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Page:Gunshoruiju18.djvu/630

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 なかめやる時こそ時をわかねともふしのみ雪は初め也けり

御かへし

熈貴

 御心にかなふ時代のなかめ哉袖にもふれるふしの白雪

又御詠。

 敷嶋の道はしらねと富士のねの詠にをよふことのはそなき

御返し

範政

 敷嶋の道ある御代のかしこさに言葉の玉の數そかさなる

熈貴のかたへ御詠。

 我爲はあたらなかめのふしの雪都のつとになすかうれしき

 時ありてみはやす君か御代なれやふしの高根も猶重ねつゝ

御返し

熈貴

 今ははや君そみはやす時しらぬ山とはふしの昔なりけり

 みてたにも心およはぬ不二のねを都のつとにいかゝ語らむ

還御。遠江鹽見坂にて御詠。

 いまそはや願みちぬるしほみさか心ひかれしふしを眺めて

 嬉しさも身にあまるかなふしのねを雲の衣の外になかめて

御かへし

範政

 折をえてみつの山風ふくからに雲のころもは立もおよはす

鹽見坂にして御發句。

 あきさむみふしのねもみつ鹽見さか

御詠。

 秋寒きふしのねおろしみにしみて思ふ心もたくひやはある

御かへし

雅世

 富士の根の雪と月とに明す夜や君かことはの花をそへけむ

堯孝

 雲拂ふふしのね嵐ふけやたゝ秋の朝けの身にはしむとも

 ふしのねの月と雪とのめうつりにあかす珍し君かことのは

嫺眞居士

 ふしのねは名高き山のあかすみるこのことのはや類なか覽

此記いづこも次第ならすみえ候て。然本尋出候て御なをし候て可然存候。

諸大名御供衆。其外の外樣衆。奉公奉行衆。旅着。雨がさ卅本づつ。人夫三十人。下男已下白米雜事雜具各同じ。如此味細の事しるし候事いかゞにては候へども。昔の御太儀をもしろしめさせむためにて候。御分國は當國までにての御事にて候ける。其內寺社本所領御成敗にあらず。いかゞ如此の御まかなひ御申候け