軍人誓文

提供:Wikisource

玆ニ滿洲國軍人誓文ヲ制定シタリ 凡ソ我國軍官佐士兵ハ均シク此ニ依リテ宣誓スベシ 玆ニ之ヲ公布ス

滿洲國軍人誓文

我滿洲國建國ノ精神ハ、廣ク王道ヲ布キ、和平ノ樂土ヲ建設シ、民族ノ協和ヲ實現シ、以テ萬衆ノ康寧ヲ圖ルニ在リ。滿洲國軍ハ元首統率ノ下ニ直隸シ、對内ハ則國家ヲ保安スルノ任アリ、對外ハ則國威ヲ宣揚スルノ責アリ。

此次國軍ニ編入スル人員ハ、均シク高遠ノ使命ヲ恪奉シ、左記ノ各條ヲ嚴守シ、以テ軍人ノ本分ニ違背セザルヲ期スベシ。

第一條 忠誠信義ヲ以テ本ト爲シ、行ハ必ズ言ヲ践ミ、絲毫ノ不忠不信ノ行爲ナキヲ期ス。
第二條 上官ノ命令ハ、何レノ時何レノ地タルヲ論セズ、直チニ遵行シ、以テ軍紀ノ尊嚴ヲ確保スルヲ期ス。
第三條 容止ヲ整飭シ、禮節ヲ嚴肅シ、上ヲ敬シ下ヲ愛シ、粗暴倨傲ノ行爲ナキヲ期ス。
第四條 兵器ヲ擅用シ及越職妄言等此ノ種ノ非法行爲ハ世人ノ猜忌ヲ招キ易シ、宜シク之ヲ絕禁スベシ。
第五條 任務ヲ重ンジ、職責ヲ盡シ、協力一致シ、尤モ敵前ニ於テ稍畏怯ノ行爲アルヲ得ズ。
第六條 廉恥ヲ尙ビ、名譽ヲ重ンジ、卑劣貪汚ノ行爲アリ軍人ノ體面ヲ傷クルヲ得ズ。
第七條 官有用品ヲ尊重シ、公私ノ界限ヲ嚴定シ、尤モ力メテ公益ヲ謀リ私慾ヲ蠲除スベシ。
第八條 體ヲ衛リ生ヲ養ヒ、奢ヲ去リ儉ヲ尙ビ、軍務ニ勵精シ、以テ極端ニ軍力ヲ發揚スルヲ期ス。

上記八條ハ誠ヲ竭シ服膺スルヲ誓願ス、萬一稍違反アレバ、甘ジテ嚴罰ヲ受ク、決シテ異議ナシ。

この著作物は、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)50年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は、アメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。