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議長、余の判斷に依れば、英國に對する斯る國民的憎惡の念は、已に我が歷史の過去の時代に屬するものであつて、我國人の年少者に於ては、決して斯ることを知つて居ないのみならず、之を否認して居るのである、要するに或時代の行動と運命は、恰度一本の樹が其新芽の時の如何に依りて定まる如く、其前の時代の人々の意見と感情に含まれて居て、其支配を受くべきものなれども、必ずしも閣下の意思、心配、悲痛は前時代の支配を受くべきでない、故に我等は斯る支配を受くべきものよりは、一層幸福なる生活を導くべきものであつて、我等が英國に對する態度は、佛國に對するのも仝樣である。


諸君は今や國民の最後の危機に臨んで居る、諸君が自由の民となるべきか、將た又た奴隸となるべきかは、目下の問題である、人間としての義務若くは國家としての義務よりして、斯る危機に頻し、諸君が萬事に打勝つことは、即ち神に對する祈禱と諸君が相互間に一致して居ることが諸君