Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/30

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『人は只社會によりてのみ人となる』――倫理的生物と倫理的境遇――狼に養はれて獸類に退化せる小兒の事例――獸類の如く退化する變化性は神の如く進化する變化性なり――遺傳と境遇――模倣性の說明――現代の人は凡て狼の手に養はれつゝあり――空腹即ち犯罪飽腹即ち犯罪と云ふ意味――社會主義と個人の責任――思想の獨立信仰の自由あるは其の獨立信仰を認むる社會良心あるを以てなり――社會主義の自由論の眞意義――純正社會主義は個人主義の進化を繼承す――私有財産制と個人主義――社會主義は亦私有財産制の進化を繼承す――經濟上の獨立と政治上及び道德上の獨立――私有財産制度の高貴なる意義と民主々義――經濟的貴族國の現代として政治の自由なく道德の獨立なし――現社會に個人の自由なきは其の根底たる個人の私有財産なくなれるを以てなら――社會主義時代には個人は他の如何なる個人にも屬せずして社