財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律

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本則[編集]

(遺族会に対する無償貸付け)

第一条
政府は、次条第二項の規定により同項の特定施設を取得した場合において、一般財団法人日本遺族会(昭和二十八年三月十一日に財団法人日本遺族会という名称で設立された法人をいう。以下「遺族会」という。)が元の軍人軍属で公務により死亡した者の遺族の福祉を目的とする事業であつて厚生労働大臣の指定するものの用に供するときは、遺族会に対し、当該特定施設を、他の法令の規定にかかわらず、無償で貸し付けることができる。

(民間事業者に対する土地の貸付け及びその土地の上の特定施設の取得)

第二条
政府は、民間事業者に対し、別表に掲げる土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とに資する建物の所有を目的として当該土地を貸し付けることができる。
2 政府は、前条の規定による貸付けに充てるため、前項の規定による貸付けの対価の一部として、同項の土地の上の一棟の建物の一部(以下「特定施設」という。)を取得することができる。

(用途の制限)

第三条
遺族会は、第一条の規定により貸付けを受けた特定施設を同条に規定する事業以外の事業の用に供してはならない。

(監督)

第四条
第一条の規定により遺族会に対し特定施設が貸し付けられたときは、厚生労働大臣は、その貸付けの目的が有効に達せられることを確保するため、遺族会に対して、次に掲げる権限を有する。
一 事業又は会計の状況に関し報告を徴すること。
二 貸付けの目的に照らして、遺族会の予算が不適当であると認める場合において、その予算について必要な変更をなすべき旨を勧告すること。
三 遺族会の役員が法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は寄附行為に違反した場合において、その役員を解職すべき旨を勧告すること。
2 財務大臣は、遺族会が前条の規定に違反したとき、又は前項の規定による措置に従わなかつたときは、厚生労働大臣の意見を聴き、第一条の規定による貸付けの契約を解除することができる。ただし、他の方法により監督の目的を達することができない場合に限る。
3 第一項第三号の規定により解職を勧告する場合においては厚生労働大臣、前項の規定により契約を解除する場合においては財務大臣は、それぞれ、解職しようとする役員又は遺族会に弁明する機会を与えなければならない。この場合においては、解職しようとする役員又は遺族会に対し、あらかじめ、書面をもつて、弁明すべき日時、場所及びその処分をなすべき理由を通知しなければならない。

附 則[編集]

この法律は、公布の日から施行する。

附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日

附 則 (平成二六年一一月二八日法律第一三二号)[編集]

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この法律の施行の際現に改正前の財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律第一条の規定によりされている貸付けについては、同法の規定は、この法律の施行後も、改正後の一般財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付け等に関する法律第二条第一項の規定により同項の土地が貸し付けられる日の前日又はこの法律の施行の日から起算して一年を経過する日のいずれか早い日までの間、なおその効力を有する。

別表(第二条関係)[編集]

一 東京都千代田区九段南一丁目五番一 所在

宅地 七千八百七十一・七〇平方メートル

二 東京都千代田区九段南一丁目五番六 所在

宅地 八百十二・〇二平方メートル

三 東京都千代田区九段南一丁目五番九 所在

宅地 二十八・八七平方メートル

四 東京都千代田区九段南一丁目五番十 所在

宅地 百四・七三平方メートル

五 東京都千代田区九段南一丁目五番十一 所在

宅地 三十八・六二平方メートル

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