第三京浜道路の性格に関する建設省提示案

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第三京浜道路の性格に関する建設省提示案(だいさんけいひんのせいかくにかんするけんせつしょうていじあん)

  1. 一級国道のバイパスとすることの問題点
    1. 一級国道1号線(第二京浜)も、一級国道15号線(第一京浜)も共に重要経過地が夫々川崎市紺屋町及び川崎市池田町となって居り、第三京浜のルートは何れの地をも経過して居ないので、現行法令では何れの国道のバイパスとすることも出来ない。強いて一国のバイパスとするには法令を改正して重要経過地を変更せねばならないが、これには道路審議会の議決が必要であり、一国1号又は15号のバイパスとしてそれらに隣接する県道(中原街道)を飛び越えて指定することは困難とみられる。
    2. 仮に法令を改正して一国のバイパスに指定したとしても起終点を一国上に設けねばならず、その為には例えば放射3号(都道)を一国とせねばならぬようなことになり、バイパスの一部を専用道路とするのは道路法第48条の2の(2)項に基づく公安委員会・運輸省との諒解事項により極めて困難である。
    3. 法規的には第三京浜道路を延長して一級国道に結び、全線を新設して自動車専用道路とすることは可能であるが、実際問題として放射3号線に隣接して新設しなければならず、都内の受入れ態勢から言っても計画局、東京都に難点がある。また計画局提案の如く将来首都高速道路3号線(渋谷駅)を延長して結ぶということになれば、3号線は都道であるので尚更一国のバイパスとはならない。
  2. 二級国道に指定することの問題点
    1. 二級国道に指定するには道路審議会の議決を要する。この事務手続きを早急に行うことにつき建設省側に難点がある。
    2. 二級国道に指定されたとしても更にこれを自動車専用道路にするためには道路法第48条の2の(2)の規定により道路管理者(都知事、神奈川県知事、横浜市長)が共同して専用道路の指定をする必要がある。
    3. 道路管理者に対する措置上の協議は府県道の場合と同じである。
    4. 路線については、二国の指定をするには先ず二国東京厚木線に結ばねばならない。その場合全線を新設するならば自動車専用道路とすることは道路法第48条の2の(1)項により法規的には可能であるが、そのためにルートを変更せねばならず計画局提案の受け入れ態勢にも反する。