租税特別措置法/第二章
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第二章 所得税法の特例
[編集]第一節 利子所得及び配当所得
[編集](利子所得の分離課税等)
第三条
第三条
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が平成二十八年一月一日以後に国内において支払を受けるべき所得税法第二十三条第一項に規定する利子等で次に掲げるもの以外のもの(同法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収を行わないものとして政令で定めるもの(次条において「不適用利子」という。)を除く。以下この条において「一般利子等」という。)については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その支払を受けるべき金額に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する。
一 特定公社債(第三十七条の十第二項第七号に掲げる公社債のうち第三十七条の十一第二項第一号又は第五号から第十四号までに掲げるものをいう。第四号において同じ。)の利子
二 公社債投資信託で、その設定に係る受益権の募集が公募(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたもの又はその受益権が第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等に該当するものの収益の分配
三 公募公社債等運用投資信託の収益の分配
四 特定公社債以外の公社債の利子で、その支払の確定した日(無記名の公社債の利子については、その支払をした日)においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合に当該公社債の利子の支払をした法人が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおける当該株主その他の政令で定める者が支払を受けるもの
2 前項の規定は、恒久的施設を有する非居住者が支払を受ける一般利子等で、所得税法第百六十四条第一項第一号イに掲げる国内源泉所得に該当しないものについては、適用しない。
3 平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき一般利子等の支払を受ける居住者又は非居住者及びその支払をする者並びに業務に関連して他人のために名義人として一般利子等の支払を受ける者から当該一般利子等の支払を受ける居住者又は非居住者及び当該名義人として当該一般利子等の支払を受ける者については、所得税法第二百二十四条、第二百二十五条第一項及び第二百二十八条第一項並びに次条のうち当該一般利子等に係る部分の規定は、適用しない。
(利子所得等に係る支払調書の特例)
第三条の二
第三条の二
居住者若しくは恒久的施設を有する非居住者又は内国法人若しくは恒久的施設を有する外国法人に対し国内において平成二十八年一月一日以後に支払うべき所得税法第二十三条第一項に規定する利子等(不適用利子を除く。)又は投資信託(公社債投資信託、特定株式投資信託(信託財産を株式のみに対する投資として運用することを目的とする証券投資信託のうち、その受益権が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されていることその他の政令で定める要件に該当するものをいう。以下この節において同じ。)及び公募公社債等運用投資信託を除く。)若しくは特定受益証券発行信託の収益の分配に係る所得税法第二十四条第一項に規定する配当等(同項に規定する剰余金の配当(以下この節において「剰余金の配当」という。)を除く。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、当該利子等又は配当等の支払に関する同法第二百二十五条第一項の調書を同一の居住者若しくは恒久的施設を有する非居住者又は内国法人若しくは恒久的施設を有する外国法人に対する一回の支払ごとに作成する場合には、同項の規定にかかわらず、当該調書をその支払の確定した日(無記名の公社債の利子又は無記名の貸付信託、投資信託(特定株式投資信託を除く。)若しくは特定受益証券発行信託の受益証券の収益の分配に関するものについては、その支払をした日)の属する月の翌月末日までに税務署長に提出しなければならない。
(国外で発行された公社債等の利子所得の分離課税等)
第三条の三
第三条の三
居住者が、平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき国外において発行された公社債(国その他の者が発行した外国通貨で表示された公社債で政令で定めるもの(次項において「外貨建公社債」という。)を除く。)又は公社債投資信託の受益権の利子又は収益の分配に係る所得税法第二十三条第一項に規定する利子等で第三条第一項第一号及び第二号に掲げるもの以外のもの(国外において支払われるものに限る。以下この条において「国外一般公社債等の利子等」という。)につき、国内における支払の取扱者で政令で定めるもの(以下この条において「支払の取扱者」という。)を通じてその交付を受ける場合には、その支払を受けるべき国外一般公社債等の利子等については、同法第二十二条及び第八十九条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その支払を受けるべき金額に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する。
2 内国法人は、平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき国外において発行された公社債(外貨建公社債を除く。)又は公社債投資信託若しくは公募公社債等運用投資信託の受益権の利子又は収益の分配に係る所得税法第二十三条第一項に規定する利子等(国外において支払われるものに限る。以下この条において「国外公社債等の利子等」という。)につき、国内における支払の取扱者を通じてその交付を受ける場合には、その支払を受けるべき国外公社債等の利子等について所得税を納める義務があるものとし、その支払を受けるべき金額に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する。
3 平成二十八年一月一日以後に居住者又は内国法人に対して支払われる国外公社債等の利子等の国内における支払の取扱者は、当該居住者又は内国法人に当該国外公社債等の利子等の交付をする際、その交付をする金額(当該国外公社債等の利子等が国外一般公社債等の利子等である場合において、次項に規定する外国所得税の額があるときは、その額を加算した金額)に百分の十五の税率を乗じて計算した金額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
4 前二項の場合において、平成二十八年一月一日以後に居住者又は内国法人が支払を受けるべき国外公社債等の利子等につきその支払の際に課される所得税法第九十五条第一項に規定する外国所得税(政令で定めるものを含む。)の額があるときは、次に定めるところによる。
一 当該国外公社債等の利子等が国外一般公社債等の利子等である場合には、当該外国所得税の額は、前項の規定により徴収して納付すべき当該国外一般公社債等の利子等に係る所得税の額を限度として当該所得税の額から控除するものとし、当該居住者に対する所得税法第九十五条の規定の適用については、ないものとする。
二 当該国外公社債等の利子等が国外一般公社債等の利子等以外の国外公社債等の利子等である場合には、第二項に規定する支払を受けるべき金額は、当該国外公社債等の利子等の額から当該外国所得税の額に相当する金額を控除した後の金額とする。
5 第三項の規定により徴収して納付すべき所得税は、所得税法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に係る所得税とみなして、同法、国税通則法及び国税徴収法の規定を適用する。この場合において、国外公社債等の利子等の支払を受けるべき者が内国法人であるときは、当該内国法人に対する法人税法の規定の適用については、同法第六十八条第一項及び第八十一条の十四第一項中「又は賞金」とあるのは「若しくは賞金又は租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第三条の三第二項(国外で発行された公社債等の利子所得の分離課税等)に規定する国外公社債等の利子等」と、「同法」とあるのは「所得税法又は租税特別措置法」とする。
6 所得税法別表第一に掲げる内国法人又は第八条第一項に規定する金融機関(内国法人に限る。)若しくは同条第二項に規定する金融商品取引業者等(内国法人に限る。)が、国外公社債等の利子等の支払を受ける場合において、政令で定めるところにより、当該支払を受けるべき国外公社債等の利子等につきこの項の規定の適用を受けようとする旨その他財務省令で定める事項を記載した申告書を当該国外公社債等の利子等の国内における支払の取扱者を経由して税務署長に提出したときは、当該国外公社債等の利子等については、第二項及び第三項の規定は、適用しない。
7 国外一般公社債等の利子等以外の国外公社債等の利子等につき第三項の規定により所得税が徴収されるべき場合には、当該国外公社債等の利子等を有する居住者については、当該国外公社債等の利子等が内国法人から支払を受けるものであるときは第一号に定めるところにより、当該国外公社債等の利子等が内国法人以外の者から支払を受けるものであるときは同号及び第二号に定めるところにより、第八条の五の規定を適用する。
一 当該国外公社債等の利子等の国内における支払の取扱者から交付を受けるべき金額については、当該金額を第八条の五第四項に規定する支払を受けるべき利子等の額とみなす。
二 当該国外公社債等の利子等については、これを内国法人から支払を受けるものとみなす。
8 第五項及び前項に定めるもののほか、国外公社債等の利子等に係る所得税法第二百二十四条及び第二百二十五条の規定の特例その他第一項から第四項まで及び第六項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税に係る限度額の特例)
第三条の四
第三条の四
国内に住所を有する個人で所得税法第十条第一項に規定する障害者等(次条において「障害者等」という。)であるものが、平成六年一月一日以後に同項に規定する預入等をする同項に規定する預貯金、合同運用信託、特定公募公社債等運用投資信託又は有価証券に係る同法第十条の規定の適用については、同条第七項第一号中「三百万円」とあるのは、「三百五十万円」とする。
(障害者等の少額公債の利子の非課税)
第四条
第四条
国内に住所を有する個人で障害者等であるものが、金融商品取引業者又は金融機関で政令で定めるものの営業所又は事務所(以下この項において「販売機関の営業所等」という。)において、国債及び地方債で政令で定めるもの(以下この項及び第三項において「公債」という。)を購入する場合において、政令で定めるところにより、その購入の際その公債につきこの項の規定の適用を受けようとする旨、その者の氏名、生年月日及び住所並びに障害者等に該当する旨その他必要な事項を記載した書類(以下この項において「特別非課税貯蓄申込書」という。)を提出したときは、その公債の利子の各計算期間ごとにその計算期間を通じて(その公債が当該計算期間の中途において購入したものである場合には、その購入の日の属する計算期間については、同日から当該計算期間の終了の日までの期間を通じて)次に掲げる要件を満たす場合に限り、当該計算期間に対応する利子については、所得税を課さない。
一 その公債につき社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)に規定する振替口座簿への記載又は記録その他の政令で定める方法により管理されていること。
二 その公債の額面金額と当該販売機関の営業所等において特別非課税貯蓄申込書を提出して購入した他の公債の額面金額との合計額が、その個人が当該販売機関の営業所等を経由して提出した次項において準用する所得税法第十条第三項の特別非課税貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額(同条第四項の申告書の提出があつた場合には、その提出の日以後においては、変更後の最高限度額)を超えないこと。
2 所得税法第十条第二項から第八項までの規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「非課税貯蓄申告書」とあるのは「特別非課税貯蓄申告書」と、同条第二項及び第八項中「非課税貯蓄申込書」とあるのは「特別非課税貯蓄申込書」と、同条第三項、第七項及び第八項中「第一項」とあるのは「租税特別措置法第四条第一項」と読み替えるものとする。
3 国内に住所を有する個人で障害者等であるものが、平成六年一月一日以後に購入する公債に係る前二項の規定の適用については、前項において準用する所得税法第十条第七項第一号中「三百万円」とあるのは、「三百五十万円」とする。
(勤労者財産形成住宅貯蓄の利子所得等の非課税)
第四条の二
第四条の二
勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)第二条第一号に規定する勤労者が、金融機関又は金融商品取引業者で政令で定めるものの営業所又は事務所(以下この条及び次条において「金融機関の営業所等」という。)において同法第六条第四項に規定する勤労者財産形成住宅貯蓄契約(以下この条において「勤労者財産形成住宅貯蓄契約」という。)に基づく預貯金、合同運用信託若しくは有価証券又は生命保険若しくは損害保険の保険料若しくは生命共済の共済掛金で政令で定めるもの(以下この条において「財産形成住宅貯蓄」という。)の預入、信託若しくは購入又は払込み(以下この条及び次条において「預入等」という。)をする場合において、政令で定めるところにより、その預入等の際当該財産形成住宅貯蓄につきこの項の規定の適用を受けようとする旨その他必要な事項を記載した書類(以下この条において「財産形成非課税住宅貯蓄申込書」という。)を、同法第二条第二号に規定する賃金の支払者(所得税法第百九十四条第七項に規定する給与所得者の扶養控除等申告書の提出の際に経由した支払者に限る。)の事務所、事業所その他これらに準ずるもので当該賃金の支払事務を取り扱うもの(以下この条において「勤務先」という。)(当該賃金の支払者(勤労者財産形成促進法第十四条第二項に規定する中小企業の事業主に限る。第四項において「特定賃金支払者」という。)が勤労者財産形成住宅貯蓄契約に係る事務を同法第十四条第二項に規定する事務代行団体(以下この条において「事務代行団体」という。)に委託をしている場合には、勤務先及び当該委託に係る事務代行団体の事務所その他これに準ずるもので当該事務を行うもの。以下この条において「勤務先等」という。)を経由して提出したときは、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定めるものについては、所得税を課さない。
一 その預貯金の元本とその金融機関の営業所等において財産形成非課税住宅貯蓄申込書を提出して預入した他の預貯金の元本との合計額が、その預貯金の利子の計算期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額(第五項の申告書の提出があつた場合には、その提出の日以後においては、変更後の最高限度額。以下この項において同じ。)を超えない場合 その預貯金の当該計算期間に対応する利子
二 その合同運用信託の元本とその金融機関の営業所等において財産形成非課税住宅貯蓄申込書を提出して信託した他の合同運用信託の元本との合計額が、その合同運用信託の収益の分配の計算期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合(その合同運用信託が貸付信託である場合には、その収益の分配の計算期間を通じて社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載又は記録その他の政令で定める方法により管理されている場合に限る。) その合同運用信託の当該計算期間に対応する収益の分配
三 その有価証券につき、その利子又は収益の分配の計算期間を通じて(その有価証券が当該計算期間の中途において購入したものである場合には、その購入の日の属する計算期間については、同日から当該計算期間の終了の日までの期間を通じて。以下この号において同じ。)、社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載又は記録その他の政令で定める方法により管理されており、かつ、その有価証券の額面金額又はこれに準ずる金額として政令で定めるもの(以下この条において「額面金額等」という。)とその金融機関の営業所等において財産形成非課税住宅貯蓄申込書を提出して購入した他の有価証券の額面金額等との合計額が、当該計算期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合 その有価証券の当該計算期間に対応する利子又は収益の分配
四 その生命保険若しくは損害保険の保険料の金額又は生命共済の共済掛金の額とその金融機関の営業所等において財産形成非課税住宅貯蓄申込書を提出して払込みをした他の生命保険若しくは損害保険の保険料の金額又は生命共済の共済掛金の額との合計額が、その生命保険若しくは損害保険の保険期間又は生命共済の共済期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合 その生命保険若しくは損害保険又は生命共済に係る契約に基づき支払われる一時金のうち満期返戻金等として政令で定めるものの額から当該生命保険若しくは損害保険又は生命共済に係る保険料の金額又は共済掛金の額の合計額を控除した金額に相当する差益
2 前項の規定は、第四項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書を提出した個人が、その提出後、退職、転任その他の理由により、当該申告書に記載した賃金の支払者に係る前項に規定する勤労者に該当しないこととなつた場合その他の政令で定める場合に該当することとなつたときは、当該申告書の提出の際に経由した金融機関の営業所等において預入等をしている財産形成住宅貯蓄に係る同項各号に掲げる利子、収益の分配又は差益のうち、当該政令で定める場合に該当することとなつた日以後支払を受けるべきもので政令で定めるものについては、適用しない。
3 財産形成非課税住宅貯蓄申込書は、次項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書の提出の際に経由した金融機関の営業所等に対してのみ、提出することができる。
4 第一項の規定は、その者が、次に掲げる事項を記載した申告書(以下この条において「財産形成非課税住宅貯蓄申告書」という。)に、勤務先(特定賃金支払者が勤労者財産形成住宅貯蓄契約に係る事務を事務代行団体に委託をしている場合には、当該委託に係る事務代行団体の事務所その他これに準ずるもので当該事務を行うもの。第七項において同じ。)の長の第四号に掲げる事項を証する書類を添付して、これを勤務先等及び第一項の規定の適用を受けようとする財産形成住宅貯蓄の預入等をしようとする金融機関の営業所等を経由し、最初にその預入等をする日までに、その者の住所地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
一 当該金融機関の営業所等、第一項に規定する賃金の支払者及び勤務先等の名称及び所在地
二 第一項の規定の適用を受けようとする預貯金、合同運用信託若しくは有価証券又は生命保険若しくは損害保険の保険料若しくは生命共済の共済掛金の別
三 当該金融機関の営業所等において預入等をする財産形成住宅貯蓄で第一項の規定の適用を受けようとするものの現在高(有価証券については、額面金額等により計算した現在高とし、生命保険若しくは損害保険の保険料又は生命共済の共済掛金については、払込保険料の金額又は払込共済掛金の額の合計額とする。)に係る最高限度額
四 既に次条第四項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書を提出している場合には、当該申告書に記載した金融機関の営業所等の名称及び同項第三号の最高限度額(同条第五項の規定による申告書を提出した場合には、変更後の最高限度額)
5 財産形成非課税住宅貯蓄申告書を提出した者が、当該申告書に記載した前項第三号に掲げる最高限度額(既にこの項の規定による申告書を提出している場合には、当該申告書に記載した変更後の最高限度額)を変更しようとする場合には、その者は、政令で定めるところにより、その旨及び変更後の最高限度額その他必要な事項を記載した申告書を、当該財産形成非課税住宅貯蓄申告書の提出の際に経由した勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して納税地の所轄税務署長に提出するものとする。
6 前二項の場合において、財産形成非課税住宅貯蓄申告書又は前項の申告書がこれらの規定に規定する金融機関の営業所等に受理されたときは、これらの申告書は、その受理された日にこれらの規定に規定する税務署長に提出されたものとみなす。
7 財産形成非課税住宅貯蓄申告書は、第一項に規定する勤労者が既に当該申告書を提出している場合(政令で定める場合を除く。)には提出することができないものとし、財産形成非課税住宅貯蓄申告書が次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、勤務先は、これを受理することができない。
一 財産形成非課税住宅貯蓄申告書に記載された第四項第三号に掲げる最高限度額が五百五十万円を超えるものである場合
二 財産形成非課税住宅貯蓄申告書に記載された第四項第三号及び第四号に掲げる最高限度額の合計額が五百五十万円を超えるものである場合
8 第三項から前項までに定めるもののほか、第一項の元本及び額面金額等の計算の方法、財産形成非課税住宅貯蓄申込書及び財産形成非課税住宅貯蓄申告書の提出並びに当該申告書を提出した者がその提出後当該申告書に記載した事項を変更した場合又は同項の規定の適用を受けることをやめようとする場合における申告に関する事項その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
9 勤労者財産形成住宅貯蓄契約又はその履行につき、勤労者財産形成促進法第六条第四項第一号ロ若しくはハ、同項第二号ハ若しくはニ又は同項第三号ハ若しくはニに定める要件に該当しないこととなる事実が生じた場合には、当該事実が生じた日前五年内に支払われた第一項各号に掲げる利子、収益の分配又は差益として政令で定めるものについては、同項の規定の適用がなかつたものとし、かつ、当該事実が生じた日において、当該利子、収益の分配又は差益の支払があつたものとみなして、この法律及び所得税法の規定を適用する。この場合において、当該利子、収益の分配又は差益の支払をする者の同法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に関する事項その他この項及び同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(勤労者財産形成年金貯蓄の利子所得等の非課税)
第四条の三
第四条の三
前条第一項に規定する勤労者が、金融機関の営業所等において勤労者財産形成促進法第六条第二項に規定する勤労者財産形成年金貯蓄契約(以下この条において「勤労者財産形成年金貯蓄契約」という。)に基づく預貯金、合同運用信託若しくは有価証券又は生命保険若しくは損害保険の保険料若しくは生命共済の共済掛金で政令で定めるもの(以下この条において「財産形成年金貯蓄」という。)の預入等をする場合において、政令で定めるところにより、その預入等の際当該財産形成年金貯蓄につきこの項の規定の適用を受けようとする旨その他必要な事項を記載した書類(以下この条において「財産形成非課税年金貯蓄申込書」という。)を、前条第一項に規定する賃金の支払者(所得税法第百九十四条第七項に規定する給与所得者の扶養控除等申告書の提出の際に経由した支払者に限る。)の事務所、事業所その他これらに準ずるもので当該賃金の支払事務を取り扱うもの(以下この条において「勤務先」という。)(当該賃金の支払者(勤労者財産形成促進法第十四条第二項に規定する中小企業の事業主に限る。第四項において「特定賃金支払者」という。)が勤労者財産形成年金貯蓄契約に係る事務を同法第十四条第二項に規定する事務代行団体(以下この条において「事務代行団体」という。)に委託をしている場合には、勤務先及び当該委託に係る事務代行団体の事務所その他これに準ずるもので当該事務を行うもの。以下この条において「勤務先等」という。)を経由して提出したときは、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定めるものについては、所得税を課さない。
一 その預貯金の元本とその金融機関の営業所等において財産形成非課税年金貯蓄申込書を提出して預入した他の預貯金の元本との合計額が、その預貯金の利子の計算期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額(第五項の申告書の提出があつた場合には、その提出の日以後においては、変更後の最高限度額。以下この項において同じ。)を超えない場合 その預貯金の当該計算期間に対応する利子
二 その合同運用信託の元本とその金融機関の営業所等において財産形成非課税年金貯蓄申込書を提出して信託した他の合同運用信託の元本との合計額が、その合同運用信託の収益の分配の計算期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合 その合同運用信託の当該計算期間に対応する収益の分配
三 その有価証券の額面金額又はこれに準ずる金額として政令で定めるもの(以下この条において「額面金額等」という。)とその金融機関の営業所等において財産形成非課税年金貯蓄申込書を提出して購入した他の有価証券の額面金額等との合計額が、その有価証券の利子又は収益の分配の計算期間を通じて(その有価証券が当該計算期間の中途において購入したものである場合には、その購入の日の属する計算期間については、同日から当該計算期間の終了の日までの期間を通じて)、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合 その有価証券の当該計算期間に対応する利子又は収益の分配
四 その生命保険若しくは損害保険の保険料の金額又は生命共済の共済掛金の額とその金融機関の営業所等において財産形成非課税年金貯蓄申込書を提出して払込みをした他の生命保険若しくは損害保険の保険料の金額又は生命共済の共済掛金の額との合計額が、勤労者財産形成年金貯蓄契約の締結の日から当該契約に定める年金支払開始日(勤労者財産形成促進法第六条第二項第二号ロ又は第三号ロに規定する年金支払開始日をいう。)までの期間を通じて、その者がその勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して提出した第四項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書に記載された同項第三号に掲げる最高限度額を超えない場合 その生命保険若しくは損害保険又は生命共済に係る契約に基づき支払われる年金(当該契約が災害、疾病その他やむを得ない事情により解約された場合に支払われる解約返戻金その他の政令で定める金銭を含む。)の額のうち当該生命保険若しくは損害保険に係る保険料の金額又は生命共済に係る共済掛金の額の合計額を超える部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する差益
2 前項の規定は、第四項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書を提出した個人が勤労者財産形成年金貯蓄契約に基づく金銭の支払を勤労者財産形成促進法第六条第二項第一号ロ、第二号ロ又は第三号ロに定める方法以外の方法により受けた場合その他の政令で定める場合には、当該勤労者財産形成年金貯蓄契約に基づき預入等をした財産形成年金貯蓄に係る前項各号に掲げる利子、収益の分配又は差益のうち政令で定めるものについては、適用しない。
3 財産形成非課税年金貯蓄申込書は、次項に規定する財産形成非課税年金貯蓄申告書の提出の際に経由した金融機関の営業所等に対してのみ、提出することができる。
4 第一項の規定は、その者が、次に掲げる事項を記載した申告書(以下この条において「財産形成非課税年金貯蓄申告書」という。)に、勤務先(特定賃金支払者が勤労者財産形成年金貯蓄契約に係る事務を事務代行団体に委託をしている場合には、当該委託に係る事務代行団体の事務所その他これに準ずるもので当該事務を行うもの。第七項において同じ。)の長の第四号に掲げる事項を証する書類を添付して、これを勤務先等及び第一項の規定の適用を受けようとする財産形成年金貯蓄の預入等をしようとする金融機関の営業所等を経由し、最初にその預入等をする日までに、その者の住所地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
一 当該金融機関の営業所等、第一項に規定する賃金の支払者及び勤務先等の名称及び所在地
二 第一項の規定の適用を受けようとする預貯金、合同運用信託若しくは有価証券又は生命保険若しくは損害保険の保険料若しくは生命共済の共済掛金の別
三 当該金融機関の営業所等において預入等をする財産形成年金貯蓄で第一項の規定の適用を受けようとするものの現在高(有価証券については、額面金額等により計算した現在高とし、生命保険若しくは損害保険の保険料又は生命共済の共済掛金については、払込保険料の金額又は払込共済掛金の額の合計額とする。)に係る最高限度額
四 既に金融機関の営業所等を経由して前条第四項に規定する財産形成非課税住宅貯蓄申告書を提出している場合には、当該金融機関の営業所等ごとの名称及び当該申告書に記載した同項第三号の最高限度額(同条第五項の規定による申告書を提出した場合には、変更後の最高限度額)
5 財産形成非課税年金貯蓄申告書を提出した者が、当該申告書に記載した前項第三号に掲げる最高限度額(既にこの項の規定による申告書を提出している場合には、当該申告書に記載した変更後の最高限度額)を変更しようとする場合には、その者は、政令で定めるところにより、その旨及び変更後の最高限度額その他必要な事項を記載した申告書を、当該財産形成非課税年金貯蓄申告書の提出の際に経由した勤務先等及び金融機関の営業所等を経由して納税地の所轄税務署長に提出するものとする。
6 前二項の場合において、財産形成非課税年金貯蓄申告書又は前項の申告書がこれらの規定に規定する金融機関の営業所等に受理されたときは、これらの申告書は、その受理された日にこれらの規定に規定する税務署長に提出されたものとみなす。
7 財産形成非課税年金貯蓄申告書は、第一項に規定する勤労者が既に当該申告書を提出している場合(政令で定める場合を除く。)には提出することができないものとし、財産形成非課税年金貯蓄申告書が次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、勤務先は、これを受理することができない。
一 財産形成非課税年金貯蓄申告書に記載された第四項第三号に掲げる最高限度額が五百五十万円(生命保険若しくは損害保険の保険料又は生命共済の共済掛金に係るものその他政令で定めるものにあつては、三百八十五万円)を超えるものである場合
二 財産形成非課税年金貯蓄申告書に記載された第四項第三号及び第四号に掲げる最高限度額の合計額が五百五十万円を超えるものである場合
8 第一項に規定する勤労者が、同項の規定の適用を受けようとする財産形成年金貯蓄を金融機関の営業所等において預入等をした場合には、その者は、当該財産形成年金貯蓄に係る有価証券又は預金証書その他の証書につき、保管の委託、社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載又は記録その他の政令で定める方法により管理されていなければならないものとし、金融機関の営業所等の長は、当該財産形成年金貯蓄の預入等の受入れをする場合には、政令で定めるところにより、各人別の口座を設け、当該財産形成年金貯蓄に関する事項を当該口座により管理しなければならない。
9 第三項から前項までに定めるもののほか、第一項の元本及び額面金額等の計算の方法、財産形成非課税年金貯蓄申込書及び財産形成非課税年金貯蓄申告書の提出並びに当該申告書を提出した者がその提出後当該申告書に記載した事項を変更した場合、同項の規定の適用を受けることをやめようとする場合又は同項の賃金の支払者に係る勤労者でないこととなつた場合における申告に関する事項その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
10 勤労者財産形成年金貯蓄契約又はその履行につき、勤労者財産形成促進法第六条第二項第一号ロ若しくはハ、同項第二号ロ若しくはハ又は同項第三号ロ若しくはハに定める要件に該当しないこととなる事実が生じた場合には、当該事実(当該事実が生じた日が同項第一号ロ又は同項第二号ロ若しくは同項第三号ロに規定する年金支払開始日以後である場合には、当該年金支払開始日以後五年以内に生じた当該事実に限る。)が生じた日前五年内に支払われた第一項各号に掲げる利子、収益の分配又は差益として政令で定めるものについては、同項の規定の適用がなかつたものとし、かつ、当該事実が生じた日において、当該利子、収益の分配又は差益の支払があつたものとみなして、この法律及び所得税法の規定を適用する。この場合において、当該利子、収益の分配又は差益の支払をする者の同法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に関する事項その他この項及び同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(勤労者財産形成貯蓄契約に基づく生命保険等の差益等の課税の特例)
第四条の四
第四条の四
勤労者財産形成促進法第二条第一号に規定する勤労者(第三項において「勤労者」という。)が、同法第六条第一項、第二項又は第四項に規定する勤労者財産形成貯蓄契約、勤労者財産形成年金貯蓄契約又は勤労者財産形成住宅貯蓄契約(第三項において「勤労者財産形成貯蓄契約等」という。)に係る生命保険若しくは損害保険又は生命共済に係る契約(次項において「勤労者財産形成貯蓄保険契約等」という。)に基づき支払を受ける差益(当該勤労者財産形成貯蓄契約に基づき支払われる一時金のうち満期返戻金等として政令で定めるものの額から当該生命保険若しくは損害保険に係る保険料の金額又は生命共済に係る共済掛金の額の合計額を控除した残額又は第四条の二第一項第四号若しくは前条第一項第四号に規定する差益をいう。)については、所得税法第二十三条第一項に規定する利子等とみなして、同法及びこの章の規定を適用する。
2 勤労者財産形成貯蓄保険契約等に係る生命保険若しくは損害保険の保険料又は生命共済の共済掛金については、所得税法第七十六条第一項から第四項まで及び第七十七条第一項の規定は、適用しない。
3 勤労者が、勤労者財産形成貯蓄契約等に基づき購入した証券投資信託(その設定に係る受益権の募集が第三条第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の受益権につき、当該証券投資信託の終了(当該証券投資信託の信託の併合に係るものである場合にあつては、当該証券投資信託の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされた信託の併合に係るものに限る。)又は一部の解約があつた場合において、当該終了又は一部の解約により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額のうち当該証券投資信託について信託されている金額(当該証券投資信託の受益権に係る部分の金額に限る。)に達するまでの金額は、第三十七条の十一第四項の規定にかかわらず、当該金額を同条第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして、所得税法及びこの章の規定を適用する。
(特定寄附信託の利子所得の非課税)
第四条の五
第四条の五
特定寄附信託契約に基づき設定された信託(以下この条において「特定寄附信託」という。)の信託財産につき生ずる公社債若しくは預貯金の利子又は合同運用信託の収益の分配(公社債の利子又は貸付信託の収益の分配にあつては、当該公社債又は貸付信託の受益権が社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載又は記録その他の政令で定める方法により管理されており、かつ、当該公社債又は貸付信託の受益権が当該信託財産に引き続き属していた期間に対応する部分の額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する部分に限る。第三項及び第五項において「利子等」という。)については、所得税を課さない。
2 前項に規定する特定寄附信託契約とは、居住者が、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けたものに限るものとし、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により同法第一条第一項に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。)との間で締結した当該居住者を受益者とする信託契約で、当該信託財産を所得税法第七十八条第二項に規定する特定寄附金(同条第三項の規定又は第四十一条の十八の二第一項の規定により特定寄附金とみなされたものを含む。)のうち民間の団体が行う公益を目的とする事業に資するものとして政令で定めるもの(第五項において「対象特定寄附金」という。)として支出することを主たる目的とすることその他計画的な寄附が適正に実施されるための要件として政令で定める要件が定められているものをいう。
3 第一項の規定は、前項の居住者が、特定寄附信託契約の締結の後、最初に第一項の規定の適用を受けようとする利子等の支払を受ける日の前日までに、その者の氏名、住所及び個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第五項に規定する個人番号をいう。以下この章において同じ。)その他の財務省令で定める事項を記載した申告書(次項及び第七項において「特定寄附信託申告書」という。)に、当該特定寄附信託契約の契約書の写しを添付して、これを当該特定寄附信託に係る受託者を経由し、その居住者の住所地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
4 前項の場合において、特定寄附信託申告書が同項に規定する税務署長に提出されたときは、同項の受託者においてその受理がされた日にその提出があつたものとみなす。
5 特定寄附信託契約又はその履行につき、その信託財産を対象特定寄附金として支出することを主たる目的としなくなつたことその他の計画的な寄附が適正に実施されていないと認められる事実として政令で定める事実が生じた場合には、当該特定寄附信託契約の締結の時から当該事実が生じた日までの間に支払われた利子等については、第一項の規定の適用がなかつたものとし、かつ、当該事実が生じた日において当該利子等の支払があつたものと、当該特定寄附信託の受託者が当該利子等を支払つたものとそれぞれみなして、この法律及び所得税法の規定を適用する。
6 第一項の規定の適用がある場合における所得税法第七十八条の規定並びに第四十一条の十八の二及び第四十一条の十八の三の規定の適用については、同法第七十八条第二項中「学校の入学に関してするものを除く」とあるのは「租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四条の五第一項(特定寄附信託の利子所得の非課税)の規定の適用を受けた同項に規定する利子等の金額に相当する部分及び学校の入学に関してするものを除く」と、同条第三項中「支出した金銭」とあるのは「支出した金銭(租税特別措置法第四条の五第一項の規定の適用を受けた同項に規定する利子等の金額に相当する部分を除く。)」と、第四十一条の十八の二第一項中「その寄附をした者」とあるのは「第四条の五第一項の規定の適用を受けた同項に規定する利子等の金額に相当する部分及びその寄附をした者」とする。
7 第三項から前項までに定めるもののほか、特定寄附信託の信託財産につき備え付けるべき帳簿に関する事項、特定寄附信託申告書を提出した者がその提出後当該特定寄附信託申告書に記載した事項を変更した又は変更する場合における届出に関する事項その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(納税準備預金の利子の非課税)
第五条
第五条
納税準備預金の利子については、所得税を課さない。ただし、当該預金から租税の納付の目的以外の目的のために引き出された金額がある場合には、その引出しの日の属する利子の計算期間に対応する利子については、所得税を課する。
2 前項に規定する納税準備預金とは、租税の納付に充てることを目的として銀行その他の政令で定める金融機関に対してした預金で当該金融機関が他の預金と区分して経理しているものをいう。
(振替国債等の利子の課税の特例)
第五条の二
第五条の二
非居住者又は外国法人が、特定振替機関、特定口座管理機関若しくは特定間接口座管理機関(以下この条において「特定振替機関等」という。)又は適格外国仲介業者から開設を受けている口座において当該特定振替機関等の国内にある営業所若しくは事務所(以下この条において「営業所等」という。)又は当該適格外国仲介業者の特定国外営業所等を通じて振替記載等を受けている社債、株式等の振替に関する法律第八十八条に規定する振替国債(同法第九十条第三項に規定する分離利息振替国債を除く。以下この条において「振替国債」という。)又は同法第百十三条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる地方債(以下この条において「振替地方債」という。)につきその利子(第八条第一項又は第二項の規定の適用があるものを除く。)の支払を受ける場合において、振替国債又は振替地方債の利子につき最初にこの項の規定の適用を受けようとする際、その旨、その者の氏名又は名称及び住所(国内に居所を有する非居住者その他の財務省令で定める者にあつては、財務省令で定める場所。以下この条において同じ。)その他の財務省令で定める事項を記載した書類(以下この条において「非課税適用申告書」という。)を、当該特定振替機関等を経由し、又は当該適格外国仲介業者及び当該適格外国仲介業者が当該振替国債若しくは振替地方債の振替記載等を受ける特定振替機関等(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該振替国債又は振替地方債の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該振替国債又は振替地方債の振替記載等を受ける特定振替機関等)を経由して当該特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しているときは、その支払を受ける利子については、所得税を課さない。
2 前項の規定は、外国投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第二十四項に規定する外国投資信託をいう。以下この項において同じ。)の受託者である非居住者又は外国法人が当該外国投資信託の信託財産につき支払を受ける振替国債及び振替地方債の利子については、当該外国投資信託が、証券投資信託又は公社債等運用投資信託に該当し、かつ、次に掲げる要件のいずれかを満たすもの(第二号及び第十一項において「適格外国証券投資信託」という。)である場合に限り、適用する。
一 次に掲げる要件
イ 当該外国投資信託の設定に係る受益権の募集が、国外において、金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものに相当するものにより行われたものであり、かつ、当該外国投資信託の目論見書(同条第十項に規定する目論見書をいう。以下この項において同じ。)その他これに類する書類にその取得勧誘が同号に掲げる場合に該当するものに相当するものである旨の記載がなされて行われていること。
ロ 当該外国投資信託の設定に係る受益権の募集が国内においても行われる場合には、次に掲げる要件を満たすこと。
(1) 当該受益権の募集が、国内において、金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものにより行われたものであること。
(2) (1)の募集が行われた当該受益権に係る収益の分配が国内における第三条の三第一項に規定する支払の取扱者又は第八条の三第一項に規定する支払の取扱者を通じて交付されること。
(3) 当該外国投資信託の目論見書その他これに類する書類にその募集及び収益の分配が(1)及び(2)の規定に従つて行われる旨の記載がなされていること。
二 当該外国投資信託の受益権の全てが他の適格外国証券投資信託の信託財産として取得されたものであり、かつ、当該外国投資信託の目論見書その他これに類する書類にその受益権の全てが他の適格外国証券投資信託の信託財産として取得されるものである旨の記載がなされていること。
3 外国の法令に基づいて設定された信託で所得税法第十三条第三項第二号に規定する退職年金等信託に類するもの(同条第一項に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含む。)がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託(次項において「受益者等課税信託」という。)に該当するものに限る。)のうち、当該外国において主として退職年金、退職手当その他これらに類する報酬を管理し、又は給付することを目的として運営されるもの(以下この項及び次項において「外国年金信託」という。)の信託財産につき生ずる振替国債又は振替地方債の利子については、当該外国年金信託の受託者が当該利子の支払を受けるものとして、第一項の規定を適用する。この場合において、同条第一項中「収益及び費用は」とあるのは、「収益(租税特別措置法第五条の二第三項(振替国債等の利子の課税の特例)の規定の適用を受ける同項に規定する振替国債又は振替地方債の利子を除く。)及び費用は」とする。
4 第一項の規定は、非居住者又は外国法人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項に規定する組合契約(これに類するものとして政令で定める契約を含む。以下この項において「組合契約」という。)に係る同法第六百六十八条に規定する組合財産(これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この項において「組合財産」という。)又は信託(受益者等課税信託に限り、外国年金信託を除く。以下この条において同じ。)の信託財産に属する振替国債又は振替地方債につき支払を受ける利子については、当該非居住者又は外国法人が第一項の規定による非課税適用申告書を提出しており、かつ、当該組合契約に係る組合の業務を執行する者又は当該信託の受託者(以下この項、次項及び第十二項において「業務執行者等」という。)が、当該非居住者又は外国法人が当該組合財産又は信託財産に属する振替国債又は振替地方債の利子につき第一項の規定の適用を受けようとする際、当該組合又は当該信託の名称、当該業務執行者等の氏名又は名称及び住所その他の財務省令で定める事項を記載した書類(次項、第十項及び第十二項において「組合等届出書」という。)並びに当該組合契約に係る組合契約書又は当該信託に係る信託契約書の写し(次項、第十項、第十二項及び第十三項において「組合契約書等の写し」という。)を、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して当該特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出している場合に限り、適用する。
5 第一項の規定は、恒久的施設を有する非居住者が支払を受ける振替国債及び振替地方債の利子で、所得税法第百六十四条第一項第一号イに掲げる国内源泉所得に該当するものについては、適用しない。この場合において、当該非居住者が、非課税適用申告書を、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して同項に規定する税務署長に提出しているとき(当該非居住者が前項の組合財産又は信託財産に属する振替国債又は振替地方債につき支払を受ける利子については、当該非居住者が、非課税適用申告書を、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して同項に規定する税務署長に提出しており、かつ、前項の業務執行者等が、組合等届出書及び組合契約書等の写しを、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して同項に規定する税務署長に提出しているとき)は、当該支払を受ける利子については、第九条の三の二及び同法第二百十二条の規定は、適用しない。
6 第一項及び前項の規定の適用がある場合における所得税法第二百二十五条の規定並びに第三条の二及び第八条の五の規定の適用については、同法第二百二十五条第一項第八号中「外国法人」とあるのは「外国法人(外国政府その他の政令で定める法人を除く。)」と、「支払をする者」とあるのは「支払をする者(当該非居住者又は外国法人が租税特別措置法第五条の二第一項(振替国債等の利子の課税の特例)に規定する振替国債又は振替地方債の利子につき同項又は同条第五項後段の規定の適用を受けた場合には、同条第一項に規定する特定振替機関等)」と、第三条の二中「居住者若しくは恒久的施設を有する非居住者又は内国法人若しくは恒久的施設を有する外国法人」とあるのは「非居住者又は外国法人」と、「所得税法第二十三条第一項に規定する利子等(不適用利子を除く。)」とあるのは「第五条の二第一項又は第五項後段の規定の適用を受ける利子」と、「支払をする者」とあるのは「支払をする者(第五条の二第一項又は第五項後段の規定の適用を受ける利子にあつては、同条第一項に規定する特定振替機関等)」と、「当該利子等」とあるのは「当該利子」と、第八条の五第一項中「次に掲げるもの」とあるのは「次に掲げるもの(第五条の二第五項後段の規定の適用を受けるものを除く。)」とする。
7 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定振替機関 社債、株式等の振替に関する法律第二条第二項に規定する振替機関(同法第四十八条の規定により振替機関とみなされる者を含む。)のうち、同法第十三条の規定に基づき国債を取り扱うことについて国から同意を得た者又は同条の規定に基づき地方債を取り扱うことについて当該地方債の発行者から同意を得た者をいう。
二 特定口座管理機関 社債、株式等の振替に関する法律第二条第四項に規定する口座管理機関(次号及び第七号において「口座管理機関」という。)のうち、特定振替機関が同法第十二条第一項の規定により口座を開設した者をいう。
三 特定間接口座管理機関 口座管理機関のうち、次のいずれかに該当するもの(外国間接口座管理機関に該当する者を除く。)をいう。
イ 特定口座管理機関が社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者
ロ イ又はハの規定により特定間接口座管理機関に該当するものが社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者
ハ ロの規定により特定間接口座管理機関に該当するものが社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者
四 適格外国仲介業者 外国間接口座管理機関又は外国再間接口座管理機関のうち、所得税法第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約その他の我が国が締結した国際約束(租税の賦課及び徴収に関する情報を相互に提供することを定める規定を有するものに限る。)の我が国以外の締約国又は締約者その他外国の機関への租税に関する情報の提供に関する規定として政令で定める規定により外国の機関に対して当該情報の提供を行うことができることとされている場合における当該外国(次号において「条約相手国等」という。)に本店又は主たる事務所を有する者として政令で定めるところにより国税庁長官の承認を受けた者をいう。
五 特定国外営業所等 適格外国仲介業者の営業所又は事務所のうち、条約相手国等に所在するものをいう。
六 振替記載等 社債、株式等の振替に関する法律に定めるところにより行われる同法の振替口座簿への記載又は記録をいう。
七 外国再間接口座管理機関 口座管理機関(社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項第十三号に掲げる者に該当するものに限るものとし、内国法人を除く。次号において「外国口座管理機関」という。)のうち、次のいずれかに該当するものをいう。
イ 外国間接口座管理機関が社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者
ロ イ又はハの規定により外国再間接口座管理機関に該当するものが社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者
ハ ロの規定により外国再間接口座管理機関に該当するものが社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者
八 外国間接口座管理機関 外国口座管理機関のうち、特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関が社債、株式等の振替に関する法律第四十四条第一項の規定により口座を開設した者をいう。
8 国税庁長官は、前項第四号の承認の申請があつた場合において、その申請を行つた者につき次の各号のいずれかに該当する事実があるときは、その申請を却下することができる。
一 その申請を行う場合に必要となる書類に不備又は不実の記載があると認められることその他当該申請が前項第四号に規定する政令で定めるところに従つて行われていないと認められること。
二 その者につき現に国税の滞納があり、かつ、その滞納税額の徴収が著しく困難であること。
三 その者が第十四項に規定する帳簿の備付け、記録若しくは保存を行うこと又は第十五項若しくは第十六項に規定する通知を行うことが困難と認められる相当の理由があること。
9 国税庁長官は、第七項第四号の承認を受けた者について次のいずれかに該当する事実が生じたと認めるときは、政令で定めるところにより、その承認を取り消すことができる。
一 税務署長が当該承認を受けた者に対してこの条の規定に基づく措置を適正に実施しているかどうかを確認するために必要と認められる書類の提出を求めた場合において、当該者が遅滞なくこれを提出しなかつたこと。
二 前項各号のいずれかに該当する事実
10 第一項又は第四項の場合において、非課税適用申告書又は組合等届出書及び組合契約書等の写しが第一項に規定する税務署長に提出されたときは、当該非課税適用申告書又は組合等届出書及び組合契約書等の写しの提出をした者からその提出の際に経由すべき特定振替機関等の営業所等又は適格外国仲介業者の特定国外営業所等が受け取つた時に当該税務署長に提出があつたものとみなす。
11 非課税適用申告書を提出する者は、その提出の際、当該非課税適用申告書を提出する特定振替機関等の営業所等の長又は適格外国仲介業者の特定国外営業所等の長にその者が非居住者又は外国法人(第二項の規定の適用がある場合にあつては、適格外国証券投資信託の受託者である非居住者又は外国法人)に該当することを証する書類として財務省令で定める書類を提示しなければならないものとし、当該特定振替機関等の営業所等の長又は適格外国仲介業者の特定国外営業所等の長は、当該非課税適用申告書に記載されている氏名又は名称及び住所(同項の規定の適用がある場合にあつては、当該非課税適用申告書に記載されている氏名又は名称及び住所並びに適格外国証券投資信託の名称並びに当該適格外国証券投資信託に係る同項の記載)を当該書類により確認しなければならないものとする。
12 非課税適用申告書を提出した者又は組合等届出書を提出した業務執行者等が、次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日以後最初に当該非課税適用申告書又は当該組合等届出書を提出した特定振替機関等又は適格外国仲介業者から振替記載等を受けている振替国債又は振替地方債の利子の支払を受けるべき日の前日までに、当該各号に定める申告書又は届出書及び組合契約書等の写しを、当該特定振替機関等を経由し、又は当該適格外国仲介業者及び当該適格外国仲介業者が当該振替国債若しくは振替地方債の振替記載等を受ける特定振替機関等(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該振替国債又は振替地方債の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該振替国債又は振替地方債の振替記載等を受ける特定振替機関等)を経由して第一項に規定する税務署長に提出しなければならない。この場合において、当該各号に定める申告書又は届出書及び組合契約書等の写しを提出しなかつたときは、その該当することとなつた日以後に支払を受ける当該振替国債及び振替地方債の利子については、同項及び第五項後段の規定は、適用しない。
一 当該非課税適用申告書又は第三号に定める申告書に記載した氏名若しくは名称又は住所その他の財務省令で定める事項の変更をした場合 その変更をした後の当該非課税適用申告書又は当該申告書を提出した者の氏名又は名称及び住所その他の財務省令で定める事項を記載した申告書
二 当該組合等届出書又は第四号に定める届出書に記載した第四項の組合又は信託の名称、当該組合又は信託に係る業務執行者等の氏名若しくは名称又は住所その他の財務省令で定める事項の変更をした場合 その変更をした後の当該組合又は信託の名称その他の財務省令で定める事項を記載した届出書及び組合契約書等の写し
三 当該非課税適用申告書を提出した日、第一号に定める申告書を提出した日又はこの号に定める申告書を提出した日のいずれか遅い日の翌日から五年を経過した場合 当該非課税適用申告書を提出した者の氏名又は名称及び住所その他の財務省令で定める事項を記載した申告書
四 当該組合等届出書及び組合契約書等の写しを提出した日、第二号に定める届出書及び組合契約書等の写しを提出した日又はこの号に定める届出書及び組合契約書等の写しを提出した日のいずれか遅い日の翌日から五年を経過した場合 当該組合等届出書及び組合契約書等の写しを提出した業務執行者等に係る組合又は信託の名称、当該業務執行者等の氏名又は名称及び住所その他の財務省令で定める事項を記載した届出書並びに組合契約書等の写し
13 第十項の規定は、前項第一号及び第三号に定める申告書の提出並びに同項第二号及び第四号に定める届出書及び組合契約書等の写しの提出について、第十一項の規定は、前項第一号及び第三号に定める申告書の提出について、それぞれ準用する。この場合において、第十項中「第一項又は第四項」とあるのは「第十二項」と、「非課税適用申告書又は組合等届出書及び組合契約書等の写しが第一項」とあるのは「同項各号に定める申告書又は届出書及び組合契約書等の写しが第一項」と、「当該非課税適用申告書又は組合等届出書及び組合契約書等の写し」とあるのは「当該各号に定める申告書又は届出書及び組合契約書等の写し」と、第十一項中「非課税適用申告書を提出する者」とあるのは「次項第一号又は第三号に定める申告書を提出する者」と、「当該非課税適用申告書」とあるのは「これらの号に定める申告書」と、「氏名又は」とあるのは「氏名若しくは」と、「住所(同項」とあるのは「住所又は変更後の氏名若しくは名称及び住所(第二項」と、「住所並びに」とあるのは「住所又は変更後の氏名若しくは名称及び住所並びに」と、「の名称」とあるのは「の名称又は変更後の名称」と読み替えるものとする。
14 特定振替機関等及び適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した者が当該特定振替機関等又は当該適格外国仲介業者から振替記載等を受けた振替国債又は振替地方債につき帳簿を備え、当該非課税適用申告書を提出した者の各人別に、政令で定めるところにより、当該振替国債又は振替地方債につき振替記載等がされた日その他の財務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。
15 適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した者が当該適格外国仲介業者から振替記載等を受けている振替国債又は振替地方債につきその利子の支払を受ける場合には、その利子の支払を受けるべき日の前日までに、当該振替国債又は振替地方債の銘柄、その銘柄ごとの償還金の額その他の財務省令で定める事項を、当該適格外国仲介業者が当該振替国債又は振替地方債の振替記載等を受けた特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該振替国債又は振替地方債の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該振替国債又は振替地方債の振替記載等を受けた特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関)に対し、書面による方法その他政令で定める方法により、通知しなければならない。
16 適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した者が当該適格外国仲介業者から振替記載等を受けている振替国債又は振替地方債につきその利子の支払を受ける場合には、政令で定めるところにより、当該非課税適用申告書を提出した者の氏名又は名称及び住所、その支払を受ける利子の額その他の財務省令で定める事項を、その支払の確定した日の属する月の翌月十日までに、当該適格外国仲介業者が当該振替国債又は振替地方債の振替記載等を受けた特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該振替国債又は振替地方債の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該振替国債又は振替地方債の振替記載等を受けた特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関)に対し、書面による方法その他政令で定める方法により、通知しなければならない。
17 非居住者又は外国法人が信託(その信託の受託者が特定口座管理機関であるものに限る。)の信託財産に属する振替国債又は振替地方債(当該非居住者又は外国法人が特定振替機関から振替記載等を受けるものに限る。)の利子につき第四項の規定により第一項の規定の適用を受ける場合における同項、第四項から第六項まで、第十項から第十二項まで及び第十四項の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第一項 | 、当該特定振替機関等 | 、特定受託者(第十七項に規定する信託の受託者をいう。以下第十四項までにおいて同じ。) |
特定振替機関等の本店 | 特定受託者の本店 | |
第四項 | の特定振替機関等 | の特定受託者 |
特定振替機関等の | 特定受託者の | |
第五項 | の特定振替機関等 | の特定受託者 |
第六項 | 同条第一項に規定する特定振替機関等)」と、第三条の二 | 同条第十七項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する特定受託者)」と、第三条の二 |
同条第一項に規定する特定振替機関等)」と、「当該 | 同条第十七項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する特定受託者)」と、「当該 | |
第十項及び第十一項 | 特定振替機関等 | 特定受託者 |
第十二項 | 提出した特定振替機関等 | 提出した特定受託者に係る特定振替機関(当該特定受託者が受託者である信託の信託財産に属する振替国債又は振替地方債の振替記載等に係る特定振替機関に限る。第十四項において同じ。) |
特定振替機関等を | 特定受託者を | |
第十四項 | 特定振替機関等及び | 特定受託者及び |
当該特定振替機関等 | 当該特定受託者に係る特定振替機関 |
18 第十五項及び第十六項の通知に係る書面等の保存に関する事項その他第一項から第六項まで及び第八項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(振替社債等の利子等の課税の特例)
第五条の三
第五条の三
非居住者又は外国法人が、特定振替機関、特定口座管理機関若しくは特定間接口座管理機関(以下この項及び第三項において「特定振替機関等」という。)又は適格外国仲介業者から開設を受けている口座において当該特定振替機関等の国内にある営業所若しくは事務所又は当該適格外国仲介業者の特定国外営業所等を通じて振替記載等を受けている特定振替社債等につきその利子又は剰余金の配当(以下この条において「利子等」という。)(第八条第一項又は第二項の規定の適用があるものを除く。)の支払を受ける場合において、特定振替社債等の利子等につき最初にこの項の規定の適用を受けようとする際、その旨、その者の氏名又は名称及び住所(前条第一項に規定する住所をいう。)その他の財務省令で定める事項を記載した書類(以下この条において「非課税適用申告書」という。)を、当該特定振替機関等(当該特定振替社債等が第三条第一項第一号に規定する特定公社債以外の公社債又は第八条の二第一項第二号に掲げる社債的受益権(第七項及び第八項において「一般社債等」という。)に該当するものである場合には、適格口座管理機関に該当するものに限る。以下この項において同じ。)を経由し、又は当該適格外国仲介業者及び当該適格外国仲介業者が当該特定振替社債等の振替記載等を受ける特定振替機関等(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該特定振替社債等の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該特定振替社債等の振替記載等を受ける特定振替機関等)を経由して当該特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しているときは、その支払を受ける利子等については、所得税を課さない。
2 前項の規定は、特定振替社債等の発行者(特定振替社債等のうち第四項第七号ホに掲げるものにあつては、同号ホに掲げるものに係る特定目的信託の資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二百二十四条に規定する原委託者。以下この条(同項第一号を除く。)において同じ。)の特殊関係者(特定振替社債等の発行者との間に政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)が支払を受ける当該特定振替社債等の利子等(第九項において準用する前条第二項に規定する適格外国証券投資信託の受託者である非居住者若しくは外国法人が当該適格外国証券投資信託の信託財産につき支払を受けるもの又は第九項において準用する同条第三項の規定により同項に規定する外国年金信託の受託者が支払を受けるものとされるものを除く。)については、適用しない。
3 第一項の規定は、恒久的施設を有する非居住者が支払を受ける特定振替社債等の利子等で、所得税法第百六十四条第一項第一号イに掲げる国内源泉所得に該当するものについては、適用しない。この場合において、当該非居住者(当該特定振替社債等の発行者の特殊関係者でないものに限る。以下この項において同じ。)が、非課税適用申告書を、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して同項に規定する税務署長に提出しているとき(当該非居住者が前条第四項の組合財産又は信託財産に属する特定振替社債等につき支払を受ける利子等については、当該非居住者が、非課税適用申告書を、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して同項に規定する税務署長に提出しており、かつ、同条第四項に規定する業務執行者等が、第九項において準用する同条第四項に規定する組合等届出書及び組合契約書等の写しを、第一項の規定に準じて同項の特定振替機関等を経由し、又は同項の適格外国仲介業者及び特定振替機関等を経由して同項に規定する税務署長に提出しているとき)は、当該支払を受ける利子等については、第九条の三の二及び同法第二百十二条の規定は、適用しない。
4 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定振替機関 社債、株式等の振替に関する法律第二条第二項に規定する振替機関のうち、同法第十三条の規定に基づき社債(これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この号において「社債等」という。)を取り扱うことについて当該社債等の同条第一項の発行者から同意を得た者をいう。
二 特定口座管理機関 前条第七項第二号に規定する特定口座管理機関をいう。
三 特定間接口座管理機関 前条第七項第三号に規定する特定間接口座管理機関をいう。
四 適格外国仲介業者 外国間接口座管理機関又は外国再間接口座管理機関のうち、所得税法第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約その他の我が国が締結した国際約束(租税の賦課及び徴収に関する情報を相互に提供することを定める規定を有するものに限る。)の我が国以外の締約国又は締約者その他外国の機関への租税に関する情報の提供に関する規定として政令で定める規定により外国の機関に対して当該情報の提供を行うことができることとされている場合における当該外国(次号において「条約相手国等」という。)に本店又は主たる事務所を有する者として政令で定めるところにより国税庁長官の承認を受けた者をいう。
五 特定国外営業所等 適格外国仲介業者の営業所又は事務所のうち、条約相手国等に所在するものをいう。
六 振替記載等 前条第七項第六号に規定する振替記載等をいう。
七 特定振替社債等 社債、株式等の振替に関する法律第六十六条第二号に掲げる社債で同条に規定する振替社債に該当するもの(次に掲げるものを含む。以下この号において「振替社債等」という。)のうち、その利子等の額が当該振替社債等の発行者又は当該発行者の特殊関係者に関する政令で定める指標を基礎として算定されるもの以外のものをいう。
イ 社債、株式等の振替に関する法律第百十五条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる同法第百十五条に規定する投資法人債
ロ 社債、株式等の振替に関する法律第百十七条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる同法第百十七条に規定する相互会社の社債
ハ 社債、株式等の振替に関する法律第百十八条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる同法第百十八条に規定する特定社債
ニ 社債、株式等の振替に関する法律第百二十条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる同法第百二十条に規定する特別法人債
ホ 平成三十四年三月三十一日までに発行された社債、株式等の振替に関する法律第百二十四条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる同法第百二十四条に規定する特定目的信託受益権のうち資産の流動化に関する法律第二百三十条第一項第二号に規定する社債的受益権に該当するもの
ヘ 社債、株式等の振替に関する法律第百二十七条において準用する同法第六十六条の規定により同法の規定の適用を受けるものとされる同法第百二十七条に規定する外債
ト 社債、株式等の振替に関する法律第百九十二条第一項に規定する振替新株予約権付社債
チ 社債、株式等の振替に関する法律第二百五十条に規定する振替転換特定社債
リ 社債、株式等の振替に関する法律第二百五十三条に規定する振替新優先出資引受権付特定社債
八 適格口座管理機関 特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関のうち、政令で定めるところにより国税庁長官の承認を受けたものをいう。
九 外国再間接口座管理機関 前条第七項第七号に規定する外国再間接口座管理機関をいう。
十 外国間接口座管理機関 前条第七項第八号に規定する外国間接口座管理機関をいう。
5 国税庁長官は、前項第八号の承認の申請があつた場合において、その申請を行つた者につき次のいずれかに該当する事実があるときは、その申請を却下することができる。
一 その申請を行う場合に必要となる書類に不備又は不実の記載があると認められることその他当該申請が前項第八号に規定する政令で定めるところに従つて行われていないと認められること。
二 その者が第八項に規定する通知を行うこと又は第九項において準用する前条第六項の規定により読み替えて適用される所得税法第二百二十五条第一項に規定する調書の提出を行うことが困難であると認められる相当の理由があること。
6 国税庁長官は、第四項第八号の承認を受けた者について前項各号のいずれかに該当する事実が生じたと認めるときは、政令で定めるところにより、その承認を取り消すことができる。
7 適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した者が当該適格外国仲介業者から振替記載等を受けている特定振替社債等(一般社債等に該当するものを除く。以下この項において同じ。)につきその利子等の支払を受ける場合には、その利子等の支払を受けるべき日の前日までに、当該特定振替社債等の銘柄、その銘柄ごとの償還金の額その他の財務省令で定める事項を、当該適格外国仲介業者が当該特定振替社債等の振替記載等を受けた特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該特定振替社債等の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該特定振替社債等の振替記載等を受けた特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関)に対し、書面による方法その他政令で定める方法により、通知しなければならない。
8 適格口座管理機関又は適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した者が当該適格口座管理機関又は当該適格外国仲介業者から振替記載等を受けている特定振替社債等(一般社債等に該当するものに限る。以下この項において同じ。)につきその利子等の支払を受ける場合には、その利子等の支払を受けるべき日の前日までに、当該特定振替社債等の銘柄、その銘柄ごとの償還金の額その他の財務省令で定める事項を、特定振替機関を経由し、又は当該適格外国仲介業者が当該特定振替社債等の振替記載等を受けた適格口座管理機関(当該適格外国仲介業者が外国再間接口座管理機関である場合には、当該特定振替社債等の振替記載等に係る外国間接口座管理機関が当該特定振替社債等の振替記載等を受けた適格口座管理機関)及び特定振替機関を経由して当該利子等の支払をする者に対し、書面による方法その他政令で定める方法により、通知しなければならない。
9 前条第二項から第四項まで、第六項、第八項から第十四項まで、第十六項及び第十七項の規定は、特定振替社債等の利子等について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
前条第二項 | 前項 | 次条第一項 |
前条第三項 | 第一項の | 次条第一項の |
同条第一項中 | 同法第十三条第一項中 | |
第五条の二第三項 | 第五条の三第九項(振替社債等の利子等の課税の特例)において準用する同法第五条の二第三項 | |
同項に規定する振替国債又は振替地方債の利子 | 同法第五条の三第一項に規定する特定振替社債等の利子等 | |
前条第四項 | 第一項の規定は | 次条第一項の規定は |
が第一項 | が次条第一項 | |
つき第一項 | つき同条第一項 | |
、第一項 | 、同条第一項 | |
前条第六項 | 第一項及び前項 | 次条第一項及び第三項 |
第三条の二及び | 第三条の二、第八条の二及び | |
第五条の二第一項(振替国債等の利子の課税の特例) | 第五条の三第一項(振替社債等の利子等の課税の特例) | |
振替国債又は振替地方債の利子 | 特定振替社債等の同項に規定する利子等 | |
同条第五項後段 | 同条第三項後段 | |
第五条の二第一項又は第五項後段 | 第五条の三第一項又は第三項後段 | |
受ける利子 | 受けるこれらの規定に規定する利子等 | |
「当該利子等」とあるのは「当該利子」 | 第八条の二第一項中「(以下」とあるのは「(第五条の三第三項後段の規定の適用があるものを除く。以下」と、同条第五項中「配当等の支払を受ける居住者又は非居住者及びその」とあるのは「配当等(第五条の三第一項の規定の適用を受けるものを除く。以下この項において同じ。)の支払を受ける居住者又は非居住者及びその」 | |
第五条の二第五項後段 | 第五条の三第三項後段 | |
前条第八項 | 前項第四号 | 次条第四項第四号 |
第十五項 | 次条第七項若しくは第八項 | |
前条第九項 | 第七項第四号 | 次条第四項第四号 |
前条第十項 | 第一項又は | 次条第一項又は |
第一項に | 同条第一項に | |
前条第十二項 | 第一項 | 次条第一項 |
第五項後段 | 同条第三項後段 | |
前条第十三項 | 第一項又は | 次条第一項又は |
第一項」とあるのは | 同条第一項」とあるのは | |
第一項」と、 | 次条第一項」と、 | |
前条第十七項 | 第一項の | 次条第一項の |
同項、 | 同項、同条第三項及び第八項並びに | |
ついては | ついては、同条第三項中「の特定振替機関等」とあるのは「の特定受託者」と、同条第八項中「適格口座管理機関又は適格外国仲介業者」とあるのは「第一項に規定する特定受託者又は適格外国仲介業者」と、「当該適格口座管理機関」とあるのは「特定振替機関」とするほか | |
前条第十七項の表第一項の項 | 第一項 | 次条第一項 |
当該特定振替機関等 | 当該特定振替機関等( | |
第十七項 | 前条第十七項 | |
受託者をいう。以下第十四項までにおいて同じ。) | 受託者をいい、 | |
前条第十七項の表第四項の項 | の特定振替機関等 | の特定振替機関等を経由し、又は同項 |
の特定受託者 | の特定受託者(同項に規定する特定受託者をいう。以下第十四項までにおいて同じ。)を経由し、又は同条第一項 | |
前条第十七項の表第六項の項 | 同条第十七項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する特定受託者)」と、第三条の二 | 同条第九項において準用する同法第五条の二第十七項(振替国債等の利子の課税の特例)の規定により読み替えられた同法第五条の三第一項に規定する特定受託者)」と、第三条の二 |
特定振替機関等)」と、「当該 | 特定振替機関等)」と、第八条の二第一項 | |
同条第十七項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する特定受託者)」と、「当該 | 同条第九項において準用する第五条の二第十七項の規定により読み替えられた第五条の三第一項に規定する特定受託者)」と、第八条の二第一項 |
10 特定振替社債等の発行者は、第一項又は第三項後段の規定の適用があるものとして当該特定振替社債等の利子等につき第九条の三の二第一項又は所得税法第二百十二条の規定による所得税の徴収がされなかつた場合には、政令で定めるところにより、当該発行者の特殊関係者である非居住者又は外国法人の氏名又は名称及び国外にある住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地その他の財務省令で定める事項を記載した書類を税務署長に提出しなければならない。
11 特定振替社債等の利子等の支払を受ける者が特殊関係者であるかどうかの判定、第七項及び第八項の通知に係る書面等の保存に関する事項その他第一項から第三項まで及び第五項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(民間国外債等の利子の課税の特例)
第六条
第六条
内国法人は、平成十年四月一日以後に発行された民間国外債(法人により国外において発行された債券(外国法人により発行された債券にあつては、当該外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係るものとして政令で定めるものに限る。)で、その利子の支払が国外において行われるものをいう。以下この条において同じ。)につき支払を受けるべき利子(第三条の三第二項若しくは第六項又は第四十一条の十二の二第一項の規定の適用があるものを除く。)について所得税を納める義務があるものとし、その支払を受けるべき金額(外国法人により発行された民間国外債の利子にあつては、当該外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係るものとして政令で定める金額)に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する。
2 平成十年四月一日以後に発行した民間国外債につき、居住者又は内国法人に対しその利子(第三条の三第三項若しくは第六項又は第四十一条の十二の二第四項の規定の適用があるものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、その支払をする金額(外国法人が発行した民間国外債の利子にあつては、当該外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係るものとして政令で定める金額)に百分の十五の税率を乗じて計算した金額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月末日までに、これを国に納付しなければならない。
3 前項の規定により徴収して納付すべき所得税は、所得税法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に係る所得税とみなして、同法、国税通則法及び国税徴収法の規定を適用する。この場合において、第一項に規定する民間国外債につき支払を受けるべき利子の支払を受けるべき者が内国法人であるときは、当該内国法人に対する法人税法の規定の適用については、同法第六十八条第一項及び第八十一条の十四第一項中「又は賞金」とあるのは「若しくは賞金又は租税特別措置法第六条第一項(民間国外債等の利子の課税の特例)に規定する民間国外債につき支払を受けるべき利子」と、「同法」とあるのは「所得税法又は租税特別措置法」とする。
4 非居住者又は外国法人が、平成十年四月一日以後に発行された民間国外債(その利子の額が当該民間国外債の発行をする者又は当該発行をする者の特殊関係者(民間国外債の発行をする者との間に政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)に関する政令で定める指標を基礎として算定されるものを除く。次項、第六項、第十項及び第十二項において同じ。)の利子の支払を受ける場合において、その支払を受けるべき利子につきこの項の規定の適用を受けようとする旨、その者の氏名又は名称及び国外にある住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地その他財務省令で定める事項を記載した申告書(以下この条において「非課税適用申告書」という。)を、その支払を受ける際、その利子の支払をする者(当該利子の支払が支払の取扱者で政令で定めるもの(以下この項及び第八項において「支払の取扱者」という。)を通じて行われる場合には、当該支払の取扱者及び利子の支払をする者)を経由してその支払をする者の当該利子に係る所得税法第十七条の規定による納税地(同法第十八条第二項の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地)の所轄税務署長に提出したときは、その支払を受ける利子については、所得税を課さない。
5 前項の規定は、民間国外債の発行をする者の特殊関係者が支払を受ける当該民間国外債の利子については、適用しない。
6 第四項の規定は、恒久的施設を有する非居住者が支払を受ける民間国外債の利子で、所得税法第百六十四条第一項第一号イに掲げる国内源泉所得に該当するものについては、適用しない。この場合において、当該非居住者が、第四項の規定による非課税適用申告書を提出しており、かつ、当該民間国外債の発行をする者の特殊関係者でないときは、当該支払を受ける利子については、同法第二百十二条の規定は適用せず、第八条の五第一項中「次に掲げるもの」とあるのは、「次に掲げるもの(第六条第六項後段の規定により同法第二百十二条の規定による所得税の徴収がされなかつたものを除く。)」として、同項の規定を適用する。
7 第四項の場合において、非課税適用申告書が同項に規定する税務署長に提出されたときは、同項に規定する利子の支払をする者においてその受理がされた時にその提出があつたものとみなす。
8 非居住者又は外国法人が、平成十年四月一日以後に発行された特定民間国外債であつて支払の取扱者に政令で定めるところにより保管の委託をしているものにつきその利子の支払を受ける場合(当該特定民間国外債の発行をする者の特殊関係者が支払を受ける場合を除く。)において、当該保管の委託を受けている支払の取扱者(以下この項において「保管支払取扱者」という。)で当該特定民間国外債の利子の受領の媒介、取次ぎ又は代理(以下この項において「媒介等」という。)をするものが、その媒介等に基づきその利子の交付を受けるときまでに、その利子(第三条の三第三項又は第六項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)の支払を受けるべき者につき次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項その他財務省令で定める事項(以下この項及び第十三項において「利子受領者情報」という。)をその利子の支払をする者に対し(その利子の交付が、当該保管支払取扱者が保管の再委託をしている他の支払の取扱者を通じて行われる場合には、当該他の支払の取扱者を経由してその利子の支払をする者に対し)通知をし、かつ、その利子の支払をする者が、その利子の支払を行う際その利子の支払を受けるべき者に関する事項その他の財務省令で定める事項を記載した書類(当該保管支払取扱者から通知をされた利子受領者情報に基づき記載されたものに限る。第十三項において「利子受領者確認書」という。)を作成し、これをその支払をする者の当該利子に係る所得税法第十七条の規定による納税地(同法第十八条第二項の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地)の所轄税務署長に提出したときは、当該非居住者又は外国法人は、その支払を受けるべき利子につき第四項の規定による非課税適用申告書の提出をしたものとみなす。
