Page:Gunshoruiju27.djvu/338

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とにたて文にまれ。むすび文にまれ。わざときよげにと思ひて。したてゝやりたるふみを返事もてくるめりと思ひて見るに。ありつるおなじふみのうへに。ひきわたしつるすみもきゆるまで。いみじうきたなげにとりふくめて。おはしまさゞりけりとも。もしはかたき御物いみにてなんなどいひてもてきたる。すさまじさこそかぎりなけれ。又かならずくべき人と思ひて。むかへにくるまやりていつしかとまつに。いりくるをとすれば。さななりと思ひてみれば。くるまやどり車宿ざまにやりいれて。ながえほうとうちおくを。いかなりつるぞととへば。ほかへおはしましにけりとも。又けふはさはる事ありてといひて。うしのかぎりひきいでていぬるこそあさましうすさまじけれ。ましてちごのめのとなど。あからさまとて。いでぬれば。とかくあそばしまぎらはしてまつに。こよひはえまいらじなどいひたる。すさまじきのみならず。心地もいとむづかし。又おやなどゐたる家の內の大事にかぎりなくいそぎたてゝ。むことりたるむこのいくばくのほどへづこずなりぬるこそすさまじともよのつねなれ。なまねぶたきに。いとおもはしからぬ人のをしおこしつゝ。せめて物いふこそいみじうすさまじけれ。まつ人あるおりに。よすこしふけてかどたゝけば。さにこそあらめとうたがひなく思ひて人いだしたるに。こと人のあらぬなのりうちしてきたるこそすさまじといふなかにも。返々すさまじけれ。げんざのものゝけうつすとて。いみじうしたりがほにとこ獨鈷すゞなどうつるべき人にもたせて。せみごゑいだし二ときばかりかぢしゐたるに。いさゝかさりげもなく。ごほう護法だにつかねば。おほくのだらにをよみ