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Page:Gunshoruiju18.djvu/59

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あふきともみゆ。うちとけたるおりこそ。まほならぬかたちもうちましりてみえわかれけれ。心をつくしてつくろひけさうし。をとらしとしたてたる。女ゑのおかしきにいとようにて。としのほとのおとなひ。いとわかきけちめ。かみのすこしをとろへたるけしき。またさかりのこちたきか。わかまへはかり見渡さる。さてはあふきよりかみのひたいつきそあやしく。人のかたちをしなしくも。くたりてももてなすところなんめる。かゝる中にすくれたるとみゆるこそ。かきりなきならめ。かねてより。うへの女房。宮にかけてさふらふ五人は。まいりつとひてさふらふ。ないし二人。命婦二人。御まかなひの人ひとり。おものまいるとて。ちくせん左京のおもとの。かみあけて。內侍のいているすみのはしらもとよりいつ。これはよろしき天女なり。左京は靑いろに柳のむもんのから衣。ちくせんは菊の五へのから衣。裳はれいのすり裳なり。御まかなひ橘三位。あをいろのから衣は。からあやの黃なるきくのうちきそ。うはきなんめる。ひともとあけたり。はしらかくれにて。まほにもみえす。殿。わか宮いたき奉り給て。おまへにいて奉り給。うへ。いたちうつし奉らせ給ふ程。いさゝかなかせ給ふ御こゑいとわかし。辨宰相のきみ。御はかしとりてまいり給へり。もやの中[のイ]とよりにしに。とのゝうへおはするかたにそ。わか宮はおはしまさせ給ふ。うへ。とにいてさせ給てそ。宰相の君はこなたにかへりて。いとけそうにはしたなき心地しつると。けにおもてうちあかみてゐ給へるかほ。こまかにおかしけなり。衣の色も人よりけにきはやし給へり。くれゆくまゝに。かくともいとおもしろし。上達部おまへにさふらひ給ふ。萬さい