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野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップ

提供:Wikisource

日米両国は、気候野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する協力の強化にコミットし、4月22-23日の気候サミットやCOP26及びその先に向け、国際社会の気候行動を主導していく。両国は、世界の気温上昇を摂氏1.5度までに制限する努力と一貫した世界の排出軌跡に沿った、両国の2050年実質ゼロ目標及びそれに整合的な2030年目標の達成のため、次の優先分野における二国間協力を強化する。日米両国は、これらの目標と整合的な形で、2030年までに確固たる行動を取ることにコミットした。

1 気候野心とパリ協定の実施に関する協力・対話

日米両国は、気候野心について協力し、パリ協定の国内での実施について対話を行う。この協議は、COP26及びその先を見据え、長期戦略策定における協力を含む、2030年目標/国が決定する貢献(NDC)及び2050年実質ゼロ目標の達成に向けて必要な計画と政策に焦点を当てる。

また、日米両国は、パリ協定ルールブックの未決定の要素の策定を含む、パリ協定の国際的な実施に向けて協働する。

2 気候・クリーンエネルギーの技術及びイノベーション

日米両国は、気候変動対策に取り組み、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵(蓄電池や長期エネルギー貯蔵技術等)、スマートグリッド、省エネルギー、水素、二酸化炭素回収・利用・貯留/カーボンリサイクル、産業における脱炭素化、革新原子力等の分野を含むイノベーションに関する協力の強化により、グリーン成長の実現に向けて協働することにコミットする。また、この協力は、再生可能エネルギー、電力系統最適化、ディマンドレスポンス及び省エネルギーを含む分野における連携を通じて、気候変動に配慮・適応したインフラの開発、普及及び活用を促進する。

3 第三国、特にインド太平洋諸国における脱炭素社会への移行の加速化に関する協力

日米両国は、開発途上国が気候変動の影響に対し特に脆弱であること及び彼らにとっての持続可能な開発の必要性の双方を認識する。日米両国は、2050年までの地球規模の排出実質ゼロの実現に向けて、再生可能エネルギーを迅速に普及させ、経済の脱炭素化を推進し、インド太平洋地域における多様で野心的かつ現実的な移行の道筋を加速化させるため、同地域の国々を含む開発途上国を支援するために協力することへの我々のコミットメントを確認する。この取組は、日米メコン電力パートナーシップ(JUMPP)、新たに設立された日米クリーンエネルギーパートナーシップ(JUCEP)及び世界中で気候変動やクリーンエネルギー分野において日米が連携して国レベルで行う活動を含む、既存の枠組の活用及び日本、米国、第三国のパートナーの気候変動に関する目標を支援するために連携することで達成可能である。

これらの取組は、計画・分析、気候変動に配慮・適応したインフラ開発及び能力構築等の分野における戦略的な連携まで拡がるものである。また、これらは、2050年までの地球規模の排出実質ゼロの達成という目標及びこの目標に沿った各国のNDCの強化に貢献する。日米両国は、気候目標の達成において地方自治体が果たす役割が極めて重要であることを認識し、地方の気候行動を認識し、支援し、加速するための地球規模での行動を促進するために連携する。

日米両国は、公的国際金融を、2050年までの地球規模の温室効果ガス排出実質ゼロ達成及び2020年代の大幅な排出削減に整合的なものとし、官民の資本の流れを、気候変動に整合的な投資に向け、高炭素な投資から離れるよう促進することに取り組む。我々は、インド太平洋地域及びその他のパートナー国における排出実質ゼロへの移行、気候強靭性及び災害リスクのための追加的な官民資金の動員における協力を含む、持続可能な開発、グリーン復興・成長の前進に向けて取り組む。

日米両国は、全ての主要なステークホルダーが、それぞれ立場に見合う形で、国内の排出量削減のための取組に関与し、気候資金への貢献を含む国際的な義務と責任を果たすことを確保するため、他の主要エコノミーを関与させることに共に取り組む。

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