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それなるが故に騷がないでゐるのだ。


斷 片 38


俺達は明日が來るんだからなあなぞ口癖に
仲間の肩を叩いて鼻水をたらしてるけつめどの小さな野心家共を鼻の先きで笑ふ
俺達は明日が如何だとごたくを並べる必要を持たない
今日を正しく步む者だけがプロレタリアだと信ずる
そこらで明日の風を吹かしてる腰拔けは
民主々義の泥棒か 敵の廻し者の人情のふりまき屋だ
くつつき合ひで明日がでプロレタリアをかすつてゐる毛蝨だ
明日は今日を正しく步む者だけに輝く花嫁だ