Page:小倉進平『南部朝鮮の方言』.djvu/11

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  1. 本書は便宜上、音韻・語法・語彙の三部に分つて分布の狀態を示した。
  2. 語彙編中、길(路)を질、김(海苔)を짐、기등(柱)を지등などいふ如く、kのchに變じ、형(兄)を셩、힘(力)を심などいふ如く、hのSに變じ、それが各道に一般に行はれる場合には、特別の場合を除く外はすべて之を省略することにした。
  3. 語彙編中ᄭᅩ치(繭)をᄭᅩ추、도마(爼)を도매といふ如く、母音の一部の轉訛に過ぎざるものは、特別の場合を除く外は列擧せぬことにした。
  4. 蒐集せられた語彙は其の數極めて多數に達するけれども、一々之を列擧する遑が無い。故に本編に於ては其の中の重なるもの二百七十餘語を提示することにした。而して揭出の方法は先づ京城語を代表語として擧げ、其の下に各地の方