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戰國時代を去ること遠き今の世には武士道の必要無きが如くに思ふ者もあらんがそは大なる間違なり日淸日露の大役は實に武士道を以て捷てり將來かゝる戰役なかるべしと雖も武士道の精神鍛鍊は平和時代とて決して等閑に附すべき者に非ず否々この武士道精神充滿して始めて世界の平和は保たるべし斯る點よりするも日本外史讀習の如きは余は靑年諸士に奬めむとする者なりこれ此書は我が源平以來の戰史にして即ち我が武士道史なればなり玆に本書發刊に際して外史の尊重すべき所以と本書の特色とを述べて自ら序することかくの如し

本書譯述出版に付いては赤堀又次郞氏及び上野竹次郞氏力を致されしこと多し玆に附記して之を謝す

明治四十四年一月

譯述者しるす