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緖言

小子久しく北海道に遊ひ地方を跋涉する每に二三の蝦夷人と相提携し山岳水澤の名稱風土物產の有無を聞を以て娛樂となす然れども常に言語の相通ぜざる隔靴の恨み少なからず故に暇あれば彼に問ひ鉛筆に記し行囊裏に收むる茲に年あり頃日閑に乘し囊を開けば紛本錯雜旣に鉛痕の消磨する甚だ多し今文字の存するもの僅に抄錄し來れば尙普通語若干言を剩