一 当該利子の支払を受けるべき者が全て当該特定民間国外債の発行をする者の特殊関係者でない非居住者又は外国法人である場合 その旨
二 当該利子の支払を受けるべき者に居住者、内国法人又は当該特定民間国外債の発行をする者の特殊関係者である非居住者若しくは外国法人が含まれている場合 当該利子の支払を受けるべき者のうち当該特定民間国外債の発行をする者の特殊関係者でない非居住者及び外国法人がその支払を受けるべき金額の合計額
9 第四項及び前二項の規定は、金融機関又は金融商品取引業者で政令で定めるもの(内国法人に限る。次項において「国内金融機関等」という。)が平成十年四月一日以後に発行された民間国外債の利子(第三条の三第二項又は第六項の規定の適用があるものを除く。)の支払を受ける場合について準用する。この場合において、第四項中「民間国外債(その利子の額が当該民間国外債の発行をする者又は当該発行をする者の特殊関係者(民間国外債の発行をする者との間に政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)に関する政令で定める指標を基礎として算定されるものを除く。次項、第六項、第十項及び第十二項において同じ。)」とあるのは「民間国外債」と、「氏名又は名称及び国外にある住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地」とあるのは「名称、本店又は主たる事務所の所在地及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第二条第十五項に規定する法人番号」と、前項中「場合(当該特定民間国外債の発行をする者の特殊関係者が支払を受ける場合を除く。)」とあるのは「場合」と、同項第一号中「非居住者又は外国法人」とあるのは「非居住者若しくは外国法人又は次項に規定する国内金融機関等」と、同項第二号中「内国法人」とあるのは「内国法人(次項に規定する国内金融機関等を除く。)」と、「及び外国法人」とあるのは「及び外国法人並びに同項に規定する国内金融機関等」と読み替えるものとする。
10 第八項に規定する特定民間国外債とは、次に掲げる要件を満たしている民間国外債をいう。
一 当該民間国外債の発行をする者が締結する引受契約等(債券の発行に係る引受け、募集又は売出しの取扱いその他これらに準ずるもの(以下この号において「引受け等」という。)に関する契約をいう。以下この号において同じ。)に、当該民間国外債の引受け等を行う者は、当該民間国外債を居住者、内国法人(国内金融機関等を除く。)並びに当該民間国外債の発行をする者の特殊関係者である非居住者及び外国法人(当該民間国外債の発行をする者の特殊関係者である非居住者又は外国法人であつて当該引受契約等を締結する者が、当該引受契約等を締結する他の者が当該引受契約等に基づく募集又は売出しその他これらに準ずるものに際して当該引受契約等に係る当該民間国外債の全部を取得させ、又は売り付けることができなかつた場合におけるその残部を、当該引受契約等を締結する他の者から取得し、又は買い付ける場合における当該引受契約等を締結する者を除く。)に対して当該引受契約等に基づく募集又は売出し、募集又は売出しの取扱いその他これらに準ずるものにより取得させ、又は売り付けてはならない旨の定めがあること。
二 当該民間国外債の券面及びその発行に係る目論見書(当該民間国外債の券面が発行されていない場合には、当該民間国外債の発行に係る目論見書)に、居住者、内国法人又は当該民間国外債の発行をする者の特殊関係者である非居住者若しくは外国法人が当該民間国外債の利子の支払を受ける場合(国内金融機関等が前項において準用する第四項及び第七項の規定により非課税適用申告書を提出している場合(前項において準用する第八項の規定により非課税適用申告書を提出したものとみなされる場合を含む。)及び第三条の三第六項に規定する内国法人又は金融機関若しくは金融商品取引業者等(以下この号において「公共法人等」という。)が国内における同条第一項に規定する支払の取扱者を通じて支払を受ける場合(当該公共法人等による同条第六項に規定する申告書の提出がある場合に限る。)を除く。)には、当該民間国外債の利子について所得税が課される旨の記載があること。
11 前各項の規定は、平成十年四月一日以後に発行された外貨債(外貨公債の発行に関する法律(昭和三十八年法律第六十三号)第二条第一項及び第四条に規定する外貨債のうち、国外において発行されたものでその利子の支払が国外において行われるものに限る。)の利子について準用する。この場合において、第三項中「第六条第一項(民間国外債等の利子の課税の特例)」とあるのは「第六条第十一項(外貨債の利子の課税の特例)において準用する同条第一項」と、第六項中「第六条第六項後段」とあるのは「第六条第十一項において準用する同条第六項後段」と読み替えるものとする。
12 民間国外債の発行をした者で第四項又は第六項後段の規定の適用があるものとして当該民間国外債の利子につき所得税法第二百十二条の規定による所得税の徴収をしなかつたものは、政令で定めるところにより、当該発行をした者の特殊関係者である非居住者又は外国法人の氏名又は名称及び国外にある住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地その他の財務省令で定める事項を記載した書類を税務署長に提出しなければならない。
13 第三項に定めるもののほか、非課税適用申告書に記載された事項の確認のための手続その他の非課税適用申告書の提出に関する事項、利子受領者情報の通知並びにその通知に係る情報の保存及び管理に関する事項、利子受領者情報の通知があつた場合において当該利子受領者情報に変更がないときにおけるその通知の省略の特例、利子受領者確認書の提出に関する事項、民間国外債の利子につき第二項の規定により所得税を徴収された者が確定申告書の提出をする場合に添付すべき書類に関する事項その他第一項、第二項及び第四項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特別国際金融取引勘定において経理された預金等の利子の非課税)
第七条
第七条
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第二十一条第三項に規定する金融機関が、平成十年四月一日以後に、外国法人で同項に規定する非居住者であることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものから預入を受け、又は借り入れる預金又は借入金で同項に規定する特別国際金融取引勘定(以下この条において「特別国際金融取引勘定」という。)において経理したものにつき、当該外国法人に対して支払う利子(債券の買戻又は売戻条件付売買取引として政令で定めるものから生ずる差益として政令で定めるものを含む。)については、所得税を課さない。ただし、同法第二十一条第四項の規定に基づき定められた政令の規定のうち特別国際金融取引勘定の経理に関する事項に係るものに違反する事実が生じた場合の当該利子で当該事実が生じた日の属する計算期間に係るものについては、この限りでない。
(金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の不適用)
第八条
第八条
国内に営業所を有する銀行その他の政令で定める金融機関(以下この条において「金融機関」という。)が支払を受ける公社債若しくは預貯金の利子、合同運用信託若しくは公募公社債等運用投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二項に規定する委託者非指図型投資信託に限る。第三号において「特定公募公社債等運用投資信託」という。)の収益の分配又は社債的受益権(資産の流動化に関する法律第二百三十条第一項第二号に規定する社債的受益権をいう。以下この章において同じ。)の剰余金の配当で次に掲げるものについては、所得税法第百七十四条、第百七十五条、第百七十八条、第百七十九条及び第二百十二条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
一 社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿(第三号及び第四号において「振替口座簿」という。)に記載又は記録がされた公社債の利子(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律により同法第一条第一項に規定する信託業務を営む金融機関の当該記載又は記録がされた公社債の利子で政令で定めるものを除く。)
二 金融機関に対する預貯金の利子(政令で定めるものを除く。)
三 金融機関を委託者とし、かつ、当該金融機関を受益者とする合同運用信託又は特定公募公社債等運用投資信託の収益の分配でその委託した期間(貸付信託の収益の分配については、その受益証券(当該受益証券に表示されるべき権利を含む。)が引き続き記名式であつた、又は振替口座簿に記載若しくは記録されていた期間)内に生じたもの
四 振替口座簿に記載又は記録がされた社債的受益権の剰余金の配当(第一号に規定する金融機関の当該記載又は記録がされた社債的受益権の剰余金の配当で政令で定めるものを除く。)
2 金融商品取引業者、金融商品取引清算機関又は証券金融会社で政令で定めるもの(次項において「金融商品取引業者等」という。)が支払を受ける公社債の利子又は社債的受益権の剰余金の配当で前項第一号又は第四号に掲げるもの(次項において「公社債の利子等」という。)については、所得税法第百七十四条、第百七十五条、第百七十八条、第百七十九条及び第二百十二条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
3 内国法人(金融機関、金融商品取引業者等その他政令で定める法人を除くものとし、公社債及び社債的受益権の主たる取引者として政令で定めるものに限る。)が支払を受けるものとして政令で定める公社債の利子等については、所得税法第百七十四条、第百七十五条及び第二百十二条第三項の規定は、適用しない。
4 金融機関は、第一項第三号に規定する収益の分配につき支払を受ける際、財務省令で定めるところにより、その収益の分配のうち同項の規定の適用を受ける部分とその他の部分とを区分した明細書を、その支払の取扱者を経由して、その支払地の所轄税務署長に提出しなければならない。
5 第一項第三号に規定する委託した期間又は記名式であつた期間若しくは記載若しくは記録がされていた期間及びこれらの期間内に生じた部分の金額の計算に関し必要な事項は、財務省令で定める。
(私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当所得の分離課税等)
第八条の二
第八条の二
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が平成二十八年一月一日以後に国内において支払を受けるべき剰余金の配当で次に掲げる受益権の収益の分配に係るもの(以下この条において「私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等」という。)については、所得税法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その支払を受けるべき金額に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する。
一 公社債等運用投資信託(その設定に係る受益権の募集が公募(金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたものを除く。)の受益権(第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等に該当するものを除く。)
二 特定目的信託(その信託契約の締結時において資産の流動化に関する法律第二百二十四条に規定する原委託者(第八条の四第一項第五号、第八条の五第一項第六号、第九条の三第五号、第九条の三の二第一項第五号及び第三十七条の十一第二項第四号において「原委託者」という。)が有する社債的受益権の募集が公募(金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたものを除く。)の社債的受益権(第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等に該当するものを除く。)
2 前項の規定は、恒久的施設を有する非居住者が支払を受ける私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等で、所得税法第百六十四条第一項第一号イに掲げる国内源泉所得に該当しないものについては、適用しない。
3 非居住者、内国法人又は外国法人が平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等(恒久的施設を有する非居住者が支払を受けるべきものにあつては、所得税法第百六十四条第一項第一号イに掲げる国内源泉所得に該当しないものに限る。)に対する同法第百七十条、第百七十五条又は第百七十九条の規定の適用については、これらの規定に規定する百分の二十の税率は、百分の十五の税率とする。
4 平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等に対する所得税法第百八十二条又は第二百十三条の規定の適用については、これらの規定に規定する百分の二十の税率は、百分の十五の税率とする。
5 平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等の支払を受ける居住者又は非居住者及びその支払をする者並びに業務に関連して他人のために名義人として私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等の支払を受ける者から当該私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等の支払を受ける居住者又は非居住者及び当該名義人として当該私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等の支払を受ける者については、所得税法第二百二十四条、第二百二十五条第一項及び第二百二十八条第一項のうち当該私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等に係る部分の規定は、適用しない。
(国外で発行された投資信託等の収益の分配に係る配当所得の分離課税等)
第八条の三
第八条の三
居住者が、平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき国外において発行された前条第一項各号に掲げる受益権の収益の分配に係る剰余金の配当(国外において支払われるものに限る。以下この条において「国外私募公社債等運用投資信託等の配当等」という。)につき、国内における支払の取扱者で政令で定めるもの(以下この条において「支払の取扱者」という。)を通じてその交付を受ける場合には、その支払を受けるべき国外私募公社債等運用投資信託等の配当等については、所得税法第二十二条及び第八十九条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その支払を受けるべき金額に対し百分の十五の税率を適用して所得税を課する。
2 内国法人(所得税法別表第一に掲げる内国法人を除く。以下この条において同じ。)は、平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき国外において発行された投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)若しくは特定受益証券発行信託の受益権又は社債的受益権の収益の分配又は剰余金の配当に係る同法第二十四条第一項に規定する配当等(国外において支払われるものに限る。以下この条において「国外投資信託等の配当等」という。)につき、国内における支払の取扱者を通じてその交付を受ける場合には、その支払を受けるべき国外投資信託等の配当等について所得税を納める義務があるものとし、その支払を受けるべき金額について次の各号に掲げる国外投資信託等の配当等の区分に応じ当該各号に定める税率を適用して所得税を課する。
一 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等 百分の十五
二 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等以外の国外投資信託等の配当等 百分の二十
3 平成二十八年一月一日以後に居住者又は内国法人に対して支払われる国外投資信託等の配当等の国内における支払の取扱者は、当該居住者又は内国法人に当該国外投資信託等の配当等の交付をする際、その交付をする金額(当該国外投資信託等の配当等が国外私募公社債等運用投資信託等の配当等である場合において、次項に規定する外国所得税の額があるときは、その額を加算した金額)に前項各号に掲げる国外投資信託等の配当等の区分に応じ当該各号に定める税率を乗じて計算した金額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
4 前二項の場合において、居住者又は内国法人が支払を受けるべき国外投資信託等の配当等につきその支払の際に課される所得税法第九十五条第一項に規定する外国所得税(政令で定めるものを含む。)の額があるときは、次に定めるところによる。
一 当該国外投資信託等の配当等が国外私募公社債等運用投資信託等の配当等である場合には、当該外国所得税の額は、前項の規定により徴収して納付すべき当該国外私募公社債等運用投資信託等の配当等に係る所得税の額を限度として当該所得税の額から控除するものとし、当該居住者に対する所得税法第九十五条の規定の適用については、ないものとする。
二 当該国外投資信託等の配当等が第二項第二号に掲げる国外投資信託等の配当等である場合には、同項に規定する支払を受けるべき金額は、当該国外投資信託等の配当等の額から当該外国所得税の額に相当する金額を控除した後の金額とする。
5 第三項の規定により徴収して納付すべき所得税は、所得税法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に係る所得税とみなして、同法、国税通則法及び国税徴収法の規定を適用する。この場合において、国外投資信託等の配当等の支払を受けるべき者が内国法人であるときは、当該内国法人に対する法人税法の規定の適用については、同法第六十八条第一項及び第八十一条の十四第一項中「又は賞金」とあるのは「若しくは賞金又は租税特別措置法第八条の三第二項(国外で発行された投資信託等の収益の分配に係る配当所得の分離課税等)に規定する国外投資信託等の配当等」と、「同法」とあるのは「所得税法又は租税特別措置法」とする。
6 第二項第二号に掲げる国外投資信託等の配当等につき第三項の規定により所得税が徴収されるべき場合には、当該国外投資信託等の配当等を有する居住者については、当該国外投資信託等の配当等が内国法人から支払を受けるものであるときは第一号に定めるところにより、当該国外投資信託等の配当等が内国法人以外の者から支払を受けるものであるときは同号及び第二号に定めるところにより、第八条の五の規定を適用する。
一 当該国外投資信託等の配当等の国内における支払の取扱者から交付を受けるべき金額については、当該金額を第八条の五第一項第一号に規定する支払を受けるべき金額又は同条第四項に規定する支払を受けるべき配当等の額とみなす。
二 当該国外投資信託等の配当等については、これを内国法人から支払を受けるものとみなす。
7 前二項に定めるもののほか、国外投資信託等の配当等に係る所得税法第二百二十四条及び第二百二十五条の規定の特例その他第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(上場株式等に係る配当所得等の課税の特例)
第八条の四
第八条の四
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき所得税法第二十三条第一項に規定する利子等(第三条第一項に規定する一般利子等、第三条の三第一項に規定する国外一般公社債等の利子等その他政令で定めるものを除く。以下この項及び第五項において「利子等」という。)又は同法第二十四条第一項に規定する配当等(第八条の二第一項に規定する私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等、前条第一項に規定する国外私募公社債等運用投資信託等の配当等その他政令で定めるものを除く。以下この項、第四項及び第五項において「配当等」という。)で次に掲げるもの(以下この項、次項及び第四項において「上場株式等の配当等」という。)を有する場合には、当該上場株式等の配当等に係る利子所得及び配当所得については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該上場株式等の配当等に係る利子所得の金額及び配当所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「上場株式等に係る配当所得等の金額」という。)に対し、上場株式等に係る課税配当所得等の金額(上場株式等に係る配当所得等の金額(第三項第三号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)をいう。)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、当該上場株式等の配当等に係る配当所得については、同法第九十二条第一項の規定は、適用しない。
一 第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等の利子等又は配当等で、内国法人から支払がされる当該配当等の支払に係る基準日(当該配当等が所得税法第二十五条第一項の規定により剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は金銭の分配とみなされるものに係る配当等である場合には、政令で定める日)においてその内国法人の発行済株式(投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人をいう。第三号及び第九条の三第三号において同じ。)にあつては、発行済みの投資口(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項に規定する投資口をいう。以下この項、次条第一項第四号、第九条の三第三号及び第九条の三の二第一項第三号において同じ。)。第九条の三第一号において同じ。)又は出資の総数又は総額の百分の三以上に相当する数又は金額の株式(投資口を含む。以下この章において同じ。)又は出資を有する者が当該内国法人から支払を受ける配当等以外のもの
二 投資信託でその設定に係る受益権の募集が公募(金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配
三 特定投資法人(その規約に投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十六項に規定する投資主の請求により投資口の払戻しをする旨が定められており、かつ、その設立の際の投資口の金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集が同項に規定する取得勧誘であつて同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものにより行われた投資法人をいう。)の投資口の配当等
四 特定受益証券発行信託(その信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第一号に規定する信託契約(次条第一項第五号、第九条の三第四号、第九条の三の二第一項第四号及び第三十七条の十一第二項第三号の二において「信託契約」という。)の締結時において委託者が取得する受益権の募集が公募(金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたものに限る。)の収益の分配
五 特定目的信託(その信託契約の締結時において原委託者が有する社債的受益権の募集が第八条の二第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の社債的受益権の剰余金の配当
六 第三条第一項第一号に規定する特定公社債の利子
2 前項の規定のうち、上場株式等の配当等で同項第一号から第三号までに掲げるもの(同項第二号に掲げる収益の分配にあつては、公社債投資信託以外の証券投資信託に係るものに限る。以下この項において「特定上場株式等の配当等」という。)に係る配当所得に係る部分は、居住者又は恒久的施設を有する非居住者がその年中に支払を受けるべき特定上場株式等の配当等に係る配当所得につき前項の規定の適用を受けようとする旨の記載のある確定申告書を提出した場合に限り適用するものとし、居住者又は恒久的施設を有する非居住者がその年中に支払を受けるべき特定上場株式等の配当等に係る配当所得について所得税法第二十二条及び第八十九条又は第百六十五条の規定の適用を受けた場合には、その者がその同一の年中に支払を受けるべき他の特定上場株式等の配当等に係る配当所得については、同項の規定は、適用しない。
3 第一項の規定の適用がある場合における所得税法その他所得税に関する法令の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の四までの規定の適用については、同項第三十号中「山林所得金額」とあるのは、「山林所得金額並びに租税特別措置法第八条の四第一項(上場株式等に係る配当所得等の課税の特例)に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額(以下「上場株式等に係る配当所得等の金額」という。)」とする。
二 所得税法第六十九条の規定の適用については、同条第一項中「各種所得の金額」とあるのは、「各種所得の金額(上場株式等に係る配当所得等の金額を除く。)」とする。
三 所得税法第七十一条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「総所得金額」とあるのは、「総所得金額、上場株式等に係る配当所得等の金額」とする。
四 所得税法第九十二条、第九十五条及び第百六十五条の六の規定の適用については、同法第九十二条第一項中「ものを除く。)」とあるのは「ものを除く。)及び租税特別措置法第八条の四第一項(上場株式等に係る配当所得等の課税の特例)に規定する上場株式等の配当等に係る配当所得(同項の規定の適用を受けようとするものに限る。)」と、「前節(税率)」とあるのは「前節(税率)及び同項」と、「課税総所得金額」とあるのは「課税総所得金額及び租税特別措置法第八条の四第一項に規定する上場株式等に係る課税配当所得等の金額の合計額」と、同条第二項中「課税総所得金額に係る所得税額」とあるのは「課税総所得金額に係る所得税額、租税特別措置法第八条の四第一項の規定による所得税の額」と、同法第九十五条及び第百六十五条の六中「その年分の所得税の額」とあるのは「その年分の所得税の額及び租税特別措置法第八条の四第一項(上場株式等に係る配当所得等の課税の特例)の規定による所得税の額」とする。
五 前各号に定めるもののほか、所得税法第二編第五章の規定による申請又は申告に関する特例その他第一項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
4 居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対して国内において上場株式等の配当等(所得税法第二条第一項第十四号に規定するオープン型の証券投資信託の収益の分配及び同法第二十五条第一項の規定により剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は金銭の分配とみなされるものに係る配当等を除く。以下この項において「上場株式配当等」という。)の支払をする者(これに準ずる者として政令で定めるもの(以下この項及び次項において「準支払者」という。)を含む。)は、財務省令で定めるところにより、上場株式配当等の支払に関する通知書を、その支払の確定した日(無記名の公社債の利子、同法第二百二十五条第一項に規定する無記名株式等の剰余金の配当又は無記名の投資信託若しくは特定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分配に係る通知書については、その支払をした日)から一月以内(準支払者が交付する場合には、四十五日以内)に、その支払を受ける者に交付しなければならない。
5 前項に規定する上場株式配当等の支払をする者又は所得税法第二百二十五条第二項第一号に掲げる者(以下この条において「配当等の支払者」という。)は、財務省令で定めるところにより、これらの規定に規定する通知書を同一の者に対してその年中に支払つた利子等及び配当等の額の合計額で作成する場合には、これらの規定にかかわらず、当該通知書をこれらの規定に規定する支払の確定した日の属する年の翌年一月三十一日(準支払者が交付する場合には、同年二月十五日)までに、その支払を受ける者に交付しなければならない。
6 配当等の支払者は、前二項の規定による通知書の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該支払を受ける者の承諾を得て、当該通知書に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて財務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。ただし、当該支払を受ける者の請求があるときは、当該通知書を当該支払を受ける者に交付しなければならない。
7 前項本文の場合において、同項の配当等の支払者は、第四項又は第五項の通知書を交付したものとみなす。
8 第二項、第三項及び前二項に定めるもののほか、第一項、第四項及び第五項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(確定申告を要しない配当所得等)
第八条の五
第八条の五
平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき所得税法第二十三条第一項に規定する利子等(第三条第一項に規定する一般利子等その他の政令で定めるものを除く。以下この条において「利子等」という。)又は同法第二十四条第一項に規定する配当等(第八条の二第一項各号に掲げる受益権の収益の分配その他の政令で定めるものを除く。以下この条において「配当等」という。)で次に掲げるものを有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、同年以後の各年分の所得税については、同法第百二十条、第百二十三条若しくは第百二十七条(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する総所得金額、配当控除の額若しくは純損失の金額若しくは同法第百二十一条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する給与所得及び退職所得以外の所得金額若しくは同法第百二十一条第三項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する公的年金等に係る雑所得以外の所得金額又は前条第一項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額の計算上当該利子等に係る利子所得の金額又は配当等に係る配当所得の金額を除外したところにより、同法第百二十条から第百二十七条まで(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定及び第三十七条の十二の二第九項(第三十七条の十三の二第十項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百二十三条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定を適用することができる。
一 内国法人から支払を受ける配当等(次号から第六号までに掲げるものを除く。)で、当該内国法人から一回に支払を受けるべき金額が、十万円に配当計算期間(当該配当等の直前に当該内国法人から支払がされた配当等の支払に係る基準日の翌日から当該内国法人から支払がされる当該配当等の支払に係る基準日までの期間をいう。)の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額以下であるもの
二 国若しくは地方公共団体又はその他の内国法人(第七号において「内国法人等」という。)から支払を受ける前条第一項第一号に掲げる利子等又は配当等
三 内国法人から支払を受ける投資信託でその設定に係る受益権の募集が前条第一項第二号に規定する公募により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配
四 特定投資法人(前条第一項第三号に規定する特定投資法人をいう。)から支払を受ける投資口の配当等
五 特定受益証券発行信託(その信託契約の締結時において委託者が取得する受益権の募集が前条第一項第四号に規定する公募により行われたものに限る。)の収益の分配
六 内国法人から支払を受ける特定目的信託(その信託契約の締結時において原委託者が有する社債的受益権の募集が第八条の二第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の社債的受益権の剰余金の配当
七 内国法人等から支払を受ける第三条第一項第一号に規定する特定公社債の利子
2 前項に規定する居住者又は非居住者の平成二十八年以後の各年分の所得税について国税通則法第二十五条の規定による決定(当該決定に係る同法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を含む。)をする場合におけるこれらの規定の適用については、同項の規定に該当する利子所得の金額並びに配当所得の金額及びこれに係る配当控除の額は、これらの条に規定する課税標準等及び税額等には含まれないものとする。
3 第一項第一号の月数は、暦に従つて計算し、十二月を超えるときは十二月とし、一月に満たない端数を生じたときはこれを一月とする。
4 第一項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が有する同項各号に掲げる利子等又は配当等についての同項の規定の適用は、その一回に支払を受けるべき利子等の額又は配当等の額ごとに行うことができる。
5 第一項各号に掲げる利子等又は配当等のうち政令で定めるものに係る所得税法第二百二十四条、第二百二十五条及び第二百二十八条の規定の特例については、政令で定める。
(配当控除の特例)
第九条
第九条
個人の各年分の総所得金額のうちに次に掲げる配当等(所得税法第二十四条第一項に規定する配当等をいう。以下この条において同じ。)に係る配当所得がある場合には、当該配当所得については、同法第九十二条第一項の規定は、適用しない。
一 第八条の二第一項の規定の適用を受ける同項各号に掲げる受益権(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二十四項に規定する外国投資信託(次号において「外国投資信託」という。)の受益権を除く。)の収益の分配に係る配当等
二 第八条の三第一項の規定の適用を受ける同項に規定する国外私募公社債等運用投資信託等の配当等(第八条の二第一項第一号に掲げる受益権(外国投資信託の受益権に限る。)の収益の分配に係るものを除く。)
三 特定株式投資信託のうちその信託財産を外国株価指数(外国法人の株式についての株価指数として政令で定めるものをいう。)に採用されている銘柄の外国法人の株式に投資を行うもの(第三項において「外国株価指数連動型特定株式投資信託」という。)の収益の分配に係る配当等
四 外貨建等証券投資信託(証券投資信託のうちその信託財産を主として外貨建資産(外国通貨で表示される株式、債券、その他の資産をいう。以下この号において同じ。)又は主として株式(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項に規定する投資口を除く。以下この号において同じ。)以外の資産に運用する証券投資信託として政令で定めるものをいう。第四項において同じ。)のうち特に外貨建資産又は株式以外の資産への運用割合が高い証券投資信託として政令で定めるもの(同項において「特定外貨建等証券投資信託」という。)の収益の分配に係る配当等(前三号に掲げるものを除く。)
五 次に掲げる信託から支払を受けるべき配当等(第一号又は第二号に掲げるものを除く。)
イ 投資信託及び投資法人に関する法律第二条第三項に規定する投資信託のうち、法人課税信託に該当するもの(その設定に係る受益権の募集が機関投資家私募(同法第四条第二項第十二号に規定する適格機関投資家私募のうち財務省令で定める者のみを相手方として行うものをいう。以下この号において同じ。)により行われたもののうち、その募集が主として国内において行われ、かつ、投資信託約款(同法第四条第一項に規定する委託者指図型投資信託約款又は同法第四十九条第一項に規定する委託者非指図型投資信託約款をいう。)にその募集が機関投資家私募である旨の記載がなされて行われたものに限る。)
ロ 特定目的信託
六 資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社から支払を受けるべき配当等
七 投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人から支払を受けるべき配当等
2 前項の規定の適用がある場合において、同項各号に掲げる配当等以外の配当等に係る配当所得があるときにおける所得税法第九十二条第一項の規定の適用については、同項中「ものを除く。)」とあるのは、「ものを除く。)及び租税特別措置法第九条第一項各号(配当控除の特例)に掲げる配当等に係るもの」と読み替えるものとする。
3 個人の各年分の総所得金額のうちに特定株式投資信託(外国株価指数連動型特定株式投資信託を除く。)の収益の分配に係る配当所得がある場合には、当該個人に対する所得税法第九十二条第一項の規定の適用については、同項第一号イ中「及び金銭の分配」とあるのは「、金銭の分配及び租税特別措置法第三条の二(利子所得等に係る支払調書の特例)に規定する特定株式投資信託(以下この項において「特定株式投資信託」という。)の収益の分配」と、同号ロ中「証券投資信託」とあるのは「特定株式投資信託以外の証券投資信託」と、同項第二号及び第三号中「証券投資信託」とあるのは「特定株式投資信託以外の証券投資信託」とする。
4 個人の各年分の総所得金額のうちに一般外貨建等証券投資信託の収益の分配(特定外貨建等証券投資信託以外の外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当等(第一項第一号から第三号までに掲げるものを除く。)をいう。)に係る配当所得がある場合には、当該個人に対する所得税法第九十二条第一項の規定の適用については、同項第一号ロ中「計算した金額」とあるのは「計算した金額(当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得のうちに租税特別措置法第九条第四項(配当控除の特例)に規定する一般外貨建等証券投資信託の収益の分配(以下この項において「一般外貨建等証券投資信託の収益の分配」という。)に係る配当所得があるときは、当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額のうち、当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額については百分の二・五を、その他の金額については百分の五をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額)」と、同項第二号ロ中「合計額」とあるのは「合計額(当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得のうちに一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得がある場合には、その年分の課税総所得金額から当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額が千万円以下であるときは、当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額のうち、当該課税総所得金額から千万円を控除した金額に相当する金額については百分の一・二五を、その他の金額については百分の二・五を、当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額のうち当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額から当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額については百分の五をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額とし、その年分の課税総所得金額から当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額が千万円を超えるときは、当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額のうち当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額については百分の一・二五を、当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額から当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額のうち、当該課税総所得金額から千万円と当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額との合計額を控除した金額に相当する金額については百分の二・五を、その他の金額については百分の五をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額とする。)」と、同項第三号ロ中「計算した金額」とあるのは「計算した金額(当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得のうちに一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得があるときは、当該証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額のうち、当該一般外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額については百分の一・二五を、その他の金額については百分の二・五をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額)」とする。
(国外で発行された株式の配当所得の源泉徴収等の特例)
第九条の二
第九条の二
内国法人(所得税法別表第一に掲げる内国法人を除く。次項及び第四項において同じ。)は、昭和六十三年四月一日以後に支払を受けるべき国外において発行された株式(資産の流動化に関する法律第二条第五項に規定する優先出資を含む。)の剰余金の配当又は利益の配当(所得税法第二十四条第一項に規定する利益の配当をいう。)に係る同項に規定する配当等(国外において支払われるものに限る。以下この条において「国外株式の配当等」という。)につき、国内における支払の取扱者で政令で定めるもの(以下この条において「支払の取扱者」という。)を通じてその交付を受ける場合には、その支払を受けるべき国外株式の配当等について所得税を納める義務があるものとし、その支払を受けるべき金額について百分の二十の税率を適用して所得税を課する。
2 昭和六十三年四月一日以後に居住者又は内国法人に対して支払われる国外株式の配当等の国内における支払の取扱者は、当該居住者又は内国法人に当該国外株式の配当等の交付をする際、その交付をする金額に百分の二十の税率を乗じて計算した金額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
3 前二項の場合において、国外株式の配当等の支払の際に徴収される所得税法第九十五条第一項に規定する外国所得税(政令で定めるものを含む。)の額があるときは、第一項に規定する支払を受けるべき金額及び前項に規定する交付をする金額は、当該国外株式の配当等の額から当該外国所得税の額に相当する金額を控除した後の金額とする。
4 第二項の規定により徴収して納付すべき所得税は、所得税法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に係る所得税とみなして、同法、国税通則法及び国税徴収法の規定を適用する。この場合において、国外株式の配当等の支払を受けるべき者が内国法人であるときは、当該内国法人に対する法人税法の規定の適用については、同法第六十八条第一項及び第八十一条の十四第一項中「又は賞金」とあるのは「若しくは賞金又は租税特別措置法第九条の二第一項(国外で発行された株式の配当所得の源泉徴収等の特例)に規定する国外株式の配当等」と、「同法」とあるのは「所得税法又は租税特別措置法」とする。
5 国外株式の配当等につき第二項の規定により所得税が徴収されるべき場合には、当該国外株式の配当等を有する居住者については、次に定めるところにより、第八条の五の規定を適用する。
一 当該国外株式の配当等の国内における支払の取扱者から交付を受けるべき金額(第三項の規定の適用がある場合には、同項に規定する控除した後の金額)については、当該金額を第八条の五第一項第一号に規定する支払を受けるべき金額又は同条第四項に規定する支払を受けるべき配当等の額とみなす。
二 当該国外株式の配当等については、これを内国法人から支払を受けるものとみなす。
6 前二項に定めるもののほか、国外株式の配当等に係る所得税法第二百二十四条及び第二百二十五条の規定の特例その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例)
第九条の三
第九条の三
平成二十八年一月一日以後に支払を受けるべき所得税法第二十四条第一項に規定する配当等(以下この条及び次条において「配当等」という。)で次に掲げるものに係る同法第百七十条、第百七十五条、第百七十九条、第百八十二条及び第二百十三条の規定並びに第八条の三第二項及び第三項並びに前条第一項及び第二項の規定の適用については、同法第百七十条、第百七十五条第二号、第百七十九条第一号、第百八十二条第二号並びに第二百十三条第一項第一号及び第二項第二号の規定並びに第八条の三第二項第二号並びに前条第一項及び第二項の規定に規定する百分の二十の税率は、百分の十五の税率とする。
一 第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等の配当等で、内国法人から支払がされる当該配当等の支払に係る基準日(当該配当等が所得税法第二十五条第一項の規定により剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は金銭の分配とみなされるものに係る配当等である場合には、政令で定める日)においてその内国法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の百分の三以上に相当する数又は金額の株式又は出資を有する個人(次条第一項において「大口株主等」という。)以外の者が支払を受けるもの
二 次に掲げる投資信託でその設定に係る受益権の募集が公募(金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配
イ 公社債投資信託以外の証券投資信託
ロ 証券投資信託以外の投資信託(公募公社債等運用投資信託を除く。)
三 特定投資法人(その規約に投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十六項に規定する投資主の請求により投資口の払戻しをする旨が定められており、かつ、その設立の際の投資口の金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集が同項に規定する取得勧誘であつて同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものにより行われた投資法人をいう。)の投資口の配当等
四 特定受益証券発行信託(その信託契約の締結時において委託者が取得する受益権の募集が第八条の四第一項第四号に規定する公募により行われたものに限る。)の収益の分配
五 特定目的信託(その信託契約の締結時において原委託者が有する社債的受益権の募集が第八条の二第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の社債的受益権の剰余金の配当
(上場株式等の配当等に係る源泉徴収義務等の特例)
第九条の三の二
第九条の三の二
平成二十八年一月一日以後に個人又は内国法人(所得税法別表第一に掲げる内国法人を除く。)若しくは外国法人に対して支払われる次に掲げる利子等(同法第二十三条第一項に規定する利子等をいう。以下この項及び第四項において同じ。)又は配当等で政令で定めるもの(国内において支払われるものに限るものとし、第九条の四の二第一項の規定の適用を受ける収益の分配を除く。以下この条において「上場株式等の配当等」という。)の国内における支払の取扱者で政令で定めるもの(第四項において「支払の取扱者」という。)は、当該個人又は内国法人若しくは外国法人に当該上場株式等の配当等の交付をする際、その交付をする金額に百分の十五(第一号に掲げる配当等でその配当等の支払をする内国法人に係る大口株主等に対し交付をするものについては、百分の二十)の税率を乗じて計算した金額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
一 第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等の利子等又は配当等
二 投資信託でその設定に係る受益権の募集が前条第二号に規定する公募により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配
三 特定投資法人(前条第三号に規定する特定投資法人をいう。)の投資口の配当等
四 特定受益証券発行信託(その信託契約の締結時において委託者が取得する受益権の募集が第八条の四第一項第四号に規定する公募により行われたものに限る。)の収益の分配
五 特定目的信託(その信託契約の締結時において原委託者が有する社債的受益権の募集が第八条の二第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の社債的受益権の剰余金の配当
六 第三条第一項第一号に規定する特定公社債の利子
2 前項の規定の適用を受ける上場株式等の配当等の支払をする者については、所得税法第百八十一条第一項並びに第二百十二条第一項及び第三項のうち当該上場株式等の配当等に係る部分の規定は、適用しない。
3 第一項の規定により徴収して納付すべき所得税は、所得税法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に係る所得税とみなして、同法、国税通則法及び国税徴収法の規定を適用する。
4 上場株式等の配当等につき第一項の規定により所得税が徴収されるべき場合には、当該上場株式等の配当等を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者については、当該上場株式等の配当等の国内における支払の取扱者から交付を受けるべき金額については、当該金額を第八条の五第四項に規定する支払を受けるべき利子等の額又は配当等の額とみなして、同条の規定を適用する。
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける上場株式等の配当等に係る所得税法第二百二十四条及び第二百二十五条の規定の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定の投資法人等の運用財産等に係る利子等の課税の特例)
第九条の四
第九条の四
所得税法第七条第一項第四号、第百七十四条、第百七十五条及び第二百十二条第三項の規定は、次の各号に掲げる法人がその資産として運用している公社債、合同運用信託、投資信託若しくは特定受益証券発行信託の受益権、社債的受益権、株式又は出資(以下この条において「公社債等」という。)につき国内において同法第二十三条第一項に規定する利子等(以下この条において「利子等」という。)又は同法第二十四条第一項に規定する配当等(以下この条において「配当等」という。)の支払をする者の備え付ける帳簿に、当該公社債等が当該各号に掲げる法人の運用に係る資産である旨その他財務省令で定める事項の登載を受けている場合には、当該公社債等についてその登載を受けている期間内に支払われる当該利子等又は配当等については、適用しない。
一 投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人をいう。以下この号において同じ。)のうち、次のいずれかに該当するもの
イ その有する資産を主として有価証券に対する投資として運用することを目的として設立されたものとして政令で定める投資法人
ロ その設立の際の投資口(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項に規定する投資口をいう。)の募集が金融商品取引法第二条第三項に規定する取得勧誘であつて同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものにより行われた投資法人
二 資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社のうち、同条第一項に規定する特定資産が主として有価証券であるものとして政令で定めるもの
2 所得税法第七条第一項第四号、第百七十四条、第百七十五条及び第二百十二条第三項の規定は、同法第百七十六条第一項に規定する内国信託会社が、その引き受けた証券投資信託以外の投資信託(その設定に係る受益権の募集が第八条の四第一項第二号に規定する公募により行われたものであり、かつ、国内にある営業所、事務所その他これらに準ずるものに信託されたものに限る。第四項において同じ。)の信託財産に属する公社債等につき国内において利子等又は配当等の支払をする者の備え付ける帳簿に、当該公社債等が当該信託財産に属する旨その他財務省令で定める事項の登載を受けている場合には、当該公社債等についてその登載を受けている期間内に支払われる当該利子等又は配当等については、適用しない。
3 所得税法第七条第一項第四号、第百七十四条、第百七十五条及び第二百十二条第三項の規定は、特定目的信託(信託された資産の流動化に関する法律第二条第一項に規定する特定資産が主として有価証券であるものとして政令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)の受託法人(所得税法第六条の三に規定する受託法人(第二条の二第二項において準用する同法第六条の三第一号の規定により内国法人としてこの法律の規定を適用するものに限る。)をいう。)が当該特定目的信託の信託財産に属する公社債等につき国内において利子等又は配当等の支払をする者の備え付ける帳簿に、当該公社債等が当該信託財産に属する旨その他財務省令で定める事項の登載を受けている場合には、当該公社債等についてその登載を受けている期間内に支払われる当該利子等又は配当等については、適用しない。
4 所得税法第七条第一項第五号、第百七十八条、第百七十九条並びに第二百十二条第一項及び第二項の規定は、同法第百八十条の二第一項に規定する外国信託会社が、その引き受けた証券投資信託以外の投資信託の信託財産に属する公社債等につき同法第百六十一条第一項第八号(同号ハを除く。)又は第九号に掲げる国内源泉所得(以下この項において「特定国内源泉所得」という。)の支払をする者の備え付ける帳簿に、当該公社債等が当該信託財産に属する旨その他財務省令で定める事項の登載を受けている場合には、当該公社債等についてその登載を受けている期間内に支払われる当該特定国内源泉所得については、適用しない。
(上場証券投資信託等の償還金等に係る課税の特例)
第九条の四の二
第九条の四の二
内国法人(所得税法別表第一に掲げる内国法人を除く。次項において同じ。)又は恒久的施設を有する外国法人が国内において次に掲げる信託(その受益権が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所(これに類するもので外国の法令に基づき設立されたものを含む。)に上場されていることその他の政令で定める要件に該当するものに限る。次項及び第三項において「上場証券投資信託等」という。)の終了又は一部の解約により支払を受ける収益の分配(恒久的施設を有する外国法人が支払を受けるものにあつては、法人税法第百四十一条第一号イに掲げる国内源泉所得に該当するものに限る。)については、所得税法第百七十四条、第百七十五条、第百七十八条、第百七十九条及び第二百十二条第一項から第三項までの規定並びに第八条の三第二項及び第三項の規定は、適用しない。
一 公社債投資信託以外の証券投資信託でその設定に係る受益権の募集が第九条の三第二号に規定する公募により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)
二 特定受益証券発行信託
2 内国法人又は恒久的施設を有する外国法人に対し国内において上場証券投資信託等の終了(当該上場証券投資信託等の信託の併合に係るものである場合にあつては、当該上場証券投資信託等の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされた信託の併合に係るものに限る。以下この項において同じ。)又は一部の解約により金銭その他の資産(恒久的施設を有する外国法人に対し支払われるものにあつては、当該恒久的施設に帰せられるものに限る。以下この項及び次項において「償還金等」という。)の支払をする者は、当該償還金等の支払を受ける内国法人又は恒久的施設を有する外国法人の各法人別に、その法人の名称及び本店又は主たる事務所の所在地、当該償還金等の額その他の財務省令で定める事項を記載した調書(以下この条において「上場証券投資信託等の償還金等の支払調書」という。)を、その上場証券投資信託等の終了又は一部の解約があつた日の属する月の翌月末日までに、当該支払をする者の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
3 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、上場証券投資信託等の償還金等の支払調書の提出に関する調査について必要があるときは、当該上場証券投資信託等の償還金等の支払調書を提出する義務がある者に質問し、その者の償還金等の支払に係る上場証券投資信託等に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下この章において同じ。)その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
4 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、上場証券投資信託等の償還金等の支払調書の提出に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。
5 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第三項の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
6 第三項及び第四項の規定による当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
7 前項に定めるもののほか、第四項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(公募株式等証券投資信託の受益権を買い取つた金融商品取引業者等が支払を受ける収益の分配に係る源泉徴収の特例)
第九条の五
第九条の五
金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者(同法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)その他政令で定める者(以下この条において「金融商品取引業者等」という。)が募集その他の政令で定める取扱いを行つた公社債投資信託以外の証券投資信託でその設定に係る受益権の募集が公募(同法第二条第三項に規定する取得勧誘のうち同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものをいう。)により行われたもの(特定株式投資信託及び前条第一項に規定する上場証券投資信託等を除く。以下この条において「公募株式等証券投資信託」という。)の受益権を当該取扱いに係る顧客から買い取つた場合において、当該受益権が社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿への記載又は記録その他の政令で定める方法により管理されているものであるときは、当該金融商品取引業者等が当該買取りの日又は同日の翌営業日(政令で定める場合にあつては、政令で定める日)に当該公募株式等証券投資信託の終了又は一部の解約により支払を受ける収益の分配のうち当該顧客が当該受益権を引き続き所有していた期間に対応する部分の額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する部分については、所得税法第百七十四条、第百七十五条、第百七十八条、第百七十九条並びに第二百十二条第一項及び第三項の規定は、適用しない。
2 前項の規定は、金融商品取引業者等が、政令で定めるところにより、当該公募株式等証券投資信託の収益の分配につき同項の規定の適用を受けようとする旨その他財務省令で定める事項を記載した申告書を、当該公募株式等証券投資信託の収益の分配の支払をする者を経由して税務署長に提出した場合に限り、適用する。
第九条の六
削除
(相続財産に係る株式をその発行した非上場会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例)
第九条の七
第九条の七
相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下この項において同じ。)による財産の取得(相続税法又は第七十条の七の三若しくは第七十条の七の七の規定により相続又は遺贈による財産の取得とみなされるものを含む。)をした個人で当該相続又は遺贈につき同法の規定により納付すべき相続税額があるものが、当該相続の開始があつた日の翌日から当該相続に係る同法第二十七条第一項又は第二十九条第一項の規定による申告書(これらの申告書の提出後において同法第四条第一項に規定する事由が生じたことにより取得した資産については、当該取得に係る同法第三十一条第二項の規定による申告書)の提出期限の翌日以後三年を経過する日までの間に当該相続税額に係る課税価格(同法第十九条又は第二十一条の十四から第二十一条の十八までの規定の適用がある場合には、これらの規定により当該課税価格とみなされた金額)の計算の基礎に算入された金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式その他これに類するものとして政令で定める株式を発行した株式会社以外の株式会社(以下この項において「非上場会社」という。)の発行した株式をその発行した当該非上場会社に譲渡した場合において、当該譲渡をした個人が当該譲渡の対価として当該非上場会社から交付を受けた金銭の額が当該非上場会社の法人税法第二条第十六号に規定する資本金等の額又は同条第十七号の二に規定する連結個別資本金等の額のうちその交付の基因となつた株式に係る所得税法第二十五条第一項に規定する株式に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額については、同項の規定は、適用しない。
2 前項の規定の適用がある場合における第三十七条の十第三項及び第三十七条の十二第二項の規定の適用については、これらの規定中「の金額」とあるのは、「の金額(第九条の七第一項の規定の適用を受ける金額を除く。)」とする。
3 第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得の非課税)
第九条の八
第九条の八
第三十七条の十四第一項に規定する金融商品取引業者等(以下この条及び次条において「金融商品取引業者等」という。)の営業所(同項に規定する営業所をいう。次条において同じ。)に第三十七条の十四第五項第一号に規定する非課税口座(以下この条において「非課税口座」という。)を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が支払を受けるべき第三十七条の十四第一項に規定する非課税口座内上場株式等(以下この条において「非課税口座内上場株式等」という。)の所得税法第二十四条第一項に規定する配当等(第八条の二第一項に規定する私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等及び第八条の三第一項に規定する国外私募公社債等運用投資信託等の配当等を除く。以下この条及び次条において「配当等」という。)で次に掲げるもの(当該金融商品取引業者等が国内における支払の取扱者で政令で定めるものであるものに限る。第三十七条の十四第三十五項及び第三十六項において「非課税口座内上場株式等の配当等」という。)については、所得税を課さない。
一 当該非課税口座に設けられた第三十七条の十四第五項第三号に規定する非課税管理勘定に係る非課税口座内上場株式等の次に掲げる配当等で、当該非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の一月一日以後五年を経過する日までの間に支払を受けるべきもの
イ 第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等の配当等で、内国法人から支払がされる当該配当等の支払に係る第八条の四第一項第一号に規定する基準日においてその内国法人の発行済株式(同号に規定する発行済株式をいう。)又は出資の総数又は総額の百分の三以上に相当する数又は金額の株式又は出資を有する者が当該内国法人から支払を受けるもの以外のもの
ロ 公社債投資信託以外の証券投資信託でその設定に係る受益権の募集が第八条の四第一項第二号に規定する公募により行われたもの(特定株式投資信託を除く。)の収益の分配
ハ 第八条の四第一項第三号に掲げる特定投資法人の投資口の配当等
二 当該非課税口座に設けられた第三十七条の十四第五項第五号に規定する累積投資勘定に係る非課税口座内上場株式等の次に掲げる配当等で、当該累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の一月一日以後二十年を経過する日までの間に支払を受けるべきもの
イ 公社債投資信託以外の証券投資信託の受益権のうち、第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等に該当するものの収益の分配
ロ 前号ロに掲げる収益の分配
(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得の非課税)
第九条の九
第九条の九
金融商品取引業者等の営業所に第三十七条の十四の二第五項第一号に規定する未成年者口座(以下この条において「未成年者口座」という。)を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、次の各号に掲げる第三十七条の十四の二第一項に規定する未成年者口座内上場株式等(以下この項において「未成年者口座内上場株式等」という。)の区分に応じ当該各号に定める期間内に支払を受けるべき当該未成年者口座内上場株式等の配当等で前条第一号イからハまでに掲げるもの(当該金融商品取引業者等が同条に規定する国内における支払の取扱者であるものに限る。以下この条並びに第三十七条の十四の二第二十七項及び第三十一項において「未成年者口座内上場株式等の配当等」という。)については、所得税を課さない。
一 第三十七条の十四の二第五項第三号に規定する非課税管理勘定に係る未成年者口座内上場株式等 当該未成年者口座に当該非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の一月一日以後五年を経過する日までの間
二 第三十七条の十四の二第五項第四号に規定する継続管理勘定に係る未成年者口座内上場株式等 当該未成年者口座に当該継続管理勘定を設けた日から当該未成年者口座を開設した者がその年一月一日において二十歳である年の前年十二月三十一日までの間
2 未成年者口座及び第三十七条の十四の二第五項第五号に規定する課税未成年者口座を開設する居住者又は恒久的施設を有する非居住者の同条第四項第三号に規定する基準年の前年十二月三十一日までに同条第六項に規定する契約不履行等事由(以下この条において「契約不履行等事由」という。)が生じた場合には、当該未成年者口座の設定の時から当該契約不履行等事由が生じた時までの間に支払を受けるべき未成年者口座内上場株式等の配当等については前項の規定の適用がなかつたものとし、かつ、当該契約不履行等事由が生じた時において当該未成年者口座内上場株式等の配当等の支払があつたものとみなして、この法律及び所得税法の規定を適用する。
3 前項の規定の適用があつた未成年者口座内上場株式等の配当等についての第八条の五第一項の規定の適用は、同条第四項の規定にかかわらず、前項の契約不履行等事由が生じた時に支払があつたものとみなされた当該未成年者口座内上場株式等の配当等に係る配当所得の金額の合計額ごとに行うものとする。
第二節 不動産所得及び事業所得
[編集]第一款 特別税額控除及び減価償却の特例
[編集](試験研究を行つた場合の所得税額の特別控除)
第十条
第十条
青色申告書を提出する個人のその年分(事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額(その試験研究費に充てるため他の者(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)から支払を受ける金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この条において同じ。)がある場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該年分の当該試験研究費の額に次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、当該各号に定める割合が百分の十を超えるときは百分の十とする。)を乗じて計算した金額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該税額控除限度額が、当該個人のその年分の調整前事業所得税額の百分の二十五に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十五に相当する金額を限度とする。
一 増減試験研究費割合が百分の八を超える場合 百分の九・九に、当該増減試験研究費割合から百分の八を控除した割合に〇・三を乗じて計算した割合を加算した割合
二 増減試験研究費割合が百分の八以下である場合 百分の九・九から、百分の八から当該増減試験研究費割合を減算した割合に〇・一七五を乗じて計算した割合を減算した割合(当該割合が百分の六未満であるときは、百分の六)
三 その年が事業を開始した日の属する年(相続又は包括遺贈により当該事業を承継した日の属する年を除く。)である場合又は比較試験研究費の額が零である場合 百分の八・五
2 前項の青色申告書を提出する個人の平成三十二年及び平成三十三年の各年分における同項の規定の適用については、当該各年分の次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
一 次号に掲げる場合以外の場合 前項中「百分の十」とあるのは、「百分の十四」とする。
二 試験研究費割合が百分の十を超える場合 前項中「(当該割合に」とあるのは「と当該割合に控除割増率(試験研究費割合から百分の十を控除した割合に〇・五を乗じて計算した割合(当該割合が百分の十を超えるときは、百分の十)をいう。)を乗じて計算した割合とを合計した割合(当該割合に」と、「、当該各号に定める」とあるのは「、当該合計した」と、「百分の十」とあるのは「百分の十四」と、「金額を超える」とあるのは「金額に、当該調整前事業所得税額に試験研究費割合から百分の十を控除した割合に二を乗じて計算した割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、当該計算した割合が百分の十を超えるときは百分の十とする。)を乗じて計算した金額を加算した金額を超える」と、「当該百分の二十五に相当する」とあるのは「当該加算した」とする。
3 中小事業者で青色申告書を提出するもののその年分(第一項の規定の適用を受ける年分及び事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額がある場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額の百分の十二に相当する金額(以下この項において「中小事業者税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該中小事業者税額控除限度額が、当該中小事業者のその年分の調整前事業所得税額の百分の二十五に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十五に相当する金額を限度とする。
4 前項の中小事業者で青色申告書を提出するものの平成三十年から平成三十三年までの各年分(平成三十年以後に事業を開始した中小事業者のその開始した日の属する年分(相続又は包括遺贈により当該事業を承継した日の属する年分を除く。)を除く。)において、増減試験研究費割合が百分の八を超える場合における同項の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 前項中「の百分の十二に相当する」とあるのは、「に、百分の十二に増減試験研究費割合から百分の八を控除した割合に〇・三を乗じて計算した割合を加算した割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、当該加算した割合が百分の十七を超えるときは百分の十七とする。)を乗じて計算した」とする。
二 前項後段中「百分の二十五」とあるのは、「百分の三十五」とする。
5 第三項の中小事業者で青色申告書を提出するものの平成三十二年及び平成三十三年の各年分において、試験研究費割合が百分の十を超える場合における前二項の規定の適用については、当該各年分の次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
一 次号に掲げる場合以外の場合 第三項中「の百分の十二に相当する」とあるのは「に、百分の十二と百分の十二に控除割増率(試験研究費割合から百分の十を控除した割合に〇・五を乗じて計算した割合(当該割合が百分の十を超えるときは、百分の十)をいう。)を乗じて計算した割合とを合計した割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときは、これを切り捨てた割合)を乗じて計算した」と、「金額を超える」とあるのは「金額に、当該調整前事業所得税額に試験研究費割合から百分の十を控除した割合に二を乗じて計算した割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、当該計算した割合が百分の十を超えるときは百分の十とする。)を乗じて計算した金額を加算した金額を超える」と、「当該百分の二十五に相当する」とあるのは「当該加算した」とする。
二 増減試験研究費割合が百分の八を超える場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定めるところによる。
イ 前項(第二号に係る部分に限る。)の規定の適用を受ける場合 同項第一号中「割合(」とあるのは「割合と当該割合に控除割増率(試験研究費割合から百分の十を控除した割合に〇・五を乗じて計算した割合(当該割合が百分の十を超えるときは、百分の十)をいう。)を乗じて計算した割合とを合計した割合(」と、「当該加算した」とあるのは「当該合計した」とする。
ロ 前項(第二号に係る部分に限る。)の規定の適用を受けない場合 第三項中「金額を超える」とあるのは「金額に、当該調整前事業所得税額に試験研究費割合から百分の十を控除した割合に二を乗じて計算した割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときはこれを切り捨てた割合とし、当該計算した割合が百分の十を超えるときは百分の十とする。)を乗じて計算した金額を加算した金額を超える」と、「当該百分の二十五に相当する」とあるのは「当該加算した」と、前項第一号中「割合(」とあるのは「割合と当該割合に控除割増率(試験研究費割合から百分の十を控除した割合に〇・五を乗じて計算した割合(当該割合が百分の十を超えるときは、百分の十)をいう。)を乗じて計算した割合とを合計した割合(」と、「当該加算した」とあるのは「当該合計した」とする。
6 青色申告書を提出する個人のその年分(事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される特別試験研究費の額(その年において第一項又は第三項の規定の適用を受ける場合には、これらの規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除する金額の計算の基礎となつた特別試験研究費の額を除く。以下この項において同じ。)がある場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、次に掲げる金額の合計額(以下この項において「特別研究税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該特別研究税額控除限度額が、当該個人のその年分の調整前事業所得税額の百分の十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の十に相当する金額を限度とする。
一 その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される特別試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他これらに準ずる者(以下この号において「特別試験研究機関等」という。)と共同して行う試験研究又は特別試験研究機関等に委託する試験研究に係る試験研究費の額として政令で定める金額の百分の三十に相当する金額
二 その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される特別試験研究費の額のうち他の者と共同して行う試験研究又は他の者に委託する試験研究であつて、革新的なものに係る試験研究費の額として政令で定める金額の百分の二十五に相当する金額
三 その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される特別試験研究費の額のうち前二号に規定する政令で定める金額以外の金額の百分の二十に相当する金額
7 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 試験研究費 製品の製造若しくは技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用又は対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究として政令で定めるもののために要する費用で、政令で定めるものをいう。
二 増減試験研究費割合 増減試験研究費の額(第一項又は第三項の規定の適用を受けようとする年(以下この項及び第十項において「適用年」という。)の年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額から比較試験研究費の額を減算した金額をいう。)の当該比較試験研究費の額に対する割合をいう。
三 比較試験研究費の額 適用年前三年以内の各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額(当該各年のうちに事業を開始した日の属する年がある場合には、当該年については、当該年の試験研究費の額に十二を乗じてこれを当該年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額)の合計額を当該適用年前三年以内の各年(事業を開始した日の属する年以後の年に限る。)の年数で除して計算した金額をいう。
四 調整前事業所得税額 事業所得の金額に係る所得税の額として政令で定める金額をいう。
五 試験研究費割合 適用年の年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額の平均売上金額に対する割合をいう。
六 中小事業者 中小事業者に該当する個人として政令で定めるものをいう。
七 特別試験研究費の額 試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他の者と共同して行う試験研究、国の試験研究機関、大学その他の者に委託する試験研究、中小企業者(第四十二条の四第八項第七号に規定する中小企業者をいう。)からその有する知的財産権(知的財産基本法(平成十四年法律第百二十二号)第二条第二項に規定する知的財産権及び外国におけるこれに相当するものをいう。)の設定又は許諾を受けて行う試験研究、その用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究その他の政令で定める試験研究に係る試験研究費の額として政令で定めるものをいう。
八 平均売上金額 適用年の年分及び当該適用年前三年以内の各年分の売上金額(所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産の販売による収入金額その他の政令で定める金額をいう。)の平均額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
8 前項第三号の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
9 第一項、第三項及び第六項の規定は、確定申告書(これらの規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)にこれらの規定による控除の対象となる試験研究費の額又は特別試験研究費の額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により控除される金額の計算の基礎となる試験研究費の額又は特別試験研究費の額は、確定申告書に添付された書類に記載された試験研究費の額又は特別試験研究費の額を限度とする。
10 前三項に定めるもののほか、第一項又は第三項の規定の適用を受けようとする個人がこれらの規定に規定する事業所得を生ずべき事業を適用年の三年前の年以後に相続又は包括遺贈により承継した者である場合における同年から当該適用年の前年までの各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額の計算その他第一項から第六項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
11 その年分の所得税について第一項、第三項又は第六項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)並びに租税特別措置法第十条第一項、第三項及び第六項(試験研究を行つた場合の所得税額の特別控除)」とする。
(高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の二
第十条の二
青色申告書を提出する個人が、平成三十年四月一日(第二号及び第三号に掲げるものにあつては、エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律(平成三十年法律第四十五号)の施行の日)から平成三十二年三月三十一日までの期間(第三項において「指定期間」という。)内に、当該個人の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める減価償却資産(以下この条において「高度省エネルギー増進設備等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は高度省エネルギー増進設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該個人の事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合を除く。同項において同じ。)には、その事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。同項において「供用年」という。)の年分における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該高度省エネルギー増進設備等に係る償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該高度省エネルギー増進設備等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の三十に相当する金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該高度省エネルギー増進設備等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
一 エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)第七条第三項ただし書に規定する特定事業者又は同法第十八条第二項ただし書に規定する特定連鎖化事業者(同項ただし書に規定する特定連鎖化事業者が行う同条第一項に規定する連鎖化事業(以下この号において「特定連鎖化事業」という。)の同項に規定する加盟者(以下この号において「特定加盟者」という。)を含む。) 同法第十五条第一項又は第二十六条第一項の規定によりこれらの規定の主務大臣に提出されたこれらの規定の計画において設置するものとして記載されたエネルギー(同法第二条第一項に規定するエネルギーをいう。以下第三号までにおいて同じ。)の使用の合理化のための機械その他の減価償却資産でエネルギーの使用の合理化に特に効果の高いものとして政令で定めるもの(当該特定加盟者の同法第二十六条第一項の計画に係るものにあつては、当該特定加盟者が設置している当該特定連鎖化事業に係る同法第三条第一項に規定する工場等に係るものとして政令で定めるものに限る。)
