命ぜられた「モシリ」(世界)及び、之に棲む人間が、作り卒はつたので、其の落成祝として、祝賀式を「シーカント」(最上の天國)に開かれた。式後餘興として、部下の諸の神樣のお子樣方を集めて雪合戰を行はせられた。合戰が酣なる頃どうしたはづみか、一個の雪玉が逸れて「モシリ」(世界)に落下した、造物主はヂツとこれを御覽になり、しばらく何か、お考へになつたが、一箇の「ブシ」(矢入れ)を持ち出して合戰を中止させ、「ブシ」より矢を取出して、各〻のお子樣方に一本づゝ渡されて、「モシリに落ちたる其の雪玉を、一矢にて射たるものは、モシリの支配者として降すべし」と、仰せになつたのである。多くのお子樣方は、此の名譽を、かち得なければならぬと、眞心を込めて順番に射たのであるが、最終の一人を殘す外は、誰