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重大時局に際し各教会に告ぐ

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重大時局に際し各教会に告ぐ  日本基督教団

昭和16年12月8日を以って大詔渙発(たいしょうかんぱつ)せられ、隠忍今日に至りし我国は愈々米英両国と干戈(かんか)を交え、振古未曾有(しんこみぞう)の輪贏(ゆえい)を決するに立ち至った。 是れ我国の自衛並びに東洋永遠の平和確立のため止むを得ざるに出でたものである。我等日本国民たる基督者は今次宣戦の意義を諒解し、国家に赤誠を捧げ国土防衛に挺身戮力するはもちろん、進んで銃後奉公実践に万全を期し遺漏なからんことを期せねばならぬ。 殊に我等基督者は、この非常時に際し、祖国精神界に対する重大な任務を思い、能くその重責に覚醒奮起し、金剛不壊の信念を国民に与え、堅忍不抜毅然不動の精神を養い以って祖国に負う我等の使命を完うせねばならぬ。 仍て此の際特に左の各項に留意あらんことを望む。

  • 祈祷あるところ必ず勝利あり。この際基督者は祖国のため結束して祈祷に励むべし
  • 和協一致して愛国の赤心を高揚すべし
  • 日々各職域に於いて、心より報国の悃を効し人々の範となるべし
  • 如何なる事態に処するも、基督者としての冷静沈着の態度を失わず、弥々信仰と愛と希望とを発揚すべし
  • 祝会その他従来の観念によりて行わるる催は一切之を謹み、万事質実を旨とすべし
  • 予て組織され待機せる基督教報国団を新事態に即応して活発に運営すべし

1941年12月9日 

日本基督教団教団統理者 富田 満