二 エネルギーの使用の合理化等に関する法律第四十六条第一項の認定を受けた同項の工場等を設置している者 当該認定に係る同法第四十七条第三項に規定する連携省エネルギー計画に記載された同法第四十六条第一項に規定する連携省エネルギー措置の実施により取得又は製作若しくは建設(次号において「取得等」という。)をされる機械その他の減価償却資産でエネルギーの使用の合理化に資するものとして政令で定めるもの
三 エネルギーの使用の合理化等に関する法律第百十七条第一項の認定を受けた同項の荷主 当該認定に係る同法第百十八条第三項に規定する荷主連携省エネルギー計画に記載された同法第百十七条第一項に規定する荷主連携省エネルギー措置の実施により取得等をされる機械その他の減価償却資産でエネルギーの使用の合理化に資するものとして政令で定めるもの
2 前項の規定により当該高度省エネルギー増進設備等の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該高度省エネルギー増進設備等を事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該高度省エネルギー増進設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該高度省エネルギー増進設備等の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 前条第七項第六号に規定する中小事業者で青色申告書を提出するもの(以下この項において「中小事業者」という。)が、指定期間内に、高度省エネルギー増進設備等でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は高度省エネルギー増進設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該中小事業者の事業の用に供した場合において、当該高度省エネルギー増進設備等につき第一項の規定の適用を受けないときは、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その事業の用に供した当該高度省エネルギー増進設備等の取得価額の合計額の百分の七に相当する金額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該中小事業者の供用年における税額控除限度額が、当該中小事業者の当該供用年の年分の同条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
4 第一項の規定は、個人が所有権移転外リース取引(所得税法第六十七条の二第三項に規定するリース取引のうち所有権が移転しないものとして政令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)により取得した高度省エネルギー増進設備等については、適用しない。
5 第一項及び第三項の規定は、高度省エネルギー増進設備等の取得又は製作若しくは建設に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金その他これらに準ずるもの(以下この項において「補助金等」という。)の交付を受けた個人が、当該補助金等をもつて取得し、又は製作し、若しくは建設した当該補助金等の交付の目的に適合した高度省エネルギー増進設備等については、適用しない。
6 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、高度省エネルギー増進設備等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
7 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる高度省エネルギー増進設備等の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる高度省エネルギー増進設備等の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された高度省エネルギー増進設備等の取得価額を限度とする。
8 その年分の所得税について第三項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第十条の二第三項(高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
9 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の三
第十条の三
第十条第七項第六号に規定する中小事業者で青色申告書を提出するもの(以下この条において「中小事業者」という。)が、平成十年六月一日から平成三十三年三月三十一日までの期間(第三項において「指定期間」という。)内に、次に掲げる減価償却資産(第一号又は第二号に掲げる減価償却資産にあつては、政令で定める規模のものに限る。以下この条において「特定機械装置等」という。)でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定機械装置等を製作して、これを国内にある当該中小事業者の営む製造業、建設業その他政令で定める事業の用(第四号に規定する事業を営む者で政令で定めるもの以外の者の貸付けの用を除く。以下この条において「指定事業の用」という。)に供した場合には、その指定事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。第三項及び第九項において「供用年」という。)の年分における当該中小事業者の事業所得の金額の計算上、当該特定機械装置等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定機械装置等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額(第四号に掲げる減価償却資産にあつては、当該取得価額に政令で定める割合を乗じて計算した金額。第三項において「基準取得価額」という。)の百分の三十に相当する金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該中小事業者が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定機械装置等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
一 機械及び装置並びに工具(工具については、製品の品質管理の向上等に資するものとして財務省令で定めるものに限る。)
二 ソフトウエア(政令で定めるものに限る。)
三 車両及び運搬具(貨物の運送の用に供される自動車で輸送の効率化等に資するものとして財務省令で定めるものに限る。)
四 政令で定める海上運送業の用に供される船舶
2 前項の規定により当該特定機械装置等の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該特定機械装置等を指定事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該特定機械装置等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定機械装置等の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該中小事業者が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 中小事業者が、指定期間内に、特定機械装置等でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定機械装置等を製作して、これを国内にある当該中小事業者の営む指定事業の用に供した場合において、当該特定機械装置等につき第一項の規定の適用を受けないときは、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その指定事業の用に供した当該特定機械装置等の基準取得価額の合計額の百分の七に相当する金額(以下この項及び第五項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該中小事業者の供用年における税額控除限度額が、当該中小事業者の当該供用年の年分の調整前事業所得税額(第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額をいう。次項において同じ。)の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
4 青色申告書を提出する個人が、その年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において繰越税額控除限度超過額を有する場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該繰越税額控除限度超過額に相当する金額を控除する。この場合において、当該個人のその年における繰越税額控除限度超過額が当該個人のその年分の調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額(その年においてその指定事業の用に供した特定機械装置等につき前項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額又は第十条の五の二第三項及び第十条の五の三第三項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、これらの金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
5 前項に規定する繰越税額控除限度超過額とは、当該個人のその年の前年(当該前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合に限る。)における税額控除限度額のうち、第三項の規定による控除をしてもなお控除しきれない金額をいう。
6 第一項の規定は、中小事業者が所有権移転外リース取引により取得した特定機械装置等については、適用しない。
7 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、特定機械装置等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
8 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる特定機械装置等の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる特定機械装置等の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された特定機械装置等の取得価額を限度とする。
9 第四項の規定は、供用年及びその翌年分の確定申告書に同項に規定する繰越税額控除限度超過額の明細書の添付があり、かつ、当該翌年分の確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる同項に規定する繰越税額控除限度超過額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
10 その年分の所得税について第三項又は第四項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)並びに租税特別措置法第十条の三第三項及び第四項(中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
(地域経済牽 引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の四
第十条の四
青色申告書を提出する個人で地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(平成十九年法律第四十号)第二十四条に規定する承認地域経済牽引事業者であるものが、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十七号)の施行の日から平成三十三年三月三十一日までの期間(第三項において「指定期間」という。)内に、当該個人の行う同条に規定する承認地域経済牽引事業(以下第三項までにおいて「承認地域経済牽引事業」という。)に係る地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第四条第二項第一号に規定する促進区域(第三項において「促進区域」という。)内において当該承認地域経済牽引事業に係る承認地域経済牽引事業計画(同法第十四条第二項に規定する承認地域経済牽引事業計画をいう。以下この項及び第三項において同じ。)に従つて特定地域経済牽引事業施設等(承認地域経済牽引事業計画に定められた施設又は設備で、政令で定める規模のものをいう。以下この項及び第三項において同じ。)の新設又は増設をする場合において、当該新設若しくは増設に係る特定地域経済牽引事業施設等を構成する機械及び装置、器具及び備品、建物及びその附属設備並びに構築物(以下この条において「特定事業用機械等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は当該新設若しくは増設に係る特定事業用機械等を製作し、若しくは建設して、これを当該承認地域経済牽引事業の用に供したとき(貸付けの用に供した場合を除く。第三項において同じ。)は、その承認地域経済牽引事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。第三項において「供用年」という。)の年分における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該特定事業用機械等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定事業用機械等について同項の規定により計算した償却費の額と特別償却限度額(当該特定事業用機械等の取得価額(その特定事業用機械等に係る一の特定地域経済牽引事業施設等を構成する機械及び装置、器具及び備品、建物及びその附属設備並びに構築物の取得価額の合計額が八十億円を超える場合には、八十億円にその特定事業用機械等の取得価額が当該合計額のうちに占める割合を乗じて計算した金額。第三項において「基準取得価額」という。)に次の各号に掲げる減価償却資産の区分に応じ当該各号に定める割合を乗じて計算した金額をいう。)との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定事業用機械等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
一 機械及び装置並びに器具及び備品 百分の四十(平成三十一年四月一日以後に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第十三条第四項又は第七項の規定による承認を受けた個人(第三項第一号において「特定個人」という。)がその承認地域経済牽引事業(地域の成長発展の基盤強化に著しく資するものとして政令で定めるものに限る。同号において同じ。)の用に供したものについては、百分の五十)
二 建物及びその附属設備並びに構築物 百分の二十
2 前項の規定により当該特定事業用機械等の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該特定事業用機械等を承認地域経済牽引事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該特定事業用機械等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定事業用機械等の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 青色申告書を提出する個人で地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第二十四条に規定する承認地域経済牽引事業者であるものが、指定期間内に、当該個人の行う承認地域経済牽引事業に係る促進区域内において当該承認地域経済牽引事業に係る承認地域経済牽引事業計画に従つて特定地域経済牽引事業施設等の新設又は増設をする場合において、当該新設若しくは増設に係る特定事業用機械等でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は当該新設若しくは増設に係る特定事業用機械等を製作し、若しくは建設して、これを当該承認地域経済牽引事業の用に供したときは、当該特定事業用機械等につき第一項の規定の適用を受ける場合を除き、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その承認地域経済牽引事業の用に供した当該特定事業用機械等の基準取得価額に次の各号に掲げる減価償却資産の区分に応じ当該各号に定める割合を乗じて計算した金額の合計額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該個人の供用年における税額控除限度額が、当該個人の当該供用年の年分の第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
一 機械及び装置並びに器具及び備品 百分の四(特定個人がその承認地域経済牽引事業の用に供したものについては、百分の五)
二 建物及びその附属設備並びに構築物 百分の二
4 第一項の規定は、個人が所有権移転外リース取引により取得した特定事業用機械等については、適用しない。
5 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、特定事業用機械等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
6 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる特定事業用機械等の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる特定事業用機械等の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された特定事業用機械等の取得価額を限度とする。
7 その年分の所得税について第三項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第十条の四第三項(地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
8 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の四の二
第十条の四の二
青色申告書を提出する個人で地域再生法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第四十九号)の施行の日から平成三十二年三月三十一日までの期間(第三項において「指定期間」という。)内に地域再生法(平成十七年法律第二十四号)第十七条の二第一項に規定する地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(以下この項及び第三項において「地方活力向上地域等特定業務施設整備計画」という。)について同条第三項の認定を受けたものが、当該認定を受けた日から同日の翌日以後二年を経過する日まで(同日までに同条第六項の規定により当該認定を取り消されたときは、その取り消された日の前日まで)の間に、当該認定をした同条第一項に規定する認定都道府県知事(第三項において「認定都道府県知事」という。)が作成した同法第八条第一項に規定する認定地域再生計画(第三項において「認定地域再生計画」という。)に記載されている同法第五条第四項第五号イ又はロに掲げる地域(当該認定を受けた地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(同法第十七条の二第四項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下この項において「認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画」という。)が同法第十七条の二第一項第二号に掲げる事業に関する地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(第三項において「拡充型計画」という。)である場合には、同号に規定する地方活力向上地域)内において、当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に記載された同法第五条第四項第五号に規定する特定業務施設に該当する建物及びその附属設備並びに構築物(政令で定める規模のものに限る。以下この条において「特定建物等」という。)でその建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に記載された特定建物等を建設して、これを当該個人の営む事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合を除く。第三項において同じ。)には、その事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。第三項において「供用年」という。)の年分における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該特定建物等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定建物等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の十五(当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が地域再生法第十七条の二第一項第一号に掲げる事業に関するものである場合には、百分の二十五)に相当する金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定建物等の償却費として所得税法第四十九条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前項の規定により当該特定建物等の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該特定建物等を事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該特定建物等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定建物等の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 青色申告書を提出する個人で指定期間内に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について地域再生法第十七条の二第三項の認定を受けたものが、当該認定を受けた日から同日の翌日以後二年を経過する日まで(同日までに同条第六項の規定により当該認定を取り消されたときは、その取り消された日の前日まで)の間に、当該認定をした認定都道府県知事が作成した認定地域再生計画に記載されている同法第五条第四項第五号イ又はロに掲げる地域(当該認定を受けた地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(同法第十七条の二第四項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下この項において「認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画」という。)が拡充型計画である場合には、同法第十七条の二第一項第二号に規定する地方活力向上地域)内において、当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に記載された特定建物等でその建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に記載された特定建物等を建設して、これを当該個人の営む事業の用に供した場合において、当該特定建物等につき第一項の規定の適用を受けないときは、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その事業の用に供した当該特定建物等の取得価額の百分の四(当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が同法第十七条の二第一項第一号に掲げる事業に関するものである場合には、百分の七)に相当する金額の合計額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該個人の供用年における税額控除限度額が、当該個人の当該供用年の年分の第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
4 第一項の規定は、個人が所有権移転外リース取引により取得した特定建物等については、適用しない。
5 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、特定建物等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
6 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる特定建物等の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる特定建物等の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された特定建物等の取得価額を限度とする。
7 その年分の所得税について第三項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第十条の四の二第三項(地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
8 第四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除)
第十条の五
第十条の五
青色申告書を提出する個人で地域再生法第十七条の二第四項に規定する認定事業者(地域再生法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第四十九号)の施行の日から平成三十二年三月三十一日までの間に同条第一項に規定する地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(以下この条において「地方活力向上地域等特定業務施設整備計画」という。)について地域再生法第十七条の二第三項の認定(以下この条において「計画の認定」という。)を受けた個人に限る。次項において「認定事業者」という。)であるものが、適用年において、第一号に掲げる要件を満たす場合には、当該個人の当該適用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、第二号に掲げる金額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該税額控除限度額が、当該個人の当該適用年の年分の調整前事業所得税額(第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額をいう。次項において同じ。)の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
一 次に掲げる全ての要件
イ 当該個人の当該適用年の特定新規雇用者等数(地方事業所基準雇用者数のうち特定新規雇用者数に達するまでの数と当該地方事業所基準雇用者数から新規雇用者総数を控除した数とを合計した数をいう。イにおいて同じ。)が二人以上であること(当該適用年前の各年のうち当該計画の認定を受けた日の属する年以後の各年のいずれかにおいて当該計画の認定に係る特定業務施設につき既に特定新規雇用者等数が二人以上であつたこと(当該各年のいずれかにおいて基準雇用者数又は地方事業所基準雇用者数が零に満たない場合を除く。)につき政令で定めるところにより証明がされたことを含む。)。
ロ 給与等支給額が比較給与等支給額以上であること。
ハ 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第五条第一項に規定する適用事業を行い、かつ、他の法律により業務の規制及び適正化のための措置が講じられている事業として政令で定めるものを行つていないこと。
二 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該個人の当該適用年の基準雇用者割合が百分の八以上であること又は当該適用年の前年の十二月三十一日における雇用者(当該適用年の十二月三十一日において高年齢雇用者に該当する者を除く。)の数が零であることにつき、政令で定めるところにより証明がされた場合 次に掲げる金額の合計額
(1) 六十万円に、当該個人の当該適用年の地方事業所基準雇用者数(当該地方事業所基準雇用者数が当該適用年の基準雇用者数を超える場合には、当該基準雇用者数。(2)及びロ(2)において同じ。)のうち当該適用年の特定新規雇用者数に達するまでの数(ロ(1)及びハ(1)において「特定新規雇用者基礎数」という。)を乗じて計算した金額
(2) 五十万円に、当該個人の当該適用年の新規雇用者総数(当該新規雇用者総数が当該適用年の地方事業所基準雇用者数を超える場合には、当該地方事業所基準雇用者数。(2)及びロ(2)において同じ。)から当該適用年の特定新規雇用者数を控除した数(ロ(2)において「非特定新規雇用者数」という。)のうち当該新規雇用者総数の百分の四十に相当する数(その数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てた数。ロ(2)において同じ。)に達するまでの数と当該地方事業所基準雇用者数から当該新規雇用者総数を控除した数とを合計した数を乗じて計算した金額
ロ 当該個人の当該適用年の基準雇用者割合が百分の五以上であることにつき政令で定めるところにより証明がされた場合(イに掲げる場合を除く。) 次に掲げる金額の合計額
(1) 三十万円に、特定新規雇用者基礎数(当該適用年の前々年の一月一日から当該適用年の十二月三十一日までの間に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(地域再生法第十七条の二第一項第一号に掲げる事業に関するものに限る。)について計画の認定を受けた当該個人の当該計画の認定に係る特定業務施設((1)及び(2)において「移転型特定業務施設」という。)において当該適用年に新たに雇用された特定雇用者で当該適用年の十二月三十一日において当該移転型特定業務施設に勤務するものの数として政令で定めるところにより証明がされた数((1)及び(2)において「移転型特定新規雇用者数」という。)がある場合には、当該特定新規雇用者基礎数のうち当該移転型特定新規雇用者数に達するまでの数を加算した数)を乗じて計算した金額
(2) 二十万円に、非特定新規雇用者数のうち当該個人の当該適用年の新規雇用者総数の百分の四十に相当する数に達するまでの数(移転型特定業務施設において当該適用年に新たに雇用された雇用者で当該適用年の十二月三十一日において当該移転型特定業務施設に勤務するものの総数として政令で定めるところにより証明がされた数((2)において「移転型新規雇用者総数」という。)から移転型特定新規雇用者数を控除した数のうち当該非特定新規雇用者数に達するまでの数((2)において「移転型非特定新規雇用者数」という。)がある場合には、当該百分の四十に相当する数に達するまでの数のうち当該移転型非特定新規雇用者数に達するまでの数に一・五を乗じた数を加算した数)と当該適用年の地方事業所基準雇用者数から当該新規雇用者総数を控除して計算した数(移転型特定業務施設のみを当該個人の事業所とみなした場合における当該適用年の基準雇用者数として政令で定めるところにより証明がされた数から当該移転型新規雇用者総数を控除した数((2)において「移転型非新規基準雇用者数」という。)が零を超える場合には、当該計算した数のうち当該移転型非新規基準雇用者数に達するまでの数に一・五を乗じた数を加算した数)とを合計した数を乗じて計算した金額
ハ イ及びロに掲げる場合以外の場合 次に掲げる金額の合計額
(1) 三十万円に、特定新規雇用者基礎数を乗じて計算した金額
(2) 二十万円に、イ(2)に規定する合計した数を乗じて計算した金額
2 青色申告書を提出する個人で認定事業者であるもののうち、前項の規定の適用を受ける又は受けたもの(前条第一項から第三項までの規定の適用を受ける年においてその適用を受けないものとしたならば前項の規定の適用があるもの(以下この項において「要件適格個人」という。)を含む。)が、その適用を受ける年(要件適格個人にあつては、同条第一項から第三項までの規定の適用を受ける年)以後の各適用年(当該個人の地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(地域再生法第十七条の二第一項第一号に掲げる事業に関するものに限る。)について計画の認定を受けた日の属する年以後の各年で基準雇用者数又は地方事業所基準雇用者数が零に満たない年以後の各年を除く。)において、前項第一号ハに掲げる要件を満たす場合には、当該個人の当該適用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、三十万円に当該個人の当該適用年の地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額(当該計画の認定に係る特定業務施設が同法第五条第四項第五号ロに規定する準地方活力向上地域内にある場合には、二十万円に当該特定業務施設に係る当該個人の当該適用年の地方事業所特別基準雇用者数を乗じて計算した金額。以下この項において「地方事業所特別税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該地方事業所特別税額控除限度額が、当該個人の当該適用年の年分の調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額(当該適用年において前項の規定により当該適用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額又は前条第三項の規定により当該適用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、これらの金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 適用年 地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について計画の認定を受けた個人の当該計画の認定を受けた日の属する年以後三年内の各年(事業を開始した日の属する年(相続又は包括遺贈により当該事業を承継した日の属する年を除く。)及び事業を廃止した日の属する年を除く。)をいう。
二 特定業務施設 地域再生法第五条第四項第五号に規定する特定業務施設で、同法第十七条の二第六項に規定する認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に係る計画の認定をした同条第一項に規定する認定都道府県知事が作成した同法第八条第一項に規定する認定地域再生計画に記載されている同号イ又はロに掲げる地域(当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画が同法第十七条の二第一項第二号に掲げる事業に関するものである場合には、同号に規定する地方活力向上地域)において当該認定地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に従つて整備されたものをいう。
三 雇用者 個人の使用人(当該個人と政令で定める特殊の関係のある者を除く。次号において同じ。)のうち一般被保険者(雇用保険法第六十条の二第一項第一号に規定する一般被保険者をいう。)に該当するものをいう。
四 高年齢雇用者 個人の使用人のうち高年齢被保険者(雇用保険法第三十七条の二第一項に規定する高年齢被保険者をいう。)に該当するものをいう。
五 基準雇用者数 適用年の十二月三十一日における雇用者の数から当該適用年の前年の十二月三十一日における雇用者(当該適用年の十二月三十一日において高年齢雇用者に該当する者を除く。第十二号及び第十三号において同じ。)の数を減算した数をいう。
六 地方事業所基準雇用者数 適用年の前々年の一月一日から当該適用年の十二月三十一日までの間に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について計画の認定を受けた個人の当該計画の認定に係る特定業務施設(第八号及び第九号において「適用対象特定業務施設」という。)のみを当該個人の事業所とみなした場合における基準雇用者数として政令で定めるところにより証明がされた数をいう。
七 特定雇用者 次に掲げる要件を満たす雇用者をいう。
イ その個人との間で労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十七条第一項に規定する有期労働契約以外の労働契約を締結していること。
ロ 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号)第二条に規定する短時間労働者でないこと。
八 特定新規雇用者数 適用対象特定業務施設において適用年に新たに雇用された特定雇用者で当該適用年の十二月三十一日において当該適用対象特定業務施設に勤務するものの数として政令で定めるところにより証明がされた数をいう。
九 新規雇用者総数 適用対象特定業務施設において適用年に新たに雇用された雇用者で当該適用年の十二月三十一日において当該適用対象特定業務施設に勤務するものの総数として政令で定めるところにより証明がされた数をいう。
十 給与等 所得税法第二十八条第一項に規定する給与等(雇用者に対して支給するものに限る。)をいう。
十一 給与等支給額 給与等の支給額(その給与等に充てるため他の者(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)から支払を受ける金額がある場合には、当該金額を控除した金額。第十三号において同じ。)のうち適用年の年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される金額(当該適用年の十二月三十一日において高年齢雇用者に該当する者に係るものを除く。)をいう。
十二 基準雇用者割合 基準雇用者数の適用年の前年の十二月三十一日における雇用者の数に対する割合をいう。
十三 比較給与等支給額 個人の給与等の支給額のうち第十一号の適用年の前年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される金額(当該適用年の十二月三十一日において高年齢雇用者に該当する者に係るものを除くものとし、当該適用年の前年において事業を開始した場合における当該適用年にあつては当該金額に十二を乗じてこれを当該適用年の前年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額とする。以下この号において「適用年前年分における給与等の支給額」という。)に、当該適用年前年分における給与等の支給額に当該適用年の基準雇用者割合を乗じて計算した金額(当該適用年の前年の十二月三十一日における雇用者の数が零である場合には、当該適用年前年分における給与等の支給額)の百分の二十に相当する金額を加算した金額をいう。
十四 地方事業所特別基準雇用者数 適用年の前々年の一月一日から当該適用年の十二月三十一日までの間に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(地域再生法第十七条の二第一項第一号に掲げる事業に関するものに限る。)について計画の認定を受けた個人の当該適用年及び当該適用年前の各年のうち、当該計画の認定を受けた日の属する年以後の各年の当該個人の当該計画の認定に係る特定業務施設のみを当該個人の事業所とみなした場合における基準雇用者数として政令で定めるところにより証明がされた数の合計数をいう。
4 前項第十三号の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
5 第一項の規定は、前条第一項から第三項までの規定の適用を受ける年分については、適用しない。
6 第一項及び第二項の規定は、これらの規定の適用を受けようとする年及びその前年において、これらの規定に規定する個人に離職者(当該個人の雇用者又は高年齢雇用者であつた者で、当該個人の都合によるものとして財務省令で定める理由によつて離職(雇用保険法第四条第二項に規定する離職をいう。)をしたものをいう。)がいないことにつき政令で定めるところにより証明がされた場合に限り、適用する。
7 第一項及び第二項の規定は、確定申告書(これらの規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)にこれらの規定による控除の対象となる地方事業所基準雇用者数又は地方事業所特別基準雇用者数、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により控除される金額の計算の基礎となる地方事業所基準雇用者数又は地方事業所特別基準雇用者数は、確定申告書に添付された書類に記載された地方事業所基準雇用者数又は地方事業所特別基準雇用者数を限度とする。
8 第三項から前項までに定めるもののほか、第一項に規定する個人が同項に規定する事業所得を生ずべき事業を相続又は包括遺贈により承継した者である場合における比較給与等支給額の計算その他同項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
9 その年分の所得税について第一項又は第二項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)並びに租税特別措置法第十条の五第一項及び第二項(地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除)」とする。
(特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の五の二
第十条の五の二
中小企業等経営強化法(平成十一年法律第十八号)第三十二条第二項に規定する認定経営革新等支援機関(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この項において「認定経営革新等支援機関等」という。)による経営の改善に関する指導及び助言を受けた旨を明らかにする書類として財務省令で定めるもの(以下この項において「経営改善指導助言書類」という。)の交付を受けた第十条第七項第六号に規定する中小事業者で青色申告書を提出するもの(認定経営革新等支援機関等を除く。以下この条において「特定中小事業者」という。)が、平成二十五年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの期間(第三項において「指定期間」という。)内に、経営の改善に資する資産としてその交付を受けた経営改善指導助言書類(認定経営革新等支援機関等がその資産の取得に係る計画の実施その他の取組が特定中小事業者の経営の改善に特に資することにつき財務省令で定めるところにより確認をした旨の記載があるものに限る。)に記載された器具及び備品並びに建物附属設備(政令で定める規模のものに限る。以下この条において「経営改善設備」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は経営改善設備を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該特定中小事業者の営む卸売業、小売業その他の政令で定める事業の用(貸付けの用を除く。以下この条において「指定事業の用」という。)に供した場合には、その指定事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。第三項及び第九項において「供用年」という。)の年分における当該特定中小事業者の事業所得の金額の計算上、当該経営改善設備の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該経営改善設備について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の三十に相当する金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該特定中小事業者が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該経営改善設備の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前項の規定により当該経営改善設備の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該経営改善設備を指定事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該経営改善設備の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該経営改善設備の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該特定中小事業者が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 特定中小事業者が、指定期間内に、経営改善設備でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は経営改善設備を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該特定中小事業者の営む指定事業の用に供した場合において、当該経営改善設備につき第一項の規定の適用を受けないときは、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その指定事業の用に供した当該経営改善設備の取得価額の合計額の百分の七に相当する金額(以下この項及び第五項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該特定中小事業者の供用年における税額控除限度額が、当該特定中小事業者の当該供用年の年分の調整前事業所得税額(第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額をいう。次項において同じ。)の百分の二十に相当する金額(第十条の三第三項の規定により当該供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、当該金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
4 青色申告書を提出する個人が、その年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において繰越税額控除限度超過額を有する場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該繰越税額控除限度超過額に相当する金額を控除する。この場合において、当該個人のその年における繰越税額控除限度超過額が当該個人のその年分の調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額(その年においてその指定事業の用に供した経営改善設備につき前項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額又は第十条の三第三項及び第四項並びに次条第三項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、これらの金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
5 前項に規定する繰越税額控除限度超過額とは、当該個人のその年の前年(当該前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合に限る。)における税額控除限度額のうち、第三項の規定による控除をしてもなお控除しきれない金額をいう。
6 第一項の規定は、特定中小事業者が所有権移転外リース取引により取得した経営改善設備については、適用しない。
7 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、経営改善設備の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
8 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる経営改善設備の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる経営改善設備の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された経営改善設備の取得価額を限度とする。
9 第四項の規定は、供用年及びその翌年分の確定申告書に同項に規定する繰越税額控除限度超過額の明細書の添付があり、かつ、当該翌年分の確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる同項に規定する繰越税額控除限度超過額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
10 その年分の所得税について第三項又は第四項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)並びに租税特別措置法第十条の五の二第三項及び第四項(特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
(特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の五の三
第十条の五の三
特定中小事業者(第十条の三第一項に規定する中小事業者のうち中小企業等経営強化法第十九条第一項の認定(以下この項において「認定」という。)を受けた同法第二条第二項に規定する中小企業者等に該当するものをいう。以下この条において同じ。)が、平成二十九年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの期間(第三項において「指定期間」という。)内に、生産等設備を構成する機械及び装置、工具、器具及び備品、建物附属設備並びに政令で定めるソフトウエアで、同法第十九条第三項に規定する経営力向上設備等(経営の向上に著しく資するものとして財務省令で定めるもので、その特定中小事業者のその認定に係る同条第一項に規定する経営力向上計画(同法第二十条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの)に記載されたものに限る。)に該当するもののうち政令で定める規模のもの(以下この条において「特定経営力向上設備等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定経営力向上設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該特定中小事業者の営む事業の用(第十条の三第一項に規定する指定事業の用又は前条第一項に規定する指定事業の用に限る。以下この条において「指定事業の用」という。)に供した場合には、その指定事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。第三項及び第九項において「供用年」という。)の年分における当該特定中小事業者の事業所得の金額の計算上、当該特定経営力向上設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定経営力向上設備等について同項の規定により計算した償却費の額(以下この項において「普通償却額」という。)と特別償却限度額(当該特定経営力向上設備等の取得価額から普通償却額を控除した金額に相当する金額をいう。)との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該特定中小事業者が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定経営力向上設備等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前項の規定により当該特定経営力向上設備等の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該特定経営力向上設備等を指定事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該特定経営力向上設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定経営力向上設備等の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該特定中小事業者が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 特定中小事業者が、指定期間内に、特定経営力向上設備等でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定経営力向上設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該特定中小事業者の営む指定事業の用に供した場合において、当該特定経営力向上設備等につき第一項の規定の適用を受けないときは、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その指定事業の用に供した当該特定経営力向上設備等の取得価額の百分の十に相当する金額の合計額(以下この項及び第五項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該特定中小事業者の供用年における税額控除限度額が、当該特定中小事業者の当該供用年の年分の調整前事業所得税額(第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額をいう。次項において同じ。)の百分の二十に相当する金額(第十条の三第三項及び前条第三項の規定により当該供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、当該金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
4 青色申告書を提出する個人が、その年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において繰越税額控除限度超過額を有する場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該繰越税額控除限度超過額に相当する金額を控除する。この場合において、当該個人のその年における繰越税額控除限度超過額が当該個人のその年分の調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額(その年においてその指定事業の用に供した特定経営力向上設備等につき前項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額又は第十条の三第三項及び第四項並びに前条第三項及び第四項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、これらの金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
5 前項に規定する繰越税額控除限度超過額とは、当該個人のその年の前年(当該前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合に限る。)における税額控除限度額のうち、第三項の規定による控除をしてもなお控除しきれない金額をいう。
6 第一項の規定は、特定中小事業者が所有権移転外リース取引により取得した特定経営力向上設備等については、適用しない。
7 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、特定経営力向上設備等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
8 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる特定経営力向上設備等の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる特定経営力向上設備等の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された特定経営力向上設備等の取得価額を限度とする。
9 第四項の規定は、供用年及びその翌年分の確定申告書に同項に規定する繰越税額控除限度超過額の明細書の添付があり、かつ、当該翌年分の確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる同項に規定する繰越税額控除限度超過額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
10 その年分の所得税について第三項又は第四項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)並びに租税特別措置法第十条の五の三第三項及び第四項(特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
11 第六項から前項までに定めるもののほか、第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(給与等の引上げ及び設備投資を行つた場合等の所得税額の特別控除)
第十条の五の四
第十条の五の四
青色申告書を提出する個人が、平成三十一年から平成三十三年までの各年(平成三十一年以後に事業を開始した個人のその開始した日の属する年及びその事業を廃止した日の属する年を除く。)において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その年において第一号及び第二号に掲げる要件を満たすとき(当該個人の雇用者給与等支給額がその比較雇用者給与等支給額以下である場合を除く。)は、当該個人のその年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該雇用者給与等支給額から当該比較雇用者給与等支給額を控除した金額(その年において第十条の五の規定の適用を受ける場合には、同条の規定による控除を受ける金額の計算の基礎となつた者に対する給与等の支給額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額)の百分の十五(その年において第三号に掲げる要件を満たす場合には、百分の二十)に相当する金額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該税額控除限度額が、当該個人のその年分の調整前事業所得税額(第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額をいう。次項において同じ。)の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
一 当該個人の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の当該継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が百分の三以上であること。
二 当該個人の国内設備投資額がその償却費総額の百分の九十に相当する金額以上であること。
三 当該個人のその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額(その教育訓練費に充てるため他の者(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)から支払を受ける金額がある場合には、当該金額を控除した金額。次項第二号イ及び第三項において同じ。)からその比較教育訓練費の額を控除した金額の当該比較教育訓練費の額に対する割合が百分の二十以上であること。
2 第十条第七項第六号に規定する中小事業者で青色申告書を提出するもの(以下この項及び次項第十一号において「中小事業者」という。)が、平成三十一年から平成三十三年までの各年(前項の規定の適用を受ける年、平成三十一年以後に事業を開始した中小事業者のその開始した日の属する年及びその事業を廃止した日の属する年を除く。)において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その年において当該中小事業者の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の当該継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が百分の一・五以上であるとき(当該中小事業者の雇用者給与等支給額がその比較雇用者給与等支給額以下である場合を除く。)は、当該中小事業者のその年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該雇用者給与等支給額から当該比較雇用者給与等支給額を控除した金額(その年において第十条の五の規定の適用を受ける場合には、同条の規定による控除を受ける金額の計算の基礎となつた者に対する給与等の支給額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額)の百分の十五(その年において次に掲げる要件を満たす場合には、百分の二十五)に相当する金額(以下この項において「中小事業者税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該中小事業者税額控除限度額が、当該中小事業者のその年分の調整前事業所得税額の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
一 当該中小事業者の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の当該継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が百分の二・五以上であること。
二 次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。
イ 当該中小事業者のその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額からその中小企業比較教育訓練費の額を控除した金額の当該中小企業比較教育訓練費の額に対する割合が百分の十以上であること。
ロ 当該中小事業者が、その年の十二月三十一日までにおいて中小企業等経営強化法第十九条第一項の認定を受けたものであり、当該認定に係る同項に規定する経営力向上計画(同法第二十条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの)に記載された同法第二条第十二項に規定する経営力向上が確実に行われたことにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものであること。
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 国内雇用者 個人の使用人(当該個人と政令で定める特殊の関係のある者を除く。)のうち当該個人の有する国内の事業所に勤務する雇用者として政令で定めるものに該当するものをいう。
二 給与等 所得税法第二十八条第一項に規定する給与等をいう。
三 雇用者給与等支給額 個人の各年(以下この項において「適用年」という。)の年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(その給与等に充てるため他の者(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)から支払を受ける金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この項において同じ。)をいう。
四 比較雇用者給与等支給額 個人の適用年の前年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(当該適用年の前年において事業を営んでいた期間の月数と当該適用年において事業を営んでいた期間の月数とが異なる場合には、その月数に応じ政令で定めるところにより計算した金額)をいう。
五 継続雇用者給与等支給額 継続雇用者(個人の適用年及び当該適用年の前年の各月において当該個人の給与等の支給を受けた国内雇用者として政令で定めるものをいう。次号において同じ。)に対する当該適用年の給与等の支給額として政令で定める金額をいう。
六 継続雇用者比較給与等支給額 前号の個人の継続雇用者に対する適用年の前年の給与等の支給額として政令で定める金額をいう。
七 国内設備投資額 個人が適用年において取得等(取得又は製作若しくは建設をいい、相続、遺贈、贈与、交換又は法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配による取得その他政令で定める取得を除く。)をした国内資産(国内にある当該個人の事業の用に供する機械及び装置その他の資産で政令で定めるものをいう。)で当該適用年の十二月三十一日において有するものの取得価額の合計額をいう。
八 償却費総額 個人がその有する減価償却資産につき適用年の年分の事業所得の金額の計算上、その償却費として必要経費に算入した金額の合計額をいう。
九 教育訓練費 個人がその国内雇用者の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるために支出する費用で政令で定めるものをいう。
十 比較教育訓練費の額 個人の適用年前二年以内の各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額(当該個人の当該各年のうちに事業を開始した日の属する年がある場合には、当該年については、当該年の教育訓練費の額に十二を乗じてこれを当該年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額。以下この号において同じ。)の合計額を二で除して計算した金額(当該個人が当該適用年の前年において事業を開始した場合には、当該適用年の前年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額)をいう。
十一 中小企業比較教育訓練費の額 中小事業者の適用年の前年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額(当該中小事業者が当該適用年の前年において事業を開始した場合には、当該適用年の前年の教育訓練費の額に十二を乗じてこれを当該適用年の前年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額)をいう。
4 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
5 第一項及び第二項の規定は、確定申告書(これらの規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)にこれらの規定による控除の対象となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細並びに継続雇用者給与等支給額及び継続雇用者比較給与等支給額を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により控除される金額の計算の基礎となる当該控除した金額は、確定申告書に添付された書類に記載された雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額を限度とする。
6 前三項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする個人がこれらの規定に規定する事業所得を生ずべき事業を相続又は包括遺贈により承継した者である場合における比較雇用者給与等支給額の計算、継続雇用者比較給与等支給額が零である場合におけるこれらの規定に規定する要件を満たすかどうかの判定その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
7 その年分の所得税について第一項又は第二項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)並びに租税特別措置法第十条の五の四第一項及び第二項(給与等の引上げ及び設備投資を行つた場合等の所得税額の特別控除)」とする。
(革新的情報産業活用設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の五の五
第十条の五の五
青色申告書を提出する個人で生産性向上特別措置法(平成三十年法律第二十五号)第二十九条に規定する認定革新的データ産業活用事業者(以下この項及び第三項において「認定革新的データ産業活用事業者」という。)であるものが、同法の施行の日から平成三十三年三月三十一日までの期間(同項において「指定期間」という。)内に、特定ソフトウエア(政令で定めるソフトウエアのうち、同法第二十三条第二項に規定する認定革新的データ産業活用計画(その認定革新的データ産業活用事業者である個人の行う同法第二十九条に規定する革新的データ産業活用に係るものに限る。)に従つて実施される当該革新的データ産業活用の用に供するために取得又は製作をするものとして財務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)の新設又は増設をする場合(当該新設又は増設に係る特定ソフトウエア(当該特定ソフトウエアとともに取得又は製作をする機械及び装置並びに器具及び備品を含む。)が政令で定める規模のものである場合に限る。)において、当該新設若しくは増設に係る特定ソフトウエア並びにその機械及び装置並びに器具及び備品(機械及び装置並びに器具及び備品にあつては情報の連携及び利活用に資するものとして政令で定めるものに限るものとし、主として産業試験研究(製品の製造若しくは技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究又は対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究として政令で定めるものをいう。)の用に供されるものとして財務省令で定めるものを除く。以下この条において「革新的情報産業活用設備」という。)でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は当該新設若しくは増設に係る革新的情報産業活用設備を製作して、これを当該個人の事業の用に供したとき(貸付けの用に供した場合を除く。第三項において同じ。)は、その事業の用に供した日の属する年(事業を廃止した日の属する年を除く。同項において「供用年」という。)の年分における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該革新的情報産業活用設備の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該革新的情報産業活用設備について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の三十に相当する金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該革新的情報産業活用設備の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前項の規定により当該革新的情報産業活用設備の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該革新的情報産業活用設備を事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該革新的情報産業活用設備の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該革新的情報産業活用設備の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 青色申告書を提出する個人で認定革新的データ産業活用事業者であるものが、指定期間内に、第一項に規定する新設又は増設をする場合において、当該新設若しくは増設に係る革新的情報産業活用設備でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は当該新設若しくは増設に係る革新的情報産業活用設備を製作して、これを当該個人の事業の用に供したときは、当該革新的情報産業活用設備につき同項の規定の適用を受ける場合を除き、供用年の年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、その事業の用に供した当該革新的情報産業活用設備の取得価額の合計額に税額控除割合(当該供用年において次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める割合をいう。)を乗じて計算した金額(以下この項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該個人の供用年における税額控除限度額が、当該個人の当該供用年の年分の第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額の百分の二十(当該供用年において第二号に掲げる場合に該当する場合には、百分の十五)に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
一 当該個人の前条第三項第五号に規定する継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額(同項第六号に規定する継続雇用者比較給与等支給額をいう。以下この号において同じ。)を控除した金額の当該継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が百分の三以上である場合 百分の五
二 前号に掲げる場合以外の場合 百分の三
4 第一項の規定は、個人が所有権移転外リース取引により取得した革新的情報産業活用設備については、適用しない。
5 第一項及び第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、革新的情報産業活用設備の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
6 第三項の規定は、確定申告書(同項の規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定による控除の対象となる革新的情報産業活用設備の取得価額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により控除される金額の計算の基礎となる革新的情報産業活用設備の取得価額は、確定申告書に添付された書類に記載された革新的情報産業活用設備の取得価額を限度とする。
7 その年分の所得税について第三項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第十条の五の五第三項(革新的情報産業活用設備を取得した場合の所得税額の特別控除)」とする。
8 第四項から前項までに定めるもののほか、第三項第一号に規定する継続雇用者比較給与等支給額が零である場合における同項各号に掲げる場合の区分その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(所得税の額から控除される特別控除額の特例)
第十条の六
第十条の六
個人がその年において次の各号に掲げる規定のうち二以上の規定の適用を受けようとする場合において、その適用を受けようとする規定による税額控除可能額(当該各号に掲げる規定の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。)の合計額が当該個人のその年分の第十条第七項第四号に規定する調整前事業所得税額の百分の九十に相当する金額を超えるときは、当該各号に掲げる規定にかかわらず、その超える部分の金額(以下この条において「調整前事業所得税額超過額」という。)は、当該個人のその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除しない。この場合において、当該調整前事業所得税額超過額は、次の各号に定める金額のうち控除可能期間が最も長いものから順次成るものとする。
一 第十条第一項の規定 同項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
二 第十条第三項の規定 同項に規定する中小事業者税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
三 第十条第六項の規定 同項に規定する特別研究税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
四 第十条の二第三項の規定 同項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
五 第十条の三第三項又は第四項の規定 それぞれ同条第三項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額又は同条第四項に規定する繰越税額控除限度超過額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
六 第十条の四第三項の規定 同項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
七 第十条の四の二第三項の規定 同項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
八 第十条の五第一項又は第二項の規定 それぞれ同条第一項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額又は同条第二項に規定する地方事業所特別税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
九 第十条の五の二第三項又は第四項の規定 それぞれ同条第三項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額又は同条第四項に規定する繰越税額控除限度超過額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
十 第十条の五の三第三項又は第四項の規定 それぞれ同条第三項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額又は同条第四項に規定する繰越税額控除限度超過額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
十一 第十条の五の四第一項の規定 同項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
十二 第十条の五の四第二項の規定 同項に規定する中小事業者税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
十三 前条第三項の規定 同項に規定する税額控除限度額のうち同項の規定による控除をしても控除しきれない金額を控除した金額
十四 前各号に掲げるもののほか、所得税の額の計算に関する特例を定めている規定として政令で定める規定 当該各号に定める金額に類するものとして政令で定める金額
2 前項に規定する控除可能期間とは、同項の規定の適用を受けた年の翌年一月一日から、同項各号に定める金額について繰越税額控除に関する規定(当該各号に定める金額を当該各号に掲げる規定による控除をしても控除しきれなかつた金額とみなした場合に適用される第十条の三第四項、第十条の五の二第四項又は第十条の五の三第四項の規定その他これらに類する所得税の繰越税額控除に関する規定として政令で定める規定をいう。次項及び第四項において同じ。)を適用したならば、その年分の総所得金額に係る所得税の額から控除することができる最終の年の十二月三十一日までの期間をいう。
3 第一項の個人の同項の規定の適用を受けた年(以下この項及び次項において「超過年」という。)の翌年以後の各年分(超過年の翌年からその年までの各年分の所得税につき青色申告書を提出している場合の各年分に限る。)において、第一項各号に定める金額のうち同項後段の規定により調整前事業所得税額超過額を構成することとされた部分に相当する金額は、当該超過年における当該各号に掲げる規定による控除をしても控除しきれなかつた金額として、第十条の三第五項、第十条の五の二第五項又は第十条の五の三第五項の規定を適用したならばこれらの規定に規定する繰越税額控除限度超過額に該当するものその他これに類するものとして政令で定める金額に限り、繰越税額控除に関する規定を適用する。
4 前項の規定は、超過年の年分及びその翌年以後の各年分の確定申告書に調整前事業所得税額超過額の明細書の添付がある場合で、かつ、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書(同項の規定により適用する繰越税額控除に関する規定により控除を受ける金額を増加させる修正申告書又は更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書又は更正請求書を含む。)に同項の規定により適用する繰越税額控除に関する規定による控除の対象となる調整前事業所得税額超過額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
5 個人(第十条第七項第六号に規定する中小事業者を除く。第一号及び第二号において同じ。)が、平成三十一年から平成三十三年までの各年(以下この項及び次項において「対象年」という。)において第一項第一号、第三号、第六号又は第十三号に掲げる規定(以下この項及び次項において「特定税額控除規定」という。)の適用を受けようとする場合において、当該対象年において次に掲げる要件のいずれにも該当しないとき(当該対象年(事業を開始した日の属する年、相続又は包括遺贈により事業を承継した日の属する年及び事業の譲渡又は譲受けをした日の属する年のいずれにも該当しない年に限る。以下この項において「特定対象年」という。)の年分の事業所得の金額が当該特定対象年の前年分の事業所得の金額以下である場合として政令で定める場合を除く。)は、当該特定税額控除規定は、適用しない。
一 当該個人の第十条の五の四第三項第五号に規定する継続雇用者給与等支給額が当該個人の同項第六号に規定する継続雇用者比較給与等支給額を超えること。
二 当該個人の第十条の五の四第三項第七号に規定する国内設備投資額が当該個人の同項第八号に規定する償却費総額の百分の十に相当する金額を超えること。
6 前項に規定する個人が対象年において特定税額控除規定の適用を受ける場合(同項各号に掲げる要件のいずれかに該当することにより同項の規定の適用がない場合に限る。)における第十条第九項、第十条の四第六項及び前条第六項の規定の適用については、これらの規定により添付すべき書類は、これらの規定に規定する書類及び当該各号に掲げる要件のいずれかに該当することを明らかにする書類とする。
7 第四項及び前項に定めるもののほか、第一項各号に定める金額に係る同項に規定する控除可能期間が同一となる場合の調整前事業所得税額超過額を構成することとなる当該各号に定める金額の判定、第五項第一号に規定する継続雇用者給与等支給額及び同号に規定する継続雇用者比較給与等支給額が零である場合における同号に掲げる要件に該当するかどうかの判定その他第一項から第三項まで又は第五項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定設備等の特別償却)
第十一条
第十一条
青色申告書を提出する個人で次の表の各号の上欄に掲げるものが、当該各号の中欄に掲げる減価償却資産(同表の他の号の規定の適用を受けるものを除く。以下この条において「特定設備等」という。)につき政令で定める期間内に、特定設備等でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定設備等を製作し、若しくは建設して、これを当該個人の当該各号の上欄に規定する事業の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該特定設備等をその事業の用に供した場合又は同表の第二号の上欄に掲げる個人で政令で定めるもの以外のものが貸付けの用に供した場合を除く。)には、その事業の用に供した日の属する年における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該特定設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定設備等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額に当該各号の下欄に掲げる割合を乗じて計算した金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定設備等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
個人 | 資産 | 割合 |
一 エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律(平成二十二年法律第三十八号)第二条第一項に規定する非化石エネルギー源のうち永続的に利用することができると認められるもの(以下この号において「再生可能エネルギー源」という。)から電気若しくは熱を得るため若しくは再生可能エネルギー源から燃料を製造するための機械その他の減価償却資産(以下この号において「再生可能エネルギー利用資産」という。)のうち太陽光若しくは風力以外の再生可能エネルギー源の利用に資するもの又は主として再生可能エネルギー利用資産とともに使用するための機械その他の減価償却資産で当該再生可能エネルギー利用資産の持続的な利用に資するものとして政令で定めるもの(以下この号において「再生可能エネルギー発電設備等」という。)を国内にある事業の用に供する個人(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第九号に規定する一般送配電事業者に該当する個人その他の政令で定める個人に該当するものを除く。) | 当該再生可能エネルギー発電設備等 | 百分の二十 |
