Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/27

提供:Wikisource
このページは校正済みです

    古里の梅や浪速の二年越し

    梅白し年立つ色の小醒ヶ井

     淺草のいほりにて

    留守に來て梅さへ餘所の垣根哉

    江の水に白魚匂へ梅のはな

     伊賀のある方にて

    旅烏古巢は梅になりにけり

    隙とりて八重に咲きけり梅の花

    盛りなる梅に素手引く風もがな

    梅咲くやしらゝ落窪京太郞