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Page:音訳蒙文元朝秘史.pdf/8

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凡例

一 本書は葉德輝刊行の「元朝祕史」を底本とし、丁數行數に至るまですべて底本の體裁を襲ひ、漢︀ 字にて音譯せられたる蒙古語の左側に、羅馬字にて寫したる推定原音を附記せるものなり。

一 蒙古語原音の標出に當りては、蒙古文語の音譯に普通用ゐらるゝ用式を採用せり。

一 但し葉本第八卷三十五丁は、明かに同卷三十七丁の次に來るべきものなるを以て、その順序 を正し、葉本三十六丁を三十五丁に、三十七丁を三十六丁に、三十五丁を三十七丁に改め、第九 卷十七丁裏三―四行は同卷十九丁表の一―二行と重複せるも、前者︀は總譯を缺ける點より 攙入なること明かなるにより、これを削除せり。因みにこれらは葉本の祖︀本たる文廷式本 に據られし那珂博士の旣に正されし所にして、四部叢刊本も亦誤らず。

一 葉本にありては

​成吉思​​(太祖︀)名​ ​中᠋中᠋罕訥​​皇帝的​ ​忽札兀舌᠋兒​​根源​(第一卷一丁a)

の如く、人名には雙鉤、單語には單鉤の傍線を附し〈[#Wikiでは雙鉤と單鉤を表現するのは難しいため、雙鉤と單鉤を省いた]〉、各語の關係を明かにせるも、本書にありて は羅馬字音譯により相互の關聯明瞭なるを以て、これを削除せり。