二 政令で定める海上運送業を営む個人 | イ 特定船舶(当該事業の経営の合理化及び環境への負荷の低減に資するものとして政令で定める船舶をいう。ロ及びハにおいて同じ。)のうち当該個人の海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第三十九条の十四に規定する認定先進船舶導入等計画(先進船舶(同法第三十九条の十第一項に規定する先進船舶をいう。イにおいて同じ。)の導入に関するものに限る。)に記載された先進船舶(環境への負荷の低減に著しく資するものとして政令で定める船舶に限る。ロにおいて「特定先進船舶」という。)に該当する外航船舶(本邦と外国との間又は外国と外国との間を往来する船舶をいう。ロ及びハにおいて同じ。) | 百分の十八(日本船舶(船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶をいう。ロにおいて同じ。)に該当するものについては、百分の二十) |
ロ 特定船舶のうち、特定先進船舶に該当する外航船舶以外の外航船舶 | 百分の十五(日本船舶に該当するものについては、百分の十七) | |
ハ 特定船舶のうち、外航船舶以外の船舶 | 百分の十六(環境への負荷の低減に著しく資するものとして政令で定めるものについては、百分の十八) |
2 前項の規定により当該特定設備等の償却費として必要経費に算入した金額がその合計償却限度額に満たない場合には、当該特定設備等を事業の用に供した年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該特定設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定設備等の償却費として同項の規定により必要経費に算入する金額とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 前二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、特定設備等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
(耐震基準適合建物等の特別償却)
第十一条の二
第十一条の二
青色申告書を提出する個人で、その有する耐震改修対象建築物(建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成七年法律第百二十三号)第七条に規定する要安全確認計画記載建築物又は同法附則第三条第一項に規定する要緊急安全確認大規模建築物をいう。以下この項において同じ。)につき平成二十七年三月三十一日までに同法第七条又は附則第三条第一項の規定による報告を行つたもの(当該耐震改修対象建築物につき同法第八条第一項又は第十二条第二項(これらの規定を同法附則第三条第三項において準用する場合を含む。)の規定による命令又は指示を受けたものを除く。)が、平成二十六年四月一日から当該報告を行つた日以後五年を経過する日までの間に、当該耐震改修対象建築物の部分について行う同法第二条第二項に規定する耐震改修(当該耐震改修対象建築物の地震に対する安全性の向上に資するものとして財務省令で定めるところにより証明がされたものに限る。)のための工事の施行に伴つて取得し、若しくは建設する当該耐震改修対象建築物の部分(以下この条において「耐震基準適合建物等」という。)のうちその建設の後事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この項において同じ。)の用に供されたことのないものを取得し、又は耐震基準適合建物等を建設して、これを当該個人の事業の用に供した場合には、その用に供した日の属する年における当該個人の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、当該耐震基準適合建物等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該耐震基準適合建物等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の二十五に相当する金額との合計額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該耐震基準適合建物等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける耐震基準適合建物等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「その合計償却限度額」とあるのは、「次条第一項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と読み替えるものとする。
3 前条第三項の規定は、前二項の規定を適用する場合について準用する。
(被災代替資産等の特別償却)
第十一条の三
第十一条の三
個人が、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年法律第八十五号)第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害(以下この項において「特定非常災害」という。)に係る同条第一項の特定非常災害発生日(以下この項において「特定非常災害発生日」という。)から当該特定非常災害発生日の翌日以後五年を経過する日までの間に、次の表の各号の上欄に掲げる減価償却資産で当該特定非常災害に基因して当該個人の事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この項において同じ。)の用に供することができなくなつた建物(その附属設備を含む。以下この項において同じ。)、構築物若しくは機械及び装置に代わるものとして政令で定めるものに該当するものの取得等(取得又は製作若しくは建設をいう。以下この項において同じ。)をして、これを当該個人の事業の用(機械及び装置にあつては、貸付けの用を除く。)に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した同欄に掲げる減価償却資産をその事業の用に供した場合を除く。)又は同欄に掲げる減価償却資産の取得等をして、これを被災区域(当該特定非常災害に基因して事業又は居住の用に供することができなくなつた建物又は構築物の敷地及び当該建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域をいう。)及び当該被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地の区域内において当該個人の事業の用(機械及び装置にあつては、貸付けの用を除く。)に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した同欄に掲げる減価償却資産をその事業の用に供した場合を除く。)には、その用に供した日の属する年における当該個人の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、これらの減価償却資産(以下この条において「被災代替資産等」という。)の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該被災代替資産等について同項の規定により計算した償却費の額と特別償却限度額(当該被災代替資産等の取得価額に同表の各号の上欄に掲げる減価償却資産の区分に応じ当該各号の中欄に掲げる割合(当該個人が第十条第七項第六号に規定する中小事業者である場合には、当該各号の下欄に掲げる割合)を乗じて計算した金額をいう。)との合計額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該被災代替資産等の償却費として同法第四十九条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
資産 | 割合 | 割合 |
一 建物又は構築物(増築された建物又は構築物のその増築部分を含む。)で、その建設の後事業の用に供されたことのないもの | 百分の十五(当該特定非常災害発生日の翌日から起算して三年を経過した日(以下この表において「発災後三年経過日」という。)以後に取得又は建設をしたものについては、百分の十) | 百分の十八(発災後三年経過日以後に取得又は建設をしたものについては、百分の十二) |
二 機械及び装置でその製作の後事業の用に供されたことのないもの | 百分の三十(発災後三年経過日以後に取得又は製作をしたものについては、百分の二十) | 百分の三十六(発災後三年経過日以後に取得又は製作をしたものについては、百分の二十四) |
2 第十一条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける被災代替資産等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「その合計償却限度額」とあるのは、「第十一条の三第一項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と読み替えるものとする。
3 前二項の規定は、確定申告書に、これらの規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、被災代替資産等の償却費の額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の明細書の提出があつた場合に限り、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
(特定事業継続力強化設備等の特別償却)
第十一条の四
第十一条の四
青色申告書を提出する個人で第十条第七項第六号に規定する中小事業者であるもののうち中小企業等経営強化法第五十条第一項又は第五十二条第一項の認定(以下この項において「認定」という。)を受けた同法第二条第一項に規定する中小企業者に該当するもの(以下この項において「特定中小事業者」という。)が、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(令和元年法律第二十一号)の施行の日から平成三十三年三月三十一日までの間に、その認定に係る中小企業等経営強化法第五十条第一項に規定する事業継続力強化計画若しくは同法第五十二条第一項に規定する連携事業継続力強化計画(同法第五十一条第一項の規定による変更の認定又は同法第五十三条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下この項において「認定事業継続力強化計画等」という。)に係る事業継続力強化設備等(同法第五十条第二項第二号ロに規定する事業継続力強化設備等をいう。)として当該認定事業継続力強化計画等に記載された機械及び装置、器具及び備品並びに建物附属設備(政令で定める規模のものに限る。以下この項及び次項において「特定事業継続力強化設備等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定事業継続力強化設備等を製作し、若しくは建設して、これを当該特定中小事業者の事業の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該特定事業継続力強化設備等をその用に供した場合を除く。)には、その用に供した日の属する年における当該特定中小事業者の事業所得の金額の計算上、当該特定事業継続力強化設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定事業継続力強化設備等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の二十に相当する金額との合計額以下の金額で当該特定中小事業者が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定事業継続力強化設備等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 第十一条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける特定事業継続力強化設備等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「その合計償却限度額」とあるのは、「第十一条の四第一項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と読み替えるものとする。
3 第十一条第三項の規定は、前二項の規定を適用する場合について準用する。
(特定地域における工業用機械等の特別償却)
第十二条
第十二条
青色申告書を提出する個人が、政令で定める期間内に、次の表の各号の第一欄に掲げる地区又は地域内において当該各号の第二欄に掲げる事業の用に供する設備で政令で定める規模のものの新設又は増設をする場合において、当該新設又は増設に係る当該各号の第三欄に掲げる減価償却資産(同表の他の号の規定の適用を受けるものを除く。以下この条において「工業用機械等」という。)を取得し、又は製作し、若しくは建設して、これを当該地区又は地域内において当該個人の当該事業の用に供したとき(所有権移転外リース取引により取得した当該工業用機械等をその用に供した場合を除き、同表の第二号の第一欄に掲げる地区内において同号の第二欄に掲げる事業の用に供した場合にあつては、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第三十五条の三第五項に規定する認定事業者が当該事業の用に供した場合に限る。)は、その用に供した日の属する年における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該工業用機械等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該工業用機械等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額に当該各号の第四欄に掲げる割合を乗じて計算した金額との合計額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該工業用機械等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
地区又は地域 | 事業 | 資産 | 割合 |
一 過疎地域自立促進特別措置法(平成十二年法律第十五号)第二条第一項に規定する過疎地域のうち政令で定める地区(第三項の表の各号の上欄に掲げる地区に該当する地区を除く。) | 製造の事業その他の政令で定める事業 | 機械及び装置並びに建物及びその附属設備で、政令で定めるもの | 百分の十(建物及びその附属設備については、百分の六) |
二 沖縄振興特別措置法第三十五条の二第一項に規定する提出産業高度化・事業革新促進計画において同法第三十五条第二項第二号に規定する産業高度化・事業革新促進地域として定められている地区 | 製造の事業その他政令で定める事業 | 機械及び装置、器具及び備品(専ら開発研究の用に供されるものその他の政令で定めるものに限る。)並びに工場用の建物その他政令で定める建物及びその附属設備 | 百分の三十四(建物及びその附属設備については、百分の二十) |
三 沖縄振興特別措置法第四十二条第一項に規定する提出国際物流拠点産業集積計画において同法第四十一条第二項第二号に規定する国際物流拠点産業集積地域として定められている地区 | 製造の事業その他政令で定める事業 | 機械及び装置並びに工場用の建物その他政令で定める建物及びその附属設備 | 百分の五十(建物及びその附属設備については、百分の二十五) |
四 沖縄振興特別措置法第五十五条第一項の規定により経済金融活性化特別地区として指定された地区 | 同法第五十五条の四に規定する認定経済金融活性化計画に記載された同法第五十五条の二第二項第二号に規定する特定経済金融活性化産業に属する事業 | 機械及び装置、器具及び備品(財務省令で定めるものに限る。)並びに建物及びその附属設備 | 百分の五十(建物及びその附属設備については、百分の二十五) |
五 沖縄振興特別措置法第三条第三号に規定する離島の地域 | 旅館業のうち政令で定める事業 | 政令で定める建物及びその附属設備 | 百分の八 |
2 第十一条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける工業用機械等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「その合計償却限度額」とあるのは、「第十二条第一項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と読み替えるものとする。
3 青色申告書を提出する個人が、平成二十五年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの期間のうち政令で定める期間内に、次の表の各号の上欄に掲げる地区内において当該各号の中欄に掲げる事業の用に供する当該各号の下欄に掲げる設備の取得等(取得又は製作若しくは建設をいい、建物及びその附属設備にあつては改修(増築、改築、修繕又は模様替をいう。)のための工事による取得又は建設を含む。以下この項において同じ。)をする場合(第十条第七項第六号に規定する中小事業者以外の個人にあつては、同表の第四号の下欄に掲げる設備の取得等をする場合を除く。)において、その取得等をした設備(同表の他の号の規定の適用を受けるものを除く。)を当該地区内において当該個人の当該各号の中欄に掲げる事業の用に供したとき(当該地区の産業の振興に資する場合として政令で定める場合に限る。)は、その用に供した日以後五年以内の日の属する各年分の事業所得の金額の計算上、当該設備を構成するもののうち機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物(所有権移転外リース取引により取得したものを除く。以下この項及び次項において「産業振興機械等」という。)の償却費として必要経費に算入する金額は、その用に供した日以後五年以内でその用に供している期間に限り、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該産業振興機械等が、同表の第一号から第三号までの下欄に掲げる設備を構成するものである場合には当該産業振興機械等について同項の規定により計算した償却費の額で当該期間に係るものの百分の百三十二(建物及びその附属設備並びに構築物については、百分の百四十八)に相当する金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とし、同表の第四号の下欄に掲げる設備を構成するものである場合には当該産業振興機械等について同項の規定により計算した償却費の額で当該期間に係るものの百分の百二十四(建物及びその附属設備並びに構築物については、百分の百三十六)に相当する金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該産業振興機械等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
地区 | 事業 | 設備 |
一 半島振興法(昭和六十年法律第六十三号)第二条第一項の規定により半島振興対策実施地域として指定された地区のうち、産業の振興のための取組が積極的に促進されるものとして政令で定める地区 | 製造業その他の政令で定める事業 | 当該地区内において営む当該事業の用に供される設備で政令で定める規模のもの |
二 離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域として指定された地区のうち、産業の振興のための取組が積極的に推進されるものとして政令で定める地区 | 製造業その他の政令で定める事業 | 当該地区内において営む当該事業の用に供される設備で政令で定める規模のもの |
三 奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)第一条に規定する奄美群島のうち、産業の振興のための取組が積極的に促進されるものとして政令で定める地区 | 製造業その他の政令で定める事業 | 当該地区内において営む当該事業の用に供される設備で政令で定める規模のもの |
四 山村振興法(昭和四十年法律第六十四号)第七条第一項の規定により振興山村として指定された地区のうち、産業の振興のための取組が積極的に促進されるものとして政令で定める地区(第一号の上欄に掲げる地区に該当する地区を除く。) | 上欄に掲げる地区において生産されたものを原料又は材料とする製造業その他の政令で定める事業 | 当該地区内において営む当該事業の用に供される設備で政令で定める規模のもの |
4 前項の規定の適用を受けた年において同項の規定により当該産業振興機械等の償却費として必要経費に算入した金額がその年における同項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額に満たない場合には、その年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該産業振興機械等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定(当該産業振興機械等について前項の規定の適用を受けるときは、同項の規定を含む。)にかかわらず、当該産業振興機械等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入する金額(その年の翌年において当該産業振興機械等につき前項の規定の適用を受ける場合には、当該翌年における同項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額に相当する金額とする。)とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
5 第十一条第三項の規定は、前各項の規定を適用する場合について準用する。
(医療用機器等の特別償却)
第十二条の二
第十二条の二
青色申告書を提出する個人で医療保健業を営むものが、昭和五十四年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの間に、医療用の機械及び装置並びに器具及び備品(政令で定める規模のものに限る。)のうち、高度な医療の提供に資するもの若しくは先進的なものとして政令で定めるもの(以下この項及び第四項において「医療用機器」という。)でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は医療用機器を製作して、これを当該個人の営む医療保健業の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該医療用機器をその用に供した場合を除く。)には、その用に供した日の属する年における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該医療用機器の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該医療用機器について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の十二に相当する金額との合計額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該医療用機器の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 青色申告書を提出する個人で医療保健業を営むものが、平成三十一年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの間に、器具及び備品(医療用の機械及び装置を含む。)並びにソフトウエア(政令で定める規模のものに限る。)のうち、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の三第一項に規定する医療提供体制の確保に必要な医師その他の医療従事者の勤務時間の短縮その他の医療従事者の確保に資する措置を講ずるために必要なものとして政令で定めるもの(前項の規定の適用を受けるものを除く。以下この項及び第四項において「勤務時間短縮用設備等」という。)でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は勤務時間短縮用設備等を製作して、これを当該個人の営む医療保健業の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該勤務時間短縮用設備等をその用に供した場合を除く。)には、その用に供した日の属する年における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該勤務時間短縮用設備等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該勤務時間短縮用設備等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の十五に相当する金額との合計額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該勤務時間短縮用設備等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
3 青色申告書を提出する個人で医療保健業を営むものが、平成三十一年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの間に、医療法第三十条の四第一項に規定する医療計画に係る同法第三十条の十四第一項に規定する構想区域等(以下この項において「構想区域等」という。)内において、病院用又は診療所用の建物及びその附属設備のうち当該構想区域等に係る同条第一項の協議の場における協議に基づく病床の機能(同法第三十条の三第二項第六号に規定する病床の機能をいう。)の分化及び連携の推進に係るものとして政令で定めるもの(以下この項及び次項において「構想適合病院用建物等」という。)の取得等(取得又は建設をいい、改修(増築、改築、修繕又は模様替をいう。)のための工事による取得又は建設を含む。)をして、これを当該個人の営む医療保健業の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該構想適合病院用建物等をその用に供した場合を除く。)には、その用に供した日の属する年における当該個人の事業所得の金額の計算上、当該構想適合病院用建物等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該構想適合病院用建物等について同項の規定により計算した償却費の額とその取得価額の百分の八に相当する金額との合計額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該構想適合病院用建物等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
4 第十一条第二項の規定は、第一項の規定の適用を受ける医療用機器、第二項の規定の適用を受ける勤務時間短縮用設備等又は前項の規定の適用を受ける構想適合病院用建物等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「その合計償却限度額」とあるのは、「第十二条の二第一項本文、第二項本文又は第三項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と読み替えるものとする。
5 第十一条第三項の規定は、前各項の規定を適用する場合について準用する。
(障害者を雇用する場合の機械等の割増償却)
第十三条
第十三条
青色申告書を提出する個人が、昭和四十八年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの期間(以下この項において「指定期間」という。)内の日の属する各年において障害者を雇用しており、かつ、次に掲げる要件のいずれかを満たす場合には、その年の十二月三十一日(当該個人が、年の中途において死亡し、又は事業の全部を譲渡し、若しくは廃止した場合には、その死亡し、又は事業の全部を譲渡し、若しくは廃止した日。第三号ロ及び第三項において同じ。)において当該個人の有する機械及び装置並びに工場用の建物及びその附属設備で、障害者が労働に従事する事業所にあるものとして政令で定めるもののうちその年の指定期間内又はその年の前年以前五年内の各年において取得し、又は製作し、若しくは建設したもの(所有権移転外リース取引により取得したものを除く。以下この項及び次項において「障害者使用機械等」という。)の償却費としてその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該障害者使用機械等について同項の規定により計算した償却費の額とその百分の二十四(工場用の建物及びその附属設備については、百分の三十二)に相当する金額との合計額(次項において「合計償却限度額」という。)以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該障害者使用機械等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
一 障害者雇用割合が百分の五十以上であること。
二 雇用障害者数が二十人以上であつて、障害者雇用割合が百分の二十五以上であること。
三 次に掲げる要件の全てを満たしていること。
イ 基準雇用障害者数が二十人以上であつて、重度障害者割合が百分の五十五以上であること。
ロ その年の十二月三十一日における雇用障害者数が障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第四十三条第一項に規定する法定雇用障害者数以上であること。
2 前項の規定の適用を受けた年において同項の規定により当該障害者使用機械等の償却費として必要経費に算入した金額がその年におけるその合計償却限度額に満たない場合には、その年の翌年分の事業所得の金額の計算上、当該障害者使用機械等の償却費として必要経費に算入する金額は、所得税法第四十九条第一項の規定(当該障害者使用機械等について前項の規定の適用を受けるときは、同項の規定を含む。)にかかわらず、当該障害者使用機械等の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入する金額(その年の翌年において当該障害者使用機械等につき前項の規定の適用を受ける場合には、当該翌年における同項の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額に相当する金額)とその満たない金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額との合計額に相当する金額とすることができる。
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 障害者 障害者の雇用の促進等に関する法律第三十七条第二項に規定する対象障害者をいう。
二 障害者雇用割合 その年の十二月三十一日における常時雇用する従業員の総数に対する雇用障害者数の割合として政令で定めるところにより計算した割合をいう。
三 雇用障害者数 その年の十二月三十一日において常時雇用する障害者、障害者の雇用の促進等に関する法律第二条第三号に規定する重度身体障害者(第五号において「重度身体障害者」という。)、同条第五号に規定する重度知的障害者(第五号において「重度知的障害者」という。)、同法第四十三条第三項に規定する対象障害者である短時間労働者(次号において「対象障害者である短時間労働者」という。)及び同条第五項に規定する重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者の数を基礎として政令で定めるところにより計算した数をいう。
四 基準雇用障害者数 その年の十二月三十一日において常時雇用する障害者及び対象障害者である短時間労働者の数を基礎として政令で定めるところにより計算した数をいう。
五 重度障害者割合 その年の十二月三十一日における基準雇用障害者数に対する重度身体障害者、重度知的障害者及び障害者の雇用の促進等に関する法律第三十七条第二項に規定する精神障害者の数を合計した数の割合として政令で定めるところにより計算した割合をいう。
4 第十一条第三項の規定は、第一項又は第二項の規定を適用する場合について準用する。
(事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却)
第十三条の二
第十三条の二
青色申告書を提出する個人で農業競争力強化支援法(平成二十九年法律第三十五号)第十九条第一項に規定する認定事業再編事業者(同法の施行の日から平成三十三年三月三十一日までの間に同法第十八条第一項の認定を受けた個人に限る。)であるものが、当該認定に係る同法第十八条第一項に規定する事業再編計画(同法第十九条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下この項において「認定事業再編計画」という。)に係る同法第十八条第三項第二号の実施期間内において、当該認定事業再編計画に記載された同条第五項に規定する事業再編促進設備等を構成する機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物(以下この項及び次項において「事業再編促進機械等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は事業再編促進機械等を製作し、若しくは建設して、これを当該個人の事業再編促進対象事業(同法第二条第七項に規定する事業再編促進対象事業をいう。以下この項において同じ。)の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該事業再編促進機械等をその事業再編促進対象事業の用に供した場合を除く。)には、その事業再編促進対象事業の用に供した日(以下この項において「供用日」という。)以後五年以内の日の属する各年分の事業所得の金額の計算上、当該事業再編促進機械等の償却費として必要経費に算入する金額は、供用日以後五年以内(当該認定事業再編計画について同法第十九条第二項又は第三項の規定による認定の取消しがあつた場合には、供用日からその認定の取消しがあつた日までの期間)でその用に供している期間に限り、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該事業再編促進機械等について同項の規定により計算した償却費の額で当該期間に係るものの百分の百四十(建物及びその附属設備並びに構築物については、百分の百四十五)に相当する金額以下の金額で、当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該事業再編促進機械等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける事業再編促進機械等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「次条第一項」と、「その合計償却限度額」とあるのは「同項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と、「同条第一項」とあるのは「同法第四十九条第一項」と読み替えるものとする。
3 第十一条第三項の規定は、第一項の規定又は前項において準用する前条第二項の規定を適用する場合について準用する。
4 前項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(企業主導型保育施設用資産の割増償却)
第十三条の三
第十三条の三
青色申告書を提出する個人が、平成三十年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に、子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第五十九条の二第一項に規定する施設のうち児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六条の三第十二項に規定する業務(以下この項において「保育事業」という。)を目的とするもの(以下この項において「事業所内保育施設」という。)の新設又は増設をする場合(その新設又は増設をする事業所内保育施設とともに当該事業所内保育施設における保育事業の用に供する遊戯用の構築物、遊戯具その他の政令で定める減価償却資産(以下この項において「幼児遊戯用構築物等」という。)の取得又は製作若しくは建設をする場合で、かつ、当該事業所内保育施設につき子ども・子育て支援法第五十九条の二第一項の規定による助成を行う事業に係る助成金の交付を受ける場合に限る。)において、当該新設若しくは増設に係る事業所内保育施設を構成する建物及びその附属設備並びに当該幼児遊戯用構築物等(以下この項及び次項において「企業主導型保育施設用資産」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は企業主導型保育施設用資産を製作し、若しくは建設して、これを当該個人の保育事業の用に供したとき(所有権移転外リース取引により取得した当該企業主導型保育施設用資産をその保育事業の用に供した場合を除く。)は、その保育事業の用に供した日(以下この項において「供用日」という。)以後三年以内の日の属する各年分の事業所得の金額の計算上、当該企業主導型保育施設用資産の償却費として必要経費に算入する金額は、供用日以後三年以内でその用に供している期間(当該企業主導型保育施設用資産に係る事業所内保育施設につき当該助成を行う事業に係る助成金で財務省令で定めるものの交付を受ける期間に限る。以下この項において「対象期間」という。)に限り、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該企業主導型保育施設用資産について同項の規定により計算した償却費の額で当該対象期間に係るものの百分の百十二(建物及びその附属設備並びに構築物については、百分の百十五)に相当する金額以下の金額で、当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該企業主導型保育施設用資産の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 第十三条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける企業主導型保育施設用資産の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第十三条の三第一項」と、「その合計償却限度額」とあるのは「同項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と、「同条第一項」とあるのは「同法第四十九条第一項」と読み替えるものとする。
3 第十一条第三項の規定は、第一項の規定又は前項において準用する第十三条第二項の規定を適用する場合について準用する。
4 前項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定都市再生建築物の割増償却)
第十四条
第十四条
青色申告書を提出する個人が、昭和六十年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの間に、特定都市再生建築物で新築されたものを取得し、又は特定都市再生建築物を新築して、これを当該個人の事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この項において同じ。)の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該特定都市再生建築物をその事業の用に供した場合を除く。)には、その事業の用に供した日以後五年以内の日の属する各年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、当該特定都市再生建築物の償却費として必要経費に算入する金額は、その事業の用に供した日以後五年以内でその用に供している期間に限り、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該特定都市再生建築物について同項の規定により計算した償却費の額で当該期間に係るものの百分の百二十五(次項第一号に掲げる地域内において整備される建築物に係るものについては、百分の百五十)に相当する金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該特定都市再生建築物の償却費として同条第一項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 前項に規定する特定都市再生建築物とは、次に掲げる地域内において、都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第二十五条に規定する認定計画(第一号に掲げる地域については同法第十九条の二第十一項の規定により公表された同法第十九条の十第二項に規定する整備計画及び国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第二十五条第一項の認定を受けた同項に規定する国家戦略民間都市再生事業を定めた同項の区域計画を、第二号に掲げる地域については当該区域計画を、それぞれ含む。)に基づいて行われる都市再生特別措置法第二十条第一項に規定する都市再生事業(政令で定める要件を満たすものに限る。)により整備される建築物で政令で定めるものに係る建物及びその附属設備をいう。
一 都市再生特別措置法第二条第五項に規定する特定都市再生緊急整備地域
二 都市再生特別措置法第二条第三項に規定する都市再生緊急整備地域(前号に掲げる地域に該当するものを除く。)
3 第十三条第二項の規定は、第一項の規定の適用を受ける同項の特定都市再生建築物の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第十四条第一項」と、「その合計償却限度額」とあるのは「同項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と、「同条第一項」とあるのは「同法第四十九条第一項」と読み替えるものとする。
4 第十一条第三項の規定は、第一項の規定又は前項において準用する第十三条第二項の規定を適用する場合について準用する。
(倉庫用建物等の割増償却)
第十五条
第十五条
青色申告書を提出する個人で特定総合効率化計画(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(平成十七年法律第八十五号)第四条第一項に規定する総合効率化計画のうち同条第三項各号に掲げる事項が記載されたものをいう。以下この項において同じ。)について同条第一項の認定を受けたものが、昭和四十九年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に、物資の流通の拠点区域として政令で定める区域内において、倉庫用の建物及びその附属設備並びに構築物のうち、政令で定めるもの(その認定に係る特定総合効率化計画(同法第五条第一項の規定による変更の認定があつた場合には、その変更後のもの)に記載された同法第二条第三号に規定する特定流通業務施設であるものに限る。以下この項及び次項において「倉庫用建物等」という。)でその建設の後使用されたことのないものを取得し、又は倉庫用建物等を建設して、これを当該個人の倉庫業法(昭和三十一年法律第百二十一号)第二条第二項に規定する倉庫業(以下この項において「倉庫業」という。)の用に供した場合(所有権移転外リース取引により取得した当該倉庫用建物等をその倉庫業の用に供した場合を除く。)には、その倉庫業の用に供した日以後五年以内の日の属する各年分の事業所得の金額の計算上、当該倉庫用建物等の償却費として必要経費に算入する金額は、その倉庫業の用に供した日以後五年以内でその用に供している期間に限り、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該倉庫用建物等について同項の規定により計算した償却費の額で当該期間に係るものの百分の百十に相当する金額以下の金額で当該個人が必要経費として計算した金額とする。ただし、当該倉庫用建物等の償却費として同項の規定により必要経費に算入される金額を下ることはできない。
2 第十三条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける倉庫用建物等の償却費の額を計算する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第十五条第一項」と、「その合計償却限度額」とあるのは「同項本文の規定により必要経費に算入することができる償却費の限度額」と、「同条第一項」とあるのは「同法第四十九条第一項」と読み替えるものとする。
3 第十一条第三項の規定は、第一項の規定又は前項において準用する第十三条第二項の規定を適用する場合について準用する。
第十六条
削除
第十七条
削除
第十八条
削除
(特別償却等に関する複数の規定の不適用)
第十九条
第十九条
個人の有する減価償却資産がその年において次に掲げる規定のうち二以上の規定の適用を受けることができるものである場合には、当該減価償却資産については、これらの規定のうちいずれか一の規定のみを適用する。
一 第十条の二から第十条の四の二まで、第十条の五の二、第十条の五の三、第十条の五の五又は第十一条から第十五条までの規定
二 前号に掲げるもののほか、減価償却資産に関する特例を定めている規定として政令で定める規定
第二款 準備金
[編集](金属鉱業等鉱害防止準備金)
第二十条
第二十条
青色申告書を提出する個人で金属鉱業等鉱害対策特別措置法(昭和四十八年法律第二十六号)第二条第二項に規定する採掘権者又は租鉱権者であるものが、昭和四十九年から平成三十二年までの各年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において、同法第七条第一項に規定する特定施設(以下この項から第三項までにおいて「特定施設」という。)の使用の終了後における鉱害の防止に要する費用の支出に備えるため、当該特定施設ごとに、当該特定施設につきその年において同条第一項及び第二項の規定により独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に鉱害防止積立金として積み立てた金額(同法第十条第二項又は第三項の規定により積み立てたものとみなされた金額を含む。)の百分の八十に相当する金額以下の金額を金属鉱業等鉱害防止準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その積立てをした年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
2 前項の金属鉱業等鉱害防止準備金を積み立てている個人が鉱害防止積立金の積立てをしている特定施設について金属鉱業等鉱害対策特別措置法第二条第四項に規定する鉱害防止事業を実施する場合において、同法第九条の規定により当該特定施設に係る鉱害防止積立金の取戻しをしたときは、その取戻しをした日における当該特定施設に係る金属鉱業等鉱害防止準備金の金額(その日までにこの項又は次項の規定により総収入金額に算入された、又は算入されるべきこととなつた金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この条において同じ。)のうちその取戻しをした鉱害防止積立金の額に相当する金額は、その取戻しをした日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
3 第一項の金属鉱業等鉱害防止準備金を積み立てている個人が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める金額に相当する金額は、その該当することとなつた日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
一 前項の取戻しをした場合以外の場合において、金属鉱業等鉱害対策特別措置法第九条の規定により特定施設に係る鉱害防止積立金の全部又は一部の取戻しをした場合 その取戻しをした日における当該特定施設に係る金属鉱業等鉱害防止準備金の金額のうちその取戻しをした鉱害防止積立金の額に相当する金額
二 金属鉱業等鉱害対策特別措置法第十条第二項又は第三項の規定により特定施設に係る鉱害防止積立金を有しないこととなつた場合 その有しないこととなつた日における当該特定施設に係る金属鉱業等鉱害防止準備金の金額
三 前項、前二号及び次項の場合以外の場合において金属鉱業等鉱害防止準備金の金額を取り崩した場合 その取り崩した日における当該金属鉱業等鉱害防止準備金の金額のうちその取り崩した金額に相当する金額
4 第一項の金属鉱業等鉱害防止準備金を積み立てている個人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となつた事実のあつた日又はその届出書の提出をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた年の翌年である場合には、そのやめた年の十二月三十一日)における金属鉱業等鉱害防止準備金の金額は、その日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合においては、前二項及び第六項の規定は、適用しない。
5 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、当該確定申告書に同項の積み立てた金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
6 第一項の金属鉱業等鉱害防止準備金を積み立てている個人の死亡により当該個人の相続人(包括受遺者を含む。以下この節において同じ。)が当該個人の金属鉱業等鉱害対策特別措置法第一条に規定する金属鉱業等を承継した場合において、当該相続人が、その死亡の日の属する年分の所得税につき、青色申告書を提出することができる者又は青色申告書の承認申請書を提出した者でないときは、その死亡の日における金属鉱業等鉱害防止準備金の金額は、その被相続人(包括遺贈者を含む。)の当該年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
7 前項に規定する場合において、同項に規定する相続人が同項に規定する死亡の日の属する年分の所得税につき、青色申告書を提出することができる者又は青色申告書の承認申請書を提出した者であるときは、その死亡の日における金属鉱業等鉱害防止準備金の金額は、当該相続人に係る金属鉱業等鉱害防止準備金の金額とみなす。
8 前項の規定の適用を受けた者が同項に規定する個人の死亡の日の属する年分の所得税につき青色申告書の承認申請書を提出した者である場合において、その申請が却下されたときは、その却下の日における同項の金属鉱業等鉱害防止準備金の金額は、その者の当該却下の日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
(特定災害防止準備金)
第二十条の二
第二十条の二
青色申告書を提出する個人で廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第八条第一項又は第十五条第一項の許可を受けたものが、平成十年六月十七日から平成三十二年三月三十一日までの期間内の日の属する各年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において、同法第八条の五第一項に規定する特定一般廃棄物最終処分場又は同法第十五条の二の四において準用する同項に規定する特定産業廃棄物最終処分場(以下この項から第三項までにおいて「特定廃棄物最終処分場」という。)の埋立処分の終了後における維持管理に要する費用の支出に備えるため、当該特定廃棄物最終処分場ごとに、当該特定廃棄物最終処分場につきその年において同法第八条の五第一項及び第二項(これらの規定を同法第十五条の二の四において準用する場合を含む。)の規定により独立行政法人環境再生保全機構に維持管理積立金として積み立てた金額(その年において同法第九条の五第三項(同法第十五条の四において準用する場合を含む。)の規定による地位の承継があつたときは、当該地位の承継につき同法第八条の五第七項(同法第十五条の二の四において準用する場合を含む。)の規定により積み立てたものとみなされた金額を含む。)のうち同法第八条の五第一項(同法第十五条の二の四において準用する場合を含む。)に規定する通知する額に相当する金額以下の金額を特定災害防止準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その積立てをした年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
2 前項の特定災害防止準備金を積み立てている個人が維持管理積立金の積立てをしている特定廃棄物最終処分場について廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条の五第六項(同法第十五条の二の四において準用する場合を含む。)に規定する維持管理を行う場合において、同項の規定により当該特定廃棄物最終処分場に係る維持管理積立金の取戻しをしたときは、その取戻しをした日における当該特定廃棄物最終処分場に係る特定災害防止準備金の金額(その日までにこの項又は次項の規定により総収入金額に算入された、又は算入されるべきこととなつた金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この条において同じ。)のうちその取戻しをした維持管理積立金の額に相当する金額は、その取戻しをした日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
3 第一項の特定災害防止準備金を積み立てている個人が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める金額に相当する金額は、その該当することとなつた日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
一 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第九条第五項(同法第十五条の二の六第三項において準用する場合を含む。)の規定により特定廃棄物最終処分場の廃止の確認を受けた場合 その確認を受けた日における当該特定廃棄物最終処分場に係る特定災害防止準備金の金額
二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第九条の二の二第一項若しくは第二項又は第十五条の三の規定により特定廃棄物最終処分場に係る同法第八条第一項又は第十五条第一項の許可が取り消された場合 その取り消された日における当該特定廃棄物最終処分場に係る特定災害防止準備金の金額
三 前項の取戻しをした場合以外の場合において廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条の五第六項(同法第十五条の二の四において準用する場合を含む。)の規定により特定廃棄物最終処分場に係る維持管理積立金の全部又は一部の取戻しをした場合(前二号に該当する場合を除く。) その取戻しをした日における当該特定廃棄物最終処分場に係る特定災害防止準備金の金額のうちその取戻しをした維持管理積立金の額に相当する金額
四 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条の五第七項(同法第十五条の二の四において準用する場合を含む。)の規定により特定廃棄物最終処分場に係る維持管理積立金を有しないこととなつた場合(次号に該当する場合及び当該個人の死亡により当該個人の相続人が事業を承継した場合を除く。) その有しないこととなつた日における当該特定廃棄物最終処分場に係る特定災害防止準備金の金額
五 事業を廃止した場合 その廃止した日における特定災害防止準備金の金額
六 前項、前各号及び次項の場合以外の場合において特定災害防止準備金の金額を取り崩した場合 その取り崩した日における当該特定災害防止準備金の金額のうちその取り崩した金額に相当する金額
4 第一項の特定災害防止準備金を積み立てている個人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となつた事実のあつた日又はその届出書の提出をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた年の翌年である場合には、そのやめた年の十二月三十一日)における特定災害防止準備金の金額は、その日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合においては、前二項及び第六項の規定は、適用しない。
5 前条第五項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
6 前条第六項から第八項までの規定は、第一項の特定災害防止準備金を積み立てている個人の死亡により当該個人の相続人が同項の特定災害防止準備金に係る事業を承継した場合について準用する。
(特定船舶に係る特別修繕準備金)
第二十条の三
第二十条の三
青色申告書を提出する個人が、各年(事業(当該個人の事業所得を生ずべき事業又は不動産所得を生ずべき業務をいう。以下この条において同じ。)を廃止した日の属する年を除く。)において、その事業の用に供する船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第五条第一項第一号の規定による定期検査(以下この項において「定期検査」という。)を受けなければならない船舶(総トン数が五トン未満のものを除く。以下この条において「特定船舶」という。)について行う定期検査を受けるための修繕(以下この条において「特別の修繕」という。)に要する費用の支出に備えるため、当該特定船舶ごとに、積立限度額以下の金額を特別修繕準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その積立てをした年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
2 前項に規定する積立限度額とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。
一 前項の個人が同項の特定船舶につきその年十二月三十一日までに特別の修繕を行つたことがある場合 最近において行つた特別の修繕のために要した費用の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額
二 前項の個人が、同項の特定船舶につきその年十二月三十一日までに特別の修繕を行つたことがなく、かつ、当該特定船舶と種類、構造、容積量、建造後の経過年数等について状況の類似する当該個人の事業の用に供する他の船舶(以下この号において「類似船舶」という。)につきその年十二月三十一日までに特別の修繕を行つたことがある場合 当該類似船舶につき最近において行つた特別の修繕のために要した費用の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額
三 前二号に掲げる場合以外の場合 種類、構造、容積量、建造後の経過年数等について前項の特定船舶と状況の類似する他の船舶につき最近において行われた特別の修繕のために要した費用の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額
3 第一項の特別修繕準備金を積み立てている個人が、当該特別修繕準備金に係る特定船舶(以下この条において「準備金設定特定船舶」という。)について特別の修繕のために要した費用の額を支出した場合には、その支出をした日における当該準備金設定特定船舶に係る特別修繕準備金の金額(その日までにこの項若しくは第五項の規定により総収入金額に算入された、若しくは算入されるべきこととなつた金額又は前年十二月三十一日までに次項の規定により総収入金額に算入された金額がある場合には、これらの金額を控除した金額。以下この条において同じ。)のうち当該支出をした金額に相当する金額は、その支出をした日の属する年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
4 第一項の特別修繕準備金を積み立てている個人の各年の十二月三十一日において、前年から繰り越された準備金設定特定船舶に係る特別修繕準備金の金額のうちに当該準備金設定特定船舶に係る特別の修繕の完了予定日として政令で定める日の属する年の十二月三十一日の翌日から二年を経過したもの(以下この項において「特別修繕予定日経過準備金額」という。)がある場合には、当該特別修繕予定日経過準備金額については、その経過した日の属する年の十二月三十一日における当該準備金設定特定船舶に係る特別修繕準備金の金額の五分の一に相当する金額(当該金額がその年十二月三十一日における当該準備金設定特定船舶に係る特別修繕準備金の金額を超える場合には、当該特別修繕準備金の金額に相当する金額)を、その年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
5 第一項の特別修繕準備金を積み立てている個人が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める金額に相当する金額は、その該当することとなつた日の属する年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
一 準備金設定特定船舶について特別の修繕が完了した場合 その完了した日における当該準備金設定特定船舶に係る特別修繕準備金の金額
二 準備金設定特定船舶について特別の修繕が行われないこととなつた場合 その行われないこととなつた日における当該準備金設定特定船舶に係る特別修繕準備金の金額
三 準備金設定特定船舶をその用に供する事業の全部を譲渡し、又は廃止した場合 その譲渡し、又は廃止した日における特別修繕準備金の金額
四 前二項、前三号及び次項の場合以外の場合において特別修繕準備金の金額を取り崩した場合 その取り崩した日における特別修繕準備金の金額のうちその取り崩した金額に相当する金額
6 第一項の特別修繕準備金を積み立てている個人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となつた事実のあつた日又はその届出書の提出をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた年の翌年である場合には、そのやめた年の十二月三十一日)における特別修繕準備金の金額は、その日の属する年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合においては、前三項及び第八項の規定は、適用しない。
7 第二十条第五項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
8 第二十条第六項から第八項までの規定は、第一項の特別修繕準備金を積み立てている個人の死亡により当該個人の相続人が同項の特別修繕準備金に係る事業を承継した場合について準用する。
第二十一条
削除
第三款 鉱業所得の課税の特例
[編集](探鉱準備金)
第二十二条
第二十二条
青色申告書を提出する個人で鉱業を営むものが、昭和四十年四月一日から平成三十四年三月三十一日までの期間(第一号において「指定期間」という。)内の日の属する各年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において、安定的な供給を確保することが特に必要なものとして政令で定める鉱物に係る新鉱床探鉱費の支出に備えるため、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額以下の金額を探鉱準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その積立てをした年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
一 当該個人が採掘した当該鉱物の販売によるその年の指定期間内における収入金額として政令で定める金額の百分の十二に相当する金額
二 前号に規定する収入金額に係る所得の金額として政令で定める金額の百分の五十に相当する金額
2 前項に規定する新鉱床探鉱費とは、探鉱のための地質調査、ボーリング又は坑道の掘削に要する費用その他の探鉱のために要する費用で政令で定めるものをいう。
3 その年の十二月三十一日において、第一項に規定する個人の前年から繰り越された探鉱準備金の金額(同日までに次項の規定により総収入金額に算入された、若しくは算入されるべきこととなつた金額又はその年の前年の十二月三十一日までにこの項の規定により総収入金額に算入された金額がある場合には、これらの金額を控除した金額。以下この条において同じ。)のうちにその積立てをした年の翌年一月一日から五年を経過したものがある場合には、その五年を経過した探鉱準備金の金額は、その五年を経過した日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
4 第一項の探鉱準備金を積み立てている個人が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める金額に相当する金額は、その該当することとなつた日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合において、第二号に掲げる場合に該当するときは、同号に規定する探鉱準備金の金額をその積立てをした年別に区分した各金額のうち、その積立てをした年が最も古いものから順次総収入金額に算入されるものとする。
一 鉱業を廃止し、又は鉱業に係る事業の全部を譲渡した場合 その廃止し、又は譲渡した日における探鉱準備金の金額
二 前項、前号及び次項の場合以外の場合において探鉱準備金の金額を取り崩した場合 その取り崩した日における探鉱準備金の金額のうちその取り崩した金額に相当する金額
5 第一項の探鉱準備金を積み立てている個人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となつた事実のあつた日又はその届出書の提出をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた年の翌年である場合には、そのやめた年の十二月三十一日)における探鉱準備金の金額は、その日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合においては、前二項及び第七項の規定は、適用しない。
6 第二十条第五項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
7 第二十条第六項から第八項までの規定は、第一項の探鉱準備金を積み立てている個人の死亡により当該個人の相続人が同項の鉱業を承継した場合について準用する。
(新鉱床探鉱費の特別控除)
第二十三条
第二十三条
前条第一項の探鉱準備金の金額(同条第五項の規定の適用を受けるものを除く。)を有する個人が、各年において、同条第一項に規定する新鉱床探鉱費の支出を行つた場合又は事業所得の金額の計算上政令で定める探鉱用機械設備(第一号において「探鉱用機械設備」という。)の償却費として必要経費に算入する金額がある場合には、その年分の事業所得の金額の計算上、これらの支出又は償却費に係る必要経費に算入する金額のほか、次に掲げる金額のうち最も少ない金額に相当する金額は、必要経費に算入する。
一 その年において支出する当該新鉱床探鉱費の額に相当する金額(その年において探鉱の実施のために交付される国の補助金がある場合には、当該補助金に相当する金額を控除した金額)とその年の当該探鉱用機械設備についてこの法律及び所得税法第四十九条第一項の規定により必要経費に算入した償却費の額との合計額
二 その年において前条第三項又は第四項の規定により総収入金額に算入された、又は算入されるべきこととなつた同条第一項の探鉱準備金の金額に相当する金額
三 その年分の事業所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額
2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、当該金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により必要経費に算入される金額は、当該金額として記載された金額に限るものとする。
第二十四条
削除
第四款 農業所得の課税の特例
[編集](農業経営基盤強化準備金)
第二十四条の二
第二十四条の二
青色申告書を提出する個人で農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十二条第一項に規定する農業経営改善計画に係る同項の認定又は同法第十四条の四第一項に規定する青年等就農計画に係る同項の認定を受けたもの(第三項第一号及び第七項において「認定農業者等」という。)が、平成十九年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの期間内の日の属する各年(事業を廃止した日の属する年を除く。)において、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律(平成十八年法律第八十八号)第三条第一項又は第四条第一項に規定する交付金その他これに類するものとして財務省令で定める交付金又は補助金(第一号において「交付金等」という。)の交付を受けた場合において、農業経営基盤強化促進法第十三条第二項に規定する認定計画又は同法第十四条の五第二項に規定する認定就農計画(第三項第二号イ及び第七項において「認定計画等」という。)の定めるところに従つて行う農業経営基盤強化(同法第十二条第二項第二号の農業経営の規模を拡大すること又は同号の生産方式を合理化することをいう。第一号において同じ。)に要する費用の支出に備えるため、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額以下の金額を農業経営基盤強化準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その積立てをした年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
一 当該交付金等の額のうち農業経営基盤強化に要する費用の支出に備えるものとして政令で定める金額
二 その積立てをした年分の事業所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額
2 その年の十二月三十一日において、前項に規定する個人の前年から繰り越された農業経営基盤強化準備金の金額(同日までに次項の規定により総収入金額に算入された、若しくは算入されるべきこととなつた金額又はその年の前年の十二月三十一日までにこの項の規定により総収入金額に算入された金額がある場合には、これらの金額を控除した金額。以下この条において同じ。)のうちにその積立てをした年の翌年一月一日から五年を経過したものがある場合には、その五年を経過した農業経営基盤強化準備金の金額は、その五年を経過した日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
3 第一項の農業経営基盤強化準備金を積み立てている個人が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める金額に相当する金額は、その該当することとなつた日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合において、第二号又は第四号に掲げる場合に該当するときは、第二号イ若しくはロ又は第四号に規定する農業経営基盤強化準備金の金額をその積立てをした年が最も古いものから順次総収入金額に算入されるものとする。
一 認定農業者等に該当しないこととなつた場合 その該当しないこととなつた日における農業経営基盤強化準備金の金額
二 農用地等(次条第一項に規定する農用地等をいう。イ及びロにおいて同じ。)の取得(同項に規定する取得をいい、同項に規定する特定農業用機械等にあつてはその製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものの取得に限る。)又は製作若しくは建設(イ及びロにおいて「取得等」という。)をした場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 認定計画等の定めるところにより農用地等の取得等をした場合 その取得等をした日における農業経営基盤強化準備金の金額のうちその取得等をした農用地等の取得価額に相当する金額
ロ 農用地等(農業用の器具及び備品並びにソフトウエアを除く。ロにおいて同じ。)の取得等をした場合(イに掲げる場合を除く。) その取得等をした日における農業経営基盤強化準備金の金額のうちその取得等をした農用地等の取得価額に相当する金額
三 事業の全部を譲渡し、又は廃止した場合 その譲渡し、又は廃止した日における農業経営基盤強化準備金の金額
四 前項、前三号及び次項の場合以外の場合において農業経営基盤強化準備金の金額を取り崩した場合 その取り崩した日における農業経営基盤強化準備金の金額のうちその取り崩した金額に相当する金額
4 第一項の農業経営基盤強化準備金を積み立てている個人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告をやめる旨の届出書の提出をした場合には、その承認の取消しの基因となつた事実のあつた日又はその届出書の提出をした日(その届出書の提出をした日が青色申告書による申告をやめた年の翌年である場合には、そのやめた年の十二月三十一日)における農業経営基盤強化準備金の金額は、その日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。この場合においては、前二項及び第六項から第八項までの規定は、適用しない。
5 第二十条第五項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
6 第二十条第六項から第八項までの規定は、第一項の農業経営基盤強化準備金を積み立てている個人の死亡により当該個人の相続人が同項の農業経営基盤強化準備金に係る事業を承継した場合について準用する。
7 第一項の農業経営基盤強化準備金を積み立てている個人(所得税法第二条第一項第二十九号に規定する特別障害者に該当する者に限る。)の推定相続人(当該農業経営基盤強化準備金に係る認定計画等の認定農業者等である者に限る。)が当該農業経営基盤強化準備金に係る事業の全部を譲り受けた場合(その事業の全部を譲り受けた日の属する年において当該個人が第三項第一号、第二号又は第四号に掲げる場合に該当する場合を除く。)において、当該推定相続人が、その事業の全部を譲り受けた日の属する年分の所得税につき、青色申告書を提出することができる者又は青色申告書の承認申請書を提出した者であるときは、その事業の全部を譲り受けた日における農業経営基盤強化準備金の金額は、当該推定相続人に係る農業経営基盤強化準備金の金額とみなす。この場合において、当該個人については、第三項の規定は、適用しない。
8 前項に規定する推定相続人が同項に規定する事業の全部を譲り受けた日の属する年分の所得税につき青色申告書の承認申請書を提出した者である場合において、その申請が却下されたときは、第三項及び前項の規定にかかわらず、その却下の日における同項の農業経営基盤強化準備金の金額は、当該推定相続人に係る同項に規定する個人の当該事業の全部を譲渡した日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
9 第七項の規定は、同項に規定する推定相続人の確定申告書に、同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、当該推定相続人に係る同項の個人の第一項の農業経営基盤強化準備金として同項の規定により積み立てた金額の計算に関する明細書その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
10 第五項、第六項及び前項に定めるもののほか、第一項から第四項まで、第七項及び第八項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(農用地等を取得した場合の課税の特例)
第二十四条の三
第二十四条の三
前条第一項の農業経営基盤強化準備金の金額(同条第四項の規定の適用を受けるものを除く。)を有する個人(同条第一項の規定の適用を受けることができる個人を含む。)が、各年において、同項に規定する認定計画等の定めるところにより、農業経営基盤強化促進法第四条第一項第一号に規定する農用地(当該農用地に係る賃借権を含む。以下この項において同じ。)の取得(贈与、交換又は法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配によるもの、所有権移転外リース取引によるものその他政令で定めるものを除く。以下この項において同じ。)をし、又は農業用の機械及び装置、器具及び備品、建物及びその附属設備、構築物並びにソフトウエア(建物及びその附属設備にあつては、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第四項に規定する農用地利用計画において同法第三条第四号に掲げる土地としてその用途が指定された土地に建設される同号に規定する農業用施設のうち当該個人の農業の用に直接供される建物として財務省令で定める建物及びその附属設備に限る。以下この項及び第四項において「特定農業用機械等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものの取得をし、若しくは特定農業用機械等の製作若しくは建設をして、当該農用地又は特定農業用機械等(以下この項及び第五項において「農用地等」という。)を当該個人の事業の用に供した場合には、当該農用地等につき、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額以下の金額に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額は、その年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
一 次に掲げる金額の合計額
イ その年の前年から繰り越された前条第一項の農業経営基盤強化準備金の金額(その年の前年の十二月三十一日までに同条第二項又は第三項の規定により総収入金額に算入された金額がある場合には当該金額を控除した金額)のうち、その年において同条第二項又は第三項(第二号ロに係る部分を除く。)の規定により総収入金額に算入された、又は算入されるべきこととなつた金額に相当する金額
ロ その年において交付を受けた前条第一項に規定する交付金等の額のうち同項の農業経営基盤強化準備金として積み立てられなかつた金額として政令で定める金額
二 その年分の事業所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額
2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定により必要経費に算入される金額についてのその算入に関する記載があり、かつ、当該金額の計算に関する明細書その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載又は添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類並びに同項の明細書及び財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
4 第一項の規定の適用を受けた特定農業用機械等については、第十九条各号に掲げる規定は、適用しない。
5 第一項の規定の適用を受けた農用地等について所得税に関する法令の規定を適用する場合における当該農用地等の取得価額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(肉用牛の売却による農業所得の課税の特例)
第二十五条
第二十五条
農業(所得税法第二条第一項第三十五号に規定する事業をいう。)を営む個人が、昭和五十六年から平成三十二年までの各年において、次の各号に掲げる売却の方法により当該各号に定める肉用牛を売却した場合において、その売却した肉用牛が全て免税対象飼育牛(家畜改良増殖法(昭和二十五年法律第二百九号)第三十二条の二第一項の規定による農林水産大臣の承認を受けた同項に規定する登録規程に基づく政令で定める登録がされている肉用牛又はその売却価額が百万円未満(その売却した肉用牛が、財務省令で定める交雑牛に該当する場合には八十万円未満とし、財務省令で定める乳牛に該当する場合には五十万円未満とする。)である肉用牛に該当するものをいう。次項において同じ。)であり、かつ、その売却した肉用牛の頭数の合計が千五百頭以内であるときは、当該個人のその売却をした日の属する年分のその売却により生じた事業所得に対する所得税を免除する。
一 家畜取引法(昭和三十一年法律第百二十三号)第二条第三項に規定する家畜市場、中央卸売市場その他政令で定める市場において行う売却 当該個人が飼育した肉用牛
二 農業協同組合又は農業協同組合連合会のうち政令で定めるものに委託して行う売却 当該個人が飼育した生産後一年未満の肉用牛
2 前項に規定する個人が、同項に規定する各年において、同項各号に掲げる売却の方法により当該各号に定める肉用牛を売却した場合において、その売却した肉用牛のうちに免税対象飼育牛に該当しないもの又は免税対象飼育牛に該当する肉用牛の頭数の合計が千五百頭を超える場合の当該超える部分の免税対象飼育牛が含まれているとき(その売却した肉用牛が全て免税対象飼育牛に該当しないものであるときを含む。)は、当該個人のその売却をした日の属する年分の総所得金額に係る所得税の額は、所得税法第二編第二章から第四章までの規定により計算した所得税の額によらず、次に掲げる金額の合計額とすることができる。
一 その年において前項各号に掲げる売却の方法により売却した当該各号に定める肉用牛のうち免税対象飼育牛に該当しないものの売却価額及び免税対象飼育牛に該当する肉用牛の頭数の合計が千五百頭を超える場合における当該超える部分の免税対象飼育牛の売却価額の合計額に百分の五を乗じて計算した金額
二 その年において前項各号に掲げる売却の方法により売却した当該各号に定める肉用牛に係る事業所得の金額がないものとみなして計算した場合におけるその年分の総所得金額につき、所得税法第二編第二章第四節、第三章及び第四章の規定により計算した所得税の額に相当する金額
3 前二項に規定する肉用牛とは、次に掲げる牛以外の牛をいう。
一 種雄牛
二 乳牛の雌のうち子牛の生産の用に供されたもの
4 第一項又は第二項の規定は、確定申告書に、これらの規定の適用を受けようとする旨及びこれらの規定に規定する事業所得の明細に関する事項の記載があり、かつ、これらの規定に規定する肉用牛の売却が第一項各号に掲げる売却の方法により行われたこと及びその売却価額その他財務省令で定める事項を証する書類の添付がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、前項の記載又は添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の証する書類の提出があつた場合に限り、第一項又は第二項の規定を適用することができる。第一項の規定の適用を受ける者が確定申告書を提出しなかつた場合において、その提出がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときも、同様とする。
6 その年分の所得税について第二項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算については、同号中「第三章(税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第二十五条第二項(肉用牛の売却による農業所得の課税の特例)」とする。
7 第一項及び第二項に定めるもののほか、第一項の規定により免除される所得税の額の計算方法その他同項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第五款 その他の特例
[編集](青色申告特別控除)
第二十五条の二
第二十五条の二
青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人のその承認を受けている年分(第三項の規定の適用を受ける年分を除く。)の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額は、所得税法第二十六条第二項、第二十七条第二項又は第三十二条第三項の規定により計算した不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額から次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除した金額とする。
一 十万円
二 所得税法第二十六条第二項、第二十七条第二項又は第三十二条第三項の規定により計算した不動産所得の金額、事業所得の金額(次条第一項の規定の適用がある場合には、同項に規定する社会保険診療につき支払を受けるべき金額に対応する部分の金額を除く。第三項第二号において同じ。)又は山林所得の金額の合計額
2 前項の規定により控除すべき金額は、不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額から順次控除する。
3 青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人で不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの(所得税法第六十七条の規定の適用を受ける者を除く。)が、同法第百四十八条第一項の規定により、当該事業につき帳簿書類を備え付けてこれにその承認を受けている年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額に係る取引を記録している場合(これらの所得の金額に係る一切の取引の内容を詳細に記録している場合として財務省令で定める場合に限る。)には、その年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額は、同法第二十六条第二項又は第二十七条第二項の規定により計算した不動産所得の金額又は事業所得の金額から次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除した金額とする。
