可ヲ得證明ヲ與フ可シ
海軍省訓令第一號
橫須賀鎭守府司令長官
廳府縣〈東京府ヲ除ク〉
勅令第十二號第五條ニ依リ施行手續相定候條右手續ニ依リ施行ス可シ
明治二十二年二月十一日
海軍大臣伯爵󠄂󠄁西鄕從道󠄁
- 大赦施行手續
- 第一條
- 勅令第十二號第一條ニ記載スル罪ヲ犯シタル者ハ既ニ判󠄁決ヲ經タルト否トヲ問ハス又既ニ刑ノ執行ヲ終リタルト否トヲ別タス總テ赦免ヲ得ル者トス
- 第二條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付刑ノ宣吿ヲ受ケ其執行ヲ終ヘサル者海軍監獄ニ在ルトキハ監獄署長橫須賀鎭守府司令長官ニ申報ス可シ
- 罰金ノ宣吿ヲ受ケ未タ納󠄁完セサル者アルトキハ主󠄁理同司令長官ノ認󠄁可ヲ得赦免ヲ得タル旨ヲ本人ニ通󠄁知ス可シ
- 第三條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付海軍法衙ニ於テ刑ノ宣吿ヲ受タル者海軍部外ノ監獄ニ在ルトキハ司獄官橫須賀鎭守府司令長官ニ申報ス可シ
- 第四條
- 赦免ヲ得ヘキ者假出獄ヲ許サレ艦船營內ニ在ルトキハ艦船營長其所󠄁屬司令長官若クハ司令官ニ申報ス可シ
- 司令長官若クハ司令官ハ他ノ司令長官若クハ司令官管轄󠄁ノ軍法會議ニ於テ刑ノ宣吿ヲ爲シタル者ニ係ルトキハ其司令長官若クハ司令官ニ協議ス可シ
- 第五條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付監視若クハ特別監視執行中ノ者ハ執行地ノ警察官橫須賀鎭守府司令長官ニ申報ス可シ
- 第六條
- 橫須賀鎭守府司令長官前󠄁數條ニ記載シタル申報ヲ受ケタルトキハ主󠄁理ニ付シ其調査ヲ爲サシメ赦免ヲ得タル旨ヲ通󠄁知ス可シ
- 第七條
- 赦免ヲ得ヘキ罪ニ付審問若クハ判󠄁決ニ著手中ノ者ハ海軍治罪法ニ從ヒ免訴ノ處分󠄁ヲ爲ス可シ
- 第八條
- 數罪俱發例ニ依リ處斷セラレタル者若クハ數罪併科セラレ若クハ刑期限內再ヒ罪ヲ犯シ刑ノ宣吿ヲ受ケタル者現ニ執行ヲ受ケタル罪ノ赦免ヲ得タルニ因リ更󠄁ニ赦免ヲ得サル罪ノ刑ヲ執行スヘキトキハ赦免ヲ得タル罪ニ付執行シタル刑ヲ通󠄁算ス
