長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典あいさつ (2005年)
本日、被爆六十周年の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、原子爆弾の犠牲者の御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
今なお被爆の後遺症に苦しんでいる方々に対して、心からお見舞い申し上げます。 今後とも、高齢化の進行など被爆者の実状に配慮しながら、在外被爆者への支援も含め、援護施策の推進に誠心誠意努力してまいります。
人類史上唯一の被爆国である我が国は、長崎、広島の悲劇を再び繰り返してはならないとの堅い決意の下、今後とも、平和憲法を遵守するとともに、非核三原則を堅持してまいります。 また、国際社会の先頭に立ち、国際的な核軍縮・核不拡散のための取組を推し進め、核兵器の廃絶に全力で取り組んでまいります。
戦後、長崎は、歴史がいきづく観光都市として、大きな発展を遂げました。 今日まで、長崎の復興に尽力してこられた多くの方々に心から敬意を表します。 世界平和実現に向けて取り組んできた市民の願いは、平和の鐘の音とともに、世界中の人々の心に届いています。 本年は、原爆の惨禍を世界に訴えるため、追悼平和祈念館が、アメリカで「海外原爆展」を開催しています。 今後とも、長崎が、平和について世界に発信する国際的な交流拠点都市として発展することを確信します。
終わりに、犠牲となった方々の御冥福と、被爆者並びに御遺族の今後の御多幸をお祈り申し上げます。
平成十七年八月九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
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