一 六十五万円
二 所得税法第二十六条第二項又は第二十七条第二項の規定により計算した不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額
4 前項の規定により控除すべき金額は、不動産所得の金額又は事業所得の金額から順次控除する。
5 第三項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受けようとする旨及び同項の規定による控除を受ける金額の計算に関する事項の記載並びに同項に規定する帳簿書類に基づき財務省令で定めるところにより作成された貸借対照表、損益計算書その他不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算に関する明細書の添付があり、かつ、当該確定申告書をその提出期限までに提出した場合に限り、適用する。
(社会保険診療報酬の所得計算の特例)
第二十六条
第二十六条
医業又は歯科医業を営む個人が、各年において社会保険診療につき支払を受けるべき金額を有する場合において、当該支払を受けるべき金額が五千万円以下であり、かつ、当該個人が営む医業又は歯科医業から生ずる事業所得に係る総収入金額に算入すべき金額の合計額が七千万円以下であるときは、その年分の事業所得の金額の計算上、当該社会保険診療に係る費用として必要経費に算入する金額は、所得税法第三十七条第一項及び第二編第二章第二節第四款の規定にかかわらず、当該支払を受けるべき金額を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる率を乗じて計算した金額の合計額とする。
二千五百万円以下の金額 | 百分の七十二 |
二千五百万円を超え三千万円以下の金額 | 百分の七十 |
三千万円を超え四千万円以下の金額 | 百分の六十二 |
四千万円を超え五千万円以下の金額 | 百分の五十七 |
2 前項に規定する社会保険診療とは、次の各号に掲げる給付又は医療、介護、助産若しくはサービスをいう。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)(防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十二条第一項においてその例によるものとされる場合を含む。以下この号において同じ。)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)、母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)、児童福祉法又は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)の規定に基づく療養の給付(健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法若しくは私立学校教職員共済法の規定によつて入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、家族療養費若しくは特別療養費(国民健康保険法第五十四条の三第一項又は高齢者の医療の確保に関する法律第八十二条第一項に規定する特別療養費をいう。以下この号において同じ。)を支給することとされる被保険者、組合員若しくは加入者若しくは被扶養者に係る療養のうち当該入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、家族療養費若しくは特別療養費の額の算定に係る当該療養に要する費用の額としてこれらの法律の規定により定める金額に相当する部分(特別療養費に係る当該部分にあつては、当該部分であることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものに限る。)又はこれらの法律の規定によつて訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費を支給することとされる被保険者、組合員若しくは加入者若しくは被扶養者に係る指定訪問看護を含む。)、更生医療の給付、養育医療の給付、療育の給付又は医療の給付
二 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の規定に基づく医療扶助のための医療、介護扶助のための介護(同法第十五条の二第一項第一号に掲げる居宅介護のうち同条第二項に規定する訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション若しくは短期入所療養介護、同条第一項第五号に掲げる介護予防のうち同条第五項に規定する介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション若しくは介護予防短期入所療養介護又は同条第一項第四号に掲げる施設介護のうち同条第四項に規定する介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスに限る。)若しくは出産扶助のための助産若しくは健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法附則第九十一条の規定による改正前の生活保護法の規定に基づく介護扶助のための介護(同法第十五条の二第一項第四号に掲げる施設介護のうち同条第四項に規定する介護療養施設サービスに限る。)又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成六年法律第三十号)の規定(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成十九年法律第百二十七号)附則第四条第二項において準用する場合を含む。)に基づく医療支援給付のための医療その他の支援給付に係る政令で定める給付若しくは医療、介護、助産若しくはサービス若しくは中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成二十五年法律第百六号)附則第二条第一項若しくは第二項の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の規定に基づく医療支援給付のための医療その他の支援給付に係る政令で定める給付若しくは医療、介護、助産若しくはサービス
三 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の規定に基づく医療
四 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定によつて居宅介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定居宅サービス(訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション又は短期入所療養介護に限る。)のうち当該居宅介護サービス費の額の算定に係る当該指定居宅サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分、同法の規定によつて介護予防サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定介護予防サービス(介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション又は介護予防短期入所療養介護に限る。)のうち当該介護予防サービス費の額の算定に係る当該指定介護予防サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定によつて施設介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスのうち当該施設介護サービス費の額の算定に係る当該介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第二十六条の規定による改正前の介護保険法の規定によつて施設介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定介護療養施設サービスのうち当該施設介護サービス費の額の算定に係る当該指定介護療養施設サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分
五 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)の規定によつて自立支援医療費を支給することとされる支給認定に係る障害者等に係る指定自立支援医療のうち当該自立支援医療費の額の算定に係る当該指定自立支援医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定によつて療養介護医療費を支給することとされる支給決定に係る障害者に係る指定療養介護医療(療養介護に係る指定障害福祉サービス事業者等から提供を受ける療養介護医療をいう。)のうち当該療養介護医療費の額の算定に係る当該指定療養介護医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は児童福祉法の規定によつて肢体不自由児通所医療費を支給することとされる通所給付決定に係る障害児に係る肢体不自由児通所医療のうち当該肢体不自由児通所医療費の額の算定に係る当該肢体不自由児通所医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定によつて障害児入所医療費を支給することとされる入所給付決定に係る障害児に係る障害児入所医療のうち当該障害児入所医療費の額の算定に係る当該障害児入所医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分
六 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号)の規定によつて特定医療費を支給することとされる支給認定を受けた指定難病の患者に係る指定特定医療のうち当該特定医療費の額の算定に係る当該指定特定医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は児童福祉法の規定によつて小児慢性特定疾病医療費を支給することとされる医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等に係る指定小児慢性特定疾病医療支援のうち当該小児慢性特定疾病医療費の額の算定に係る当該指定小児慢性特定疾病医療支援に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分
3 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定により事業所得の金額を計算した旨の記載がない場合には、適用しない。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例)
第二十七条
第二十七条
家内労働法(昭和四十五年法律第六十号)第二条第二項に規定する家内労働者に該当する個人、外交員その他これらに類する者として政令で定める個人が事業所得又は雑所得を有する場合において、その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額及び雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額の合計額が六十五万円(当該個人が給与所得を有する場合にあつては、六十五万円から所得税法第二十八条第二項に規定する給与所得控除額を控除した残額。以下この条において同じ。)に満たないときは、その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入する金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、所得税法第三十七条第一項及び第二編第二章第二節第四款第一目から第五目までの規定にかかわらず、六十五万円を政令で定めるところにより事業所得に係る金額と雑所得に係る金額とに区分した場合の当該区分したそれぞれの金額とする。この場合において、当該それぞれの金額は、その年分の事業所得に係る総収入金額又は雑所得に係る総収入金額(同法第三十五条第三項に規定する公的年金等に係るものを除く。)を限度とする。
(有限責任事業組合の事業に係る組合員の事業所得等の所得計算の特例)
第二十七条の二
第二十七条の二
有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約(以下この条において「組合契約」という。)を締結している組合員である個人が、各年において、当該組合契約に基づいて営まれる事業(以下この条において「組合事業」という。)から生ずる不動産所得、事業所得又は山林所得を有する場合において当該組合事業によるこれらの所得の損失の金額として政令で定める金額があるときは、当該損失の金額のうち当該組合事業に係る当該個人の出資の価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額に相当する金額は、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
2 組合契約を締結している組合員である個人で確定申告書を提出するものは、確定申告書に当該個人の前項に規定する出資の価額を基礎として計算した金額に関する事項その他の財務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。ただし、当該添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その添付がなかつたことにつき税務署長がやむを得ない事情があると認める場合において、当該書類の提出があつたときは、この限りでない。
3 組合契約を締結している組合員である個人は、前項の確定申告書を提出する場合を除き、財務省令で定めるところにより、その年中の組合事業による不動産所得、事業所得又は山林所得に係る同項の書類を、その年の翌年三月十五日までに、税務署長に提出しなければならない。
4 前二項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定の基金に対する負担金等の必要経費算入の特例)
第二十八条
第二十八条
個人が、各年において、長期間にわたつて使用され、又は運用される基金に係る負担金又は掛金で次に掲げるものを支出した場合には、その支出した金額は、その支出した日の属する年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
一 中小企業者又は農林漁業者(農林漁業者の組織する団体を含む。)に対する信用の保証をするための業務を法令の規定に基づいて行うことを主たる目的とする法人で政令で定めるものに対する当該信用の保証をするための業務に係る基金に充てるための負担金
二 独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う中小企業倒産防止共済法(昭和五十二年法律第八十四号)の規定による中小企業倒産防止共済事業に係る基金に充てるための同法第二条第二項に規定する共済契約に係る掛金
三 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に設けられた金属鉱業等鉱害対策特別措置法第十二条の規定による鉱害防止事業基金に充てるための負担金
四 公害の発生による損失を補塡するための業務、商品の価格の安定に資するための業務その他の特定の業務で政令で定めるものを行うことを主たる目的とする法人税法第二条第六号に規定する公益法人等若しくは一般社団法人若しくは一般財団法人で、当該特定の業務が国若しくは地方公共団体の施策の実施に著しく寄与し、かつ、公的に運営されていることにつき政令で定める要件を満たすもの又は当該特定の業務を行う同条第五号に規定する公共法人で政令で定めるものに対する当該特定の業務に係る基金に充てるための負担金
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する金額の必要経費に関する明細書の添付がない場合には、適用しない。ただし、当該添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その添付がなかつたことにつき税務署長がやむを得ない事情があると認める場合において、当該明細書の提出があつたときは、この限りでない。
(中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例)
第二十八条の二
第二十八条の二
第十条第七項第六号に規定する中小事業者で青色申告書を提出するもの(以下この項において「中小事業者」という。)が、平成十八年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に取得し、又は製作し、若しくは建設し、かつ、当該中小事業者の不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の用に供した減価償却資産で、その取得価額が三十万円未満であるもの(その取得価額が十万円未満であるもの及び第十九条各号に掲げる規定その他政令で定める規定の適用を受けるものを除く。以下この条において「少額減価償却資産」という。)については、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該少額減価償却資産の取得価額に相当する金額を、当該中小事業者のその業務の用に供した年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、当該中小事業者のその業務の用に供した年分における少額減価償却資産の取得価額の合計額が三百万円(当該業務の用に供した年がその業務を開始した日の属する年又はその業務を廃止した日の属する年である場合には、これらの年については、三百万円を十二で除し、これにこれらの年において業務を営んでいた期間の月数を乗じて計算した金額。以下この項において同じ。)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち三百万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額を限度とする。
2 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
3 第一項の規定は、確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
4 第一項の規定の適用を受けた少額減価償却資産について所得税に関する法令の規定を適用する場合には、同項の規定によりその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入された金額は、当該少額減価償却資産の取得価額に算入しない。
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(債務処理計画に基づく減価償却資産等の損失の必要経費算入の特例)
第二十八条の二の二
第二十八条の二の二
青色申告書を提出する個人が、当該個人について策定された債務処理に関する計画で一般に公表された債務処理を行うための手続に関する準則に基づき策定されていることその他の政令で定める要件を満たすもの(次項において「債務処理計画」という。)に基づきその有する債務の免除を受けた場合(当該免除により受ける経済的な利益の価額について所得税法第四十四条の二第一項の規定の適用を受ける場合を除く。)において、当該個人の不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される減価償却資産その他これに準ずる資産で政令で定めるもの(以下この条において「対象資産」という。)の価額について当該準則に定められた方法により評定が行われているときは、その対象資産の損失の額として政令で定める金額は、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。ただし、当該必要経費に算入する金額は、この項の規定を適用しないで計算した当該年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額を限度とする。
2 前項の規定は、確定申告書に、同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、同項の規定による不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算、対象資産の種類その他財務省令で定める事項を記載した明細書及び債務処理計画に関する書類として財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類並びに同項の明細書及び財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
4 第一項の規定の適用を受けた個人が対象資産について行うべき所得税法第四十九条第一項に規定する償却費の計算、その者が対象資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算その他対象資産に係る同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(転廃業助成金等に係る課税の特例)
第二十八条の三
第二十八条の三
事業の整備その他の事業活動に関する制限につき、法令の制定、条約その他の国際約束の締結その他これらに準ずるものとして政令で定める行為(以下この項において「法令の制定等」という。)があつたことに伴い、その営む事業の廃止又は転換をしなければならないこととなる個人(以下この条において「廃止業者等」という。)が、その事業の廃止又は転換をすることとなることにより国若しくは地方公共団体の補助金(これに準ずるものを含む。)又は残存事業者等(当該事業と同種の事業を営む者で当該法令の制定等があつた後においても引き続きその事業を営むもの及びその者が構成する団体をいう。)の拠出した補償金で、政令で定めるもの(以下この条において「転廃業助成金等」という。)の交付を受けた場合(当該転廃業助成金等の交付の目的に応じ当該廃止業者等の属する団体その他の者を通じて交付を受けた場合を含む。以下この条において同じ。)には、当該転廃業助成金等のうち、その個人の有する当該事業に係る機械その他の減価償却資産の減価を補填するための費用として政令で定めるものに対応する部分(以下この項において「減価補填金」という。)の金額は、当該減価補填金の交付を受けた日の属する年分の各種所得の金額(所得税法第二条第一項第二十二号に規定する各種所得の金額をいう。以下この条において同じ。)の計算上、総収入金額に算入しない。
2 廃止業者等である個人が転廃業助成金等の交付を受けた場合において、当該転廃業助成金等のうちその営む事業の廃止又は転換を助成するための費用として政令で定めるものに対応する部分(以下この条において「転廃業助成金」という。)の金額の全部又は一部に相当する金額をもつてその交付を受けた日の属する年の十二月三十一日までに政令で定める資産の取得(所有権移転外リース取引による取得を除き、建設及び製作を含む。以下この条において同じ。)又は改良(取壊し及び除去を含む。以下この条において同じ。)をしたときは、当該転廃業助成金の金額のうち当該資産の取得又は改良に要した金額に相当する金額は、同年分の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
3 前項の規定は、同項の個人が交付を受けた転廃業助成金等のうち転廃業助成金の金額の全部又は一部に相当する金額をもつてその交付を受けた日の属する年の翌年一月一日からその交付を受けた日後二年を経過する日までの期間(工場等の建設に要する期間が通常二年を超えることその他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合には、同年一月一日から政令で定める日までの期間)内に同項に規定する資産の取得又は改良をする見込みであり、かつ、財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合について準用する。この場合において、同項中「当該転廃業助成金の金額」とあるのは「当該転廃業助成金の金額(その交付を受けた日の属する年分の所得税についてこの項の規定の適用を受けている場合には、この項の規定により総収入金額に算入しないこととされた金額を控除した金額)」と、「当該資産の取得又は改良に要した金額」とあるのは「税務署長の承認を受けた当該資産の取得又は改良に要する金額の見積額」と読み替えるものとする。
4 廃止業者等である個人がその交付を受けた転廃業助成金等のうちに転廃業助成金の金額がある場合において、当該転廃業助成金の金額のうち第二項(前項において準用する場合を含む。)の規定により総収入金額に算入しないこととされた金額以外の部分の金額があるときは、当該金額に相当する金額は、その交付を受けた日の属する年分の一時所得に係る収入金額とする。
5 第一項及び第二項(第三項において準用する場合を含む。以下次項までにおいて同じ。)の規定は、これらの規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、これらの規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、これらの規定による各種所得の金額の計算及び第一項に規定する減価償却資産又は第二項に規定する資産の取得若しくは改良に関する明細書その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
6 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類並びに同項の明細書及び財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
7 第三項において準用する第二項の規定の適用を受けた者は、次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該各号に定める日から四月以内に転廃業助成金等の交付を受けた日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
一 第三項において準用する第二項に規定する資産の取得又は改良をした場合において、当該資産の取得又は改良に要した金額が第三項に規定する税務署長の承認を受けた当該資産の取得又は改良に要する金額の見積額に満たないとき 当該資産の取得又は改良をした日
二 第三項に規定する期間内に同項において準用する第二項に規定する資産の取得又は改良をしなかつた場合 その期間を経過した日
8 前項各号に掲げる場合に該当することとなつた場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
9 第七項の規定による修正申告書及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該修正申告書で第七項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条の規定を適用する場合を除き、これを同法第十七条第二項に規定する期限内申告書とみなす。
二 当該修正申告書で第七項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章から第七章までの規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「租税特別措置法第二十八条の三第七項に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第六十一条第一項第一号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」と、同条第二項中「期限内申告書又は期限後申告書」とあるのは「租税特別措置法第二十八条の三第七項の規定による修正申告書」と、同法第六十五条第一項、第三項第二号及び第四項第二号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」とする。
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。
10 第三項の規定の適用を受けた者は、同項に規定する期間内に同項において準用する第二項に規定する資産の取得又は改良をした場合において、当該取得又は改良に要した金額が第三項に規定する税務署長の承認を受けた取得又は改良に要する金額の見積額に対して過大となつたときは、当該資産の取得又は改良をした日から四月以内に、納税地の所轄税務署長に対し、転廃業助成金等の交付を受けた日の属する年分の所得税についての更正の請求をすることができる。
11 個人が第二項(第三項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の適用を受けた場合には、第二項の規定の適用に係る同項の資産については、第十九条各号に掲げる規定は、適用しない。
12 第一項又は第二項の規定の適用を受けた個人が第一項に規定する減価償却資産又は第二項の規定の適用に係る同項の資産について行うべき所得税法第四十九条第一項に規定する償却費の計算、その者がこれらの資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算その他転廃業助成金等に係る同法の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)
第二十八条の四
第二十八条の四
個人が、他の者(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)から取得をした土地(国内にあるものに限る。以下この条において同じ。)又は土地の上に存する権利(以下この条において「土地等」という。)で事業所得又は雑所得の基因となるもののうち、その年一月一日において所有期間が五年以下であるもの(その年中に取得をした土地等で政令で定めるものを含む。)の譲渡(地上権又は賃借権の設定その他契約により他人(当該個人が非居住者である場合の同号に規定する事業場等を含む。)に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるもの(次項及び第三項第一号において「賃借権の設定等」という。)及び土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為その他の行為で土地等の譲渡に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この条において「土地の譲渡等」という。)をした場合には、当該土地の譲渡等による事業所得及び雑所得については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該土地の譲渡等に係る事業所得の金額及び雑所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「土地等に係る事業所得等の金額」という。)に対し、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額に相当する所得税を課する。
一 土地等に係る事業所得等の金額(第五項第二号の規定により読み替えられた所得税法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額。次号において「土地等に係る課税事業所得等の金額」という。)の百分の四十に相当する金額
二 土地等に係る課税事業所得等の金額につきこの項の規定の適用がないものとした場合に算出される所得税の額として政令で定めるところにより計算した金額の百分の百十に相当する金額
2 前項に規定する所有期間とは、当該個人がその譲渡(賃借権の設定等を含む。)をした土地等をその取得をした日の翌日から引き続き所有していた期間として政令で定める期間をいう。
3 第一項の規定は、次に掲げる土地等の譲渡に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものについては、適用しない。
一 国、地方公共団体その他これらに準ずる法人に対する土地等の譲渡(賃借権の設定等を含む。以下この項において同じ。)で政令で定めるもの
二 独立行政法人都市再生機構、土地開発公社その他これらに準ずる法人で宅地若しくは住宅の供給又は土地の先行取得の業務を行うことを目的とするものとして政令で定めるものに対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該業務を行うために直接必要であると認められるもの(政令で定める法人に対する土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等の面積が千平方メートル以上である場合には、第四号イに掲げる要件に該当する譲渡に限るものとし、土地開発公社に対する土地等の譲渡である場合には、政令で定める土地等の譲渡を除く。)
三 土地等の譲渡で第三十三条の四第一項に規定する収用交換等によるもの(当該収用交換等のうち政令で定めるものによる土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等の面積が千平方メートル以上である場合には、次号イに掲げる要件に該当する譲渡に限るものとし、前二号に掲げる譲渡に該当するものを除く。)
四 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二十九条第一項の許可(同法第四条第二項に規定する都市計画区域内において行われる同条第十二項に規定する開発行為に係るものに限る。以下この項において「開発許可」という。)を受けた個人(開発許可に基づく地位を承継した個人を含む。)が造成した一団の宅地(その面積が千平方メートル以上のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、次に掲げる要件(当該譲渡が政令で定める譲渡に該当する場合には、イ及びロに掲げる要件)に該当するもの
イ 当該譲渡に係る対価の額が当該譲渡に係る適正な対価の額として政令で定める金額以下であること。
ロ 当該譲渡に係る宅地の造成が当該開発許可の内容に適合していること。
ハ 当該譲渡が公募の方法により行われたものであること。
五 その宅地の造成につき開発許可を要しない場合において個人が造成した一団の宅地(その面積が千平方メートル以上のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、次に掲げる要件(当該譲渡が政令で定める譲渡に該当する場合には、イ及び前号イに掲げる要件)に該当するもの
イ 当該譲渡に係る宅地の造成が優良な宅地の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事の認定を受けて行われ、かつ、その造成が当該認定の内容に適合していること。
ロ 当該譲渡が前号イ及びハに掲げる要件に該当するものであること。
六 個人が自己の計算により新築した住宅又は政令で定める請負の方法により新築した住宅(その新築が優良な住宅の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事の認定を受けたものに限る。)の敷地の用に供された一団の宅地(その面積が千平方メートル以上のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、第四号イ及びハに掲げる要件に該当するもの(前二号に掲げる譲渡に該当するものを除く。)
七 次に掲げる一団の宅地(その面積が千平方メートル未満のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、当該譲渡に係る対価の額が当該譲渡に係る適正な対価の額として政令で定める金額以下であるもの
イ 当該個人が造成した一団の宅地でその造成が優良な宅地の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより市町村長又は特別区の区長(その造成が開発許可を受けたものである場合には、当該許可をした者)の認定を受けたもの
ロ 一団の宅地で、当該個人が自己の計算により新築した住宅又は政令で定める請負の方法により新築した住宅(その新築が優良な住宅の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより市町村長又は特別区の区長の認定を受けたものに限る。)の敷地の用に供されたもの(イに掲げる宅地に該当するものを除く。)
八 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第三号に規定する宅地建物取引業者である個人の行う土地等(住宅の敷地の用に供されているもので政令で定めるものに限る。)の譲渡でその取得後政令で定める期間内に行われるもののうち土地等の売買の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為に類するものとして政令で定めるもの
4 第一項及び前項に規定するもののほか、同項第四号ハの公募の方法に関する事項その他第一項及び前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
5 第一項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。
一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の四までの規定の適用については、同項第三十号の規定中「山林所得金額」とあるのは、「山林所得金額並びに租税特別措置法第二十八条の四第一項(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)に規定する土地等に係る事業所得等の金額(以下「土地等に係る事業所得等の金額」という。)」とする。
二 所得税法第四十四条の二第二項及び第六十九条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「総所得金額」とあるのは、「総所得金額、土地等に係る事業所得等の金額」とする。
三 所得税法第九十二条、第九十五条及び第百六十五条の六の規定の適用については、同法第九十二条第一項中「前節(税率)」とあるのは「前節(税率)及び租税特別措置法第二十八条の四第一項(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)」と、「課税総所得金額」とあるのは「課税総所得金額及び租税特別措置法第二十八条の四第一項に規定する土地等に係る課税事業所得等の金額の合計額」と、同条第二項中「課税総所得金額に係る所得税額」とあるのは「課税総所得金額に係る所得税額、同項に規定する土地等に係る課税事業所得等の金額に係る所得税額」と、同法第九十五条及び第百六十五条の六中「その年分の所得税の額」とあるのは「その年分の所得税の額及び租税特別措置法第二十八条の四第一項(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)の規定による所得税の額」とする。
四 前三号に定めるもののほか、所得税法第二編第五章の規定による申請又は申告に関する特例その他第一項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
6 第一項の規定は、個人が平成十年一月一日から平成三十二年三月三十一日までの間にした土地の譲渡等については、適用しない。
第三節 給与所得及び退職所得等
[編集]第二十九条
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(特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等)
第二十九条の二
第二十九条の二
会社法(平成十七年法律第八十六号)第二百三十八条第二項の決議(同法第二百三十九条第一項の決議による委任に基づく同項に規定する募集事項の決定及び同法第二百四十条第一項の規定による取締役会の決議を含む。)により新株予約権(政令で定めるものに限る。以下この項において「新株予約権」という。)を与えられる者とされた当該決議(以下この条において「付与決議」という。)のあつた株式会社若しくは当該株式会社がその発行済株式(議決権のあるものに限る。)若しくは出資の総数若しくは総額の百分の五十を超える数若しくは金額の株式(議決権のあるものに限る。)若しくは出資を直接若しくは間接に保有する関係その他の政令で定める関係にある法人の取締役、執行役若しくは使用人である個人(当該付与決議のあつた日において当該株式会社の政令で定める数の株式を有していた個人(以下この項及び次項において「大口株主」という。)及び同日において当該株式会社の大口株主に該当する者の配偶者その他の当該大口株主に該当する者と政令で定める特別の関係があつた個人(以下この項及び次項において「大口株主の特別関係者」という。)を除く。以下この項、次項及び第六項において「取締役等」という。)若しくは当該取締役等の相続人(政令で定めるものに限る。以下この項、次項及び第六項において「権利承継相続人」という。)又は当該株式会社若しくは当該法人の取締役、執行役及び使用人である個人以外の個人(大口株主及び大口株主の特別関係者を除き、中小企業等経営強化法第十三条に規定する認定新規中小企業者等に該当する当該株式会社が同法第九条第二項に規定する認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画(当該新株予約権の行使の日以前に同項の規定による認定の取消しがあつたものを除く。)に従つて行う同法第二条第八項に規定する社外高度人材活用新事業分野開拓に従事する同項に規定する社外高度人材(当該認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画に従つて当該新株予約権を与えられる者に限る。以下この項において同じ。)で、当該認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の同法第八条第二項第二号に掲げる実施時期の開始の日(当該認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の変更により新たに当該社外高度人材活用新事業分野開拓に従事することとなつた社外高度人材にあつては、当該変更について受けた同法第九条第一項の規定による認定の日。次項第二号において「実施時期の開始等の日」という。)から当該新株予約権の行使の日まで引き続き居住者である者に限る。以下この条において「特定従事者」という。)が、当該付与決議に基づき当該株式会社と当該取締役等又は当該特定従事者との間に締結された契約により与えられた当該新株予約権(当該新株予約権に係る契約において、次に掲げる要件(当該新株予約権が当該取締役等に対して与えられたものである場合には、第一号から第六号までに掲げる要件)が定められているものに限る。以下この条において「特定新株予約権」という。)を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権に係る株式の取得をした場合には、当該株式の取得に係る経済的利益については、所得税を課さない。ただし、当該取締役等若しくは権利承継相続人又は当該特定従事者(以下この項及び次項において「権利者」という。)が、当該特定新株予約権の行使をすることにより、その年における当該行使に際し払い込むべき額(以下この項及び次項において「権利行使価額」という。)と当該権利者がその年において既にした当該特定新株予約権及び他の特定新株予約権の行使に係る権利行使価額との合計額が、千二百万円を超えることとなる場合には、当該千二百万円を超えることとなる特定新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益については、この限りでない。
一 当該新株予約権の行使は、当該新株予約権に係る付与決議の日後二年を経過した日から当該付与決議の日後十年を経過する日までの間に行わなければならないこと。
二 当該新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間の合計額が、千二百万円を超えないこと。
三 当該新株予約権の行使に係る一株当たりの権利行使価額は、当該新株予約権に係る契約を締結した株式会社の株式の当該契約の締結の時における一株当たりの価額に相当する金額以上であること。
四 当該新株予約権については、譲渡をしてはならないこととされていること。
五 当該新株予約権の行使に係る株式の交付が当該交付のために付与決議がされた会社法第二百三十八条第一項に定める事項に反しないで行われるものであること。
六 当該新株予約権の行使により取得をする株式につき、当該行使に係る株式会社と金融商品取引業者又は金融機関で政令で定めるもの(以下この条において「金融商品取引業者等」という。)との間であらかじめ締結される新株予約権の行使により交付をされる当該株式会社の株式の振替口座簿(社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿をいう。以下この条において同じ。)への記載若しくは記録、保管の委託又は管理及び処分に係る信託(以下この条において「管理等信託」という。)に関する取決め(当該振替口座簿への記載若しくは記録若しくは保管の委託に係る口座又は当該管理等信託に係る契約が権利者の別に開設され、又は締結されるものであること、当該口座又は契約においては新株予約権の行使により交付をされる当該株式会社の株式以外の株式を受け入れないことその他の政令で定める要件が定められるものに限る。)に従い、政令で定めるところにより、当該取得後直ちに、当該株式会社を通じて、当該金融商品取引業者等の振替口座簿に記載若しくは記録を受け、又は当該金融商品取引業者等の営業所若しくは事務所(第四項において「営業所等」という。)に保管の委託若しくは管理等信託がされること。
七 当該契約により当該新株予約権を与えられた者は、当該契約を締結した日から当該新株予約権の行使の日までの間において国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなることをいう。以下この号及び第五項において同じ。)をする場合には、当該国外転出をする時までに当該新株予約権に係る契約を締結した株式会社にその旨を通知しなければならないこと。
八 当該契約により当該新株予約権を与えられた者に係る中小企業等経営強化法第九条第二項に規定する認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画(次項第二号及び第四号において「認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画」という。)につき当該新株予約権の行使の日以前に同条第二項の規定による認定の取消しがあつた場合には、当該新株予約権に係る契約を締結した株式会社は、速やかに、その者にその旨を通知しなければならないこと。
2 前項本文の規定は、権利者が特定新株予約権の行使をする際、次に掲げる要件(権利者が行使をする特定新株予約権が取締役等に対して与えられたものである場合には、第一号及び第三号に掲げる要件)を満たす場合に限り、適用する。
一 当該権利者が、当該権利者(その者が権利承継相続人である場合には、その者の被相続人である取締役等)が当該特定新株予約権に係る付与決議の日において当該行使に係る株式会社の大口株主及び大口株主の特別関係者に該当しなかつたことを誓約する書面を当該株式会社に提出したこと。
二 当該権利者が、当該権利者に係る認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画の実施時期の開始等の日から当該行使の日まで引き続き居住者であつたことを誓約する書面を当該行使に係る株式会社に提出したこと。
三 当該権利者が、当該特定新株予約権の行使の日の属する年における当該権利者の他の特定新株予約権の行使の有無(当該他の特定新株予約権の行使があつた場合には、当該行使に係る権利行使価額及びその行使年月日)その他財務省令で定める事項を記載した書面を当該行使に係る株式会社に提出したこと。
四 当該行使に係る株式会社が、当該権利者に係る認定社外高度人材活用新事業分野開拓計画につき中小企業等経営強化法第九条第二項の規定による認定の取消しがなかつたことを確認し、当該権利者から提出を受けた前号の書面に当該確認をした事実を記載したこと。
3 前項第一号から第三号までの株式会社は、同項第一号から第三号までの書面の提出を受けた場合には、財務省令で定めるところにより、これらの書面を保存しなければならない。
4 次に掲げる事由により、第一項本文の規定の適用を受けた個人(以下この項及び次項において「特例適用者」という。)が有する当該適用を受けて取得をした株式その他これに類する株式として政令で定めるもの(第一項第六号に規定する取決めに従い金融商品取引業者等の振替口座簿に記載若しくは記録を受け、又は金融商品取引業者等の営業所等に保管の委託若しくは管理等信託がされているものに限る。以下この条において「特定株式」という。)の全部又は一部の返還又は移転があつた場合(特例適用者から相続(限定承認に係るものを除く。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)により特定株式(特定従事者に対して与えられた特定新株予約権の行使により取得をした株式その他これに類する株式として政令で定めるものを除く。以下この項及び次項において「取締役等の特定株式」という。)の取得をした個人(以下この項において「承継特例適用者」という。)が、当該取締役等の特定株式を第一項第六号に規定する取決めに従い引き続き当該取締役等の特定株式に係る金融商品取引業者等の振替口座簿に記載若しくは記録を受け、又は金融商品取引業者等の営業所等に保管の委託若しくは管理等信託をする場合を除く。)には、当該返還又は移転があつた特定株式については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額による譲渡があつたものと、第一号に掲げる事由による返還を受けた特例適用者については、当該事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額をもつて当該返還を受けた特定株式の数に相当する数の当該特定株式と同一銘柄の株式の取得をしたものとそれぞれみなして、第三十七条の十及び第三十七条の十一の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。次に掲げる事由により、承継特例適用者が有する承継特定株式(特例適用者から当該相続又は遺贈により取得をした取締役等の特定株式その他これに類する株式として政令で定めるもので第一項第六号に規定する取決めに従い引き続き当該取締役等の特定株式に係る金融商品取引業者等の振替口座簿に記載若しくは記録を受け、又は金融商品取引業者等の営業所等に保管の委託若しくは管理等信託がされているものをいう。以下この条において同じ。)の全部又は一部の返還又は移転があつた場合についても、同様とする。
一 当該金融商品取引業者等の振替口座簿への記載若しくは記録、保管の委託又は管理等信託の解約又は終了(第一項第六号に規定する取決めに従つてされる譲渡に係る終了その他政令で定める終了を除く。)
二 贈与(法人に対するものを除く。)又は相続(限定承認に係るものを除く。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
三 第一項第六号に規定する取決めに従つてされる譲渡以外の譲渡でその譲渡の時における価額より低い価額によりされるもの(所得税法第五十九条第一項第二号に規定する譲渡に該当するものを除く。)
5 特例適用者が国外転出をする場合には、その国外転出の時に有する特定株式(取締役等の特定株式を除く。)のうちその国外転出の時における価額に相当する金額として政令で定める金額(以下この項において「国外転出時価額」という。)がその取得に要した金額として政令で定める金額を超えるもので政令で定めるもの(以下この項において「特定従事者の特定株式」という。)については、その国外転出の時に、権利行使時価額(当該特定従事者の特定株式の国外転出時価額と当該特例適用者が当該特定従事者の特定株式に係る特定新株予約権の行使をした日における当該特定従事者の特定株式の価額に相当する金額として政令で定める金額とのうちいずれか少ない金額をいう。以下この項において同じ。)による譲渡があつたものと、当該特例適用者については、その国外転出の時に、当該権利行使時価額をもつて当該特定従事者の特定株式の数に相当する数の当該特定従事者の特定株式と同一銘柄の株式の取得をしたものとそれぞれみなして、第三十七条の十及び第三十七条の十一の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
6 付与決議に基づく契約により取締役等若しくは権利承継相続人又は特定従事者に特定新株予約権を与える株式会社は、政令で定めるところにより、当該特定新株予約権の付与に関する調書(以下この条において「特定新株予約権の付与に関する調書」という。)を、その付与をした日の属する年の翌年一月三十一日までに、税務署長に提出しなければならない。
7 第一項第六号に規定する取決めに従い特定株式又は承継特定株式につき振替口座簿への記載若しくは記録をし、又は保管の委託を受け、若しくは管理等信託を引き受けている金融商品取引業者等は、政令で定めるところにより、当該特定株式又は承継特定株式の受入れ又は交付その他の異動状況に関する調書(以下この条において「特定株式等の異動状況に関する調書」という。)を、毎年一月三十一日までに、税務署長に提出しなければならない。
8 第一項本文の規定の適用を受ける場合における株式の取得価額の計算の特例、同項本文の規定の適用を受ける場合における株式の譲渡に係る国内源泉所得の範囲及び非居住者に対する課税の方法の特例、特定株式又は承継特定株式の譲渡に係る所得税法第二百二十四条の三及び第二百二十五条の規定の特例、特定株式の取得に係る同法第二百二十八条の二の規定の特例その他第一項、第四項及び第五項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
9 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、特定新株予約権の付与に関する調書又は特定株式等の異動状況に関する調書の提出に関する調査について必要があるときは、当該特定新株予約権の付与に関する調書若しくは特定株式等の異動状況に関する調書を提出する義務がある者に質問し、その者の特定新株予約権の付与若しくは特定株式若しくは承継特定株式の受入れ若しくは交付その他の異動状況に関する帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
10 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、特定新株予約権の付与に関する調書又は特定株式等の異動状況に関する調書の提出に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。
11 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第九項の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
12 第九項及び第十項の規定による当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
13 前項に定めるもののほか、第十項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(勤労者が受ける財産形成給付金等に係る課税の特例)
第二十九条の三
第二十九条の三
勤労者財産形成促進法第二条第一号に規定する勤労者が、同法第六条の二第一項に規定する勤労者財産形成給付金契約又は同法第六条の三第二項に規定する第一種勤労者財産形成基金契約若しくは同条第三項に規定する第二種勤労者財産形成基金契約に基づき一時金として支払を受ける同法第六条の二第二項に規定する財産形成給付金又は同法第六条の四第二項に規定する第一種財産形成基金給付金若しくは同条第三項に規定する第二種財産形成基金給付金(以下この条において「財産形成給付金等」という。)のうち、同法第六条の二第一項第六号又は同法第六条の三第二項第六号若しくは同条第三項第五号に規定する中途支払理由でやむを得ないものとして政令で定めるもの以外の理由により支払を受ける財産形成給付金等の額は、同法第六条の二第一項に規定する信託会社等又は同法第六条の三第二項に規定する信託会社等若しくは同条第三項に規定する銀行等がそれぞれ支払をする所得税法第二十八条第一項に規定する給与等の金額とみなし、その他の財産形成給付金等の額は、これらの者がそれぞれ支払をする一時所得に係る収入金額とみなして、同法の規定を適用する。
(退職勤労者が弁済を受ける未払賃金に係る課税の特例)
第二十九条の四
第二十九条の四
賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)第七条(同法第十六条の規定により読み替えて適用される場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する事業主に係る事業を退職した労働者が同法第七条の規定により同条の未払賃金に係る債務で所得税法第二十八条第一項に規定する給与等に係るものにつき弁済を受けた金額は、当該事業主から当該退職の日において支払を受けるべき同法第三十条第一項に規定する退職手当等の金額とみなして、同法の規定を適用する。
第四節 山林所得及び譲渡所得等
[編集]第一款 山林所得の課税の特例
[編集](山林所得の概算経費控除)
第三十条
第三十条
個人が、その年の十五年前の年の十二月三十一日以前から引き続き所有していた山林を伐採し、又は譲渡した場合において、当該伐採又は譲渡による山林所得の金額の計算上総収入金額から控除すべき必要経費は、所得税法第三十七条第二項並びに第二編第二章第二節第四款及び第五款の規定にかかわらず、当該伐採又は譲渡による収入金額(当該伐採又は譲渡に関し、伐採費、運搬費その他の財務省令で定める費用を要したときは、当該費用を控除した金額)に第四項の規定により定められた割合を乗じて算出した金額(その控除した金額又は山林所得を生ずべき業務につきその年において生じた同法第七十条第三項に規定する被災事業用資産の損失の金額があるときは、これらの金額を加算した金額)とすることができる。
2 前項の規定の適用については、相続、遺贈又は贈与により取得した山林は、相続人、受遺者又は受贈者が引き続き所有していたものとみなす。ただし、次に掲げる山林については、この限りでない。
一 昭和二十八年中に包括遺贈により取得した山林
二 昭和二十八年一月一日から昭和三十六年十二月三十一日までの間に遺贈(包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈を除く。次号において同じ。)又は贈与(相続人に対する贈与で被相続人たる贈与者の死亡により効力を生ずべきものを除く。次号及び第四号において同じ。)により取得した山林
三 昭和三十七年一月一日から昭和四十年三月三十一日までの間に遺贈又は贈与により取得した山林で旧所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)第五条の二第三項の規定の適用を受けなかつたもの
四 昭和四十年四月一日から昭和四十七年十二月三十一日までの間に相続(限定承認に係るものに限る。次号において同じ。)、遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るもの以外のもの及び相続人に対する特定遺贈を除く。)又は贈与により取得した山林で所得税法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第八号)による改正前の所得税法第五十九条第二項の規定の適用を受けなかつたもの
五 昭和四十八年一月一日以後に相続又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)により取得した山林
3 第一項の規定は、確定申告書に、同項の規定の適用を受ける旨の記載がない場合には、適用しない。
4 第一項の規定により同項に規定する伐採又は譲渡による収入金額に乗ずべき割合は、その伐採又は譲渡の日の属する年の十五年前の年の翌年一月一日における山林の価額として政令で定めるところにより計算した金額及び同日以後において通常要すべき管理費その他の必要経費(同項に規定する伐採費、運搬費その他の財務省令で定める費用を除く。)を基礎として、財務省令で定める。
(山林所得に係る森林計画特別控除)
第三十条の二
第三十条の二
個人が、平成二十四年から平成三十二年までの各年において、その有する山林につき森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第十一条第五項(同法第十二条第三項において準用する場合、木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号)第八条の規定により読み替えて適用される場合及び同法第九条第二項又は第三項の規定により読み替えて適用される森林法第十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定による市町村の長(同法第十九条の規定の適用がある場合には、同条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者。第五項において同じ。)の認定を受けた同法第十一条第一項に規定する森林経営計画(同条第五項第二号ロに規定する公益的機能別森林施業を実施するためのものとして財務省令で定めるもの及び同法第十六条又は木材の安定供給の確保に関する特別措置法第九条第四項の規定による認定の取消しがあつたものを除く。第五項及び第八項において「森林経営計画」という。)に基づいてその山林の全部又は一部の伐採をし、又は譲渡(交換及び出資による譲渡その他政令で定める譲渡を除く。)をした場合(所得税法第五十九条第一項第一号の規定の適用がある場合及び森林の保健機能の増進に関する特別措置法(平成元年法律第七十一号)第二条第二項第二号に規定する森林保健施設を整備するために当該伐採又は譲渡をした場合を除く。)には、当該伐採又は譲渡の日の属する年分の当該伐採又は譲渡に係る山林所得の金額に対する所得税法第三十二条第三項の規定の適用については、同項に規定する必要経費を控除した残額は、当該残額に相当する金額から当該山林に係る森林計画特別控除額を控除した残額に相当する金額とする。
2 前項に規定する森林計画特別控除額は、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額(第二号に規定する必要経費の額を前条第一項の規定により算出する場合にあつては、第一号に掲げる金額)とする。
一 前項に規定する山林の伐採又は譲渡に係る収入金額(当該伐採又は譲渡に関し、伐採費、運搬費その他の財務省令で定める費用を要したときは、当該費用を控除した金額)の百分の二十(当該収入金額が二千万円を超える場合には、その超える部分の金額については、百分の十)に相当する金額
二 前号に規定する収入金額の百分の五十に相当する金額から所得税法第三十二条第三項に規定する必要経費の額(前号に規定する費用を要したとき、又はその年において生じた前条第一項に規定する被災事業用資産の損失の金額があるときは、当該費用の額及び当該被災事業用資産の損失の金額のうち当該収入金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額)を控除した残額
3 第一項の規定は、確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定による山林所得の金額の計算に関する明細書その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類並びに同項の明細書及び財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
5 森林経営計画につき森林法第十六条又は木材の安定供給の確保に関する特別措置法第九条第四項の規定による認定の取消しがあつた場合における第一項の規定の適用については、当該森林経営計画に係る同項に規定する市町村の長の認定を受けなかつたものとみなす。この場合において、当該認定の取消しがあつた日の属する年の前年以前の各年分の山林所得につき同項の規定の適用を受けた個人は、当該認定の取消しがあつた日から四月以内に、当該各年分(この項前段の規定により第一項の規定の適用を受けないこととなる年分に限る。)の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
6 前項の規定に該当することとなつた場合において、同項の規定による修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
7 第五項の規定による修正申告書及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該修正申告書で第五項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条の規定を適用する場合を除き、これを同法第十七条第二項に規定する期限内申告書とみなす。
二 当該修正申告書で第五項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章から第七章までの規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「租税特別措置法第三十条の二第五項に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第六十一条第一項第一号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」と、同条第二項中「期限内申告書又は期限後申告書」とあるのは「租税特別措置法第三十条の二第五項の規定による修正申告書」と、同法第六十五条第一項、第三項第二号及び第四項第二号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」とする。
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。
8 森林経営計画につき第五項に規定する認定の取消しがあつた場合における税務署長への通知に関し必要な事項は、政令で定める。
第二款 長期譲渡所得の課税の特例
[編集](長期譲渡所得の課税の特例)
第三十一条
第三十一条
個人が、その有する土地若しくは土地の上に存する権利(以下第三十二条までにおいて「土地等」という。)又は建物及びその附属設備若しくは構築物(以下同条までにおいて「建物等」という。)で、その年一月一日において所有期間が五年を超えるものの譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるもの(第三十三条から第三十七条の六まで、第三十七条の八及び第三十七条の九において「譲渡所得の基因となる不動産等の貸付け」という。)を含む。以下第三十二条までにおいて同じ。)をした場合には、当該譲渡による譲渡所得については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該譲渡に係る譲渡所得の金額(同法第三十三条第三項に規定する譲渡所得の特別控除額の控除をしないで計算した金額とし、第三十二条第一項に規定する短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同項後段の規定にかかわらず、当該計算した金額を限度として当該損失の金額を控除した後の金額とする。以下この項及び第三十一条の四において「長期譲渡所得の金額」という。)に対し、長期譲渡所得の金額(第三項第三号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額。以下第三十一条の三までにおいて「課税長期譲渡所得金額」という。)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかつたものとみなす。
2 前項に規定する所有期間とは、当該個人がその譲渡をした土地等又は建物等をその取得(建設を含む。)をした日の翌日から引き続き所有していた期間として政令で定める期間をいう。
3 第一項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。
一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の四までの規定の適用については、同項第三十号中「山林所得金額」とあるのは、「山林所得金額並びに租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)(同法第三十一条の二(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)又は第三十一条の三(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)に規定する長期譲渡所得の金額(以下「長期譲渡所得の金額」という。)」とする。
二 所得税法第六十九条の規定の適用については、同条第一項中「譲渡所得の金額」とあるのは「譲渡所得の金額(租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)に規定する譲渡による譲渡所得がないものとして計算した金額とする。)」と、「各種所得の金額」とあるのは「各種所得の金額(長期譲渡所得の金額を除く。)」とする。
三 所得税法第七十一条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「総所得金額」とあるのは、「総所得金額、長期譲渡所得の金額」とする。
四 所得税法第九十二条、第九十五条及び第百六十五条の六の規定の適用については、同法第九十二条第一項中「前節(税率)」とあるのは「前節(税率)及び租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)」と、「課税総所得金額」とあるのは「課税総所得金額及び租税特別措置法第三十一条第一項に規定する課税長期譲渡所得金額の合計額」と、同条第二項中「課税総所得金額に係る所得税額」とあるのは「課税総所得金額に係る所得税額、同項に規定する課税長期譲渡所得金額に係る所得税額」と、同法第九十五条及び第百六十五条の六中「その年分の所得税の額」とあるのは「その年分の所得税の額及び租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)の規定による所得税の額」とする。
五 前各号に定めるもののほか、所得税法第二編第五章の規定による申請又は申告に関する特例その他第一項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)
第三十一条の二
第三十一条の二
個人が、昭和六十二年十月一日から平成三十一年十二月三十一日までの間に、その有する土地等でその年一月一日において前条第二項に規定する所有期間が五年を超えるものの譲渡をした場合において、当該譲渡が優良住宅地等のための譲渡に該当するときは、当該譲渡(次条の規定の適用を受けるものを除く。以下この項において同じ。)による譲渡所得については、前条第一項前段の規定により当該譲渡に係る課税長期譲渡所得金額に対し課する所得税の額は、同項前段の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額に相当する額とする。
一 課税長期譲渡所得金額が二千万円以下である場合 当該課税長期譲渡所得金額の百分の十に相当する金額
二 課税長期譲渡所得金額が二千万円を超える場合 次に掲げる金額の合計額
イ 二百万円
ロ 当該課税長期譲渡所得金額から二千万円を控除した金額の百分の十五に相当する金額
2 前項に規定する優良住宅地等のための譲渡とは、次に掲げる土地等の譲渡に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものをいう。
一 国、地方公共団体その他これらに準ずる法人に対する土地等の譲渡で政令で定めるもの
二 独立行政法人都市再生機構、土地開発公社その他これらに準ずる法人で宅地若しくは住宅の供給又は土地の先行取得の業務を行うことを目的とするものとして政令で定めるものに対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該業務を行うために直接必要であると認められるもの(土地開発公社に対する政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
二の二 土地開発公社に対する次に掲げる土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が独立行政法人都市再生機構が施行するそれぞれ次に定める事業の用に供されるもの
イ 被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定により都市計画に定められた被災市街地復興推進地域(以下第三十四条の二までにおいて「被災市街地復興推進地域」という。)内にある土地等 同法による被災市街地復興土地区画整理事業(以下第三十四条の二までにおいて「被災市街地復興土地区画整理事業」という。)
ロ 被災市街地復興特別措置法第二十一条に規定する住宅被災市町村の区域内にある土地等 都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)による第二種市街地再開発事業
三 土地等の譲渡で第三十三条の四第一項に規定する収用交換等によるもの(前三号に掲げる譲渡又は政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
四 都市再開発法による第一種市街地再開発事業の施行者に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるもの(前各号に掲げる譲渡又は政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
五 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)による防災街区整備事業の施行者に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるもの(第一号から第三号までに掲げる譲渡又は政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
六 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三条第一項第一号に規定する防災再開発促進地区の区域内における同法第八条に規定する認定建替計画(当該認定建替計画に定められた新築する建築物の敷地面積の合計が五百平方メートル以上であることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)に係る建築物の建替えを行う事業の同法第七条第一項に規定する認定事業者に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるもの(第二号から前号までに掲げる譲渡又は政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
七 都市再生特別措置法第二十五条に規定する認定計画に係る同条に規定する都市再生事業(当該認定計画に定められた建築物(その建築面積が財務省令で定める面積以上であるものに限る。)の建築がされること、その事業の施行される土地の区域の面積が一ヘクタール以上であることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)の同法第二十三条に規定する認定事業者(当該認定計画に定めるところにより当該認定事業者と当該区域内の土地等の取得に関する協定を締結した独立行政法人都市再生機構を含む。)に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該都市再生事業の用に供されるもの(第二号から前号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
八 都市再生特別措置法第六十七条に規定する認定整備事業計画に係る同条に規定する都市再生整備事業(当該認定整備事業計画に定められた建築物(その建築面積が財務省令で定める面積以上であるものに限る。)の建築がされること、その事業の施行される土地の区域の面積が〇・五ヘクタール以上であることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)の同法第六十五条に規定する認定整備事業者(当該認定整備事業計画に定めるところにより当該認定整備事業者と当該区域内の土地等の取得に関する協定を締結した独立行政法人都市再生機構を含む。)に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該都市再生整備事業の用に供されるもの(第二号から前号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
八の二 国家戦略特別区域法第十一条第一項に規定する認定区域計画に定められている同法第二条第二項に規定する特定事業又は当該特定事業の実施に伴い必要となる施設を整備する事業(これらの事業のうち、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に特に資するものとして財務省令で定めるものに限る。)を行う者に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等がこれらの事業の用に供されるもの(第二号から前号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
八の三 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成三十年法律第四十九号)第十三条第一項の規定により行われた裁定(同法第十条第一項第一号に掲げる権利に係るものに限るものとし、同法第十八条の規定により失効したものを除く。以下この号において「裁定」という。)に係る同法第十条第二項の裁定申請書(以下この号において「裁定申請書」という。)に記載された同項第二号の事業を行う当該裁定申請書に記載された同項第一号の事業者に対する次に掲げる土地等の譲渡(当該裁定後に行われるものに限る。)で、当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるもの(第一号から第二号の二まで又は第四号から前号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
イ 当該裁定申請書に記載された特定所有者不明土地(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法第十条第二項第五号に規定する特定所有者不明土地をいう。以下この号において同じ。)又は当該特定所有者不明土地の上に存する権利
ロ 当該裁定申請書に添付された所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法第十条第三項第一号に掲げる事業計画書の同号ハに掲げる計画に当該事業者が取得するものとして記載がされた特定所有者不明土地以外の土地又は当該土地の上に存する権利(当該裁定申請書に記載された当該事業が当該特定所有者不明土地以外の土地をイに掲げる特定所有者不明土地と一体として使用する必要性が高い事業と認められないものとして政令で定める事業に該当する場合における当該記載がされたものを除く。)
九 マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成十四年法律第七十八号)第十五条第一項若しくは第六十四条第一項若しくは第三項の請求若しくは同法第五十六条第一項の申出に基づくマンション建替事業(同法第二条第一項第四号に規定するマンション建替事業をいい、良好な居住環境の確保に資するものとして政令で定めるものに限る。以下この号において同じ。)の施行者(同法第二条第一項第五号に規定する施行者をいう。以下この号において同じ。)に対する土地等の譲渡又は同法第二条第一項第六号に規定する施行マンションが政令で定める建築物に該当し、かつ、同項第七号に規定する施行再建マンションの延べ面積が当該施行マンションの延べ面積以上であるマンション建替事業の施行者に対する土地等(同法第十一条第一項に規定する隣接施行敷地に係るものに限る。)の譲渡で、これらの譲渡に係る土地等がこれらのマンション建替事業の用に供されるもの(第六号から前号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
九の二 マンションの建替え等の円滑化に関する法律第百二十四条第一項の請求に基づく同法第二条第一項第九号に規定するマンション敷地売却事業(当該マンション敷地売却事業に係る同法第百十三条に規定する認定買受計画に、同法第百九条第一項に規定する決議要除却認定マンションを除却した後の土地に新たに建築される同法第二条第一項第一号に規定するマンション(良好な居住環境を備えたものとして政令で定めるものに限る。)に関する事項、当該土地において整備される道路、公園、広場その他の公共の用に供する施設に関する事項その他の財務省令で定める事項の記載があるものに限る。以下この号において同じ。)を実施する者に対する土地等の譲渡又は当該マンション敷地売却事業に係る同法第百四十一条第一項の認可を受けた同項に規定する分配金取得計画(同法第百四十五条において準用する同項の規定により当該分配金取得計画の変更に係る認可を受けた場合には、その変更後のもの)に基づく当該マンション敷地売却事業を実施する者に対する土地等の譲渡で、これらの譲渡に係る土地等がこれらのマンション敷地売却事業の用に供されるもの
十 建築面積が政令で定める面積以上である建築物の建築をする事業(当該事業の施行される土地の区域の面積が五百平方メートル以上であることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)を行う者に対する都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域のうち政令で定める地域内にある土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるもの(第六号から第九号まで又は第十二号から第十六号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
十一 地上階数四以上の中高層の耐火建築物の建築をする政令で定める事業を行う者に対する第三十七条第一項の表の第一号の上欄に規定する既成市街地等又はこれに類する地区として政令で定める地区内にある土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該事業の用に供されるもの(第六号から第九号まで、前号又は次号から第十六号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
十二 一団の宅地の造成(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を行う個人(都市計画法第四十四条又は第四十五条に規定する開発許可に基づく地位の承継(以下この号において「開発許可に基づく地位の承継」という。)があつた場合には当該開発許可に基づく地位の承継に係る被承継人である個人又は当該開発許可に基づく地位の承継をした個人とし、当該造成を行う個人の死亡により当該造成に関する事業を承継した当該個人の相続人若しくは包括受遺者が当該造成を行う場合には当該死亡した個人又は当該相続人若しくは包括受遺者とする。第五項において同じ。)又は法人(開発許可に基づく地位の承継があつた場合には当該開発許可に基づく地位の承継に係る被承継人である法人又は当該開発許可に基づく地位の承継をした法人とし、当該造成を行う法人の合併による消滅により当該造成に関する事業を引き継いだ当該合併に係る法人税法第二条第十二号に規定する合併法人が当該造成を行う場合には当該合併により消滅した法人又は当該合併法人とし、当該造成を行う法人の分割により当該造成に関する事業を引き継いだ当該分割に係る同条第十二号の三に規定する分割承継法人が当該造成を行う場合には当該分割をした法人又は当該分割承継法人とする。第五項において同じ。)に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該一団の宅地の用に供されるもの(第一号から第二号の二まで若しくは第六号から第八号の三までに掲げる譲渡又は政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
イ 当該一団の宅地の面積が千平方メートル(都市計画法第七条第一項の市街化調整区域と定められた区域その他の政令で定める区域内の当該一団の宅地の面積にあつては、政令で定める面積)以上のものであること。
ロ 当該一団の宅地の造成が、都市計画法第二十九条第一項の許可(同法第四条第二項に規定する都市計画区域内において行われる同条第十二項に規定する開発行為に係るものに限る。以下この項において「開発許可」という。)又は土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第四条第一項、第十四条第一項若しくは第三項若しくは第五十一条の二第一項の認可を受けて行われ、かつ、当該開発許可又は認可の内容に適合して行われると認められるものであること。
ハ 当該一団の宅地の造成が開発許可を受けて行われるものである場合には、当該宅地の造成と併せて公共施設の整備が適切に行われるものとして財務省令で定める要件を満たすものであること。
十三 開発許可を受けて住宅建設の用に供される一団の宅地(次に掲げる要件を満たすものに限る。)の造成を行う個人(都市計画法第四十四条又は第四十五条に規定する開発許可に基づく地位の承継があつた場合には、当該承継に係る被承継人である個人又は当該地位を承継した個人。第五項において同じ。)又は法人(同法第四十四条又は第四十五条に規定する開発許可に基づく地位の承継があつた場合には、当該承継に係る被承継人である法人又は当該地位を承継した法人。第五項において同じ。)に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該一団の宅地の用に供されるもの(第六号から第八号の三まで又は前号に掲げる譲渡に該当するものを除く。)
イ 当該一団の宅地の面積が千平方メートル(開発許可を要する面積が千平方メートル未満である区域内の当該一団の宅地の面積にあつては、政令で定める面積)以上のものであること。
ロ 当該一団の宅地の造成が当該開発許可の内容に適合して行われると認められるものであること。
