被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法/平成15年06月01日
平成14年改正後の法律
[編集]法律第四十三号
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、大規模な火災、震災その他の災害により滅失した区分所有建物の再建等を容易にし、もって被災地の健全な復興に資することを目的とする。
(再建の集会)
第二条 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分が属する一棟の建物(以下「区分所有建物」という。)の全部が滅失した場合において、その建物に係る同条第六項に規定する敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であったときは、その権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者は、次条第一項の決議をするための集会を開くことができる。
2 前項の規定による集会(以下「再建の集会」という。)における敷地共有持分等を有する者(以下「敷地共有者等」という。)の各自の議決権は、敷地共有持分等の価格の割合による。
3 再建の集会は、議決権の五分の一以上を有する敷地共有者等が招集する。
4 再建の集会における招集の手続については区分所有法第三十五条第一項本文、第二項及び第五項並びに第三十六条の規定を、議事及び議決権の行使については区分所有法第三十九条及び第四十条の規定を、議長については区分所有法第四十一条の規定を、議事録の作成については区分所有法第四十二条第一項から第四項までの規定を、議事録並びにこの項において準用する区分所有法第四十五条第一項及び第二項に規定する書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに同条第一項及び第二項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作られる電磁的記録(以下「議事録等」という。)の保管及び閲覧については区分所有法第三十三条第一項本文及び第二項の規定を、書面又は電磁的方法による決議については区分所有法第四十五条第一項から第三項まで及び第五項の規定を準用する。この場合において、区分所有法第三十三条第一項本文中「管理者」とあるのは「敷地共有者等で再建の集会の決議で定める者」と、区分所有法第三十五条第一項本文、第三十六条、第三十九条第三項、第四十二条第三項及び第四項並びに第四十五条第一項及び第二項中「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等」と、区分所有法第三十五条第二項及び第四十条中「専有部分が数人の共有に属するとき」とあるのは「一の専有部分を所有するための敷地利用権に係る敷地共有持分等を数人で有するとき」と、区分所有法第三十五条第五項中「場合において、会議の目的たる事項が第十七条第一項、第三十一条第一項、第六十一条第五項、第六十二条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条第七項に規定する決議事項であるときは」とあるのは「場合においては」と、区分所有法第三十九条第一項中「この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数」とあるのは「この法律に別段の定めがない限り、敷地共有者等の議決権の過半数」と、区分所有法第四十一条中「規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人」とあるのは「別段の決議をした場合を除いて、再建の集会を招集した敷地共有者等の一人」と、区分所有法第四十二条第一項中「電磁的記録」とあるのは「電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)」と、区分所有法第四十五条第一項から第三項まで中「この法律又は規約により」とあるのは「この法律により」と読み替えるものとする。
(再建の決議等)
第三条 再建の集会においては、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、滅失した区分所有建物に係る区分所有法第二条第五項に規定する建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議(以下「再建の決議」という。)をすることができる。
2 再建の決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 新たに建築する建物(以下「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
3 前項第三号及び第四号の事項は、各敷地共有者等の衡平を害しないように定めなければならない。
4 再建の決議をした再建の集会の議事録には、その決議についての各敷地共有者等の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。
5 再建の決議は、その区分所有建物の滅失に係る災害を定める前条第一項の政令の施行の日から起算して三年以内にしなければならない。
6 再建の決議があった場合については、区分所有法第六十三条第一項から第三項まで、第四項前段、第六項及び第七項並びに第六十四条の規定を準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第一項から第三項まで及び第四項前段並びに第六十四条中「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等」と、区分所有法第六十三条第一項、第三項及び第四項前段並びに第六十四条中「建替えに」とあるのは「再建に」と、区分所有法第六十三条第四項前段中「区分所有権及び敷地利用権」とあり、並びに区分所有法第六十三条第六項及び第六十四条中「区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「敷地共有持分等」と、区分所有法第六十三条第六項及び第七項中「建物の取壊しの工事」とあるのは「建物の再建の工事」と、区分所有法第六十四条中「建替えを行う」とあるのは「再建を行う」と読み替えるものとする。
(敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例)
第四条 第二条第一項の政令で定める災害により全部が滅失した区分所有建物に係る敷地共有者等は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項本文(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その政令の施行の日から起算して一月を経過する日の翌日以後当該施行の日から起算して三年を経過する日までの間は、敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない。ただし、五分の一を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合その他再建の決議をすることができないと認められる顕著な事由がある場合は、この限りでない。
(建物の一部が滅失した場合の復旧等に関する特例)
第五条 第二条第一項の政令で定める災害により区分所有建物の一部が滅失した場合についての区分所有法第六十一条第十二項の規定の適用については、同項中「建物の一部が滅失した日から六月以内に」とあるのは、「その滅失に係る災害を定める被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成七年法律第四十三号)第二条第一項の政令の施行の日から起算して一年以内に」とする。
(過料)
第六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした者は、二十万円以下の過料に処する。
一 議事録等を保管する者が第二条第四項において準用する区分所有法第三十三条第二項の規定に違反して、正当な理由がないのに、議事録等の閲覧を拒んだとき。
二 再建の集会の議長が第二条第四項において準用する区分所有法第四十二条第一項から第四項までの規定に違反して、議事録を作成せず、又は議事録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
改正法の附則
[編集]附 則 (平成14年12月11日法律第百四十号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
第八条 この法律の施行前に招集の手続が開始された再建の集会においてこの法律の施行後にする再建の決議については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前にした旧区分所有法又は附則第七条の規定による改正前の被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 憲法その他の法令
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
- 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
- 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
- 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道
この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。