コンテンツにスキップ

鐵道震害調査書/第一編/第二章/第六節

提供:Wikisource


第六節 横濱櫻木町間電車線(横濱櫻木町間1哩)

築堤 本區間は殆ど全󠄁部築堤より成る高架線にして,4呎乃至6呎の沈下をなせり。

土留壁 本線路は一部分󠄁の外兩側に築堤土留用混凝土擁壁を設け,約30呎每に伸縮接合を有せしが,この伸縮接合は何れも間𨻶を生じ,擁壁は前󠄁方に押出されて傾斜󠄁,罅裂等を生じたる箇所󠄁あり,而して斯く擁壁の押出されたるため架空󠄁支󠄂持用の鐵塔は上部に於て4,5呎屈曲せり。(附圖󠄃第十三及び寫眞第八十七參照)

橋梁 內田町第一,第二及び第三橋梁は何れも橋臺の前󠄁方に傾斜󠄁し,縱に大なる罅裂を生じ,橫にも亦切斷罅裂を生ぜり。就中內田町第一橋梁橫濱側橋臺は被害󠄂最も大にして修理使󠄁用を困難ならしめたり。

停車場 櫻木町停車場本屋(石造󠄁二階建󠄁),乘降場上家は倒潰全󠄁燒し,擁壁は押出されて沈下崩󠄁又󠄂は罅裂を生ぜる部分󠄁あり。

地下道󠄁 築堤內に設けられたる櫻木町驛地下道󠄁の側壁及び階段側壁に數條の大龜裂(大なるものは幅2呎餘に及ぶ)を生じ,且移動して大破せり。(寫眞八十八乃至第九十參照)

列車 櫻木町驛附近󠄁に於て電車10輛燒失せり。(第十七表及び附圖󠄃第三參照)

信號機 櫻木町驛構內場內信號󠄂機及び出發信號󠄂機3基傾斜󠄁し,一部燒損せり。

道󠄁 築堤の沈下に伴󠄁ひ軌道󠄁亦沈下彎曲等の被害󠄂ありたり。