十四 その宅地の造成につき開発許可を要しない場合において住宅建設の用に供される一団の宅地(次に掲げる要件を満たすものに限る。)の造成を行う個人(当該造成を行う個人の死亡により当該造成に関する事業を承継した当該個人の相続人又は包括受遺者が当該造成を行う場合には、当該死亡した個人又は当該相続人若しくは包括受遺者。第五項において同じ。)又は法人(当該造成を行う法人の合併による消滅により当該造成に関する事業を引き継いだ当該合併に係る法人税法第二条第十二号に規定する合併法人が当該造成を行う場合には当該合併により消滅した法人又は当該合併法人とし、当該造成を行う法人の分割により当該造成に関する事業を引き継いだ当該分割に係る同条第十二号の三に規定する分割承継法人が当該造成を行う場合には当該分割をした法人又は当該分割承継法人とする。第五項において同じ。)に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該一団の宅地の用に供されるもの(第六号から第八号の三まで若しくは第十二号に掲げる譲渡又は政令で定める土地等の譲渡に該当するものを除く。)
イ 当該一団の宅地の面積が千平方メートル(政令で定める区域内の当該一団の宅地の面積にあつては、政令で定める面積)以上のものであること。
ロ 都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域内において造成されるものであること。
ハ 当該一団の宅地の造成が、住宅建設の用に供される優良な宅地の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事の認定を受けて行われ、かつ、当該認定の内容に適合して行われると認められるものであること。
十五 一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅(それぞれ次に掲げる要件を満たすものに限る。)の建設を行う個人(当該建設を行う個人の死亡により当該建設に関する事業を承継した当該個人の相続人又は包括受遺者が当該建設を行う場合には、当該死亡した個人又は当該相続人若しくは包括受遺者。次号及び第五項において同じ。)又は法人(当該建設を行う法人の合併による消滅により当該建設に関する事業を引き継いだ当該合併に係る法人税法第二条第十二号に規定する合併法人が当該建設を行う場合には当該合併により消滅した法人又は当該合併法人とし、当該建設を行う法人の分割により当該建設に関する事業を引き継いだ当該分割に係る同条第十二号の三に規定する分割承継法人が当該建設を行う場合には当該分割をした法人又は当該分割承継法人とする。次号及び第五項において同じ。)に対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の用に供されるもの(第六号から第九号まで又は前三号に掲げる譲渡に該当するものを除く。)
イ 一団の住宅にあつてはその建設される住宅の戸数が二十五戸以上のものであること。
ロ 中高層の耐火共同住宅にあつては住居の用途に供する独立部分(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第二条第一項に規定する建物の部分に相当するものをいう。)が十五以上のものであること又は当該中高層の耐火共同住宅の床面積が千平方メートル以上のものであることその他政令で定める要件を満たすものであること。
ハ 前号ロに規定する都市計画区域内において建設されるものであること。
ニ 当該一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の建設が優良な住宅の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事(当該中高層の耐火共同住宅でその用に供される土地の面積が千平方メートル未満のものにあつては、市町村長)の認定を受けたものであること。
十六 住宅又は中高層の耐火共同住宅(それぞれ次に掲げる要件を満たすものに限る。)の建設を行う個人又は法人に対する土地等(土地区画整理法による土地区画整理事業の同法第二条第四項に規定する施行地区内の土地等で同法第九十八条第一項の規定による仮換地の指定(仮に使用又は収益をすることができる権利の目的となるべき土地又はその部分の指定を含む。以下この号において同じ。)がされたものに限る。)の譲渡のうち、その譲渡が当該指定の効力発生の日(同法第九十九条第二項の規定により使用又は収益を開始することができる日が定められている場合には、その日)から三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に行われるもので、当該譲渡をした土地等につき仮換地の指定がされた土地等が当該住宅又は中高層の耐火共同住宅の用に供されるもの(第六号から第九号まで又は第十二号から前号までに掲げる譲渡に該当するものを除く。)
イ 住宅にあつては、その建設される住宅の床面積及びその住宅の用に供される土地等の面積が政令で定める要件を満たすものであること。
ロ 中高層の耐火共同住宅にあつては、前号ロに規定する政令で定める要件を満たすものであること。
ハ 住宅又は中高層の耐火共同住宅が建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)その他住宅の建築に関する法令に適合するものであると認められること。
3 第一項の規定は、個人が、昭和六十二年十月一日から平成三十一年十二月三十一日までの間に、その有する土地等でその年一月一日において前条第二項に規定する所有期間が五年を超えるものの譲渡をした場合において、当該譲渡が確定優良住宅地等予定地のための譲渡(その譲渡の日から同日以後二年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの期間(住宅建設の用に供される宅地の造成に要する期間が通常二年を超えることその他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合には、その譲渡の日から政令で定める日までの期間。第五項において「予定期間」という。)内に前項第十二号から第十六号までに掲げる土地等の譲渡に該当することとなることが確実であると認められることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものをいう。第八項において同じ。)に該当するときについて準用する。この場合において、第一項中「優良住宅地等のための譲渡」とあるのは、「第三項に規定する確定優良住宅地等予定地のための譲渡」と読み替えるものとする。
4 第一項(前項において準用する場合を含む。)の場合において、個人が、その有する土地等につき、第三十三条から第三十三条の四まで、第三十四条から第三十五条の二まで、第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四から第三十七条の六まで、第三十七条の八又は第三十七条の九の規定の適用を受けるときは、当該土地等の譲渡は、第一項又は前項に規定する優良住宅地等のための譲渡又は確定優良住宅地等予定地のための譲渡に該当しないものとみなす。
5 第三項の規定の適用を受けた者から同項の規定の適用を受けた譲渡に係る土地等の買取りをした第二項第十二号から第十四号までの造成又は同項第十五号若しくは第十六号の建設を行う個人又は法人は、当該譲渡の全部又は一部が予定期間内に同項第十二号から第十六号までに掲げる土地等の譲渡に該当することとなつた場合には、当該第三項の規定の適用を受けた者に対し、遅滞なく、その該当することとなつた当該譲渡についてその該当することとなつたことを証する財務省令で定める書類を交付しなければならない。
6 第三項の規定の適用を受けた者は、同項の規定の適用を受けた譲渡に係る前項に規定する書類の交付を受けた場合には、納税地の所轄税務署長に対し、財務省令で定めるところにより、当該書類を提出しなければならない。
7 第三項の規定の適用を受けた土地等の譲渡の全部又は一部が、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、第三項に規定する予定期間内に第二項第十二号から第十六号までに掲げる土地等の譲渡に該当することが困難となつた場合で政令で定める場合において、当該予定期間の初日から当該予定期間の末日後二年以内の日で政令で定める日までの間に当該譲渡の全部又は一部が同項第十二号から第十六号までに掲げる土地等の譲渡に該当することとなることが確実であると認められることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたときは、第三項、第五項及び次項から第十項までの規定の適用については、第三項に規定する予定期間は、当該初日から当該政令で定める日までの期間とする。
8 第三項の規定の適用を受けた者は、同項の規定の適用を受けた譲渡の全部又は一部が同項に規定する予定期間内に第二項第十二号から第十六号までに掲げる土地等の譲渡に該当しないこととなつた場合には、当該予定期間を経過した日から四月以内に第三項の規定の適用を受けた譲渡のあつた日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。この場合において、その該当しないこととなつた譲渡は、同項の規定にかかわらず、確定優良住宅地等予定地のための譲渡ではなかつたものとみなす。
9 前項の場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
10 第八項の規定による修正申告書及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該修正申告書で第八項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条の規定を適用する場合を除き、これを同法第十七条第二項に規定する期限内申告書とみなす。
二 当該修正申告書で第八項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章から第七章までの規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「租税特別措置法第三十一条の二第八項に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第六十一条第一項第一号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」と、同条第二項中「期限内申告書又は期限後申告書」とあるのは「租税特別措置法第三十一条の二第八項の規定による修正申告書」と、同法第六十五条第一項、第三項第二号及び第四項第二号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」とする。
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。
(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)
第三十一条の三
第三十一条の三
個人が、その有する土地等又は建物等でその年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が十年を超えるもののうち居住用財産に該当するものの譲渡(当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするもの及び所得税法第五十八条の規定又は前条、第三十三条から第三十三条の三まで、第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四、第三十七条の五(同条第五項を除く。)、第三十七条の六、第三十七条の八若しくは第三十七条の九の規定の適用を受けるものを除く。以下この条において同じ。)をした場合(当該個人がその年の前年又は前々年において既にこの項の規定の適用を受けている場合を除く。)には、当該譲渡による譲渡所得については、第三十一条第一項前段の規定により当該譲渡に係る課税長期譲渡所得金額に対し課する所得税の額は、同項前段の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額に相当する額とする。
一 課税長期譲渡所得金額が六千万円以下である場合 当該課税長期譲渡所得金額の百分の十に相当する金額
二 課税長期譲渡所得金額が六千万円を超える場合 次に掲げる金額の合計額
イ 六百万円
ロ 当該課税長期譲渡所得金額から六千万円を控除した金額の百分の十五に相当する金額
2 前項に規定する居住用財産とは、次に掲げる家屋又は土地等をいう。
一 当該個人がその居住の用に供している家屋で政令で定めるもののうち国内にあるもの
二 前号に掲げる家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたもの(当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に譲渡されるものに限る。)
三 前二号に掲げる家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地等
四 当該個人の第一号に掲げる家屋が災害により滅失した場合において、当該個人が当該家屋を引き続き所有していたとしたならば、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が十年を超える当該家屋の敷地の用に供されていた土地等(当該災害があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に譲渡されるものに限る。)
3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定に該当する旨を証する書類として財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
(長期譲渡所得の概算取得費控除)
第三十一条の四
第三十一条の四
個人が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた土地等又は建物等を譲渡した場合における長期譲渡所得の金額の計算上収入金額から控除する取得費は、所得税法第三十八条及び第六十一条の規定にかかわらず、当該収入金額の百分の五に相当する金額とする。ただし、当該金額がそれぞれ次の各号に掲げる金額に満たないことが証明された場合には、当該各号に掲げる金額とする。
一 その土地等の取得に要した金額と改良費の額との合計額
二 その建物等の取得に要した金額と設備費及び改良費の額との合計額につき所得税法第三十八条第二項の規定を適用した場合に同項の規定により取得費とされる金額
2 第三十条第二項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、同条第二項本文中「山林」とあるのは「第三十一条の四第一項に規定する土地等又は建物等(以下この項において「土地建物等」という。)」と、同項ただし書中「山林」とあるのは「土地建物等」と読み替えるものとする。
第三款 短期譲渡所得の課税の特例
[編集](短期譲渡所得の課税の特例)
第三十二条
第三十二条
個人が、その有する土地等又は建物等で、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が五年以下であるもの(その年中に取得をした土地等又は建物等で政令で定めるものを含む。)の譲渡をした場合には、当該譲渡による譲渡所得については、所得税法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該譲渡に係る譲渡所得の金額(同法第三十三条第三項に規定する譲渡所得の特別控除額の控除をしないで計算した金額とし、第三十一条第一項に規定する長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同項後段の規定にかかわらず、当該計算した金額を限度として当該損失の金額を控除した後の金額とする。以下この項において「短期譲渡所得の金額」という。)に対し、課税短期譲渡所得金額(短期譲渡所得の金額(第四項において準用する第三十一条第三項第三号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)をいう。)の百分の三十に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかつたものとみなす。
2 前項の規定は、個人が、その有する資産が主として土地等である法人の発行する株式又は出資(当該株式又は出資のうち次に掲げる出資、投資口又は受益権に該当するものを除く。以下この項において「株式等」という。)の譲渡で、その年一月一日において前項に規定する所有期間が五年以下である土地等の譲渡に類するものとして政令で定めるものをした場合において、当該譲渡による所得が、事業又はその用に供する資産の譲渡に類するものとして政令で定める株式等の譲渡による所得に該当するときについて準用する。
一 資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社であつて第六十七条の十四第一項第一号ロ(1)若しくは(2)に掲げるもの又は同号ロ(3)若しくは(4)に掲げるもの(同項第二号ニに規定する同族会社に該当するものを除く。)に該当するものの同法第二条第五項に規定する優先出資及び同条第六項に規定する特定出資
二 投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人であつて、第六十七条の十五第一項第一号ロ(1)又は(2)に掲げるもの(同項第二号ニに規定する同族会社に該当するものを除く。)に該当するものの同法第二条第十四項に規定する投資口
三 法人課税信託のうち特定目的信託であつて、第六十八条の三の二第一項第一号ロに掲げる要件に該当するもの(同項第二号イに規定する同族会社に該当するものを除く。)の受益権
四 法人課税信託のうち法人税法第二条第二十九号の二ニに掲げる投資信託であつて、第六十八条の三の三第一項第一号ロに掲げる要件に該当するもの(同項第二号イに規定する同族会社に該当するものを除く。)の受益権
3 第二十八条の四第三項第一号から第三号までに掲げる土地等の譲渡に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものに係る第一項の規定の適用については、同項中「百分の三十」とあるのは、「百分の十五」とする。
4 第三十一条第三項の規定は、第一項又は第二項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、同条第三項第一号中「第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)(同法第三十一条の二(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)又は第三十一条の三(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)」とあるのは「第三十二条第一項又は第二項(短期譲渡所得の課税の特例)」と、「長期譲渡所得の金額」とあるのは「短期譲渡所得の金額」と、同項第二号中「第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)に規定する譲渡による譲渡所得」とあるのは「第三十二条第一項(短期譲渡所得の課税の特例)に規定する譲渡による譲渡所得又は同条第二項に規定する譲渡による所得」と、「長期譲渡所得の金額」とあるのは「短期譲渡所得の金額」と、同項第三号中「長期譲渡所得の金額」とあるのは「短期譲渡所得の金額」と、同項第四号中「第三十一条第一項」とあるのは「第三十二条第一項又は第二項」と、「長期譲渡所得の課税の特例」とあるのは「短期譲渡所得の課税の特例」と、「課税長期譲渡所得金額」とあるのは「課税短期譲渡所得金額」と読み替えるものとする。
第四款 収用等の場合の譲渡所得の特別控除等
[編集](収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例)
第三十三条
第三十三条
個人の有する資産(所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものを除く。以下この条、次条第二項及び第三十三条の四において同じ。)で次の各号に規定するものが当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場合(次条第一項の規定に該当する場合を除く。)において、その者が当該各号に規定する補償金、対価又は清算金の額(当該資産の譲渡(消滅及び価値の減少を含む。以下この款において同じ。)に要した費用がある場合には、当該補償金、対価又は清算金の額のうちから支出したものとして政令で定める金額を控除した金額。以下この条において同じ。)の全部又は一部に相当する金額をもつて当該各号に規定する収用、買取り、換地処分、権利変換、買収又は消滅(以下第三十三条の四までにおいて「収用等」という。)のあつた日の属する年の十二月三十一日までに当該収用等により譲渡した資産と同種の資産その他のこれに代わるべき資産として政令で定めるもの(以下この款において「代替資産」という。)の取得(所有権移転外リース取引による取得を除き、製作及び建設を含む。以下この款において同じ。)をしたときは、その者については、その選択により、当該収用等により取得した補償金、対価又は清算金の額が当該代替資産に係る取得に要した金額(以下第三十七条の九までにおいて「取得価額」という。)以下である場合にあつては、当該譲渡した資産(第三号の清算金を同号の土地等とともに取得した場合には、当該譲渡した資産のうち当該清算金の額に対応するものとして政令で定める部分。以下この項において同じ。)の譲渡がなかつたものとし、当該補償金、対価又は清算金の額が当該取得価額を超える場合にあつては、当該譲渡した資産のうちその超える金額に相当するものとして政令で定める部分について譲渡があつたものとして、第三十一条(第三十一条の二又は第三十一条の三の規定により適用される場合を含む。第三十三条の四第一項第一号、第三十四条第一項第一号、第三十四条の二第一項第一号、第三十四条の三第一項第一号、第三十五条第一項第一号及び第三十五条の二第一項を除き、以下第三十七条の九までにおいて同じ。)若しくは前条又は同法第三十二条若しくは第三十三条の規定を適用することができる。
一 資産が土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)、都市計画法、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(昭和三十三年法律第九十八号)、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律(昭和三十九年法律第百四十五号)、新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)、都市再開発法、新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)、流通業務市街地の整備に関する法律(昭和四十一年法律第百十号)、水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)、森林法、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)、住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法その他政令で定めるその他の法令(以下次条までにおいて「土地収用法等」という。)の規定に基づいて収用され、補償金を取得する場合(政令で定める場合に該当する場合を除く。)
二 資産について買取りの申出を拒むときは土地収用法等の規定に基づいて収用されることとなる場合において、当該資産が買い取られ、対価を取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
三 土地又は土地の上に存する権利(以下第三十三条の三までにおいて「土地等」という。)につき土地区画整理法による土地区画整理事業、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号。以下第三十四条の二までにおいて「大都市地域住宅等供給促進法」という。)による住宅街区整備事業、新都市基盤整備法による土地整理又は土地改良法による土地改良事業が施行された場合において、当該土地等に係る換地処分により土地区画整理法第九十四条(大都市地域住宅等供給促進法第八十二条第一項及び新都市基盤整備法第三十七条において準用する場合を含む。)の規定による清算金(土地区画整理法第九十条(同項及び新都市基盤整備法第三十六条において準用する場合を含む。)の規定により換地又は当該権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を定められなかつたこと及び大都市地域住宅等供給促進法第七十四条第四項又は第九十条第一項の規定により大都市地域住宅等供給促進法第七十四条第四項に規定する施設住宅の一部等又は大都市地域住宅等供給促進法第九十条第二項に規定する施設住宅若しくは施設住宅敷地に関する権利を定められなかつたことにより支払われるものを除く。)又は土地改良法第五十四条の二第四項(同法第八十九条の二第十項、第九十六条及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)に規定する清算金(同法第五十三条の二の二第一項(同法第八十九条の二第三項、第九十六条及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)の規定により地積を特に減じて換地若しくは当該権利の目的となるべき土地若しくはその部分を定めたこと又は換地若しくは当該権利の目的となるべき土地若しくはその部分を定められなかつたことにより支払われるものを除く。)を取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
三の二 資産につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合において、当該資産に係る権利変換により同法第九十一条の規定による補償金(同法第七十九条第三項又は同法第百十一条の規定により読み替えられた同項の規定により施設建築物の一部等又は建築施設の部分が与えられないように定められたことにより支払われるもの及びやむを得ない事情により同法第七十一条第一項の申出をしたと認められる場合として政令で定める場合における当該申出に基づき支払われるものに限る。)を取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
三の三 資産につき密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業が施行された場合において、当該資産に係る権利変換により同法第二百二十六条の規定による補償金(同法第二百十二条第三項の規定により防災施設建築物の一部等が与えられないように定められたこと又は政令で定める規定により防災建築施設の部分が与えられないように定められたことにより支払われるもの及びやむを得ない事情により同法第二百三条第一項の申出をしたと認められる場合として政令で定める場合における当該申出に基づき支払われるものに限る。)を取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
三の四 土地等が都市計画法第五十二条の四第一項(同法第五十七条の五及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第二百八十五条において準用する場合を含む。)又は都市計画法第五十六条第一項の規定に基づいて買い取られ、対価を取得する場合(第三十四条第二項第二号及び第二号の二に掲げる場合に該当する場合を除く。)
三の五 土地区画整理法による土地区画整理事業で同法第百九条第一項に規定する減価補償金(次号において「減価補償金」という。)を交付すべきこととなるものが施行される場合において、公共施設の用地に充てるべきものとして当該事業の施行区域(同法第二条第八項に規定する施行区域をいう。同号において同じ。)内の土地等が買い取られ、対価を取得するとき。
三の六 地方公共団体又は独立行政法人都市再生機構が被災市街地復興推進地域において施行する被災市街地復興土地区画整理事業で減価補償金を交付すべきこととなるものの施行区域内にある土地等について、これらの者が当該被災市街地復興土地区画整理事業として行う公共施設の整備改善に関する事業の用に供するためにこれらの者(土地開発公社を含む。)に買い取られ、対価を取得する場合(前二号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
三の七 地方公共団体又は独立行政法人都市再生機構が被災市街地復興特別措置法第二十一条に規定する住宅被災市町村の区域において施行する都市再開発法による第二種市街地再開発事業の施行区域(都市計画法第十二条第二項の規定により第二種市街地再開発事業について都市計画に定められた施行区域をいう。)内にある土地等について、当該第二種市街地再開発事業の用に供するためにこれらの者(土地開発公社を含む。)に買い取られ、対価を取得する場合(第二号又は次条第一項第一号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
四 国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が、自ら居住するため住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲渡する目的で行う五十戸以上の一団地の住宅経営に係る事業の用に供するため土地等が買い取られ、対価を取得する場合
五 資産が土地収用法等の規定により収用された場合(第二号の規定に該当する買取りがあつた場合を含む。)において、当該資産に関して有する所有権以外の権利が消滅し、補償金又は対価を取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
六 資産に関して有する権利で都市再開発法に規定する権利変換により新たな権利に変換をすることのないものが、同法第八十七条の規定により消滅し、同法第九十一条の規定による補償金を取得する場合(政令で定める場合に該当する場合を除く。)
六の二 資産に関して有する権利で密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する権利変換により新たな権利に変換をすることのないものが、同法第二百二十一条の規定により消滅し、同法第二百二十六条の規定による補償金を取得する場合(政令で定める場合に該当する場合を除く。)
七 国若しくは地方公共団体(その設立に係る団体で政令で定めるものを含む。)が行い、若しくは土地収用法第三条に規定する事業の施行者がその事業の用に供するために行う公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)の規定に基づく公有水面の埋立て又は当該施行者が行う当該事業の施行に伴う漁業権、入漁権その他水の利用に関する権利又は鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)の消滅(これらの権利の価値の減少を含む。)により、補償金又は対価を取得する場合
八 前各号に掲げる場合のほか、国又は地方公共団体が、建築基準法第十一条第一項若しくは漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第三十九条第一項その他政令で定めるその他の法令の規定に基づき行う処分に伴う資産の買取り若しくは消滅(価値の減少を含む。)により、又はこれらの規定に基づき行う買収の処分により補償金又は対価を取得する場合
2 前項の規定は、個人が同項各号に掲げる場合に該当した場合において、その者が当該各号に規定する補償金、対価又は清算金の額の全部又は一部に相当する金額をもつて取得指定期間(収用等のあつた日の属する年の翌年一月一日から収用等のあつた日以後二年を経過した日までの期間(当該収用等に係る事業の全部又は一部が完了しないこと、工場等の建設に要する期間が通常二年を超えることその他のやむを得ない事情があるため、当該期間内に代替資産の取得をすることが困難である場合で政令で定める場合には、当該代替資産については、同年一月一日から政令で定める日までの期間)をいう。)内に代替資産の取得をする見込みであるときについて準用する。この場合において、同項中「の額(」とあるのは「の額(次項に規定する収用等のあつた日の属する年において当該補償金、対価又は清算金の額の一部に相当する金額をもつて同項に規定する代替資産の取得をした場合には、当該資産の取得価額を控除した金額。以下この項において同じ。)(」と、「取得価額」とあるのは「取得価額の見積額」と読み替えるものとする。
3 個人の有する資産が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第一号の場合にあつては同号に規定する土地等、第二号又は第三号の場合にあつてはこれらの号に規定する土地の上にある資産(これらの号に規定する補償金が当該資産の価額の一部を補償するものである場合には、当該資産のうちその補償金に対応するものとして政令で定める部分)について、収用等による譲渡があつたものとみなす。この場合においては、第一号若しくは第二号に規定する補償金若しくは対価の額又は第三号に規定する補償金の額をもつて、第一項に規定する補償金、対価又は清算金の額とみなす。
一 土地等が土地収用法等の規定に基づいて使用され、補償金を取得する場合(土地等について使用の申出を拒むときは土地収用法等の規定に基づいて使用されることとなる場合において、当該土地等が契約により使用され、対価を取得するときを含む。)において、当該土地等を使用させることが譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けに該当するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
二 土地等が第一項第一号から第三号の三まで、前号、次条第一項第二号若しくは第三十三条の三第一項の規定に該当することとなつたことに伴い、その土地の上にある資産につき、土地収用法等の規定に基づく収用をし、若しくは取壊し若しくは除去をしなければならなくなつた場合又は第一項第八号に規定する法令の規定若しくは大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(平成十二年法律第八十七号)第十一条の規定に基づき行う国若しくは地方公共団体の処分に伴い、その土地の上にある資産の取壊し若しくは除去をしなければならなくなつた場合において、これらの資産の対価又はこれらの資産の損失に対する補償金で政令で定めるものを取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
三 土地等が第三十三条の三第八項の規定に該当することとなつたことに伴い、その土地の上にある資産が土地区画整理法第七十七条の規定により除却される場合において、当該資産の損失に対して、同法第七十八条第一項の規定による補償金を取得するとき。
4 第一項第一号、第五号、第七号又は第八号に規定する補償金の額は、名義がいずれであるかを問わず、資産の収用等の対価たる金額をいうものとし、収用等に際して交付を受ける移転料その他当該資産の収用等の対価たる金額以外の金額を含まないものとする。
5 第一項又は第二項の規定は、これらの規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、これらの規定の適用を受けようとする旨を記載し、かつ、これらの規定による山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他財務省令で定める書類を添付しない場合には、適用しない。ただし、当該申告書の提出がなかつたこと又は当該記載若しくは添付がなかつたことにつき税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合において、当該記載をした書類並びに当該明細書及び財務省令で定める書類の提出があつたときは、この限りでない。
6 前項に規定する確定申告書を提出する者は、政令で定めるところにより、代替資産の明細に関する財務省令で定める書類を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
7 個人が、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、代替資産の第二項に規定する取得指定期間内における取得をすることが困難となつた場合において、当該取得指定期間の初日から当該取得指定期間の末日後二年以内の日で政令で定める日までの間に代替資産の取得をする見込みであり、かつ、財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、同項及び第三十三条の五の規定の適用については、同項に規定する取得指定期間は、当該初日から当該政令で定める日までの期間とする。
(交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例)
第三十三条の二
第三十三条の二
個人の有する資産で次の各号に規定するものが当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場合(当該各号に規定する資産とともに補償金、対価又は清算金(以下この款において「補償金等」という。)を取得した場合を含む。)には、その者については、その選択により、当該各号に規定する収用、買取り又は交換(以下この款において「交換処分等」という。)により譲渡した資産(当該各号に規定する資産とともに補償金等を取得した場合には、当該譲渡した資産のうち当該補償金等の額に対応する部分以外のものとして政令で定める部分)の譲渡がなかつたものとして、第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十二条、第三十三条若しくは第三十五条の規定を適用することができる。
一 資産につき土地収用法等の規定による収用があつた場合(前条第一項第二号又は第四号の規定に該当する買取りがあつた場合を含む。)において、当該資産と同種の資産として政令で定めるものを取得するとき。
二 土地等につき土地改良法による土地改良事業又は農業振興地域の整備に関する法律第十三条の二第一項の事業が施行された場合において、当該土地等に係る交換により土地等を取得するとき。
2 前条第一項から第三項までの規定は、個人の有する資産で前項各号に規定するものが当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場合において、個人が、当該各号に規定する資産とともに補償金等を取得し、その全部又は一部に相当する金額をもつて代替資産の取得をしたとき、又は取得をする見込みであるときについて準用する。この場合において、同条第一項中「当該譲渡した資産」とあるのは、「当該譲渡した資産のうち当該補償金等の額に対応するものとして政令で定める部分」と読み替えるものとする。
3 前条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定を適用する場合について準用する。
4 前条第六項の規定は、前項において準用する同条第五項に規定する確定申告書を提出する者について準用する。この場合において、同条第六項中「代替資産」とあるのは、「交換処分等により取得した資産又は代替資産」と読み替えるものとする。
5 前条第七項の規定は、第二項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、同条第七項中「第二項」とあるのは、「次条第二項において準用する第二項」と読み替えるものとする。
(換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例)
第三十三条の三
第三十三条の三
個人が、その有する土地等につき土地区画整理法による土地区画整理事業、新都市基盤整備法による土地整理、土地改良法による土地改良事業又は大都市地域住宅等供給促進法による住宅街区整備事業が施行された場合において、当該土地等に係る換地処分により土地等又は土地区画整理法第九十三条第一項、第二項、第四項若しくは第五項に規定する建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分、大都市地域住宅等供給促進法第七十四条第一項に規定する施設住宅の一部等若しくは大都市地域住宅等供給促進法第九十条第二項に規定する施設住宅若しくは施設住宅敷地に関する権利を取得したときは、第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条若しくは第三十五条の規定の適用については、換地処分により譲渡した土地等(土地等とともに清算金を取得した場合又は中心市街地の活性化に関する法律(平成十年法律第九十二号)第十六条第一項、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第三十九条第一項、都市の低炭素化の促進に関する法律(平成二十四年法律第八十四号)第十九条第一項、大都市地域住宅等供給促進法第二十一条第一項若しくは地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律(平成四年法律第七十六号)第二十八条第一項の規定による保留地が定められた場合には、当該譲渡した土地等のうち当該清算金の額又は当該保留地の対価の額に対応する部分以外のものとして政令で定める部分)の譲渡がなかつたものとみなす。
2 個人が、その有する資産につき都市再開発法による第一種市街地再開発事業が施行された場合において当該資産に係る権利変換により施設建築物の一部を取得する権利及び施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは地上権の共有持分(当該資産に係る権利変換が同法第百十条第一項又は第百十条の二第一項の規定により定められた権利変換計画において定められたものである場合には、施設建築敷地に関する権利又は施設建築物に関する権利を取得する権利)若しくは個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権を取得したとき、又はその有する資産が同法による第二種市街地再開発事業の施行に伴い買い取られ、若しくは収用された場合において同法第百十八条の十一第一項の規定によりその対償として同項に規定する建築施設の部分の給付(当該給付が同法第百十八条の二十五の三第一項の規定により定められた管理処分計画において定められたものである場合には、施設建築敷地又は施設建築物に関する権利の給付)を受ける権利を取得したときは、第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条若しくは第三十五条の規定の適用については、当該権利変換又は買取り若しくは収用により譲渡した資産(当該給付を受ける権利とともに補償金等を取得した場合には、当該譲渡した資産のうち当該補償金等の額に対応する部分以外のものとして政令で定める部分。次項及び次条第一項において「旧資産」という。)の譲渡がなかつたものとみなす。
3 前項の規定の適用を受けた場合において、同項の施設建築物の一部を取得する権利(都市再開発法第百十条第一項又は第百十条の二第一項の規定により定められた権利変換計画に係る施設建築物に関する権利を取得する権利を含む。)若しくは前項に規定する給付を受ける権利につき譲渡、相続(限定承認に係るものに限る。以下この条、第三十三条の六、第三十六条の四、第三十七条の三、第三十七条の六、第三十七条の八第四項及び第三十七条の九第八項において同じ。)、遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。以下この条、第三十三条の六、第三十六条の四、第三十七条の三、第三十七条の六、第三十七条の八第四項及び第三十七条の九第八項において同じ。)若しくは贈与(法人に対するものに限る。以下この条、第三十三条の六、第三十六条の四、第三十七条の三、第三十七条の六、第三十七条の八第四項及び第三十七条の九第八項において同じ。)があつたとき、又は前項に規定する建築施設の部分(同法第百十八条の二十五の三第一項の規定により定められた管理処分計画に係る施設建築敷地又は施設建築物に関する権利を含む。)につき同法第百十八条の五第一項の規定による譲受け希望の申出の撤回があつたとき(同法第百十八条の十二第一項又は第百十八条の十九第一項の規定により譲受け希望の申出を撤回したものとみなされる場合を含む。)は、政令で定めるところにより、当該譲渡、相続、遺贈若しくは贈与又は譲受け希望の申出の撤回のあつた日若しくは同法第百十八条の十二第一項若しくは第百十八条の十九第一項の規定によりその撤回があつたものとみなされる日において旧資産の譲渡、相続、遺贈若しくは贈与又は収用等による譲渡があつたものとみなして第二十八条の四、第三十一条、第三十二条若しくは第三十三条又は所得税法第二十七条、第三十三条、第三十五条、第四十条若しくは第五十九条の規定を適用し、前項の施設建築物の一部を取得する権利及び施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは地上権の共有持分(都市再開発法第百十条の二第一項の規定により定められた権利変換計画に係る施設建築敷地に関する権利又は施設建築物に関する権利を取得する権利を含む。)若しくは個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権又は前項に規定する給付を受ける権利につき都市再開発法第百四条第一項(同法第百十条の二第六項又は第百十一条の規定により読み替えて適用される場合を含む。)又は第百十八条の二十四(同法第百十八条の二十五の三第三項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定によりこれらの規定に規定する差額に相当する金額の交付を受けることとなつたときは、そのなつた日において旧資産のうち当該金額に対応するものとして政令で定める部分につき収用等による譲渡があつたものとみなして第三十三条の規定を適用する。
4 個人が、その有する資産につき密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業が施行された場合において、当該資産に係る権利変換により防災施設建築物の一部を取得する権利及び防災施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは地上権の共有持分(当該資産に係る権利変換が同法第二百五十五条第一項又は第二百五十七条第一項の規定により定められた権利変換計画において定められたものである場合には、防災施設建築敷地に関する権利又は防災施設建築物に関する権利を取得する権利)又は個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権を取得したときは、第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条若しくは第三十五条の規定の適用については、当該権利変換により譲渡した資産(次項及び次条第一項において「防災旧資産」という。)の譲渡がなかつたものとみなす。
5 前項の規定の適用を受けた場合において、同項の防災施設建築物の一部を取得する権利(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第二百五十五条第一項又は第二百五十七条第一項の規定により定められた権利変換計画に係る防災施設建築物に関する権利を取得する権利を含む。)につき譲渡、相続、遺贈又は贈与があつたときは、政令で定めるところにより、当該譲渡、相続、遺贈又は贈与のあつた日において防災旧資産の譲渡、相続、遺贈又は贈与があつたものとみなして第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条、第三十五条、第四十条若しくは第五十九条の規定を適用し、前項の防災施設建築物の一部を取得する権利及び防災施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは地上権の共有持分(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第二百五十五条第一項の規定により定められた権利変換計画に係る防災施設建築敷地に関する権利又は防災施設建築物に関する権利を取得する権利を含む。)又は個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権につき密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第二百四十八条第一項(政令で定める規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定により同項に規定する差額に相当する金額の交付を受けることとなつたときは、そのなつた日において防災旧資産のうち当該金額に対応するものとして政令で定める部分につき収用等による譲渡があつたものとみなして第三十三条の規定を適用する。
6 個人が、その有する資産(政令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)につきマンションの建替え等の円滑化に関する法律第二条第一項第四号に規定するマンション建替事業が施行された場合において、当該資産に係る同法の権利変換により同項第七号に規定する施行再建マンションに関する権利を取得する権利又は当該施行再建マンションに係る敷地利用権(同項第十六号に規定する敷地利用権をいう。)を取得したときは、第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条若しくは第三十五条の規定の適用については、当該権利変換により譲渡した資産(次項において「変換前資産」という。)の譲渡がなかつたものとみなす。
7 前項の規定の適用を受けた場合において、同項の施行再建マンションに関する権利を取得する権利につき譲渡、相続、遺贈又は贈与があつたときは、政令で定めるところにより、当該譲渡、相続、遺贈又は贈与のあつた日において変換前資産の譲渡、相続、遺贈又は贈与があつたものとみなして第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条、第三十五条、第四十条若しくは第五十九条の規定を適用し、当該施行再建マンションに関する権利を取得する権利又は同項の施行再建マンションに係る敷地利用権につきマンションの建替え等の円滑化に関する法律第八十五条の規定により同条に規定する差額に相当する金額の交付を受けることとなつたときは、そのなつた日において変換前資産のうち当該金額に対応するものとして政令で定める部分につき譲渡があつたものとみなして第二十八条の四、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第二十七条、第三十三条若しくは第三十五条の規定を適用する。
8 個人が、その有する土地等(所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)で被災市街地復興推進地域内にあるものにつき被災市街地復興土地区画整理事業が施行された場合において、当該土地等に係る換地処分により、土地等及びその土地等の上に建設された被災市街地復興特別措置法第十五条第一項に規定する住宅又は同条第二項に規定する住宅等(以下この項、次項及び第三十三条の六第一項第四号において「代替住宅等」という。)を取得したときは、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第三十三条の規定の適用については、当該換地処分により譲渡した土地等(代替住宅等とともに清算金を取得した場合又は被災市街地復興特別措置法第十七条第一項の規定により保留地が定められた場合には、当該譲渡した土地等のうち当該清算金の額又は当該保留地の対価の額に対応する部分以外のものとして政令で定める部分)の譲渡がなかつたものとみなす。
9 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、被災市街地復興土地区画整理事業の施行者から交付を受けた土地等に係る換地処分により代替住宅等を取得したことを証する書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
10 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第八項の規定を適用することができる。
11 第八項の規定の適用を受ける同項に規定する換地処分による土地等の譲渡については、第一項の規定は、適用しない。
12 個人の有する土地又は土地の上に存する権利で被災市街地復興推進地域内にあるものにつき被災市街地復興土地区画整理事業が施行された場合において、当該個人が、当該土地又は土地の上に存する権利に係る換地処分により土地等及びその土地等の上に建設された被災市街地復興特別措置法第十五条第一項に規定する住宅又は同条第二項に規定する住宅等を取得したときにおける第一項の規定の適用については、当該換地処分による土地又は土地の上に存する権利の譲渡につき第八項の規定の適用を受ける場合を除き、当該換地処分により取得した当該住宅又は当該住宅等は第一項に規定する清算金に、当該住宅又は当該住宅等の価額は同項に規定する清算金の額にそれぞれ該当するものとみなす。
(収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除)
第三十三条の四
第三十三条の四
個人の有する資産で第三十三条第一項各号又は第三十三条の二第一項各号に規定するものがこれらの規定に該当することとなつた場合(第三十三条第三項の規定により同項第一号に規定する土地等又は同項第二号若しくは第三号に規定する土地の上にある資産につき収用等による譲渡があつたものとみなされた場合、前条第三項の規定により旧資産又は旧資産のうち同項の政令で定める部分につき収用等による譲渡があつたものとみなされた場合及び同条第五項の規定により防災旧資産のうち同項の政令で定める部分につき収用等による譲渡があつたものとみなされた場合を含む。)において、その者がその年中にその該当することとなつた資産のいずれについても第三十三条又は第三十三条の二の規定の適用を受けないとき(同条の規定の適用を受けず、かつ、第三十三条の規定の適用を受けた場合において、次条第一項の規定による修正申告書を提出したことにより第三十三条の規定の適用を受けないこととなるときを含む。)は、これらの全部の資産の収用等又は交換処分等(以下この款において「収用交換等」という。)による譲渡に対する第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第三十二条若しくは第三十三条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から五千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十三条の四第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が五千万円に満たない場合には、当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から五千万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十三条の四第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が五千万円に満たない場合には、当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
三 所得税法第三十二条第三項の山林所得に係る収入金額から必要経費を控除した残額は、当該資産の譲渡に係る当該残額に相当する金額から五千万円(当該残額に相当する金額が五千万円に満たない場合には、当該残額に相当する金額)を控除した金額とする。
四 所得税法第三十三条第三項の譲渡所得に係る収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除した残額は、当該資産の譲渡に係る当該残額に相当する金額から五千万円(当該残額に相当する金額が五千万円に満たない場合には、当該残額に相当する金額)を控除した金額とする。
2 前項の場合において、当該個人のその年中の収用交換等による資産の譲渡について同項各号のうち二以上の号の規定の適用があるときは、同項各号の規定により控除すべき金額は、通じて五千万円の範囲内において、政令で定めるところにより計算した金額とする。
3 第一項の規定は、次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該各号に定める資産については、適用しない。
一 第一項に規定する資産の収用交換等による譲渡が、当該資産の買取り、消滅、交換、取壊し、除去又は使用(以下この条において「買取り等」という。)の申出をする者(以下この条において「公共事業施行者」という。)から当該資産につき最初に当該申出のあつた日から六月を経過した日(当該資産の当該譲渡につき、土地収用法第十五条の七第一項の規定による仲裁の申請(同日以前にされたものに限る。)に基づき同法第十五条の十一第一項に規定する仲裁判断があつた場合、同法第四十六条の二第一項の規定による補償金の支払の請求があつた場合又は農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第三条第一項若しくは第五条第一項の規定による許可を受けなければならない場合若しくは同項第六号の規定による届出をする場合には、同日から政令で定める期間を経過した日)までにされなかつた場合 当該資産
二 一の収用交換等に係る事業につき第一項に規定する資産の収用交換等による譲渡が二以上あつた場合において、これらの譲渡が二以上の年にわたつてされたとき 当該資産のうち、最初に当該譲渡があつた年において譲渡された資産以外の資産
三 第一項に規定する資産の収用交換等による譲渡が当該資産につき最初に買取り等の申出を受けた者以外の者からされた場合(当該申出を受けた者の死亡によりその者から当該資産を取得した者が当該譲渡をした場合を除く。) 当該資産
4 第一項の規定は、同項の規定の適用があるものとした場合においてもその年分の確定申告書を提出しなければならない者については、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書又は同項の修正申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定の適用を受けようとする資産につき公共事業施行者から交付を受けた前項の買取り等の申出があつたことを証する書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、確定申告書若しくは第一項の修正申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書若しくは第一項の修正申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び前項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
6 公共事業施行者は、財務省令で定めるところにより、第三項の買取り等の申出に係る資産の全部につき第四項に規定する買取り等の申出があつたことを証する書類の写し及び当該資産の買取り等に係る支払に関する調書を、その事業の施行に係る営業所、事業所その他の事業場の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
7 所得税法第百三十二条第一項に規定する延納の許可に係る所得税の額の計算の基礎となつた山林所得の金額又は譲渡所得の金額のうちに第一項の規定の適用を受けた資産の譲渡に係る部分の金額がある場合には、当該延納に係る同法第百三十六条の規定による利子税のうち当該譲渡に係る山林所得の金額又は譲渡所得の金額に対する所得税の額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、免除する。
(収用交換等に伴い代替資産を取得した場合の更正の請求、修正申告等)
第三十三条の五
第三十三条の五
第三十三条第二項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用を受けた者は、次の各号に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ、当該各号に定める日から四月以内に当該収用交換等のあつた日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
一 代替資産の取得をした場合において、当該資産の取得価額が第三十三条第二項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する取得価額の見積額に満たないとき 当該資産の取得をした日
二 第三十三条第二項に規定する取得指定期間内に代替資産の取得をしなかつた場合 当該取得指定期間を経過した日
2 前項各号に掲げる場合に該当することとなつた場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
3 第一項の規定による修正申告書及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該修正申告書で第一項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条の規定を適用する場合を除き、これを同法第十七条第二項に規定する期限内申告書とみなす。
二 当該修正申告書で第一項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章から第七章までの規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「租税特別措置法第三十三条の五第一項に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第六十一条第一項第一号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」と、同条第二項中「期限内申告書又は期限後申告書」とあるのは「租税特別措置法第三十三条の五第一項の規定による修正申告書」と、同法第六十五条第一項、第三項第二号及び第四項第二号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」とする。
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。
4 第三十三条第二項の規定の適用を受けた者は、同項に規定する取得指定期間内に代替資産の取得をした場合において、その取得価額が同項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する取得価額の見積額に対して過大となつたときは、当該代替資産の取得をした日から四月以内に、納税地の所轄税務署長に対し、その収用交換等のあつた日の属する年分の所得税についての更正の請求をすることができる。
(収用交換等により取得した代替資産等の取得価額の計算)
第三十三条の六
第三十三条の六
第三十三条、第三十三条の二第一項若しくは第二項又は第三十三条の三の規定の適用を受けた者(前条第一項の規定による修正申告書を提出し、又は同条第二項の規定による更正を受けたため、第三十三条(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けないこととなつた者を除く。)が代替資産又は交換処分等、換地処分若しくは権利変換(都市再開発法第八十八条第二項の規定による施設建築物の一部若しくは同法第百十条第三項若しくは第百十条の二第四項の規定による同法第百十条第二項(同法第百十条の二第二項において準用する場合を含む。)の施設建築物に関する権利、同法第百十八条の十一第一項(同法第百十八条の二十五の三第三項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定による建築施設の部分若しくは施設建築敷地若しくは施設建築物に関する権利、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第二百二十二条第二項の規定による防災施設建築物の一部若しくは同法第二百五十五条第四項若しくは第二百五十七条第三項の規定による同法第二百五十五条第二項(同法第二百五十七条第二項において準用する場合を含む。)の防災施設建築物に関する権利又はマンションの建替え等の円滑化に関する法律第七十一条第二項の規定による施行再建マンションの区分所有権(政令で定めるものに限る。)の取得を含む。第三号において同じ。)により取得した資産(以下この条において「代替資産等」という。)について所得税法第四十九条第一項の規定により償却費の額を計算するとき、又は代替資産等につきその取得した日以後譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。)、相続、遺贈若しくは贈与があつた場合において、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算するときは、政令で定めるところにより、第三十三条、第三十三条の二第一項若しくは第二項又は第三十三条の三の規定の適用を受けた資産(以下この項において「譲渡資産」という。)の取得の時期を当該代替資産等の取得の時期とし、譲渡資産の取得価額並びに設備費及び改良費の額の合計額(第三十六条の四、第三十七条の三、第三十七条の五及び第三十七条の六において「取得価額等」という。)のうち当該代替資産等に対応する部分として政令で定めるところにより計算した金額をその取得価額とする。ただし、取得価額については、次の各号に掲げる場合に該当する場合には、その取得価額とされる金額に、当該各号に定める金額のうち政令で定めるところにより計算した金額をそれぞれ加算した金額を、その取得価額とする。
一 譲渡資産に係る収用交換等による譲渡に関して第三十三条第一項に規定する費用がある場合 当該費用に相当する金額
二 代替資産の取得価額が、譲渡資産に係る補償金等の額(当該資産の収用交換等による譲渡に要した費用がある場合には、第三十三条第一項に規定する政令で定める金額を控除した金額)を超える場合又は同条第二項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定により読み替えられた第三十三条第一項に規定する取得価額の見積額(当該補償金等の額以下のものに限る。)を超える場合(前条第四項の規定による更正の請求をした場合を除く。) その超える金額
三 交換処分等、換地処分又は権利変換により取得した資産の価額が譲渡資産の価額を超え、かつ、その差額に相当する金額を交換処分等、換地処分又は権利変換に際して支出した場合 その支出した金額
四 代替住宅等を取得するために要した経費の額がある場合 当該経費の額
2 個人が第三十三条、第三十三条の二第一項若しくは第二項又は第三十三条の三第二項、第四項若しくは第六項の規定の適用を受けた場合には、代替資産等については、第十九条各号に掲げる規定は、適用しない。
第五款 特定事業の用地買収等の場合の譲渡所得の特別控除
[編集](特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除)
第三十四条
第三十四条
個人の有する土地又は土地の上に存する権利(以下この款において「土地等」という。)が特定土地区画整理事業等のために買い取られる場合に該当することとなつた場合には、その者がその年中にその該当することとなつた土地等(第三十五条の規定の適用を受ける部分を除く。)の全部又は一部につき第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四又は第三十七条の九の規定の適用を受ける場合を除き、これらの全部の土地等の譲渡に対する第三十一条又は第三十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から二千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十四条第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が二千万円に満たない場合には当該土地等の譲渡に係る部分の金額とし、同項第二号の規定により読み替えられた第三十二条第一項の規定の適用を受ける場合には二千万円から同項の規定により控除される金額を控除した金額と当該土地等の譲渡に係る部分の金額とのいずれか低い金額とする。)を控除した金額(」とする。
二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から二千万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十四条第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が二千万円に満たない場合には、当該土地等の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
2 前項に規定する特定土地区画整理事業等のために買い取られる場合とは、次に掲げる場合をいう。
一 国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が土地区画整理法による土地区画整理事業、大都市地域住宅等供給促進法による住宅街区整備事業、都市再開発法による第一種市街地再開発事業又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業として行う公共施設の整備改善、宅地の造成、共同住宅の建設又は建築物及び建築敷地の整備に関する事業の用に供するためこれらの者(地方公共団体の設立に係る団体で政令で定めるものを含む。)に買い取られる場合(第三十三条第一項第三号の四から第三号の六までの規定の適用がある場合を除く。)
二 都市再開発法による第一種市街地再開発事業の都市計画法第五十六条第一項に規定する事業予定地内の土地等が、同項の規定に基づいて、当該第一種市街地再開発事業を行う都市再開発法第十一条第二項の認可を受けて設立された市街地再開発組合に買い取られる場合
二の二 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業の都市計画法第五十六条第一項に規定する事業予定地内の土地等が、同項の規定に基づいて、当該防災街区整備事業を行う密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第百三十六条第二項の認可を受けて設立された防災街区整備事業組合に買い取られる場合
三 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)第十一条第一項、都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第十七条第一項若しくは第三項、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法(昭和五十三年法律第二十六号)第八条第一項、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第四十九条第四項(同法第五十五条の二第三項において準用する場合を含む。)、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第五条第二項又は公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和四十二年法律第百十号)第九条第二項その他政令で定める法律の規定により買い取られる場合(都市緑地法第十七条第三項の規定により買い取られる場合には、政令で定める場合に限る。)
四 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第二十七条第一項の規定により重要文化財として指定された土地、同法第百九条第一項の規定により史跡、名勝若しくは天然記念物として指定された土地、自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第二十条第一項の規定により特別地域として指定された区域内の土地又は自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第二十五条第一項の規定により特別地区として指定された区域内の土地が国又は地方公共団体(その設立に係る団体で政令で定めるものを含む。)に買い取られる場合(当該重要文化財として指定された土地又は当該史跡、名勝若しくは天然記念物として指定された土地が独立行政法人国立文化財機構、独立行政法人国立科学博物館、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二十一条第六号に掲げる業務を主たる目的とするもののうち政令で定めるものに限る。)又は文化財保護法第百九十二条の二第一項に規定する文化財保存活用支援団体(政令で定めるものに限る。以下この号において同じ。)に買い取られる場合(当該文化財保存活用支援団体に買い取られる場合には、政令で定める場合に限る。)を含むものとし、第三十三条第一項第二号の規定の適用がある場合を除く。)
五 森林法第二十五条若しくは第二十五条の二の規定により保安林として指定された区域内の土地又は同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区内の土地が同条第三項に規定する保安施設事業のために国又は地方公共団体に買い取られる場合
六 防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律(昭和四十七年法律第百三十二号)第三条第一項の同意を得た同項に規定する集団移転促進事業計画において定められた同法第二条第一項に規定する移転促進区域内にある同法第三条第二項第六号に規定する農地等が当該集団移転促進事業計画に基づき地方公共団体に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号の規定の適用がある場合を除く。)
3 個人の有する土地等につき、一の事業で前項各号の買取りに係るものの用に供するために、これらの規定の買取りが二以上行われた場合において、これらの買取りが二以上の年にわたつて行われたときは、これらの買取りのうち、最初にこれらの規定の買取りが行われた年において行われたもの以外の買取りについては、第一項の規定は、適用しない。
4 第一項の規定は、同項の規定の適用があるものとした場合においてもその年分の確定申告書を提出しなければならない者については、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、第二項各号の買取りをする者から交付を受けた第一項の土地等の買取りがあつたことを証する書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
6 第二項各号の買取りをする者は、財務省令で定めるところにより、第一項の土地等の買取りに係る支払に関する調書を、その事業の施行に係る営業所、事業所その他の事業場の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
(特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除)
第三十四条の二
第三十四条の二
個人の有する土地等が特定住宅地造成事業等のために買い取られる場合に該当することとなつた場合には、その者がその年中にその該当することとなつた土地等(第三十五条の規定の適用を受ける部分を除く。)の全部又は一部につき第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四又は第三十七条の九の規定の適用を受ける場合を除き、これらの全部の土地等の譲渡に対する第三十一条又は第三十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から千五百万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十四条の二第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が千五百万円に満たない場合には当該土地等の譲渡に係る部分の金額とし、同項第二号の規定により読み替えられた第三十二条第一項の規定の適用を受ける場合には千五百万円から同項の規定により控除される金額を控除した金額と当該土地等の譲渡に係る部分の金額とのいずれか低い金額とする。)を控除した金額(」とする。
二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から千五百万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十四条の二第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が千五百万円に満たない場合には、当該土地等の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
2 前項に規定する特定住宅地造成事業等のために買い取られる場合とは、次に掲げる場合をいう。
一 地方公共団体(その設立に係る団体で政令で定めるものを含む。第十二号において同じ。)、独立行政法人中小企業基盤整備機構、独立行政法人都市再生機構、成田国際空港株式会社、地方住宅供給公社又は日本勤労者住宅協会が行う住宅の建設又は宅地の造成を目的とする事業(政令で定める事業を除く。)の用に供するためにこれらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号、第三十三条の二第一項第一号又は前条第二項第一号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
二 第三十三条第一項第一号に規定する土地収用法等に基づく収用(同項第二号の買取り及び同条第三項第一号の使用を含む。)を行う者若しくはその者に代わるべき者として政令で定める者によつて当該収用の対償に充てるため買い取られる場合、住宅地区改良法第二条第六項に規定する改良住宅を同条第三項に規定する改良地区の区域外に建設するため買い取られる場合又は公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第四号に規定する公営住宅の買取りにより地方公共団体に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号若しくは第三十三条の二第一項第一号に掲げる場合又は政令で定める場合に該当する場合を除く。)
三 一団の宅地の造成に関する事業(次のイ又はロのいずれか及びハに掲げる要件を満たすもので政令で定めるものに限る。)の用に供するために、平成六年一月一日から平成三十二年十二月三十一日までの間に、買い取られる場合(当該事業により造成される宅地の分譲を受けることを約して買い取られる場合を除くものとし、当該一団の宅地の造成が土地区画整理法による土地区画整理事業として行われるものである場合には政令で定める場合に限る。)
イ 当該一団の宅地の造成が都市計画法第二十九条第一項の許可(同法第四条第二項に規定する都市計画区域内において行われる同条第十二項に規定する開発行為に係るものに限る。)を受けて行われるものであり、かつ、その造成に係る一団の土地の面積が五ヘクタール以上のものであること(当該造成される宅地のうちに当該事業の用に供するために土地等が買い取られる者に対して分譲されるもの(以下この号において「優先分譲宅地」という。)がある場合(政令で定める場合に限る。)には、その一団の土地の面積のうちに優先分譲宅地の合計面積の占める割合が十パーセント未満であり、かつ、その一団の土地の面積から優先分譲宅地の合計面積を控除した面積が五ヘクタール以上のものであること。)その他政令で定める要件を満たすものであること。
ロ 当該一団の宅地の造成が土地区画整理法による土地区画整理事業として行われるものであり、かつ、その造成に係る一団の土地(当該土地区画整理事業の同法第二条第四項に規定する施行地区内において当該土地等の買取りをする個人又は法人の有する当該施行地区内にある一団の土地に限る。)の面積が五ヘクタール以上のものであることその他政令で定める要件を満たすものであること。
ハ 当該造成される宅地(優先分譲宅地がある場合には、優先分譲宅地以外のもの)の分譲が公募の方法により行われるものであること。
四 公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)第六条第一項の協議に基づき地方公共団体、土地開発公社又は政令で定める法人に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号又は前条第二項各号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
五 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第四条第一項に規定する航空機騒音障害防止特別地区内にある土地が同法第九条第二項の規定により買い取られる場合
六 地方公共団体又は幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第十三条の二第一項に規定する沿道整備推進機構(政令で定めるものに限る。)が同法第二条第二号に掲げる沿道整備道路の沿道の整備のために行う公共施設若しくは公用施設の整備、宅地の造成又は建築物及び建築敷地の整備に関する事業で政令で定めるものの用に供するために、都市計画法第十二条の四第一項第四号に掲げる沿道地区計画の区域内にある土地等が、これらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号、第三十三条の二第一項第一号若しくは前条第二項第一号に掲げる場合又は第一号、第二号若しくは第四号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
七 地方公共団体又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三百条第一項に規定する防災街区整備推進機構(政令で定めるものに限る。)が同法第二条第二号に掲げる防災街区としての整備のために行う公共施設若しくは公用施設の整備、宅地の造成又は建築物及び建築敷地の整備に関する事業で政令で定めるものの用に供するために、都市計画法第八条第一項第五号の二に掲げる特定防災街区整備地区又は同法第十二条の四第一項第二号に掲げる防災街区整備地区計画の区域内にある土地等が、これらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号、第三十三条の二第一項第一号若しくは前条第二項第一号に掲げる場合又は第一号、第二号若しくは第四号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
八 地方公共団体又は中心市街地の活性化に関する法律第六十一条第一項に規定する中心市街地整備推進機構(政令で定めるものに限る。)が同法第十六条第一項に規定する認定中心市街地(以下この号において「認定中心市街地」という。)の整備のために同法第十二条第一項に規定する認定基本計画の内容に即して行う公共施設若しくは公用施設の整備、宅地の造成又は建築物及び建築敷地の整備に関する事業で政令で定めるものの用に供するために、認定中心市街地の区域内にある土地等が、これらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号、第三十三条の二第一項第一号若しくは前条第二項第一号に掲げる場合又は第一号、第二号、第四号若しくは前二号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
九 地方公共団体又は景観法(平成十六年法律第百十号)第九十二条第一項に規定する景観整備機構(政令で定めるものに限る。以下この号において同じ。)が同法第八条第一項に規定する景観計画に定められた同条第二項第四号ロに規定する景観重要公共施設の整備に関する事業(当該事業が当該景観整備機構により行われるものである場合には、地方公共団体の管理の下に行われるものに限る。)の用に供するために、当該景観計画の区域内にある土地等が、これらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号、第三十三条の二第一項第一号若しくは前条第二項第一号に掲げる場合又は第二号、第四号若しくは前三号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
十 地方公共団体又は都市再生特別措置法第百十八条第一項に規定する都市再生推進法人(政令で定めるものに限る。以下この号において同じ。)が同法第四十六条第一項に規定する都市再生整備計画又は同法第八十一条第一項に規定する立地適正化計画に記載された公共施設の整備に関する事業(当該事業が当該都市再生推進法人により行われるものである場合には、地方公共団体の管理の下に行われるものに限る。)の用に供するために、当該都市再生整備計画又は立地適正化計画の区域内にある土地等が、これらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号、第三十三条の二第一項第一号若しくは前条第二項第一号に掲げる場合又は第一号、第二号、第四号若しくは第六号から前号までに掲げる場合に該当する場合を除く。)
十一 地方公共団体又は地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第三十四条第一項に規定する歴史的風致維持向上支援法人(政令で定めるものに限る。以下この号において同じ。)が同法第十二条第一項に規定する認定重点区域における同法第八条に規定する認定歴史的風致維持向上計画に記載された公共施設又は公用施設の整備に関する事業(当該事業が当該歴史的風致維持向上支援法人により行われるものである場合には、地方公共団体の管理の下に行われるものに限る。)の用に供するために、当該認定重点区域内にある土地等が、これらの者に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第四号、第三十三条の二第一項第一号若しくは前条第二項第一号に掲げる場合又は第一号、第二号、第四号若しくは第六号から前号までに掲げる場合に該当する場合を除く。)
十二 国又は都道府県が作成した総合的な地域開発に関する計画で政令で定めるものに基づき、主として工場、住宅又は流通業務施設の用に供する目的で行われる一団の土地の造成に関する事業で、次に掲げる要件に該当するものとして都道府県知事が指定したものの用に供するために地方公共団体又は国若しくは地方公共団体の出資に係る法人で政令で定めるものに買い取られる場合
イ 当該計画に係る区域の面積が政令で定める面積以上であり、かつ、当該事業の施行区域の面積が政令で定める面積以上であること。
