Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/195

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    君火たけよきもの見せむ雪丸

     草庵に士あり

    木枕の油ぬぐふや夜の雪

    いざさらば雪見にころぶ所迄

    雪の日や羅紗の羽織にたゝき鞘

    酒のめばいとゞ寐られぬ夜の雪

    湖水から光り出しけり比良の雪

     信濃を過ぐる時

    雪散るや穗屋の芒の刈り殘し

    笠の緖や咽くひしむる不二の雪