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Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/12

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     初瀨にて

春の夜

    春の夜や籠人ゆかし堂の隅

春の暮

    鐘撞かぬ里は何をか春の暮

     田家に春の暮を詫ぶ

    入相の鐘もきこえず春の暮

    白川の春の末なり旅枕

ゆく春

    ゆく春や鳥啼魚の目は泪

    ゆく春に和歌の浦にて追ひつきたり

     望湖水惜春

    ゆく春を近江の人とをしみけり