ロ 当該事業の施行区域内の道路、公園、緑地その他の公共の用に供する空地の面積が当該施行区域内に造成される土地の用途区分に応じて適正に確保されるものであること。
十三 次に掲げる事業(都市計画その他の土地利用に関する国又は地方公共団体の計画に適合して行われるものであることその他の政令で定める要件に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものに限る。)の用に供するために、地方公共団体の出資に係る法人その他の政令で定める法人に買い取られる場合
イ 商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律(平成二十一年法律第八十号)第五条第三項に規定する認定商店街活性化事業計画に基づく同法第二条第二項に規定する商店街活性化事業又は同法第七条第三項に規定する認定商店街活性化支援事業計画に基づく同法第二条第三項に規定する商店街活性化支援事業
ロ 中心市街地の活性化に関する法律第四十九条第二項に規定する認定特定民間中心市街地活性化事業計画に基づく同法第七条第七項に規定する中小小売商業高度化事業(同項第一号から第四号まで又は第七号に掲げるものに限る。)
十四 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十一条の四十八第一項に規定する宅地等供給事業のうち同法第十条第五項第三号に掲げるもの又は独立行政法人中小企業基盤整備機構法(平成十四年法律第百四十七号)第十五条第一項第三号ロに規定する他の事業者との事業の共同化若しくは中小企業の集積の活性化に寄与する事業の用に供する土地の造成に関する事業で、都市計画その他の土地利用に関する国又は地方公共団体の計画に適合した計画に従つて行われるものであることその他の政令で定める要件に該当するものとして都道府県知事が指定したものの用に供するために買い取られる場合
十四の二 総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)第二条第二項第五号イ又は第三項第五号イに規定する共同して又は一の団地若しくは主として一の建物に集合して行う事業の用に供する土地の造成に関する事業で、都市計画その他の土地利用に関する国又は地方公共団体の計画に適合した計画に従つて行われるものであることその他の政令で定める要件に該当するものとして市町村長又は特別区の区長が指定したものの用に供するために買い取られる場合
十五 地方公共団体の出資に係る法人その他の政令で定める法人(以下この号において「特定法人」という。)が行う産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律(平成四年法律第六十二号)第二条第二項に規定する特定施設(同項第一号に規定する建設廃棄物処理施設を含むものを除く。)の整備の事業(当該事業が同法第四条第一項の規定による認定を受けた整備計画に基づいて行われるものであることその他の政令で定める要件に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものに限る。)の用に供するために、地方公共団体又は当該特定法人に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号若しくは第三十三条の二第一項第一号に掲げる場合又は第一号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
十六 広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第二十条第三項の規定による認可を受けた同項の基本計画に基づいて行われる同法第二条第一項第四号に掲げる廃棄物の搬入施設の整備の事業の用に供するために、広域臨海環境整備センターに買い取られる場合
十七 生産緑地法(昭和四十九年法律第六十八号)第六条第一項に規定する生産緑地地区内にある土地が、同法第十一条第一項、第十二条第二項又は第十五条第二項の規定に基づき、地方公共団体、土地開発公社その他政令で定める法人に買い取られる場合
十八 国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第十二条第一項の規定により規制区域として指定された区域内の土地等が同法第十九条第二項の規定により買い取られる場合
十九 国、地方公共団体その他政令で定める法人が作成した地域の開発、保全又は整備に関する事業に係る計画で、国土利用計画法第九条第三項に規定する土地利用の調整等に関する事項として同条第一項の土地利用基本計画に定められたもののうち政令で定めるものに基づき、当該事業の用に供するために土地等が国又は地方公共団体(その設立に係る団体で政令で定めるものを含む。)に買い取られる場合
二十 都市再開発法第七条の六第三項、大都市地域住宅等供給促進法第八条第三項(大都市地域住宅等供給促進法第二十七条において準用する場合を含む。)、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第二十二条第三項又は被災市街地復興特別措置法第八条第三項の規定により土地等が買い取られる場合
二十一 土地区画整理法による土地区画整理事業(同法第三条第一項の規定によるものを除く。)が施行された場合において、土地等の上に存する建物又は構築物(以下この号において「建物等」という。)が建築基準法第三条第二項に規定する建築物その他の政令で定める建物等に該当していることにより換地(当該土地の上に存する権利の目的となるべき土地を含む。以下この号において同じ。)を定めることが困難であることにつき財務省令で定めるところにより証明がされた当該土地等について土地区画整理法第九十条の規定により換地が定められなかつたことに伴い同法第九十四条の規定による清算金を取得するとき(政令で定める場合に該当する場合を除く。)。
二十一の二 土地等につき被災市街地復興土地区画整理事業が施行された場合において、被災市街地復興特別措置法第十七条第一項の規定により保留地が定められたことに伴い当該土地等に係る換地処分により当該土地等のうち当該保留地の対価の額に対応する部分の譲渡があつたとき。
二十二 土地等につきマンションの建替え等の円滑化に関する法律第二条第一項第四号に規定するマンション建替事業が施行された場合において、当該土地等に係る同法の権利変換により同法第七十五条の規定による補償金(当該個人(同条第一号に掲げる者に限る。)がやむを得ない事情により同法第五十六条第一項の申出をしたと認められる場合として政令で定める場合における当該申出に基づき支払われるものに限る。)を取得するとき、又は当該土地等が同法第十五条第一項若しくは第六十四条第一項若しくは第三項の請求(当該個人にやむを得ない事情があつたと認められる場合として政令で定める場合にされたものに限る。)により買い取られたとき。
二十二の二 建築物の耐震改修の促進に関する法律第五条第三項第二号に規定する通行障害既存耐震不適格建築物(同法第七条第二号又は第三号に掲げる建築物であるものに限る。)に該当する決議要除却認定マンション(マンションの建替え等の円滑化に関する法律第百九条第一項に規定する決議要除却認定マンションをいう。以下この号において同じ。)の敷地の用に供されている土地等につきマンションの建替え等の円滑化に関する法律第二条第一項第九号に規定するマンション敷地売却事業(当該マンション敷地売却事業に係る同法第百十三条に規定する認定買受計画に、決議要除却認定マンションを除却した後の土地に新たに建築される同項第一号に規定するマンションに関する事項の記載があるものに限る。)が実施された場合において、当該土地等に係る同法第百四十一条第一項の認可を受けた同項に規定する分配金取得計画(同法第百四十五条において準用する同項の規定により当該分配金取得計画の変更に係る認可を受けた場合には、その変更後のもの)に基づき同法第百五十一条の規定による同法第百四十二条第一項第三号の分配金を取得するとき、又は当該土地等が同法第百二十四条第一項の請求により買い取られたとき。
二十三 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第三十七条第一項の規定により管理地区として指定された区域内の土地が国若しくは地方公共団体に買い取られる場合又は鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第二十九条第一項の規定により環境大臣が特別保護地区として指定した区域内の土地のうち文化財保護法第百九条第一項の規定により天然記念物として指定された鳥獣(これに準ずる鳥を含む。)の生息地で国若しくは地方公共団体においてその保存をすべきものとして政令で定めるものが国若しくは地方公共団体に買い取られる場合(第三十三条第一項第二号又は前条第二項第四号に掲げる場合に該当する場合を除く。)
二十四 自然公園法第七十二条に規定する都道府県立自然公園の区域内のうち同法第七十三条第一項に規定する条例の定めるところにより特別地域として指定された地域で、当該地域内における行為につき同法第二十条第一項に規定する特別地域内における行為に関する同法第二章第四節の規定による規制と同等の規制が行われている地域として環境大臣が認定した地域内の土地又は自然環境保全法第四十五条第一項に規定する都道府県自然環境保全地域のうち同法第四十六条第一項に規定する条例の定めるところにより特別地区として指定された地区で、当該地区内における行為につき同法第二十五条第一項に規定する特別地区内における行為に関する同法第四章第二節の規定による規制と同等の規制が行われている地区として環境大臣が認定した地区内の土地が地方公共団体に買い取られる場合
二十五 農業経営基盤強化促進法第四条第一項第一号に規定する農用地で農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号に規定する農用地区域として定められている区域内にあるものが、農業経営基盤強化促進法第十六条第二項の協議に基づき、同項に規定する農地利用集積円滑化団体等(当該農地利用集積円滑化団体等が、一般社団法人若しくは一般財団法人である同法第十五条第二項に規定する農地利用集積円滑化団体である場合又は同項に規定する農地中間管理機構である場合には、政令で定めるものに限る。)に買い取られる場合
3 個人の有する土地等で被災市街地復興推進地域内にあるものが前項第二十一号の二に掲げる場合に該当することとなつた場合には、同号の保留地が定められた場合は第三十三条の三第一項に規定する保留地が定められた場合に該当するものとみなし、かつ、同号の保留地の対価の額は同項に規定する保留地の対価の額に該当するものとみなして、同項の規定を適用する。
4 個人の有する土地等につき、一の事業で第二項第一号から第三号まで、第六号から第十六号まで、第十九号、第二十二号又は第二十二号の二の買取りに係るものの用に供するために、これらの規定の買取りが二以上行われた場合において、これらの買取りが二以上の年にわたつて行われたときは、これらの買取りのうち、最初にこれらの規定の買取りが行われた年において行われたもの以外の買取りについては、第一項の規定は、適用しない。
5 前条第四項及び第五項の規定は第一項の規定を適用する場合について、同条第六項の規定は第二項各号の買取りをする者について、それぞれ準用する。
(農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除)
第三十四条の三
第三十四条の三
個人の有する土地等が農地保有の合理化等のために譲渡した場合に該当することとなつた場合には、その者がその年中にその該当することとなつた土地等の全部又は一部につき第三十七条、第三十七条の四又は第三十七条の九の規定の適用を受ける場合を除き、これらの全部の土地等の譲渡に対する第三十一条又は第三十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から八百万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十四条の三第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が八百万円に満たない場合には当該土地等の譲渡に係る部分の金額とし、同項第二号の規定により読み替えられた第三十二条第一項の規定の適用を受ける場合には八百万円から同項の規定により控除される金額を控除した金額と当該土地等の譲渡に係る部分の金額とのいずれか低い金額とする。)を控除した金額(」とする。
二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から八百万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十四条の三第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が八百万円に満たない場合には、当該土地等の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
2 前項に規定する農地保有の合理化等のために譲渡した場合とは、次に掲げる場合をいう。
一 農業振興地域の整備に関する法律第二十三条に規定する勧告に係る協議、調停又はあつせんにより譲渡した場合その他農地保有の合理化のために土地等を譲渡した場合として政令で定める場合(前条第二項第二十五号の規定の適用がある場合を除く。)
二 農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号に規定する農用地区域内にある土地等を農業経営基盤強化促進法第十九条の規定による公告があつた同条の農用地利用集積計画の定めるところにより譲渡した場合(前条第二項第二十五号の規定の適用がある場合を除く。)
三 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律(平成五年法律第七十二号)第九条第一項の規定による公告があつた同項の所有権移転等促進計画の定めるところにより土地等(同法第二条第二項第一号から第三号までに掲げる土地及び当該土地の上に存する権利に限る。)の譲渡(農林業の体験のための施設その他の財務省令で定める施設の用に供するためのものを除く。)をした場合(前条第二項第一号又は第二十五号の規定の適用がある場合を除く。)
四 農村地域への産業の導入の促進等に関する法律(昭和四十六年法律第百十二号)第五条第二項の規定により同条第一項に規定する実施計画において定められた同条第二項第一号に規定する産業導入地区内の土地等(農業振興地域の整備に関する法律第三条に規定する農用地等及び当該農用地等の上に存する権利に限る。)を当該実施計画に係る農村地域への産業の導入の促進等に関する法律第四条第二項第四号に規定する施設用地の用に供するため譲渡した場合
五 土地等(土地改良法第二条第一項に規定する農用地及び当該農用地の上に存する権利に限る。)につき同条第二項第一号から第三号までに掲げる土地改良事業が施行された場合において、当該土地等に係る換地処分により同法第五十四条の二第四項(同法第八十九条の二第十項、第九十六条及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)に規定する清算金(当該土地等について、同法第八条第五項第二号に規定する施設の用若しくは同項第三号に規定する農用地以外の用途に供する土地又は同法第五十三条の三の二第一項第一号に規定する農用地に供することを予定する土地に充てるため同法第五十三条の二の二第一項(同法第八十九条の二第三項、第九十六条及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)の規定により、地積を特に減じて換地若しくは当該権利の目的となるべき土地若しくはその部分を定めたこと又は換地若しくは当該権利の目的となるべき土地若しくはその部分が定められなかつたことにより支払われるものに限る。)を取得するとき。
六 林業経営の規模の拡大、林地の集団化その他林地保有の合理化に資するため、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第九条第二項第七号又は第百一条第一項第九号の事業を行う森林組合又は森林組合連合会に委託して森林法第五条第一項の規定による地域森林計画の対象とされた山林に係る土地を譲渡した場合
七 林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法(昭和五十四年法律第五十一号)第十条の規定による都道府県知事のあつせんにより、同法第三条第一項の認定を受けた者に山林に係る土地の譲渡(林地保有及び森林施業の合理化に資するものとして政令で定めるものに限る。)をした場合
八 土地等(農業振興地域の整備に関する法律第三条に規定する農用地等及び同法第八条第二項第三号に規定する農用地等とすることが適当な土地並びにこれらの土地の上に存する権利に限る。)につき同法第十三条の二第一項又は第二項の事業が施行された場合において、同法第十三条の三の規定による清算金を取得するとき。
九 土地等(集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第二条第一項に規定する農用地及び当該農用地の上に存する権利に限る。)につき同法第十一条第一項の事業が施行された場合において、同法第十二条において準用する農業振興地域の整備に関する法律第十三条の三の規定による清算金を取得するとき。
3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項の規定に該当する旨を証する書類として財務省令で定めるものの添付がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
第六款 居住用財産の譲渡所得の特別控除
[編集]第三十五条
個人の有する資産が、居住用財産を譲渡した場合に該当することとなつた場合には、その年中にその該当することとなつた全部の資産の譲渡に対する第三十一条又は第三十二条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 第三十一条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から三千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十五条第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が三千万円に満たない場合には当該資産の譲渡に係る部分の金額とし、同項第二号の規定により読み替えられた第三十二条第一項の規定の適用を受ける場合には三千万円から同項の規定により控除される金額を控除した金額と当該資産の譲渡に係る部分の金額とのいずれか低い金額とする。)を控除した金額(」とする。
二 第三十二条第一項中「短期譲渡所得の金額(」とあるのは、「短期譲渡所得の金額から三千万円(短期譲渡所得の金額のうち第三十五条第一項の規定に該当する資産の譲渡に係る部分の金額が三千万円に満たない場合には、当該資産の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
2 前項に規定する居住用財産を譲渡した場合とは、次に掲げる場合(当該個人がその年の前年又は前々年において既に同項(次項の規定により適用する場合を除く。)又は第三十六条の二、第三十六条の五、第四十一条の五若しくは第四十一条の五の二の規定の適用を受けている場合を除く。)をいう。
一 その居住の用に供している家屋で政令で定めるもの(以下この項において「居住用家屋」という。)の譲渡(当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするもの及び所得税法第五十八条の規定又は第三十三条から第三十三条の四まで、第三十七条、第三十七条の四、第三十七条の八若しくは第三十七条の九の規定の適用を受けるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)又は居住用家屋とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。以下この項及び次項において同じ。)をした場合
二 災害により滅失した居住用家屋の敷地の用に供されていた土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡又は居住用家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものの譲渡若しくは居住用家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものとともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡を、これらの居住用家屋が当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にした場合
3 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下第五項までにおいて同じ。)による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む。以下この項において同じ。)が、平成二十八年四月一日から平成三十五年十二月三十一日までの間に、次に掲げる譲渡(当該相続の開始があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にしたものに限るものとし、第三十九条の規定の適用を受けるもの及びその譲渡の対価の額が一億円を超えるものを除く。以下この条において「対象譲渡」という。)をした場合(当該相続人が既に当該相続又は遺贈に係る当該被相続人居住用家屋又は当該被相続人居住用家屋の敷地等の対象譲渡についてこの項の規定の適用を受けている場合を除く。)には、第一項に規定する居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、同項の規定を適用する。
一 当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(当該相続の時後に当該被相続人居住用家屋につき行われた増築、改築(当該被相続人居住用家屋の全部の取壊し又は除却をした後にするもの及びその全部が滅失をした後にするものを除く。)、修繕又は模様替に係る部分を含むものとし、次に掲げる要件を満たすものに限る。以下この号において同じ。)の政令で定める部分の譲渡又は当該被相続人居住用家屋とともにする当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の政令で定める部分の譲渡
イ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
ロ 当該譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準として政令で定めるものに適合するものであること。
二 当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の全部の取壊し若しくは除却をした後又はその全部が滅失をした後における当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(ロ及びハに掲げる要件を満たすものに限る。)の政令で定める部分の譲渡
イ 当該相続の時から当該取壊し、除却又は滅失の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
ロ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
ハ 当該取壊し、除却又は滅失の時から当該譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。
4 前項及び次項に規定する被相続人居住用家屋とは、当該相続の開始の直前において当該相続又は遺贈に係る被相続人(包括遺贈者を含む。以下この項及び次項において同じ。)の居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由(以下この項及び次項において「特定事由」という。)により当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合(政令で定める要件を満たす場合に限る。)における当該特定事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用(第三号において「対象従前居住の用」という。)を含む。)に供されていた家屋(次に掲げる要件を満たすものに限る。)で政令で定めるものをいい、前項及び次項に規定する被相続人居住用家屋の敷地等とは、当該相続の開始の直前において当該被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地として政令で定めるもの又は当該土地の上に存する権利をいう。
一 昭和五十六年五月三十一日以前に建築されたこと。
二 建物の区分所有等に関する法律第一条の規定に該当する建物でないこと。
三 当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと(当該被相続人の当該居住の用に供されていた家屋が対象従前居住の用に供されていた家屋である場合には、当該特定事由により当該家屋が居住の用に供されなくなる直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと。)。
5 第三項の規定は、当該相続又は遺贈による被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人(包括受遺者を含む。次項から第八項までにおいて「居住用家屋取得相続人」という。)が、当該相続の時から第三項の規定の適用を受ける者の対象譲渡をした日の属する年の十二月三十一日までの間に、当該対象譲渡をした資産と当該相続の開始の直前において一体として当該被相続人の居住の用(特定事由により当該被相続人居住用家屋が当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合(前項に規定する政令で定める要件を満たす場合に限る。)には、政令で定める用途)に供されていた家屋(当該相続の時後に当該家屋につき行われた増築、改築(当該家屋の全部の取壊し又は除却をした後にするもの及びその全部が滅失をした後にするものを除く。)、修繕又は模様替に係る部分を含む。)で政令で定めるもの又は当該家屋の敷地の用に供されていた土地として政令で定めるもの若しくは当該土地の上に存する権利(次項において「対象譲渡資産一体家屋等」という。)の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含み、第三十三条の四第一項に規定する収用交換等による譲渡その他の政令で定める譲渡(次項において「収用交換等による譲渡」という。)を除く。以下この条において「適用前譲渡」という。)をしている場合において、当該適用前譲渡に係る対価の額と当該対象譲渡に係る対価の額との合計額が一億円を超えることとなるときは、適用しない。
6 第三項の規定は、居住用家屋取得相続人が、同項の規定の適用を受ける者の対象譲渡をした日の属する年の翌年一月一日から当該対象譲渡をした日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に、対象譲渡資産一体家屋等の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含み、収用交換等による譲渡を除く。以下この条において「適用後譲渡」という。)をした場合において、当該適用後譲渡に係る対価の額と当該対象譲渡に係る対価の額(適用前譲渡がある場合には、前項の合計額)との合計額が一億円を超えることとなつたときは、適用しない。
7 第三項の規定の適用を受けようとする者は、他の居住用家屋取得相続人に対し、対象譲渡をした旨、対象譲渡をした日その他参考となるべき事項の通知をしなければならない。この場合において、当該通知を受けた居住用家屋取得相続人で適用前譲渡をしている者は当該通知を受けた後遅滞なく、当該通知を受けた居住用家屋取得相続人で適用後譲渡をした者は当該適用後譲渡をした後遅滞なく、それぞれ、当該通知をした者に対し、その譲渡をした旨、その譲渡をした日、その譲渡の対価の額その他参考となるべき事項の通知をしなければならない。
8 対象譲渡につき第三項の規定の適用を受けている者は、第六項の規定に該当することとなつた場合には、居住用家屋取得相続人がその該当することとなつた適用後譲渡をした日から四月を経過する日までに当該対象譲渡をした日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
9 前項の規定に該当する場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
10 第三十三条の五第三項の規定は、第八項の規定による修正申告書及び前項の更正について準用する。この場合において、同条第三項第一号及び第二号中「第一項に規定する提出期限」とあるのは「第三十五条第八項に規定する提出期限」と、同号中「第三十三条の五第一項」とあるのは「第三十五条第八項」と読み替えるものとする。
11 第一項の規定は、その適用を受けようとする者の同項に規定する資産の譲渡をした日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨その他の財務省令で定める事項の記載があり、かつ、当該譲渡による譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
12 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
13 第四項から前項までに定めるもののほか、適用前譲渡及び適用後譲渡の対価の額の算定の方法その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六款の二 特定の土地等の長期譲渡所得の特別控除
[編集]第三十五条の二
個人が、平成二十一年一月一日から平成二十二年十二月三十一日までの間に取得(当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者からの取得並びに相続、遺贈、贈与及び交換によるものその他政令で定めるものを除く。)をした国内にある土地又は土地の上に存する権利(以下この項及び次項において「土地等」という。)で、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が五年を超えるものの譲渡をした場合には、その者がその年中にその譲渡をした土地等の全部又は一部につき第三十三条から第三十三条の三まで、第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四又は第三十七条の八の規定の適用を受ける場合を除き、これらの全部の土地等の譲渡に対する第三十一条の規定の適用については、同条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から千万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十五条の二第一項の規定に該当する土地等の譲渡に係る部分の金額が千万円に満たない場合には、当該土地等の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
2 前項の土地等の譲渡には、譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、所得税法第五十八条の規定又は第三十三条の四若しくは第三十四条から前条までの規定の適用を受ける譲渡を含まないものとする。
3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、同項の規定に該当する旨を証する書類として財務省令で定めるものの添付がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
第七款 譲渡所得の特別控除額の特例
[編集](譲渡所得の特別控除額の特例)
第三十六条
第三十六条
個人がその有する資産の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。以下この条において同じ。)をした場合において、その年中の当該資産の譲渡につき、第三十三条の四第一項、第三十四条第一項、第三十四条の二第一項、第三十四条の三第一項、第三十五条第一項又は前条第一項の規定のうち二以上の規定の適用を受けることにより控除すべき金額の合計額が五千万円を超えることとなるときは、これらの規定により控除すべき金額は、通じて五千万円の範囲内において、政令で定めるところにより計算した金額とする。
第七款の二 居住用財産の買換えの場合等の長期譲渡所得の課税の特例
[編集](特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例)
第三十六条の二
第三十六条の二
個人が、平成五年四月一日から平成三十一年十二月三十一日までの間に、その有する家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利で、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が十年を超えるもののうち次に掲げるもの(以下この条及び次条において「譲渡資産」という。)の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額が一億円を超えるもの、当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするもの、第三十三条から第三十三条の四まで、第三十七条、第三十七条の四、第三十七条の八又は第三十七条の九の規定の適用を受けるもの及び贈与、交換又は出資によるものその他政令で定めるものを除く。以下この条及び次条において同じ。)をした場合において、平成五年四月一日(当該譲渡の日が平成七年一月一日以後であるときは、当該譲渡の日の属する年の前年一月一日)から当該譲渡の日の属する年の十二月三十一日までの間に、当該個人の居住の用に供する家屋又は当該家屋の敷地の用に供する土地若しくは当該土地の上に存する権利で、政令で定めるもののうち国内にあるもの(以下この条及び次条において「買換資産」という。)の取得(建設を含むものとし、贈与又は交換によるものその他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)をし、かつ、当該取得の日から当該譲渡の日の属する年の翌年十二月三十一日までの間に当該個人の居住の用に供したとき、又は供する見込みであるときは、当該個人がその年又はその年の前年若しくは前々年において第三十一条の三第一項、第三十五条第一項(同条第三項の規定により適用する場合を除く。)、第四十一条の五又は第四十一条の五の二の規定の適用を受けている場合を除き、当該譲渡資産の譲渡による収入金額が当該買換資産の取得価額以下である場合にあつては当該譲渡資産の譲渡がなかつたものとし、当該収入金額が当該取得価額を超える場合にあつては当該譲渡資産のうちその超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとして、第三十一条の規定を適用する。
一 当該個人がその居住の用に供している家屋(当該個人がその居住の用に供している期間として政令で定める期間が十年以上であるものに限る。)で政令で定めるもののうち国内にあるもの
二 前号に掲げる家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたもの(当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に譲渡されるものに限る。)
三 前二号に掲げる家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地又は当該土地の上に存する権利
四 当該個人の第一号に掲げる家屋が災害により滅失した場合において、当該個人が当該家屋を引き続き所有していたとしたならば、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が十年を超える当該家屋の敷地の用に供されていた土地又は当該土地の上に存する権利(当該災害があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に譲渡されるものに限る。)
2 前項の規定は、平成五年四月一日から平成三十一年十二月三十一日までの間に譲渡資産の譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年の翌年一月一日から同年十二月三十一日(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、同日までに買換資産の取得をすることが困難となつた場合において、同日後二年以内に買換資産の取得をする見込みであり、かつ、財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、同日の属する年の翌々年十二月三十一日。次条第二項第二号において「取得期限」という。)までの間に買換資産の取得をする見込みであり、かつ、当該取得の日の属する年の翌年十二月三十一日までに当該取得をした買換資産を当該個人の居住の用に供する見込みであるときについて準用する。この場合において、前項中「当該譲渡の日の属する年の十二月三十一日までの間」とあるのは「次項に規定する取得期限まで」と、「から当該譲渡の日の属する年の翌年十二月三十一日までの間」とあるのは「の属する年の翌年十二月三十一日まで」と、「取得価額以下」とあるのは「取得価額とその取得価額の見積額との合計額以下」と、「当該取得価額」とあるのは「当該合計額」と読み替えるものとする。
3 第一項(前項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、譲渡資産の譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年又はその年の前年若しくは前々年に、当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利の譲渡(第三十三条の四第一項に規定する収用交換等による譲渡その他の政令で定める譲渡(次項において「収用交換等による譲渡」という。)を除く。以下この項及び次項において「前三年以内の譲渡」という。)をしている場合において、当該前三年以内の譲渡に係る対価の額と当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額との合計額が一億円を超えることとなるときは、適用しない。
4 第一項の規定は、譲渡資産の譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年の翌年又は翌々年に、当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利の譲渡(収用交換等による譲渡を除く。)をした場合において、当該家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利の譲渡に係る対価の額と当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額(前三年以内の譲渡がある場合には、前項の合計額)との合計額が一億円を超えることとなつたときは、適用しない。
5 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者の譲渡資産の譲渡をした日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、当該譲渡資産の譲渡価額、買換資産の取得価額又はその見積額に関する明細書その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
6 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類並びに同項の明細書及び財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
7 第三十三条第六項の規定は、第五項に規定する確定申告書を提出する者について準用する。この場合において、同条第六項中「代替資産」とあるのは、「買換資産」と読み替えるものとする。
8 前三項に定めるもののほか、譲渡資産及び買換資産の範囲その他第一項、第三項及び第四項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定の居住用財産の買換えの場合の更正の請求、修正申告等)
第三十六条の三
第三十六条の三
前条第一項の規定の適用を受けた者は、譲渡資産の譲渡をした日の属する年の翌年十二月三十一日までに、買換資産を当該個人の居住の用に供しない場合又は供しなくなつた場合には、同日から四月を経過する日までに当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
2 前条第二項において準用する同条第一項の規定の適用を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一号に該当する場合で過大となつたときにあつては当該買換資産の同条第二項に規定する取得をした日(当該取得をした日が二以上ある場合には、そのいずれか遅い日。以下この項において同じ。)から四月を経過する日までに同条第二項に規定する譲渡の日の属する年分の所得税についての更正の請求をすることができるものとし、同号に該当する場合で不足額を生ずることとなつたとき、又は第二号に該当するときにあつては当該買換資産の取得をした日又は同号に該当することとなつた日から四月を経過する日までに当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならないものとする。
一 買換資産の取得をした場合において、その取得価額が前条第二項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する取得価額の見積額に対して過不足額があるとき。
二 取得期限までに買換資産の取得をしていないとき、又は買換資産の取得をした場合において当該取得の日の属する年の翌年十二月三十一日までに買換資産を当該個人の居住の用に供しないとき、若しくは供しなくなつたとき。
3 譲渡資産の譲渡につき前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けている者は、同条第四項の規定に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた譲渡をした日から四月を経過する日までに当該譲渡資産の譲渡をした日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
4 第一項、第二項第二号若しくは前項の規定に該当する場合又は第二項第一号に規定する不足額を生ずることとなつた場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
5 第三十三条の五第三項の規定は、第一項から第三項までの規定による修正申告書及び前項の更正について準用する。この場合において、同条第三項第一号及び第二号中「第一項に規定する提出期限」とあるのは「第三十六条の三第一項から第三項までに規定する提出期限」と、同号中「第三十三条の五第一項」とあるのは「第三十六条の三第一項から第三項まで」と読み替えるものとする。
(買換えに係る居住用財産の譲渡の場合の取得価額の計算等)
第三十六条の四
第三十六条の四
第三十六条の二第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用を受けた者(前条第一項から第三項までの規定による修正申告書を提出し、又は同条第四項の規定による更正を受け、かつ、第三十六条の二第一項の規定による特例を認められないこととなつた者を除く。)の同条第一項に規定する買換資産について、当該買換資産の取得の日以後その譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。)、相続、遺贈又は贈与があつた場合において、譲渡所得の金額を計算するときは、政令で定めるところにより、当該買換資産の取得価額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額(同項に規定する譲渡資産の譲渡に要した費用があるときは、政令で定めるところにより計算した当該費用の金額を加算した金額)とする。
一 第三十六条の二第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額を超える場合 当該譲渡をした譲渡資産の取得価額等のうちその超える額に対応する部分以外の部分の額として政令で定めるところにより計算した金額
二 第三十六条の二第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額に等しい場合 当該譲渡をした譲渡資産の取得価額等に相当する金額
三 第三十六条の二第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額に満たない場合 当該譲渡をした譲渡資産の取得価額等にその満たない額を加算した金額に相当する金額
(特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例)
第三十六条の五
第三十六条の五
個人が、平成五年四月一日から平成三十一年十二月三十一日までの間に、その有する家屋若しくは土地若しくは土地の上に存する権利で第三十六条の二第一項に規定する譲渡資産に該当するもの(以下この条において「交換譲渡資産」という。)と当該個人の居住の用に供する家屋若しくは当該家屋の敷地の用に供する土地若しくは当該土地の上に存する権利で同項に規定する買換資産に該当するもの(以下この条において「交換取得資産」という。)との交換(第三十三条の二第一項第二号に規定する交換その他政令で定める交換を除く。以下この条において同じ。)をした場合(当該交換に伴い交換差金(交換により取得した資産の価額と交換により譲渡した資産の価額との差額を補うための金銭をいう。以下この条において同じ。)を取得し、又は支払つた場合を含む。)又は交換譲渡資産と交換取得資産以外の資産との交換をし、かつ、交換差金を取得した場合(第一号において「他資産との交換の場合」という。)における前三条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該交換譲渡資産(他資産との交換の場合にあつては、交換差金に対応するものとして政令で定める部分に限る。以下この号において同じ。)は、当該個人が、その交換の日において、同日における当該交換譲渡資産の価額に相当する金額をもつて第三十六条の二第一項の譲渡をしたものとみなす。
二 当該交換取得資産は、当該個人が、その交換の日において、同日における当該交換取得資産の価額に相当する金額をもつて第三十六条の二第一項の取得をしたものとみなす。
第八款 特定の事業用資産の買換えの場合等の譲渡所得の課税の特例
[編集](特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条
第三十七条
個人が、昭和四十五年一月一日から平成三十二年十二月三十一日(次の表の第七号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に、その有する資産(所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものを除く。以下この条、第三十七条の四及び第三十七条の五において同じ。)で同表の各号の上欄に掲げるもののうち事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下第三十七条の五まで及び第三十七条の九において同じ。)の用に供しているものの譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、第三十三条から第三十三条の三までの規定に該当するもの及び贈与、交換又は出資によるものその他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)をした場合において、当該譲渡の日の属する年の十二月三十一日までに、当該各号の下欄に掲げる資産の取得(建設及び製作を含むものとし、贈与、交換又は法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配によるもの、所有権移転外リース取引によるものその他政令で定めるものを除く。同表の第一号、第二号及び第七号の上欄を除き、以下第三十七条の三までにおいて同じ。)をし、かつ、当該取得の日から一年以内に、当該取得をした資産(以下同条までにおいて「買換資産」という。)を当該各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用(同表の第八号の下欄に掲げる船舶については、その個人の事業の用。第三項及び第四項並びに次条第一項において同じ。)に供したとき(当該期間内に当該事業の用に供しなくなつたときを除く。)、又は供する見込みであるときは、当該譲渡による収入金額が当該買換資産の取得価額以下である場合にあつては当該譲渡に係る資産のうち当該収入金額の百分の八十に相当する金額を超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとし、当該収入金額が当該取得価額を超える場合にあつては当該譲渡に係る資産のうち当該取得価額の百分の八十に相当する金額を超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとして、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第三十三条の規定を適用する。
譲渡資産 | 買換資産 |
一 次に掲げる区域(政令で定める区域を除く。以下この表において「既成市街地等」という。)内にある事業所で政令で定めるものとして使用されている建物(その附属設備を含む。以下この表において同じ。)又はその敷地の用に供されている土地等(土地又は土地の上に存する権利をいう。以下この条において同じ。)で、当該個人により取得をされたこれらの資産のうちその譲渡の日の属する年の一月一日において所有期間(第三十一条第二項に規定する所有期間をいう。第七号及び第五項において同じ。)が十年を超えるものイ 首都圏整備法(昭和三十一年法律第八十三号)第二条第三項に規定する既成市街地ロ 近畿圏整備法(昭和三十八年法律第百二十九号)第二条第三項に規定する既成都市区域ハ イ又はロに掲げる区域に類するものとして政令で定める区域 | 既成市街地等以外の地域内(国内に限る。以下この号から第四号までにおいて同じ。)にある土地等、建物、構築物又は機械及び装置(農業及び林業以外の事業の用に供されるものにあつては次に掲げる区域(ロに掲げる区域にあつては、都市計画法第七条第一項の市街化調整区域と定められた区域を除く。)内にあるものに限るものとし、農業又は林業の用に供されるものにあつては同項の市街化区域と定められた区域(以下この号及び次号において「市街化区域」という。)以外の地域内にあるものに限るものとし、都市再生特別措置法第八十一条第一項の規定により同項に規定する立地適正化計画を作成した市町村の当該立地適正化計画に記載された同条第二項第三号に規定する都市機能誘導区域以外の地域内にある当該立地適正化計画に記載された同号に規定する誘導施設に係る土地等、建物及び構築物を除く。)イ 市街化区域のうち都市計画法第七条第一項ただし書の規定により区域区分(同項に規定する区域区分をいう。)を定めるものとされている区域ロ 首都圏整備法第二条第五項又は近畿圏整備法第二条第五項に規定する都市開発区域その他これに類するものとして政令で定める区域 |
二 次に掲げる区域(以下この号において「航空機騒音障害区域」という。)内にある土地等(平成二十六年四月一日又はその土地等のある区域が航空機騒音障害区域となつた日のいずれか遅い日以後に取得(相続、遺贈又は贈与による取得を除く。)をされたものを除く。)、建物又は構築物でそれぞれ次に定める場合に譲渡をされるものイ 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第四条第一項に規定する航空機騒音障害防止特別地区 同法第八条第一項若しくは第九条第二項の規定により買い取られ、又は同条第一項の規定により補償金を取得する場合ロ 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律第九条第一項に規定する第二種区域 同条第二項の規定により買い取られ、又は同条第一項の規定により補償金を取得する場合ハ 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第五条第一項に規定する第二種区域 同条第二項の規定により買い取られ、又は同条第一項の規定により補償金を取得する場合 | 航空機騒音障害区域以外の地域内にある土地等、建物、構築物又は機械及び装置(農業又は林業の用に供されるものにあつては、市街化区域以外の地域内にあるものに限る。) |
三 過疎地域自立促進特別措置法第二条第一項に規定する過疎地域(同項に規定する過疎地域に係る市町村の廃置分合又は境界変更に伴い同法第三十三条第一項の規定に基づいて新たに同法第二条第一項に規定する過疎地域に該当することとなつた区域その他政令で定める区域を除く。以下この号において「過疎地域」という。)以外の地域内にある土地等、建物又は構築物(既成市街地等内にあるものにあつては、事務所若しくは事業所で政令で定めるものとして使用されている建物又はその敷地の用に供されている土地等に限る。) | 過疎地域内にある特定資産(土地等、建物、構築物又は機械及び装置をいう。次号及び第五号において同じ。) |
四 都市再生特別措置法第九十五条第一項に規定する都市機能誘導区域(以下この号において「都市機能誘導区域」という。)以外の地域内にある土地等、建物又は構築物 | 都市機能誘導区域内にある特定資産で、当該都市機能誘導区域内における同項に規定する誘導施設等整備事業に係る同法第九十九条に規定する認定誘導事業計画に記載された同項に規定する誘導施設において行われる事業の用に供されるもの |
五 既成市街地等及びこれに類する区域として政令で定める区域内にある土地等、建物又は構築物 | 上欄に規定する区域内にある特定資産で、土地の計画的かつ効率的な利用に資するものとして政令で定める施策の実施に伴い、当該施策に従つて取得をされるもの(政令で定めるものを除く。) |
六 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三条第一項第一号に規定する防災再開発促進地区のうち地震その他の災害が発生した場合に著しく危険な地区として政令で定める地区(以下この号において「危険密集市街地」という。)内にある土地等、建物又は構築物で、当該土地等又は当該建物若しくは構築物の敷地の用に供されている土地等の上に耐火建築物又は準耐火建築物(それぞれ建築基準法第二条第九号の二に規定する耐火建築物又は同条第九号の三に規定する準耐火建築物をいう。)で政令で定めるものを建築するために譲渡をされるもの | 当該危険密集市街地内にある土地等、建物又は構築物で、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による防災街区整備事業に関する都市計画の実施に伴い、当該防災街区整備事業に関する都市計画に従つて取得をされるもの |
七 国内にある土地等、建物又は構築物で、当該個人により取得をされたこれらの資産のうちその譲渡の日の属する年の一月一日において所有期間が十年を超えるもの | 国内にある土地等(事務所、事業所その他の政令で定める施設(以下この号において「特定施設」という。)の敷地の用に供されるもの(当該特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む。)又は駐車場の用に供されるもの(建物又は構築物の敷地の用に供されていないことについて政令で定めるやむを得ない事情があるものに限る。)で、その面積が三百平方メートル以上のものに限る。)、建物又は構築物 |
八 船舶(船舶法第一条に規定する日本船舶に限るものとし、漁業(水産動植物の採捕又は養殖の事業をいう。)の用に供されるものを除く。以下この号において同じ。)のうちその進水の日からその譲渡の日までの期間が政令で定める期間に満たないもの | 船舶(政令で定めるものに限る。) |
2 前項の規定を適用する場合において、その年中の買換資産のうちに土地等があり、かつ、当該土地等をそれぞれ同項の表の各号の下欄ごとに区分をし、当該区分ごとに計算した当該土地等に係る面積が、当該年中において譲渡をした当該各号の上欄に掲げる土地等に係る面積を基礎として政令で定めるところにより計算した面積を超えるときは、同項の規定にかかわらず、当該買換資産である土地等のうちその超える部分の面積に対応するものは、同項の買換資産に該当しないものとする。
3 前二項の規定は、昭和四十五年一月一日から平成三十二年十二月三十一日(第一項の表の第七号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に同表の各号の上欄に掲げる資産で事業の用に供しているものの譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年の前年中(工場等の建設に要する期間が通常一年を超えることその他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合には、政令で定める期間内)に当該各号の下欄に掲げる資産の取得をし、かつ、当該取得の日から一年以内に、当該取得をした資産(政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にこの項の規定の適用を受ける旨の届出をしたものに限る。)を当該各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用に供した場合(当該取得の日から一年以内に当該事業の用に供しなくなつた場合を除く。)について準用する。この場合において、第一項中「供する見込みであるときは」とあるのは、「供する見込みであるときは、政令で定めるところにより」と読み替えるものとする。
4 第一項及び第二項の規定は、昭和四十五年一月一日から平成三十二年十二月三十一日(第一項の表の第七号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に同表の各号の上欄に掲げる資産で事業の用に供しているものの譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年の翌年の一月一日から同年の十二月三十一日までの期間(前項に規定する政令で定めるやむを得ない事情があるため、同日までに当該各号の下欄に掲げる資産の取得をすることが困難である場合において、政令で定めるところにより税務署長の承認を受けたときは、当該資産の取得をすることができるものとして、同日後二年以内において当該税務署長が認定した日までの期間。次条第二項第二号において「取得指定期間」という。)内に当該各号の下欄に掲げる資産の取得をする見込みであり、かつ、当該取得の日から一年以内に当該取得をした資産を当該各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用に供する見込みであるときについて準用する。この場合において、第一項中「取得価額」とあるのは、「取得価額の見積額」と読み替えるものとする。
5 第一項(前二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、その年一月一日において所有期間が五年以下である土地等(その年中に取得をした土地等で政令で定めるものを含む。)の譲渡(第二十八条の四第三項各号に掲げる土地等の譲渡に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものを除く。)については、適用しない。
6 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者の同項の譲渡をした日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、当該譲渡をした資産の譲渡価額、買換資産の取得価額又はその見積額に関する明細書その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
7 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類並びに同項の明細書及び財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
8 個人が、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、第一項の表の各号の下欄に掲げる資産の第四項に規定する取得指定期間内における取得をすることが困難となつた場合において、当該取得指定期間の初日から当該取得指定期間の末日後二年以内の日で政令で定める日までの間に当該各号の下欄に掲げる資産の取得をする見込みであり、かつ、財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、同項及び次条の規定の適用については、同項に規定する取得指定期間は、当該初日から当該政令で定める日までの期間とする。
9 第三十三条第六項の規定は、第六項に規定する確定申告書を提出する者について準用する。この場合において、同条第六項中「代替資産」とあるのは、「買換資産」と読み替えるものとする。
10 第一項(同項の表の第七号に係る部分に限る。)の規定を適用する場合において、個人が譲渡をした同号の上欄に掲げる資産が地域再生法第五条第四項第五号イに規定する集中地域(第二号において「集中地域」という。)以外の地域内にある資産に該当し、かつ、当該個人が取得をした、又は取得をする見込みである同表の第七号の下欄に掲げる資産(以下この項において「第七号買換資産」という。)が次の各号に規定する場合に該当するときにおける第一項の規定の適用については、当該各号に定めるところによる。
一 当該第七号買換資産が地域再生法第十七条の二第一項第一号に規定する政令で定める地域内にある資産である場合には、第一項中「百分の八十」とあるのは、「百分の七十」とする。
二 当該第七号買換資産が集中地域(前号に規定する地域を除く。)内にある資産である場合には、第一項中「百分の八十」とあるのは、「百分の七十五」とする。
11 第二項及び第六項から前項までに定めるもののほか、第一項の譲渡をした資産が同項の表の二以上の号の上欄に掲げる資産に該当する場合における同項の規定により譲渡がなかつたものとされる部分の金額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
12 第五項の規定は、個人が平成十年一月一日から平成三十二年三月三十一日までの間にした土地等の譲渡については、適用しない。
(特定の事業用資産の買換えの場合の更正の請求、修正申告等)
第三十七条の二
第三十七条の二
前条第一項の規定の適用を受けた者は、買換資産の取得をした日から一年以内に、当該買換資産を同項の表の各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用に供しない場合又は供しなくなつた場合には、これらの事情に該当することとなつた日から四月以内に同項の譲渡をした日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
2 前条第四項において準用する同条第一項の規定の適用を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一号に該当する場合で過大となつたときにあつては、当該買換資産の取得をした日から四月以内に同条第四項の譲渡をした日の属する年分の所得税についての更正の請求をすることができるものとし、同号に該当する場合で不足額を生ずることとなつたとき、又は第二号に該当するときにあつては、当該買換資産の取得をした日又は同号に該当する事情が生じた日から四月以内に同項の譲渡をした日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならないものとする。
一 買換資産の取得をした場合において、その取得価額が前条第四項の規定により読み替えられた同条第一項に規定する取得価額の見積額に対して過不足額があるとき、又はその買換資産の地域が同条第四項の地域と異なることとなつたこと若しくはその買換資産(同条第一項の表の第七号に係るものに限る。)の同条第十項第一号に規定する地域若しくは同項第二号に規定する地域若しくはこれらの地域以外の地域の区分が、同条第四項の取得をし、事業の用に供する見込みであつた資産のこれらの地域の区分と異なることとなつたことにより同条第一項に規定する譲渡があつたものとされる部分の金額に過不足額があるとき。
二 取得指定期間内に買換資産の取得をせず、又は前条第四項の取得の日から一年以内に、買換資産を同項の事業の用に供せず、若しくは供しなくなつた場合
3 第一項若しくは前項第二号の規定に該当する場合又は同項第一号に規定する不足額を生ずることとなつた場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額その他の事項につき国税通則法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を行う。
4 第三十三条の五第三項の規定は、第一項又は第二項の規定による修正申告書及び前項の更正について準用する。この場合において、同条第三項第一号及び第二号中「第一項に規定する提出期限」とあるのは「第三十七条の二第一項又は第二項に規定する提出期限」と、同号中「第三十三条の五第一項」とあるのは「第三十七条の二第一項又は第二項」と読み替えるものとする。
(買換えに係る特定の事業用資産の譲渡の場合の取得価額の計算等)
第三十七条の三
第三十七条の三
第三十七条第一項(同条第三項及び第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用を受けた者(前条第一項若しくは第二項の規定による修正申告書を提出し、又は同条第三項の規定による更正を受けたため、第三十七条第一項の規定による特例を認められないこととなつた者を除く。)の買換資産に係る所得税法第四十九条第一項の規定による償却費の額を計算するとき、又は当該買換資産の取得の日以後その譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。)、相続、遺贈若しくは贈与があつた場合において、譲渡所得の金額を計算するときは、政令で定めるところにより、当該買換資産の取得価額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額(第三十七条第一項の譲渡に要した費用があるときは、政令で定めるところにより計算した当該費用の金額を加算した金額)とする。
一 第三十七条第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額を超える場合 当該譲渡をした資産の取得価額等のうちその超える額及び当該買換資産の取得価額の百分の二十に相当する金額に対応する部分以外の部分の額として政令で定めるところにより計算した金額と当該百分の二十に相当する金額との合計額
二 第三十七条第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額に等しい場合 当該譲渡をした資産の取得価額等のうち当該収入金額の百分の二十に相当する金額に対応する部分以外の部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額と当該百分の二十に相当する金額との合計額に相当する金額
三 第三十七条第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額に満たない場合 当該譲渡をした資産の取得価額等のうち当該収入金額の百分の二十に相当する金額に対応する部分以外の部分の額として政令で定めるところにより計算した金額と当該百分の二十に相当する金額との合計額にその満たない額を加算した金額に相当する金額
2 前項の場合(第三十七条第十項の規定により同条第一項の規定の適用を受けた場合に限る。)において、前項の買換資産が次の各号に規定する場合に該当するときにおける同項の規定の適用については、当該各号に定めるところによる。
一 当該買換資産が第三十七条第十項第一号に規定する資産である場合には、前項各号中「百分の二十」とあるのは、「百分の三十」とする。
二 当該買換資産が第三十七条第十項第二号に規定する資産である場合には、前項各号中「百分の二十」とあるのは、「百分の二十五」とする。
3 個人が第三十七条第一項の規定の適用を受けた場合には、買換資産については、第十九条各号に掲げる規定は、適用しない。
(特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条の四
第三十七条の四
個人が、昭和四十五年一月一日から平成三十二年十二月三十一日(第三十七条第一項の表の第七号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に、その有する資産で同表の各号の上欄に掲げるもののうち事業の用に供しているもの(以下この条において「交換譲渡資産」という。)と当該各号の下欄に掲げる資産(以下この条において「交換取得資産」という。)との交換(第三十三条の二第一項第二号に規定する交換その他政令で定める交換を除く。以下この条において同じ。)をした場合(当該交換に伴い交換差金(交換により取得した資産の価額と交換により譲渡した資産の価額との差額を補うための金銭をいう。以下この条、次条及び第三十七条の八において同じ。)を取得し、又は支払つた場合を含む。)又は交換譲渡資産と交換取得資産以外の資産との交換をし、かつ、交換差金を取得した場合(第一号において「他資産との交換の場合」という。)における前三条の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該交換譲渡資産(他資産との交換の場合にあつては、交換差金に対応するものとして政令で定める部分に限る。)は、当該個人が、その交換の日において、同日における当該資産の価額に相当する金額をもつて第三十七条第一項の譲渡をしたものとみなす。
二 当該交換取得資産は、当該個人が、その交換の日において、同日における当該資産の価額に相当する金額をもつて第三十七条第一項の取得をしたものとみなす。
(既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条の五
第三十七条の五
個人が、その有する資産で次の表の各号の上欄に掲げるもの(第一号の上欄に掲げる資産にあつては、当該個人の事業の用に供しているものを除く。以下この項及び第四項において「譲渡資産」という。)の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、第三十三条から第三十三条の四まで、第三十四条から第三十五条の二まで、第三十六条の二若しくは第三十七条の規定の適用を受けるもの又は贈与、交換若しくは出資によるものを除く。以下この条において同じ。)をした場合において、当該譲渡の日の属する年の十二月三十一日までに、当該各号の下欄に掲げる資産の取得(建設を含むものとし、贈与、交換又は所有権移転外リース取引によるものを除く。以下この条において同じ。)をし、かつ、当該取得の日から一年以内に、当該取得をした資産(以下この項、第三項及び第四項において「買換資産」という。)を、第一号の買換資産にあつては当該個人の居住の用(当該個人の親族の居住の用を含む。以下この項において同じ。)に供したとき(当該期間内に居住の用に供しなくなつたときを除く。)、若しくは第二号の買換資産にあつては当該個人の事業の用若しくは居住の用に供したとき(当該期間内にこれらの用に供しなくなつたときを除く。)、又はこれらの用に供する見込みであるときは、当該譲渡による収入金額が当該買換資産の取得価額以下である場合にあつては当該譲渡資産の譲渡がなかつたものとし、当該収入金額が当該取得価額を超える場合にあつては当該譲渡資産のうちその超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとして、第三十一条又は第三十二条の規定を適用する。
譲渡資産 | 買換資産 |
一 次に掲げる区域又は地区内にある土地若しくは土地の上に存する権利(以下この条において「土地等」という。)、建物(その附属設備を含む。以下この条において同じ。)又は構築物で、当該土地等又は当該建物若しくは構築物の敷地の用に供されている土地等の上に地上階数四以上の中高層の耐火建築物(以下この条において「中高層耐火建築物」という。)の建築をする政令で定める事業(以下この項において「特定民間再開発事業」という。)の用に供するために譲渡をされるもの(当該特定民間再開発事業の施行される土地の区域内にあるものに限る。)イ 第三十七条第一項の表の第一号の上欄に規定する既成市街地等ロ 都市計画法第四条第一項に規定する都市計画に都市再開発法第二条の三第一項第二号に掲げる地区として定められた地区その他これに類する地区として政令で定める地区(イに掲げる区域内にある地区を除く。) | 当該特定民間再開発事業の施行により当該土地等の上に建築された中高層耐火建築物若しくは当該特定民間再開発事業の施行される地区(都市計画法第四条第一項に規定する都市計画に都市再開発法第二条の三第一項第二号に掲げる地区として定められた地区その他これに類する地区として政令で定める地区に限る。)内で行われる他の特定民間再開発事業その他の政令で定める事業の施行により当該地区内に建築された政令で定める中高層の耐火建築物(これらの建築物の敷地の用に供されている土地等を含む。)又はこれらの建築物に係る構築物 |
二 次に掲げる区域内にある土地等、建物又は構築物で、当該土地等又は当該建物若しくは構築物の敷地の用に供されている土地等の上に地上階数三以上の中高層の耐火共同住宅(主として住宅の用に供される建築物で政令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)の建築をする事業の用に供するために譲渡をされるもの(当該事業の施行される土地の区域内にあるものに限るものとし、前号に掲げる資産に該当するものを除く。)イ 前号の上欄のイに規定する既成市街地等ロ 首都圏整備法第二条第四項に規定する近郊整備地帯、近畿圏整備法第二条第四項に規定する近郊整備区域又は中部圏開発整備法(昭和四十一年法律第百二号)第二条第三項に規定する都市整備区域(第三十七条第一項の表の第一号の上欄のハに掲げる区域を除く。)のうち、イに掲げる既成市街地等に準ずる区域として政令で定める区域ハ 中心市街地の活性化に関する法律第十二条第一項に規定する認定基本計画に基づいて行われる同法第七条第六項に規定する中心市街地共同住宅供給事業(同条第四項に規定する都市福利施設の整備を行う事業と一体的に行われるものに限る。)の区域 | 当該事業の施行により当該土地等の上に建築された耐火共同住宅(当該耐火共同住宅の敷地の用に供されている土地等を含む。)又は当該耐火共同住宅に係る構築物 |
2 第三十七条第四項及び第六項から第九項まで、第三十七条の二並びに第三十七条の三第三項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げるこれらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第三十七条第四項 | 第一項及び第二項の規定は、昭和四十五年一月一日から平成三十二年十二月三十一日(第一項の表の第七号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に同表の各号の上欄に掲げる資産で事業の用に供しているもの | 第三十七条の五第一項の規定は、同項に規定する譲渡資産 |
前項に規定する政令で | 政令で | |
までに当該各号の下欄に掲げる資産 | までに同項に規定する買換資産(以下第三十七条の三までにおいて「買換資産」という。) | |
当該資産 | 当該買換資産 | |
内に当該各号の下欄に掲げる資産 | 内に買換資産 | |
資産を当該各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用 | 買換資産を当該個人の第三十七条の五第一項に規定する事業の用又は居住の用 | |
第一項中 | 同項中 | |
第三十七条第六項 | 第一項の規定は、同項 | 第三十七条の五第一項(第四項において準用する場合を含む。以下この項及び次項並びに第三十七条の三第三項において同じ。)の規定は、第三十七条の五第一項 |
第三十七条第七項 | 第一項 | 第三十七条の五第一項 |
第三十七条第八項 | 第一項の表 | 第三十七条の五第一項の表 |
第三十七条の二第一項 | 前条第一項 | 第三十七条の五第一項 |
同項の表の各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用 | 当該個人の同項に規定する事業の用又は居住の用 | |
第三十七条の二第二項 | 準用する同条第一項 | 準用する第三十七条の五第一項 |
に同条第四項 | に前条第四項 | |
の規定により読み替えられた同条第一項 | において準用する第三十七条の五第一項 | |
とき、又はその買換資産の地域が同条第四項の地域と異なることとなつたこと若しくはその買換資産(同条第一項の表の第七号に係るものに限る。)の同条第十項第一号に規定する地域若しくは同項第二号に規定する地域若しくはこれらの地域以外の地域の区分が、同条第四項の取得をし、事業の用に供する見込みであつた資産のこれらの地域の区分と異なることとなつたことにより同条第一項に規定する譲渡があつたものとされる部分の金額に過不足額があるとき | とき | |
同項の事業の用 | 第三十七条の五第一項に規定する事業の用又は居住の用 | |
第三十七条の二第四項 | 第三十七条の二第一項 | 第三十七条の五第二項において準用する第三十七条の二第一項 |
第三十七条の三第三項 | 第三十七条第一項 | 第三十七条の五第一項 |
3 第一項(前項において準用する第三十七条第四項の規定を含む。)の規定の適用を受けた者(前項において準用する第三十七条の二第一項若しくは第二項の規定による修正申告書を提出し、又は前項において準用する同条第三項の規定による更正を受けたため、第一項の規定による特例を認められないこととなつた者を除く。)の買換資産に係る所得税法第四十九条第一項の規定による償却費の額を計算するとき、又は当該買換資産の取得の日以後その譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。)、相続、遺贈若しくは贈与があつた場合において、譲渡所得の金額を計算するときは、政令で定めるところにより、当該買換資産の取得価額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金額(第一項の譲渡に要した費用があるときは、政令で定めるところにより計算した当該費用の金額を加算した金額)とする。
一 第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額を超える場合 当該譲渡をした資産の取得価額等のうちその超える額に対応する部分以外の部分の額として政令で定めるところにより計算した金額
二 第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額に等しい場合 当該譲渡をした資産の取得価額等に相当する金額
三 第一項の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額に満たない場合 当該譲渡をした資産の取得価額等にその満たない額を加算した金額に相当する金額
4 個人が、その有する資産で譲渡資産に該当するもの(以下この項において「交換譲渡資産」という。)と買換資産に該当する資産(以下この項において「交換取得資産」という。)との交換(政令で定める交換を除く。以下この項において同じ。)をした場合(交換差金を取得し、又は支払つた場合を含む。)又は交換譲渡資産と交換取得資産以外の資産との交換をし、かつ、交換差金を取得した場合(以下この項において「他資産との交換の場合」という。)における第一項及び前項の規定並びに第二項において準用する第三十七条第四項、第六項、第七項及び第九項、第三十七条の二並びに第三十七条の三第三項の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該交換譲渡資産(他資産との交換の場合にあつては、交換差金に対応するものとして政令で定める部分に限る。)は、当該個人が、その交換の日において、同日における当該資産の価額に相当する金額をもつて第一項の譲渡をしたものとみなす。
二 当該交換取得資産は、当該個人が、その交換の日において、同日における当該資産の価額に相当する金額をもつて第一項の取得をしたものとみなす。
5 個人が、その有する資産で第一項の表の第一号の上欄に掲げるものの譲渡をした場合において、当該個人が同号の下欄に掲げる資産のうち同号の中高層耐火建築物又は当該中高層耐火建築物に係る構築物の取得をすることが困難である特別な事情があるものとして政令で定める場合に該当するときは、当該譲渡をした資産が、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が十年以下のもので第三十一条の三第二項に規定する居住用財産に該当するものである場合には、当該譲渡による譲渡所得は、同条第一項に規定する譲渡所得に該当するものとみなして、同条の規定を適用する。
6 前項の個人が同項の規定により第三十一条の三の規定の適用を受ける場合の確定申告書の記載事項その他同条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例)
第三十七条の六
第三十七条の六
個人の有する土地又は土地の上に存する権利(所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものに該当するものを除く。以下この項及び第四項において「土地等」という。)が次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に規定する交換分合により譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。以下この項、第四項及び第五項において同じ。)をした土地等(当該各号に規定する土地等とともに当該各号に規定する清算金の取得をした場合には、当該譲渡をした土地等のうち当該清算金の額に対応する部分以外のものとして政令で定める部分)の譲渡がなかつたものとして、第三十一条又は第三十二条の規定を適用する。
一 農業振興地域の整備に関する法律第十三条の二第二項の規定による交換分合により土地等の譲渡(第三十四条から第三十四条の三まで、第三十五条の二、第三十七条又は第三十七条の四の規定の適用を受けるものを除く。)をし、かつ、当該交換分合により土地等の取得をした場合(当該土地等とともに同法第十三条の五において準用する土地改良法第百二条第四項の規定による清算金の取得をした場合を含む。)
二 集落地域整備法第十一条第一項の規定による交換分合により土地等の譲渡(第三十四条から第三十四条の三まで、第三十五条の二、第三十七条又は第三十七条の四の規定の適用を受けるものを除く。)をし、かつ、当該交換分合により土地等の取得をした場合(当該土地等とともに同法第十二条において準用する土地改良法第百二条第四項の規定による清算金の取得をした場合を含む。)
三 農住組合法(昭和五十五年法律第八十六号)第七条第二項第三号の規定による交換分合(政令で定める区域内において同法第二章第三節に定めるところにより行われたものに限る。)により土地等(農住組合の組合員である個人その他政令で定める者の有する土地等に限る。)の譲渡(第三十三条、第三十三条の四、第三十四条から第三十五条の二まで、第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四又は前条の規定の適用を受けるものを除く。)をし、かつ、当該交換分合により土地等の取得をした場合(当該土地等とともに同法第十一条において準用する土地改良法第百二条第四項の規定による清算金の取得をした場合を含む。)
2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項各号に規定する交換分合に係る交換分合計画の写しとして財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
4 第一項の規定の適用を受けた個人が同項各号に規定する交換分合により取得した土地等(以下この項及び次項において「交換取得資産」という。)につきその取得した日以後譲渡、相続、遺贈又は贈与があつた場合において、当該交換取得資産に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算するときは、当該交換分合により譲渡をした土地等(以下この項において「交換譲渡資産」という。)の取得の時期を当該交換取得資産の取得の時期とし、次に掲げる金額の合計額をその取得価額とする。
一 交換譲渡資産の取得価額等(当該交換譲渡資産の譲渡に要した費用がある場合には当該費用の額を加算した金額とし、交換取得資産とともに第一項各号に規定する清算金を取得した場合には当該取得価額等及び譲渡に要した費用の額のうち当該清算金の額に対応する部分以外の部分の額として政令で定めるところにより計算した金額とする。)
二 交換譲渡資産とともに第一項各号に規定する清算金を支出して交換取得資産を取得した場合には、当該清算金の額
三 交換取得資産を取得するために要した経費の額がある場合には、当該経費の額
5 交換取得資産の譲渡に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する場合には、確定申告書に当該交換取得資産の取得価額が前項の規定により計算されている旨及びその計算の明細を記載するものとする。
第三十七条の七
削除
(特定普通財産とその隣接する土地等の交換の場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条の八
第三十七条の八
個人が、その有する国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第九条第二項の普通財産のうち同項に規定する土地等として財務省令で定めるところにより証明がされたもの(以下この項及び第三項において「特定普通財産」という。)に隣接する土地(当該特定普通財産の上に存する権利を含むものとし、所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものに該当するものを除く。以下この項及び第四項において「所有隣接土地等」という。)につき、国有財産特別措置法第九条第二項の規定により当該所有隣接土地等と当該特定普通財産との交換(政令で定める交換を除く。以下この項において同じ。)をしたとき(交換差金を取得し、又は支払つた場合を含む。)は、当該所有隣接土地等(当該特定普通財産とともに交換差金を取得した場合には、当該所有隣接土地等のうち当該交換差金に相当するものとして政令で定める部分を除く。)の交換がなかつたものとして、第三十一条又は第三十二条の規定を適用する。
