物名
チセ(家) チップ(舟) アベ(火) ス子(燈火) ラッチャク(仝上) イタ(膳) イタンキ(椀) パシュイ(箸) チエンヌイペ(枕) アボスタ(戶) ツミップ(衣裳) モッウル(肌着) アベパシュイ(火箸) イヌンベ(爐) セレンボ(煙管) アベニー(薪) チボ(櫂) ツリ(櫂棒) キナ(土人敷物) カンビ(書物、帳面等の惣稱盖し紙の變語ならん) チョンバ(舛)
因云 從來北海道に產出するものは、各其名稱を存すと雖ども、內地より輸入せる物等は、多く原名を用ゆ、然るに其中間に原名を變訛して、一種異樣の名稱を用ふる者あり、例へばチヽッポ(短袖)馬をウンマ烟草をタンバコといふの類、且甚しきは內地人にして土人語を用ゐ、土人却て內地語を唱へ、稍や主客の度を失するの傾きあるに至る、譬へば永年十勝國等に住する內地人は、煙管をセレンボといひ、土人は却てキセルといふが如き是れなり
動植物
チカップ(鳥の通稱) ポンチカップ(小鳥)〈凡て何鳥何鳥と各自の名稱あるにあらず槪ね之を惣稱せるなり〉 ウオロン、チカップ(鴨〈ウオロンは潜伏の意〉) パスクル(烏) チヱップ(魚の通稱) シベ(鮭) イザニュ(鱒) ヘロギ(鰊)