鹿児島県景観条例

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 鹿児島県景観条例をここに公布する。

平成19年12月25日
鹿児島県知事  伊藤祐一郎

鹿児島県条例第62号

鹿児島県景観条例

 私たちの鹿児島県は、南北約600キロメートルに及ぶ広大な県土を有し、桜島鹿児島湾霧島指宿佐多岬屋久島奄美の島々など雄大で美しい自然、知覧、出水等の武家屋敷群などに見られる地域固有の歴史や文化、人々の暮らし等が織り成す多彩で豊かな景観がはぐくまれてきた。

 このような景観は、私たちの暮らしに潤いや活力を与え、郷土に対する誇りや愛着をはぐくむとともに、訪れる人々に地域の魅力を感じさせ、観光や人々の交流の促進に大きな役割を担ってきた。

 しかしながら、近年、都市化の進展や過疎化、少子高齢化等により、都市や農山漁村において、これまではぐくまれてきた景観が失われる状況も見られる。

 今こそ、私たちは、良好な景観の価値を改めて認識し、県民共通の資産として守り、育て、また、新たに創出していかなければならない。

 都市、農山漁村それぞれの特色を生かした、また、空間的な広がりのある本県の個性豊かで良好な景観の形成を促進し、その恩恵を県民が将来にわたって享受できるようにするためには、地域の資源を生かしながら、県、市町村、県民、事業者等の多様な主体が連携し、長い年月をかけて、持続的にその形成に取り組んでいく必要がある。

 ここに、私たちは、共に力を合わせて良好な景観の形成に取り組むことにより、本県の特色を生かした美しく風格のある景観をつくり、これを将来の世代に引き継いでいくことを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、良好な景観の形成に関し、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、良好な景観の形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、本県の個性豊かで良好な景観の形成を促進し、もって県民生活の向上並びに地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 良好な景観は、潤いのある豊かな生活環境をつくり出すこと及び郷土に対する誇りや愛着をはぐくむことに寄与するものであることにかんがみ、県民共通の資産として、現在及び将来の県民がその恩恵を享受できるよう、その整備及び保全が図られなければならない。

2 良好な景観は、地域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等との調和により形成されるものであり、また、地域の固有の特性と密接に関連するものであることにかんがみ、地域住民の意向を踏まえ、それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう、その多様な形成が図られなければならない。
3 良好な景観は、観光その他の地域間の交流の促進に大きな役割を担うものであることにかんがみ、地域の活性化に資するよう、県、市町村及び県民等(県民、事業者及びこれらの者の組織する団体をいう。以下同じ。)により、共生と協働(相互に特性や役割を認識し、及び尊重し合いながら、対等な立場で、協力することをいう。)を旨として、その形成に向けて一体的な取組がなされなければならない。

(県の責務)

第3条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、良好な景観の形成に関する総合的かつ広域的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(県民の役割) 第4条 県民は、基本理念にのっとり、良好な景観の形成に関する理解を深め、良好な景観の形成に取り組むとともに、県又は市町村が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、土地の利用等の事業活動に関し、良好な景観の形成に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市町村への要請等)

第6条 県は、良好な景観の形成の促進における市町村の役割の重要性にかんがみ、市町村に対し、その区域の特性に応じた良好な景観の形成に関する施策を策定し、及び実施すること並びに県が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力することを求めるものとする。

2 県は、市町村が実施する良好な景観の形成に関する施策を支援するため、情報の提供及び技術的助言を行うよう努めるものとする。
3 知事は、市町村が良好な景観の形成に関する施策を策定し、及び実施するために参考となる事項を内容とする指針を作成するものとする。

(基本方針)

第7条 知事は、良好な景観の形成に関する総合的かつ広域的な施策の推進を図るため、良好な景観の形成に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 良好な景観の形成の目標に関する事項
(2) 良好な景観の形成に関する施策に関する基本的な事項
(3) 広域的な良好な景観の形成に関する事項
(4) 県が設置し又は管理する施設及びその周辺の地域における良好な景観の形成に関する事項
(5) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観の形成に関する総合的かつ広域的な施策を推進するために必要な事項
3 知事は、景観をめぐる情勢の変化により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。
4 知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。基本方針を変更したときも、同様とする。

(普及啓発)

第8条 県は、良好な景観の形成の必要性について、県民等の理解を深めるため、普及啓発に努めるものとする。

(県民等に対する支援)

第9条 県は、県民等による良好な景観の形成に関する取組を促進するため、情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

(表彰)

第10条 知事は、良好な景観の形成に特に功績があったものに対し、表彰を行うものとする。

(公共事業の実施に関する基準)

第11条 知事は、良好な景観の形成に配慮した公共事業の実施に関する基準を定めるものとする。

2 県は、前項に規定する基準に従って、公共事業を実施するものとする。

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

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