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遺言の方式の準拠法に関する法律

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遺言の方式の準拠法に関する法律をここに公布する。

御  名    御  璽

昭和三十九年六月十日

内閣総理大臣  池田  勇人

法律第百号

遺言の方式の準拠法に関する法律

(趣旨)

第一条  この法律は遺言の方式の準拠法に関し必要な事項を定めるものとする。

(準拠法)

第二条  遺言はその方式が次に掲げる法のいずれかに適合するときは、方式に関し有効とする。

  行為地法

  遺言者が遺言の成立または死亡の当時国籍を有した国の法

  遺言者が遺言の成立または死亡の当時住所を有した地の法

  遺言者は遺言の成立または死亡の当事常居所を有した地の法

  不動産に関する法律について、その不動産の所在地法

第三条  遺言を取り消す遺言については、前条の規定による他、その方式が、従前の遺言を同条の規定により有効とする法のいずれかに適合するときも、方式に関して有効とする。

(共同遺言)

第四条  前二条の規定は、二人以上の者が同一の証書でした遺言の方式についても、適用する。

(方式の範囲)

第五条  遺言者の年齢、国籍その他の人的資格による遺言の方式の制限は、方式の範囲に属するものとする。遺言が有効であるために必要とされる証人が有すべき資格についても、同様とする。

(本国法)

第六条  遺言者が地域により法律を異にする国の国籍を有した場合には、第二条第二号の適用については、その国の規則に従い遺言者が属した地方の法を、そのような規則がないときは遺言者が最も密接な関係を有した地方の法律を、遺言者が国籍を有した国の法律とする。

(住所地法)

第七条  第二条第三号の規定の準用については、遺言者が特定の地に住所を有したかどうかは、その地の法によって決める。

  第二条第三号の規定の適用については、遺言の成立又は死亡の当時における遺言者の住所が知れないときは、遺言者がその当時居所を有した地の法を遺言者がその当時住所を有した地の法とする。

(公序)

第八条  外国法によるべき場合において、その規定の適用が明らかに公の秩序に反するときは、これを適用しない。

(施行期日)

1  この法律は、遺言に関する法律の抵触に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

(経過規定)

2  この法律は、この法律の施行前に成立した遺言についても、適用する。ただし、遺言者がこの法律の施行前に死亡した場合には、その遺言については、なお従前の令による。

法例の一部改正)

3  法例(明治三十一年法律第十号)の一部を次のように改正する。

第二十六条第三項を削る。

第三十条の次に次の一条を加える。

第三十一条  本法ハ遺言ノ方式ニ付テハ之ヲ適用セズ但第二十七条第二項及ビ第二十八条第一項ノ規定ハ此限ニ在ラズ

民法の一部改正)

4  民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

第二十三条中「法例ノ定ムル所」を「法例其他準拠法ヲ定ムル法律」に改める。

法務大臣  賀屋  興宣

内閣総理大臣  池田  勇人



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