2 第三十七条第六項及び第七項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げるこれらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第三十七条第六項 | 第一項 | 第三十七条の八第一項 |
同項の譲渡 | 同項に規定する所有隣接土地等(以下「所有隣接土地等」という。)の同項に規定する交換 | |
当該譲渡をした資産の譲渡価額、買換資産の取得価額又はその見積額 | 当該交換の日における当該交換により譲渡した所有隣接土地等及び当該交換により取得した同項に規定する特定普通財産(以下「特定普通財産」という。)の価額(同項に規定する交換差金を取得し、又は支払つた場合には、当該所有隣接土地等及び特定普通財産の価額並びに当該交換差金の額) | |
第三十七条第七項 | 第一項 | 第三十七条の八第一項 |
3 前項において準用する第三十七条第六項に規定する確定申告書を提出する者は、政令で定めるところにより、第一項に規定する交換により取得した特定普通財産(次項及び第五項において「交換取得資産」という。)の明細に関する財務省令で定める書類を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
4 第一項の規定の適用を受けた者の交換取得資産について、当該交換取得資産を取得した日以後その譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。次項において同じ。)、相続、遺贈又は贈与があつた場合において、事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算するときは、政令で定めるところにより、当該交換取得資産の取得価額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額(所有隣接土地等の第一項の交換に要した費用があるときは、政令で定めるところにより計算した当該費用の金額を加算した金額)とする。
一 第一項の交換により交換取得資産とともに交換差金を取得した場合 当該交換により譲渡した所有隣接土地等の取得価額のうち当該交換差金に対応する部分以外の部分の額として政令で定めるところにより計算した金額
二 第一項の交換の日において当該交換により譲渡した所有隣接土地等の価額が交換取得資産の価額に等しい場合 当該交換により譲渡した所有隣接土地等の取得価額に相当する金額
三 第一項の交換により交換取得資産を取得した場合(交換差金を支払つた場合に限る。) 当該交換により譲渡した所有隣接土地等の取得価額に当該交換差金の額を加算した金額に相当する金額
5 交換取得資産の譲渡に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する場合には、確定申告書に当該交換取得資産の取得価額が前項の規定により計算されている旨及びその計算の明細を記載するものとする。
6 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(平成二十一年及び平成二十二年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条の九
第三十七条の九
不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う個人が、平成二十一年一月一日から平成二十二年十二月三十一日までの間に、国内にある土地又は土地の上に存する権利(所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものを除く。以下この項において「土地等」という。)の取得(当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者からの取得並びに相続、遺贈、贈与及び交換によるもの、所有権移転外リース取引によるものその他政令で定めるものを除く。以下この項、第六項及び第八項において同じ。)をし、かつ、当該取得をした日の属する年の翌年三月十五日までに、当該取得をした土地等(以下この項及び第八項において「先行取得土地等」という。)につきこの項の規定の適用に係るものである旨その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合において、当該取得をした日の属する年の十二月三十一日後十年以内に、当該個人の所有する他の土地等(事業の用に供しているものに限る。以下この項、次項及び第五項において「事業用土地等」という。)の譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、第三十三条から第三十三条の三までの規定に該当するもの、第三十五条の二及び第三十七条の規定の適用を受けるもの並びに同法第五十八条第一項の規定の適用を受ける交換その他政令で定める交換によるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)をしたときは、当該事業用土地等に係る利益金額(当該事業用土地等の当該譲渡による収入金額から当該事業用土地等の取得価額(当該譲渡に要した費用の額がある場合には、当該費用の額を加算した金額)を控除した残額をいい、当該譲渡をした日の属する年中に二以上の事業用土地等の譲渡が行われた場合には、これらの事業用土地等に係る当該残額の合計額をいう。)から当該利益金額の百分の八十(先行取得土地等(当該譲渡をした日の属する年の前年以前において第五項の規定の適用を受けた先行取得土地等のうち、当該譲渡をした日の属する年の取得価額が零であるものを除く。)であつて、その年の十二月三十一日(その者が死亡した日の属する年にあつては、その死亡の日)において当該個人が有するもの(以下この条において「対象先行取得土地等」という。)が平成二十二年一月一日から同年十二月三十一日までの間に取得をされたもののみである場合には、百分の六十)に相当する金額(当該金額が当該譲渡をした日の属する年の対象先行取得土地等の取得価額(当該対象先行取得土地等が二以上ある場合には、これらの対象先行取得土地等の取得価額の合計額)を超える場合には、当該取得価額に相当する金額。第五項において「繰延利益金額」という。)を控除した金額に相当する金額を当該事業用土地等の当該譲渡による譲渡所得の金額として、第三十一条又は第三十二条の規定を適用する。
2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者の同項の譲渡をした日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項に規定する事業用土地等の譲渡による譲渡所得の金額、当該譲渡をした事業用土地等の譲渡価額及び対象先行取得土地等の取得価額の明細書の添付がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、第一項の届出書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該届出書並びに当該記載をした書類及び同項の明細書の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。同項の規定の適用を受ける者が確定申告書を提出しなかつた場合において、税務署長がその提出がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときも、同様とする。
4 第三十三条第六項の規定は、第二項に規定する確定申告書を提出する者について準用する。この場合において、同条第六項中「代替資産」とあるのは、「対象先行取得土地等」と読み替えるものとする。
5 第一項の規定の適用を受けた者がその適用を受けた年(以下この項及び次項において「適用年」という。)において有する対象先行取得土地等につき当該適用年の翌年以後に第一項の規定の適用を受ける場合における当該対象先行取得土地等の取得価額は、当該適用年の取得価額から同項の規定の適用を受けた事業用土地等の繰延利益金額に相当する金額(当該適用年においてこの項の規定の適用を受ける対象先行取得土地等が二以上ある場合であつて、当該繰延利益金額に相当する金額のうちに他の対象先行取得土地等に係るこの項の規定の適用を受ける部分がある場合には、当該他の対象先行取得土地等の当該適用年の取得価額(他の対象先行取得土地等が二以上ある場合には、その合計額)に相当する金額を控除した金額)を控除した残額とする。
6 前項の場合において、当該適用年において平成二十一年対象先行取得土地等(対象先行取得土地等のうち平成二十一年一月一日から同年十二月三十一日までの間に取得をしたものをいう。以下この項において同じ。)と平成二十二年対象先行取得土地等(対象先行取得土地等のうち平成二十二年一月一日から同年十二月三十一日までの間に取得をしたものをいう。)とがある場合には、まず平成二十一年対象先行取得土地等につき前項の規定を適用する。
7 対象先行取得土地等で第五項の規定の適用を受けるものは、第三十七条第三項に規定する取得をした資産に該当しないものとする。
8 第一項の規定の適用を受けた者の先行取得土地等(第五項の規定の適用を受けたものに限る。)のその取得の日以後その譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含む。)、相続、遺贈又は贈与があつた場合に譲渡所得の金額を計算するときにおける当該先行取得土地等の取得価額は、第五項の規定により計算した金額とする。
9 第二項から第七項までに定めるもののほか、第一項及び前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第九款 有価証券の譲渡による所得の課税の特例等
[編集](一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)
第三十七条の十
第三十七条の十
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、平成二十八年一月一日以後に一般株式等(株式等のうち次条第二項に規定する上場株式等以外のものをいう。以下この条において同じ。)の譲渡(金融商品取引法第二十八条第八項第三号イに掲げる取引(第三十七条の十一の二第二項において「有価証券先物取引」という。)の方法により行うもの並びに法人の自己の株式又は出資の第三項第五号に規定する取得及び公社債の買入れの方法による償還に係るものを除く。以下この項及び次条第一項において同じ。)をした場合には、当該一般株式等の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得(所得税法第四十一条の二の規定に該当する事業所得及び雑所得並びに第三十二条第二項の規定に該当する譲渡所得を除く。第三項及び第四項において「一般株式等に係る譲渡所得等」という。)については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該一般株式等の譲渡に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」という。)に対し、一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額(一般株式等に係る譲渡所得等の金額(第六項第五号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)をいう。)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、一般株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかつたものとみなす。
2 この条において「株式等」とは、次に掲げるもの(外国法人に係るものを含むものとし、ゴルフ場その他の施設の利用に関する権利に類するものとして政令で定める株式又は出資者の持分を除く。)をいう。
一 株式(株主又は投資主(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十六項に規定する投資主をいう。)となる権利、株式の割当てを受ける権利、新株予約権(同条第十七項に規定する新投資口予約権を含む。以下この号において同じ。)及び新株予約権の割当てを受ける権利を含む。)
二 特別の法律により設立された法人の出資者の持分、合名会社、合資会社又は合同会社の社員の持分、法人税法第二条第七号に規定する協同組合等の組合員又は会員の持分その他法人の出資者の持分(出資者、社員、組合員又は会員となる権利及び出資の割当てを受ける権利を含むものとし、次号に掲げるものを除く。)
三 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)に規定する優先出資(優先出資者(同法第十三条第一項の優先出資者をいう。)となる権利及び優先出資の割当てを受ける権利を含む。)及び資産の流動化に関する法律第二条第五項に規定する優先出資(優先出資社員(同法第二十六条に規定する優先出資社員をいう。)となる権利及び同法第五条第一項第二号ニ(2)に規定する引受権を含む。)
四 投資信託の受益権
五 特定受益証券発行信託の受益権
六 社債的受益権
七 公社債(預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第二項第五号に規定する長期信用銀行債等その他政令で定めるものを除く。以下この款において同じ。)
3 一般株式等を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、当該一般株式等につき交付を受ける次に掲げる金額(所得税法第二十五条第一項の規定に該当する部分の金額を除く。次条第三項において同じ。)及び政令で定める事由により当該一般株式等につき交付を受ける政令で定める金額は、一般株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして、同法及びこの章の規定を適用する。
一 法人(法人税法第二条第六号に規定する公益法人等を除く。以下この項において同じ。)の所得税法第二条第一項第八号の二に規定する株主等(以下この項において「株主等」という。)がその法人の合併(法人課税信託に係る信託の併合を含む。以下この号において同じ。)(当該法人の株主等に法人税法第二条第十二号に規定する合併法人(信託の併合に係る新たな信託である法人課税信託に係る所得税法第六条の三に規定する受託法人を含む。)又は合併法人との間に当該合併法人の発行済株式若しくは出資(自己が有する自己の株式又は出資を除く。次号及び第三号において「発行済株式等」という。)の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式又は出資以外の資産(当該株主等に対する株式又は出資に係る剰余金の配当、利益の配当又は剰余金の分配として交付がされた金銭その他の資産及び合併に反対する当該株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付がされる金銭その他の資産を除く。)の交付がされなかつたものを除く。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
二 法人の株主等がその法人の分割(法人税法第二条第十二号の九イに規定する分割対価資産として同条第十二号の三に規定する分割承継法人(信託の分割により受託者を同一とする他の信託からその信託財産の一部の移転を受ける法人課税信託に係る所得税法第六条の三に規定する受託法人を含む。)又は分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式又は出資以外の資産の交付がされなかつたもので、当該株式又は出資が法人税法第二条第十二号の二に規定する分割法人(信託の分割によりその信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託又は新たな信託の信託財産として移転する法人課税信託に係る所得税法第六条の三に規定する受託法人を含む。以下この号において同じ。)の発行済株式等の総数又は総額のうちに占める当該分割法人の各株主等の有する当該分割法人の株式の数又は金額の割合に応じて交付されたものを除く。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
三 法人の株主等がその法人の行つた法人税法第二条第十二号の十五の二に規定する株式分配(当該法人の株主等に同号に規定する完全子法人の株式又は出資以外の資産の交付がされなかつたもので、当該株式又は出資が同条第十二号の五の二に規定する現物分配法人の発行済株式等の総数又は総額のうちに占める当該現物分配法人の各株主等の有する当該現物分配法人の株式の数又は金額の割合に応じて交付されたものを除く。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
四 法人の株主等がその法人の資本の払戻し(株式に係る剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち法人税法第二条第十二号の九に規定する分割型分割(法人課税信託に係る信託の分割を含む。)によるもの及び同条第十二号の十五の二に規定する株式分配以外のもの並びに所得税法第二十四条第一項に規定する出資等減少分配をいう。)により、又はその法人の解散による残余財産の分配として交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
五 法人の株主等がその法人の自己の株式又は出資の取得(金融商品取引所(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所をいう。次条第二項において同じ。)の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得及び所得税法第五十七条の四第三項第一号から第三号までに掲げる株式又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
六 法人の株主等がその法人の出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、その法人の出資の払戻し、その法人からの退社若しくは脱退による持分の払戻し又はその法人の株式若しくは出資をその法人が取得することなく消滅させることにより交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
七 法人の株主等がその法人の組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をしたその法人の株式又は出資以外の資産が交付されたものに限る。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
八 公社債の元本の償還(買入れの方法による償還を含む。以下この号において同じ。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額(当該金銭又は金銭以外の資産とともに交付を受ける金銭又は金銭以外の資産で元本の価額の変動に基因するものの価額を含むものとし、第三条第一項第一号に規定する特定公社債以外の公社債の償還により交付を受ける金銭又は金銭以外の資産でその償還の日においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合に当該金銭又は金銭以外の資産の交付をした法人が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおける当該株主その他の政令で定める者が交付を受けるものの価額を除く。)の合計額
九 分離利子公社債(公社債で元本に係る部分と利子に係る部分とに分離されてそれぞれ独立して取引されるもののうち、当該利子に係る部分であつた公社債をいう。)に係る利子として交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
4 投資信託若しくは特定受益証券発行信託(以下この項において「投資信託等」という。)の受益権で一般株式等に該当するもの又は社債的受益権で一般株式等に該当するものを有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者がこれらの受益権につき交付を受ける次に掲げる金額は、一般株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして、所得税法及びこの章の規定を適用する。
一 その上場廃止特定受益証券発行信託(その受益権が金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されていたことその他の政令で定める要件に該当する特定受益証券発行信託をいう。以下この号及び次号において同じ。)の終了(当該上場廃止特定受益証券発行信託の信託の併合に係るものである場合にあつては、当該上場廃止特定受益証券発行信託の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされた信託の併合に係るものに限る。)又は一部の解約により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
二 その投資信託等(上場廃止特定受益証券発行信託を除く。以下この号において同じ。)の終了(当該投資信託等の信託の併合に係るものである場合にあつては、当該投資信託等の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされた信託の併合に係るものに限る。)又は一部の解約により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額のうち当該投資信託等について信託されている金額(当該投資信託等の受益権に係る部分の金額に限る。)に達するまでの金額
三 その特定受益証券発行信託に係る信託の分割(分割信託(信託の分割によりその信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託又は新たな信託の信託財産として移転する信託をいう。次条第四項第二号において同じ。)の受益者に承継信託(信託の分割により受託者を同一とする他の信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託をいう。同号において同じ。)の受益権以外の資産(信託の分割に反対する当該受益者に対する信託法第百三条第六項に規定する受益権取得請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされたものに限る。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額のうち当該特定受益証券発行信託について信託されている金額(当該特定受益証券発行信託の受益権に係る部分の金額に限る。)に達するまでの金額
四 社債的受益権の元本の償還により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
6 第一項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。
一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の四までの規定の適用については、同項第三十号中「山林所得金額」とあるのは、「山林所得金額並びに租税特別措置法第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額(以下「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」という。)」とする。
二 所得税法第二十四条第二項の規定の適用については、同項中「又は雑所得」とあるのは、「、譲渡所得又は雑所得」とする。
三 所得税法第三十三条第三項の規定の適用については、同項中「譲渡所得の金額」とあるのは「一般株式等に係る譲渡所得の金額」と、「譲渡に要した費用の額」とあるのは「譲渡に要した費用の額並びにその年中に支払うべきその資産を取得するために要した負債の利子」と、「し、その残額」とあるのは「した残額」と、「。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする」とあるのは「)とする」とする。
四 所得税法第六十九条の規定の適用については、同条第一項中「譲渡所得の金額」とあるのは「譲渡所得の金額(事業所得の金額及び譲渡所得の金額にあつては、租税特別措置法第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する一般株式等に係る譲渡所得等がないものとして計算した金額とする。)」と、「各種所得の金額」とあるのは「各種所得の金額(一般株式等に係る譲渡所得等の金額を除く。)」とする。
五 所得税法第七十一条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「総所得金額」とあるのは、「総所得金額、一般株式等に係る譲渡所得等の金額」とする。
六 所得税法第九十二条、第九十五条及び第百六十五条の六の規定の適用については、同法第九十二条第一項中「前節(税率)」とあるのは「前節(税率)及び租税特別措置法第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)」と、「課税総所得金額」とあるのは「課税総所得金額及び租税特別措置法第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額の合計額」と、同条第二項中「課税総所得金額に係る所得税額」とあるのは「課税総所得金額に係る所得税額、租税特別措置法第三十七条の十第一項の規定による所得税の額」と、同法第九十五条及び第百六十五条の六中「その年分の所得税の額」とあるのは「その年分の所得税の額及び租税特別措置法第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)の規定による所得税の額」とする。
七 前各号に定めるもののほか、所得税法第二編第五章の規定による申請又は申告に関する特例その他第一項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)
第三十七条の十一
第三十七条の十一
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、平成二十八年一月一日以後に上場株式等の譲渡をした場合には、当該上場株式等の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得(所得税法第四十一条の二の規定に該当する事業所得及び雑所得並びに第三十二条第二項の規定に該当する譲渡所得を除く。第三項及び第四項において「上場株式等に係る譲渡所得等」という。)については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該上場株式等の譲渡に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」という。)に対し、上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額(上場株式等に係る譲渡所得等の金額(第六項において準用する前条第六項第五号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)をいう。)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかつたものとみなす。
2 この条において「上場株式等」とは、株式等(前条第二項に規定する株式等をいう。第一号において同じ。)のうち次に掲げるものをいう。
一 株式等で金融商品取引所に上場されているものその他これに類するものとして政令で定めるもの
二 投資信託でその設定に係る受益権の募集が第八条の四第一項第二号に規定する公募により行われたもの(第三条の二に規定する特定株式投資信託を除く。)の受益権
三 第八条の四第一項第三号に規定する特定投資法人の投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項に規定する投資口
三の二 特定受益証券発行信託(その信託契約の締結時において委託者が取得する受益権の募集が第八条の四第一項第四号に規定する公募により行われたものに限る。)の受益権
四 特定目的信託(その信託契約の締結時において原委託者が取得する社債的受益権の募集が第八条の二第一項第二号に規定する公募により行われたものに限る。)の社債的受益権
五 国債及び地方債
六 外国又はその地方公共団体が発行し、又は保証する債券
七 会社以外の法人が特別の法律により発行する債券(外国法人に係るもの並びに投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十九項に規定する投資法人債、同法第百三十九条の十二第一項に規定する短期投資法人債、資産の流動化に関する法律第二条第七項に規定する特定社債及び同条第八項に規定する特定短期社債を除く。)
八 公社債でその発行の際の金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集が同項に規定する取得勧誘であつて同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定めるものにより行われたもの
九 社債のうち、その発行の日前九月以内(外国法人にあつては、十二月以内)に金融商品取引法第五条第一項に規定する有価証券届出書、同法第二十四条第一項に規定する有価証券報告書その他政令で定める書類(第十一号ロにおいて「有価証券報告書等」という。)を内閣総理大臣に提出している法人が発行するもの
十 金融商品取引所(これに類するもので外国の法令に基づき設立されたものを含む。以下この号において同じ。)において当該金融商品取引所の規則に基づき公表された公社債情報(一定の期間内に発行する公社債の種類及び総額、その公社債の発行者の財務状況及び事業の内容その他当該公社債及び当該発行者に関して明らかにされるべき基本的な情報をいう。以下この号において同じ。)に基づき発行する公社債で、その発行の際に作成される目論見書に、当該公社債が当該公社債情報に基づき発行されるものである旨の記載のあるもの
十一 国外において発行された公社債で、次に掲げるもの
イ 金融商品取引法第二条第四項に規定する有価証券の売出し(同項に規定する売付け勧誘等であつて同項第一号に掲げる場合に該当するものとして政令で定める場合に該当するものに限る。)に応じて取得した公社債(ロにおいて「売出し公社債」という。)で、当該取得の時から引き続き当該有価証券の売出しをした金融商品取引業者等(第三十七条の十一の三第三項第一号に規定する金融商品取引業者等をいう。ロにおいて同じ。)の営業所(同号に規定する営業所をいう。ロにおいて同じ。)において保管の委託がされているもの
ロ 金融商品取引法第二条第四項に規定する売付け勧誘等に応じて取得した公社債(売出し公社債を除く。)で、当該取得の日前九月以内(外国法人にあつては、十二月以内)に有価証券報告書等を提出している会社が発行したもの(当該取得の時から引き続き当該売付け勧誘等をした金融商品取引業者等の営業所において保管の委託がされているものに限る。)
十二 外国法人が発行し、又は保証する債券で政令で定めるもの
十三 銀行業若しくは金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者(同法第二十九条の四の二第九項に規定する第一種少額電子募集取扱業者を除く。)若しくは外国の法令に準拠して当該国において銀行業若しくは同法第二条第八項に規定する金融商品取引業を行う法人(以下この号において「銀行等」という。)又は次に掲げる者が発行した社債(その取得をした者が実質的に多数でないものとして政令で定めるものを除く。)
イ 銀行等がその発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有する関係として政令で定める関係(ロにおいて「完全支配の関係」という。)にある法人
ロ 親法人(銀行等の発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有する関係として政令で定める関係のある法人をいう。)が完全支配の関係にある当該銀行等以外の法人
十四 平成二十七年十二月三十一日以前に発行された公社債(その発行の時において法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当する会社が発行したものを除く。)
3 上場株式等を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、当該上場株式等につき交付を受ける前条第三項各号に掲げる金額及び同項に規定する政令で定める事由により当該上場株式等につき交付を受ける同項に規定する政令で定める金額は、上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして、所得税法及びこの章の規定を適用する。
4 投資信託若しくは特定受益証券発行信託(以下この項において「投資信託等」という。)の受益権で上場株式等に該当するもの又は社債的受益権で上場株式等に該当するものを有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者がこれらの受益権につき交付を受ける次に掲げる金額は、上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして、所得税法及びこの章の規定を適用する。
一 その投資信託等の終了(当該投資信託等の信託の併合に係るものである場合にあつては、当該投資信託等の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされた信託の併合に係るものに限る。)又は一部の解約により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
二 その特定受益証券発行信託に係る信託の分割(分割信託の受益者に承継信託の受益権以外の資産(信託の分割に反対する当該受益者に対する信託法第百三条第六項に規定する受益権取得請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)の交付がされたものに限る。)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
三 社債的受益権の元本の償還により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
6 前条第六項の規定は、第一項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、同条第六項中「第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)」とあるのは「第三十七条の十一第一項(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)」と、「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」とあるのは「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と、「一般株式等に係る譲渡所得の金額」とあるのは「上場株式等に係る譲渡所得の金額」と、「一般株式等に係る譲渡所得等が」とあるのは「上場株式等に係る譲渡所得等が」と、「第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額」とあるのは「第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額」と、「第三十七条の十第一項の」とあるのは「第三十七条の十一第一項の」と読み替えるものとする。
(特定管理株式等が価値を失つた場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)
第三十七条の十一の二
第三十七条の十一の二
居住者又は恒久的施設を有する非居住者について、その有する特定管理株式等(当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の開設する特定口座(次条第三項第一号に規定する特定口座をいう。以下この項において同じ。)に係る同条第一項に規定する特定口座内保管上場株式等(政令で定めるところにより特定口座に移管されたものを除く。)が上場株式等(前条第二項に規定する上場株式等をいう。以下この条から第三十七条の十一の四まで、第三十七条の十一の六及び第三十七条の十二の二において同じ。)に該当しないこととなつた内国法人が発行した株式又は公社債につき、当該上場株式等に該当しないこととなつた日以後引き続き当該特定口座を開設する金融商品取引業者等(同号に規定する金融商品取引業者等をいう。)に開設される特定管理口座(当該特定口座内保管上場株式等が上場株式等に該当しないこととなつた内国法人が発行した株式又は公社債につき当該特定口座から移管により保管の委託がされることその他の財務省令で定める要件を満たす口座をいう。以下この条において同じ。)に係る振替口座簿(社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿をいう。以下この項及び次項並びに次条第一項及び第三項において同じ。)に記載若しくは記録がされ、又は特定管理口座に保管の委託がされている当該内国法人が発行した株式又は公社債をいう。以下この条において同じ。)、特定保有株式(平成二十一年一月四日において特定管理株式等であつた株式で同年一月五日に特定管理口座から払い出されたもののうち同日以後当該株式と同一銘柄の株式の取得及び譲渡をしていないものであることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものをいう。以下この項において同じ。)又は特定口座内公社債(当該特定口座に係る振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又は当該特定口座に保管の委託がされている内国法人が発行した公社債をいう。)が株式又は公社債としての価値を失つたことによる損失が生じた場合として次に掲げる事実が発生したときは、当該事実が発生したことは当該特定管理株式等、特定保有株式又は特定口座内公社債の譲渡をしたことと、当該損失の金額として政令で定める金額は第三十七条の十二の二第二項に規定する上場株式等の譲渡をしたことにより生じた損失の金額とそれぞれみなして、この条、前条及び第三十七条の十二の二の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
一 当該特定管理株式等、特定保有株式又は特定口座内公社債を発行した内国法人が解散(合併による解散を除く。)をし、その清算が結了したこと。
二 前号に掲げる事実に類する事実として政令で定めるもの
2 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、特定管理口座(その者が二以上の特定管理口座を有する場合には、それぞれの特定管理口座。以下この項において同じ。)の振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又は特定管理口座に保管の委託がされている特定管理株式等の譲渡(これに類するものとして政令で定めるものを含み、有価証券先物取引の方法により行うものを除く。以下この条から第三十七条の十一の六まで、第三十七条の十二の二及び第三十七条の十三の二において同じ。)をした場合には、政令で定めるところにより、当該特定管理株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額と当該特定管理株式等の譲渡以外の株式等(第三十七条の十第二項に規定する株式等をいう。)の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額とを区分して、これらの金額を計算するものとする。
3 第一項の規定は、政令で定めるところにより、同項に規定する事実が発生した日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項に規定する損失の金額として政令で定める金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の確定申告書の提出がなかつた場合又は同項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
5 第一項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例)
第三十七条の十一の三
第三十七条の十一の三
居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、上場株式等保管委託契約に基づき特定口座(その者が二以上の特定口座を有する場合には、それぞれの特定口座。以下この項及び次項において同じ。)に係る振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又は特定口座に保管の委託がされている上場株式等(以下この条から第三十七条の十一の六までにおいて「特定口座内保管上場株式等」という。)の譲渡をした場合には、政令で定めるところにより、当該特定口座内保管上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額と当該特定口座内保管上場株式等以外の株式等(第三十七条の十第二項に規定する株式等をいう。次項において同じ。)の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額とを区分して、これらの金額を計算するものとする。
2 金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項に規定する信用取引又は発行日取引(有価証券が発行される前にその有価証券の売買を行う取引であつて財務省令で定める取引をいう。)(以下この条及び次条において「信用取引等」という。)を行う居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、上場株式等信用取引等契約に基づき上場株式等の信用取引等を特定口座において処理した場合には、政令で定めるところにより、当該特定口座において処理した信用取引等による上場株式等の譲渡又は当該信用取引等の決済のために行う上場株式等の譲渡(当該上場株式等の譲渡に係る株式等と同一銘柄の株式等の買付けにより取引の決済を行う場合又は当該上場株式等の譲渡に係る株式等と同一銘柄の株式等を買い付けた取引の決済のために行う場合に限る。以下この項、次項及び第八項において「信用取引等に係る上場株式等の譲渡」という。)による事業所得の金額又は雑所得の金額と当該信用取引等に係る上場株式等の譲渡以外の株式等の譲渡による事業所得の金額又は雑所得の金額とを区分して、これらの金額を計算するものとする。
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定口座 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、前二項の規定の適用を受けるため、金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者(同法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)、同法第二条第十一項に規定する登録金融機関又は投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十一項に規定する投資信託委託会社(以下この条、次条及び第三十七条の十一の六において「金融商品取引業者等」という。)の営業所(国内にある営業所又は事務所をいう。以下この条、次条及び第三十七条の十一の六において同じ。)に、政令で定めるところにより、その口座の名称、当該金融商品取引業者等の営業所の名称及び所在地、その口座に設ける勘定の種類、その口座に係る振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又はその口座に保管の委託がされている上場株式等の譲渡及びその口座において処理された信用取引等に係る上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算につき第一項又は前項の規定の適用を受ける旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この条、次条第五項及び第三十七条の十一の六第二項において「特定口座開設届出書」という。)の提出(当該特定口座開設届出書の提出に代えて行う電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法による当該特定口座開設届出書に記載すべき事項の提供を含む。以下この条、次条第五項及び第三十七条の十一の六第二項において同じ。)をして、当該金融商品取引業者等との間で締結した上場株式等保管委託契約又は上場株式等信用取引等契約に基づき設定された上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録若しくは保管の委託又は上場株式等の信用取引等に係る口座(当該口座においてこれらの契約及び第三十七条の十一の六第四項第一号に規定する上場株式配当等受領委任契約に基づく取引以外の取引に関する事項を扱わないものに限る。)をいう。
二 上場株式等保管委託契約 第一項の規定の適用を受けるために同項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が金融商品取引業者等と締結した上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託に係る契約(信用取引等に係るものを除く。)で、その契約書において、上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託は当該記載若しくは記録又は保管の委託に係る口座に設けられた特定保管勘定(当該契約に基づき当該口座に記載若しくは記録又は保管の委託がされる上場株式等につき、当該記載若しくは記録又は保管の委託に関する記録を他の取引に関する記録と区分して行うための勘定をいう。)において行うこと、当該特定保管勘定においては当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の次に掲げる上場株式等(政令で定めるものを除く。)のみを受け入れること、当該特定保管勘定において振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託がされている上場株式等の譲渡は当該金融商品取引業者等への売委託による方法、当該金融商品取引業者等に対してする方法その他政令で定める方法によりすることその他政令で定める事項が定められているものをいう。
イ 特定口座開設届出書の提出後に、当該金融商品取引業者等への買付けの委託(当該買付けの委託の媒介、取次ぎ又は代理を含む。)により取得をした上場株式等又は当該金融商品取引業者等から取得をした上場株式等で、その取得後直ちに当該口座に受け入れるもの
ロ 当該金融商品取引業者等以外の金融商品取引業者等に開設されている当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の特定口座(ロにおいて「他の特定口座」という。)から、政令で定めるところにより、当該他の特定口座に係る特定口座内保管上場株式等の全部又は一部の移管がされる場合(当該特定口座内保管上場株式等の一部の移管がされる場合にあつては、当該移管がされる特定口座内保管上場株式等と同一銘柄の特定口座内保管上場株式等は全て当該移管がされる特定口座内保管上場株式等に含まれる場合に限る。)の当該移管がされる上場株式等
ハ イ及びロに掲げるもののほか政令で定める上場株式等
三 上場株式等信用取引等契約 前項の規定の適用を受けるために同項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が金融商品取引業者等と締結した上場株式等の信用取引等に係る契約で、その契約書において、上場株式等の信用取引等は当該信用取引等に係る口座に設けられた特定信用取引等勘定(当該契約に基づき当該口座において処理される上場株式等の信用取引等につき、当該信用取引等の処理に関する記録を他の取引に関する記録と区分して行うための勘定をいう。)において処理すること、当該特定信用取引等勘定においては特定口座開設届出書の提出後に開始する上場株式等の信用取引等に関する事項のみを処理することその他の政令で定める事項が定められているものをいう。
4 特定口座開設届出書の提出をしようとする居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、政令で定めるところにより、その提出をする際、前項第一号の金融商品取引業者等の営業所の長に、その者の住民票の写しその他の政令で定める書類を提示し、又は署名用電子証明書等(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項に規定する署名用電子証明書その他の電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)であつて財務省令で定めるものをいう。)を送信して氏名、生年月日、住所(国内に住所を有しない者にあつては、財務省令で定める場所。以下この項において同じ。)及び個人番号(個人番号を有しない者その他政令で定める者にあつては、氏名、生年月日及び住所。次項において同じ。)を告知し、当該告知をした事項につき確認を受けなければならない。
5 金融商品取引業者等の営業所の長は、前項の告知を受けたものと異なる氏名、生年月日、住所及び個人番号が記載されている特定口座開設届出書及び当該金融商品取引業者等に既に特定口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者から重ねて提出がされた特定口座開設届出書(当該特定口座が第三十七条の十四の二第五項第五号に規定する課税未成年者口座を構成する口座である場合に提出がされた特定口座開設届出書及び同号に規定する課税未成年者口座を構成する口座として特定口座を開設するために提出がされた特定口座開設届出書を除く。)については、これを受理することができない。
6 前項に定めるもののほか、金融商品取引業者等が特定口座につき備え付けるべき帳簿に関する事項、特定口座開設届出書の提出をした個人がその提出後当該届出書に記載した事項を変更した若しくは変更する場合又は第一項若しくは第二項の規定の適用をやめようとする場合における届出に関する事項その他第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
7 金融商品取引業者等は、その年において当該金融商品取引業者等に開設されていた特定口座がある場合には、財務省令で定めるところにより、当該特定口座を開設した居住者又は恒久的施設を有する非居住者の氏名及び住所、その年中に当該特定口座において処理された上場株式等の譲渡の対価の額、当該上場株式等の取得費の額、当該譲渡に要した費用の額、当該譲渡に係る所得の金額又は差益の金額、当該特定口座に受け入れた第三十七条の十一の六第一項に規定する上場株式等の配当等(次項及び第十一項において「上場株式等の配当等」という。)の額その他の財務省令で定める事項を記載した報告書二通を作成し、その年の翌年一月三十一日(年の中途で上場株式等保管委託契約又は上場株式等信用取引等契約の解約による特定口座の廃止その他政令で定める事由が生じた場合には、当該事由が生じた日の属する月の翌月末日)までに、一通を当該金融商品取引業者等の当該特定口座を開設する営業所の所在地の所轄税務署長に提出し、他の一通を当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者に交付しなければならない。
8 金融商品取引業者等に開設されていた特定口座で、その年中に当該特定口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡及び当該特定口座で処理した信用取引等に係る上場株式等の譲渡並びに当該特定口座への上場株式等の配当等の受入れが行われなかつたものがある場合には、当該金融商品取引業者等は、前項の規定にかかわらず、当該特定口座に係る同項の規定による報告書を当該特定口座を開設した居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対して交付することを要しない。ただし、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の請求があるときは、当該報告書をこれらの者に交付しなければならない。
9 金融商品取引業者等は、第七項及び前項ただし書の規定による報告書の交付に代えて、政令で定めるところにより、これらの規定に規定する居住者又は恒久的施設を有する非居住者の承諾を得て、当該報告書に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて財務省令で定めるものをいう。第四十二条の三第四項第三号において同じ。)により提供することができる。ただし、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の請求があるときは、当該報告書をこれらの者に交付しなければならない。
10 前項本文の場合において、同項の金融商品取引業者等は、第七項又は第八項ただし書の報告書を交付したものとみなす。
11 特定口座において処理された上場株式等の譲渡又は特定口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る所得税法第二百二十四条、第二百二十四条の三及び第二百二十五条の規定の特例その他第七項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
12 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第七項の報告書の提出に関する調査について必要があるときは、当該報告書を提出する義務がある者に質問し、その者の特定口座及び当該特定口座における上場株式等の取扱いに関する帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
13 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第七項の報告書の提出に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。
14 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第十二項の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
15 第十二項及び第十三項の規定による当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
16 前項に定めるもののほか、第十三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等に対する源泉徴収等の特例)
第三十七条の十一の四
第三十七条の十一の四
居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対し国内においてその営業所に開設されている特定口座(前条第三項第一号に規定する特定口座をいう。以下この条において同じ。)に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡の対価又は当該特定口座において処理された上場株式等の信用取引等の決済(当該信用取引等に係る株式等(第三十七条の十第二項に規定する株式等をいう。)の受渡しが行われることとなるものを除く。以下この条から第三十七条の十一の六までにおいて「差金決済」という。)に係る差益に相当する金額の支払をする金融商品取引業者等は、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者から、政令で定めるところにより、その年最初に当該特定口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡をする時又は当該特定口座において処理された上場株式等の信用取引等につきその年最初に差金決済を行う時のうちいずれか早い時までに、当該金融商品取引業者等の当該特定口座を開設する営業所に特定口座源泉徴収選択届出書(この項の規定の適用を受ける旨その他財務省令で定める事項を記載した書類をいう。第五項において同じ。)の提出があつた場合において、その年中に行われた当該特定口座(以下この条から第三十七条の十一の六までにおいて「源泉徴収選択口座」という。)に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡又は当該源泉徴収選択口座において処理された上場株式等の信用取引等に係る差金決済により源泉徴収選択口座内調整所得金額が生じたときは、当該譲渡の対価又は当該差金決済に係る差益に相当する金額の支払をする際、当該源泉徴収選択口座内調整所得金額に百分の十五の税率を乗じて計算した金額の所得税を徴収し、その徴収の日の属する年の翌年一月十日(政令で定める場合にあつては、政令で定める日)までに、これを国に納付しなければならない。
2 前項に規定する源泉徴収選択口座内調整所得金額とは、金融商品取引業者等の営業所に開設されている居住者又は恒久的施設を有する非居住者の源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡又は当該源泉徴収選択口座において処理された上場株式等の信用取引等に係る差金決済(所得税法第六十条の二第一項又は第六十条の三第一項の規定により譲渡があつたものとみなされたものを除く。以下この項及び次項において「対象譲渡等」という。)が行われた場合において、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の当該源泉徴収選択口座に係る第一号に掲げる金額(次項において「源泉徴収口座内通算所得金額」という。)が第二号に掲げる金額(次項において「源泉徴収口座内直前通算所得金額」という。)を超えるときにおける当該超える部分の金額をいう。
一 イに掲げる金額とロに掲げる金額とを合計した金額(当該金額が零を下回る場合には、零)
イ その年において当該対象譲渡等の時の以前にした特定口座内保管上場株式等の譲渡に係る譲渡収入金額(特定口座内保管上場株式等の譲渡に係る収入金額として政令で定める金額をいう。次号イにおいて同じ。)の総額からその譲渡をした特定口座内保管上場株式等に係る取得費等の金額(その譲渡をした特定口座内保管上場株式等の取得に要した金額及びその譲渡に要した費用の金額として政令で定める金額をいう。同号イにおいて同じ。)の総額を控除した金額
ロ その年において当該対象譲渡等の時の以前に行われた上場株式等の信用取引等に係る差金決済により生じた差益の金額として政令で定める金額(次号ロにおいて「差益金額」という。)の総額から当該対象譲渡等の時の以前に行われた上場株式等の信用取引等に係る差金決済により生じた差損の金額として政令で定める金額(同号ロにおいて「差損金額」という。)の総額を控除した金額
二 イに掲げる金額とロに掲げる金額とを合計した金額(当該金額が零を下回る場合には、零)
イ その年において当該対象譲渡等の時の前にした特定口座内保管上場株式等の譲渡に係る譲渡収入金額の総額からその譲渡をした特定口座内保管上場株式等に係る取得費等の金額の総額を控除した金額
ロ その年において当該対象譲渡等の時の前に行われた上場株式等の信用取引等に係る差金決済により生じた差益金額の総額から当該対象譲渡等の時の前に行われた上場株式等の信用取引等に係る差金決済により生じた差損金額の総額を控除した金額
3 居住者又は恒久的施設を有する非居住者の源泉徴収選択口座を開設している金融商品取引業者等は、当該源泉徴収選択口座においてその年中に行われた対象譲渡等により、当該対象譲渡等に係る源泉徴収口座内通算所得金額が源泉徴収口座内直前通算所得金額に満たないこととなつた場合には、その都度、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対し、当該満たない部分の金額に百分の十五を乗じて計算した金額に相当する所得税を還付しなければならない。
4 第一項の規定により徴収して納付すべき所得税は、所得税法第二条第一項第四十五号に規定する源泉徴収に係る所得税とみなして、同法、国税通則法及び国税徴収法の規定を適用する。
5 第一項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、同項の金融商品取引業者等の営業所の長に対し、同項の規定による特定口座源泉徴収選択届出書の提出と併せて特定口座開設届出書の提出をしようとする場合には、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、当該特定口座源泉徴収選択届出書の提出に代えて、当該特定口座源泉徴収選択届出書に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により提供することができる。この場合において、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、当該特定口座源泉徴収選択届出書を提出したものとみなす。
6 前二項に定めるもののほか、第一項の規定により徴収された所得税の額がある場合における所得税に関する法令の適用に関する特例その他同項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(確定申告を要しない上場株式等の譲渡による所得)
第三十七条の十一の五
第三十七条の十一の五
その年分の所得税に係る源泉徴収選択口座を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者で、当該源泉徴収選択口座につき次の各号に掲げる金額を有するものは、その年分の所得税については、第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額若しくは第三十七条の十二の二第二項若しくは第六項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額又は所得税法第百二十一条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する給与所得及び退職所得以外の所得金額若しくは同法第百二十一条第三項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する公的年金等に係る雑所得以外の所得金額の計算上当該各号に掲げる金額(当該各号に掲げる金額が同一の源泉徴収選択口座に係るものである場合には、当該源泉徴収選択口座については、第一号に掲げる金額及び第二号に掲げる金額)を除外したところにより、同法第百二十条から第百二十七条まで(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)及び第三十七条の十二の二第九項(第三十七条の十三の二第十項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百二十三条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定を適用することができる。
一 その年中にした源泉徴収選択口座(その者が源泉徴収選択口座を二以上有する場合には、それぞれの源泉徴収選択口座。次号において同じ。)に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡につき第三十七条の十一の三第一項の規定に基づいて計算された当該特定口座内保管上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額並びにこれらの所得の金額の計算上生じた損失の金額
二 その年中に源泉徴収選択口座において処理された差金決済に係る第三十七条の十一の三第二項に規定する信用取引等に係る上場株式等の譲渡につき同項の規定により計算された当該信用取引等に係る上場株式等の譲渡による事業所得の金額及び雑所得の金額並びにこれらの所得の金額の計算上生じた損失の金額
2 前項に規定する居住者又は恒久的施設を有する非居住者のその年分の所得税について国税通則法第二十五条の規定による決定(当該決定に係る同法第二十四条又は第二十六条の規定による更正を含む。)をする場合におけるこれらの規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、これらの条に規定する課税標準等には含まれないものとする。
3 前項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(源泉徴収選択口座内配当等に係る所得計算及び源泉徴収等の特例)
第三十七条の十一の六
第三十七条の十一の六
源泉徴収選択口座を有する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が支払を受ける第八条の四第一項に規定する上場株式等の配当等(以下この条において「上場株式等の配当等」という。)のうち、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が当該源泉徴収選択口座を開設している金融商品取引業者等と締結した上場株式配当等受領委任契約に基づき当該源泉徴収選択口座に設けられた特定上場株式配当等勘定に受け入れられたもの(以下この条において「源泉徴収選択口座内配当等」という。)については、政令で定めるところにより、当該源泉徴収選択口座内配当等に係る利子所得の金額及び配当所得の金額と当該源泉徴収選択口座内配当等以外の利子等(所得税法第二十三条第一項に規定する利子等をいう。第四項第一号において同じ。)及び配当等(同法第二十四条第一項に規定する配当等をいう。同号において同じ。)に係る利子所得の金額及び配当所得の金額とを区分して、これらの金額を計算するものとする。
2 前項の規定の適用を受けようとする居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、政令で定めるところにより、特定上場株式配当等勘定が設けられた源泉徴収選択口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の名称及び所在地、当該金融商品取引業者等が支払の取扱いをする上場株式等の配当等につき当該源泉徴収選択口座に設けられた特定上場株式配当等勘定への受入れを依頼する旨、当該受け入れられた上場株式等の配当等について同項の規定の適用を受けようとする旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この項及び次項において「源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書」という。)を、その源泉徴収選択口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に提出しなければならない。この場合において、第三十七条の十一の四第五項の規定は、当該源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書の提出と併せて特定口座開設届出書の提出をしようとする場合について準用する。
3 前項の源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、当該源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書を提出した居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対して支払われる上場株式等の配当等で当該源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書の提出を受けた日以後に支払の確定するもの(無記名の公社債の利子、所得税法第二百二十五条第一項に規定する無記名株式等の剰余金の配当又は無記名の投資信託若しくは特定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分配にあつては、同日以後に支払われるもの)のうち当該金融商品取引業者等が支払の取扱いをするもの(政令で定める要件を満たすものに限る。)の全てを、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の源泉徴収選択口座に係る特定上場株式配当等勘定に受け入れるものとする。ただし、政令で定めるところにより、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、当該金融商品取引業者等の営業所の長に対し、当該上場株式等の配当等の特定上場株式配当等勘定への受入れをやめることを依頼する旨を記載した届出書を提出した場合は、この限りでない。
4 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 上場株式配当等受領委任契約 第一項の規定の適用を受けるために同項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が金融商品取引業者等と締結した上場株式等の配当等の受領の委任に関する契約で、その契約書において、当該金融商品取引業者等が支払の取扱いをする上場株式等の配当等を当該上場株式等の配当等の受領に係る源泉徴収選択口座に設けられた特定上場株式配当等勘定に受け入れることができること、当該特定上場株式配当等勘定においては当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対して支払われる次に掲げる利子等又は配当等のうち上場株式等の配当等に該当するもの(当該源泉徴収選択口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所に係る金融商品取引業者等の社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又は当該営業所に保管の委託がされている上場株式等に係るものに限る。)のみを受け入れることその他政令で定める事項が定められているものをいう。
イ 第三条の三第二項に規定する国外公社債等の利子等(同条第一項に規定する国外一般公社債等の利子等を除く。)で同条第三項の規定に基づき当該金融商品取引業者等により所得税が徴収されるべきもの
ロ 第八条の三第二項第二号に掲げる国外私募公社債等運用投資信託等の配当等以外の国外投資信託等の配当等で同条第三項の規定に基づき当該金融商品取引業者等により所得税が徴収されるべきもの
ハ 第九条の二第一項に規定する国外株式の配当等で同条第二項の規定に基づき当該金融商品取引業者等により所得税が徴収されるべきもの
ニ 第九条の三の二第一項に規定する上場株式等の配当等で同項の規定に基づき当該金融商品取引業者等により所得税が徴収されるべきもの
二 特定上場株式配当等勘定 上場株式配当等受領委任契約に基づき源泉徴収選択口座において交付を受ける上場株式等の配当等につき、当該上場株式等の配当等に関する記録を他の上場株式等の配当等に関する記録と区分して行うための勘定をいう。
5 源泉徴収選択口座が開設されている金融商品取引業者等が、源泉徴収選択口座内配当等につき、第三条の三第三項(同条第一項に規定する国外一般公社債等の利子等に係る部分を除く。次項及び第七項において同じ。)、第八条の三第三項(同条第二項第二号に係る部分に限る。次項及び第七項において同じ。)、第九条の二第二項又は第九条の三の二第一項の規定に基づき徴収した所得税の額の納期限は、これらの規定にかかわらず、これらの規定に規定する徴収の日の属する年の翌年一月十日(政令で定める場合にあつては、政令で定める日)とする。
6 前項の金融商品取引業者等が居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対して支払われる源泉徴収選択口座内配当等について徴収して納付すべき所得税の額を計算する場合において、当該源泉徴収選択口座内配当等に係る源泉徴収選択口座につき次の各号に掲げる金額があるときは、当該源泉徴収選択口座内配当等について徴収して納付すべき所得税の額は、政令で定めるところにより、その年中に交付をした源泉徴収選択口座内配当等の額の総額から当該各号に掲げる金額の合計額を控除した残額を第三条の三第三項に規定する国外公社債等の利子等、第八条の三第三項に規定する国外投資信託等の配当等、第九条の二第二項に規定する国外株式の配当等又は第九条の三の二第一項に規定する上場株式等の配当等に係るこれらの規定に規定する交付をする金額とみなしてこれらの規定を適用して計算した金額とする。
一 その年中にした当該源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡につき第三十七条の十一の三第一項の規定に基づいて計算された当該特定口座内保管上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の計算上生じた損失の金額として政令で定める金額
二 その年中に当該源泉徴収選択口座において処理された差金決済に係る第三十七条の十一の三第二項に規定する信用取引等に係る上場株式等の譲渡につき同項の規定により計算された当該信用取引等に係る上場株式等の譲渡による事業所得の金額及び雑所得の金額の計算上生じた損失の金額として政令で定める金額
7 前項の場合において、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対して支払われる源泉徴収選択口座内配当等について、その年中に当該金融商品取引業者等が当該源泉徴収選択口座内配当等の交付の際に第三条の三第三項、第八条の三第三項、第九条の二第二項又は第九条の三の二第一項の規定により既に徴収した所得税の額が前項の規定を適用して計算した所得税の額を超えるときは、当該金融商品取引業者等は、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対し、当該超える部分の金額に相当する所得税を還付しなければならない。
8 源泉徴収選択口座内配当等については、その年分の利子所得の金額又は配当所得の金額の計算上収入金額とすべき金額は、所得税法第三十六条の規定にかかわらず、その年において当該源泉徴収選択口座内配当等に係る源泉徴収選択口座が開設されている金融商品取引業者等から交付を受けた金額とする。
9 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が有する源泉徴収選択口座内配当等についての第八条の五第一項の規定の適用は、同条第四項の規定にかかわらず、第一項の規定により計算されたその年中に交付を受けた源泉徴収選択口座内配当等(その者が二以上の源泉徴収選択口座において源泉徴収選択口座内配当等を有する場合には、それぞれの源泉徴収選択口座において有する源泉徴収選択口座内配当等)に係る利子所得の金額及び配当所得の金額の合計額ごとに行うものとする。
10 第六項の金融商品取引業者等が同項の規定により源泉徴収選択口座内配当等について徴収して納付すべき所得税の額の計算上当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が有する源泉徴収選択口座内配当等の額から控除した同項各号に掲げる金額につき前条第一項の規定の適用を受けない場合には、当該源泉徴収選択口座内配当等に係る利子所得の金額及び配当所得の金額の合計額については、第八条の五第一項及び第二項の規定は、適用しない。
11 前三項に定めるもののほか、第七項の規定により所得税を還付する場合における手続の細目その他第一項から第七項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(恒久的施設を有しない非居住者の株式等の譲渡に係る国内源泉所得に対する課税の特例)
第三十七条の十二
第三十七条の十二
恒久的施設を有しない非居住者が平成二十八年一月一日以後に一般株式等(第三十七条の十第一項に規定する一般株式等をいう。次項において同じ。)の譲渡(同条第一項に規定する譲渡をいう。第三項において同じ。)をした場合には、当該非居住者の所得税法第百六十四条第一項第二号に掲げる国内源泉所得のうち、第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等(以下この項及び次項において「一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得」という。)については、同法第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項及び第五項において「一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額」という。)に対し、一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額(第七項において準用する第三十七条の十第六項第五号の規定により適用される同法第七十二条、第七十八条、第八十六条及び第八十七条の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。
2 一般株式等を有する恒久的施設を有しない非居住者が、当該一般株式等につき交付を受ける第三十七条の十第三項第一号から第七号までに掲げる金額(所得税法第二十五条第一項の規定に該当する部分の金額を除く。第四項において同じ。)及び第三十七条の十第三項に規定する政令で定める事由により当該一般株式等につき交付を受ける同項に規定する政令で定める金額(当該非居住者の同法第百六十四条第一項第二号に掲げる国内源泉所得に該当するものに限る。)は、一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得に係る収入金額とみなして、同法及びこの章の規定を適用する。
3 恒久的施設を有しない非居住者が平成二十八年一月一日以後に上場株式等(第三十七条の十一第二項に規定する上場株式等をいう。次項において同じ。)の譲渡をした場合には、当該非居住者の所得税法第百六十四条第一項第二号に掲げる国内源泉所得のうち、第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等(以下この項及び次項において「上場株式等の譲渡に係る国内源泉所得」という。)については、同法第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該上場株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項及び第五項において「上場株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額」という。)に対し、上場株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額(第八項において準用する第三十七条の十第六項第五号の規定により適用される同法第七十二条、第七十八条、第八十六条及び第八十七条の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。
4 上場株式等を有する恒久的施設を有しない非居住者が、当該上場株式等につき交付を受ける第三十七条の十第三項第一号から第七号までに掲げる金額及び同項に規定する政令で定める事由により当該上場株式等につき交付を受ける同項に規定する政令で定める金額(当該非居住者の所得税法第百六十四条第一項第二号に掲げる国内源泉所得に該当するものに限る。)は、上場株式等の譲渡に係る国内源泉所得に係る収入金額とみなして、同法及びこの章の規定を適用する。
5 第一項及び第三項の場合において、一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額及び上場株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額の計算上生じた損失の額があるときは、所得税法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の額は生じなかつたものとみなす。
6 第二項及び前二項に規定するもののほか、第一項及び第三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
7 第三十七条の十第六項第三号から第五号まで及び第七号の規定は、第一項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、同条第六項第三号中「一般株式等に係る譲渡所得の金額」とあるのは「租税特別措置法第三十七条の十二第一項(恒久的施設を有しない非居住者の株式等の譲渡に係る国内源泉所得に対する課税の特例)に規定する一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額(以下「一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額」という。)のうち譲渡所得に該当する部分の金額」と、同項第四号中「第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する一般株式等に係る譲渡所得等」とあるのは「第三十七条の十二第一項(恒久的施設を有しない非居住者の株式等の譲渡に係る国内源泉所得に対する課税の特例)に規定する一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得」と、「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」とあるのは「一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額」と、同項第五号中「第七十一条から第八十七条まで」とあるのは「第七十一条、第七十二条、第七十八条、第八十六条及び第八十七条」と、「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」とあるのは「一般株式等の譲渡に係る国内源泉所得の金額」と読み替えるものとする。
8 前項の規定は、第三項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、前項中「第三十七条の十二第一項」とあるのは「第三十七条の十二第三項」と、「一般株式等の」とあるのは「上場株式等の」と読み替えるものとする。
(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除)
第三十七条の十二の二
第三十七条の十二の二
確定申告書(第九項(第三十七条の十三の二第十項において準用する場合を含む。)において準用する所得税法第百二十三条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書を含む。以下この条において同じ。)を提出する居住者又は恒久的施設を有する非居住者の平成二十八年分以後の各年分の上場株式等に係る譲渡損失の金額がある場合には、第三十七条の十一第一項後段の規定にかかわらず、当該上場株式等に係る譲渡損失の金額は、当該確定申告書に係る年分の第八条の四第一項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額を限度として、当該年分の当該上場株式等に係る配当所得等の金額の計算上控除する。
2 前項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額とは、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、上場株式等の譲渡のうち次に掲げる上場株式等の譲渡(第三十二条第二項の規定に該当するものを除く。)をしたことにより生じた損失の金額として政令で定めるところにより計算した金額のうち、その者の当該譲渡をした日の属する年分の第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
一 金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者(同法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。次号において「金融商品取引業者」という。)又は同法第二条第十一項に規定する登録金融機関(第三号において「登録金融機関」という。)への売委託により行う上場株式等の譲渡
二 金融商品取引業者に対する上場株式等の譲渡
三 登録金融機関又は投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十一項に規定する投資信託委託会社に対する上場株式等の譲渡で政令で定めるもの
四 第三十七条の十第三項又は第三十七条の十一第四項各号に規定する事由による上場株式等の譲渡
五 上場株式等を発行した法人の行う株式交換又は株式移転による当該法人に係る法人税法第二条第十二号の六の三に規定する株式交換完全親法人又は同条第十二号の六の六に規定する株式移転完全親法人に対する当該上場株式等の譲渡
六 上場株式等を発行した法人に対して会社法第百九十二条第一項の規定に基づいて行う同項に規定する単元未満株式の譲渡その他これに類する上場株式等の譲渡として政令で定めるもの
七 上場株式等を発行した法人に対して会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第六十四条の規定による改正前の商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百二十条ノ六第一項の規定に基づいて行う同項に規定する端株の譲渡
八 上場株式等を発行した法人が行う会社法第二百三十四条第一項又は第二百三十五条第一項(これらの規定を他の法律において準用する場合を含む。)の規定その他政令で定める規定による一株又は一口に満たない端数に係る上場株式等の競売(会社法第二百三十四条第二項(同法第二百三十五条第二項又は他の法律において準用する場合を含む。)の規定その他政令で定める規定による競売以外の方法による売却を含む。)による当該上場株式等の譲渡
九 信託会社(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律により同法第一条第一項に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。次号において同じ。)の営業所(国内にある営業所又は事務所をいう。以下この項において同じ。)に信託されている上場株式等の譲渡で、当該営業所を通じて金融商品取引法第五十八条に規定する外国証券業者(次号において単に「外国証券業者」という。)への売委託により行うもの
十 信託会社の営業所に信託されている上場株式等の譲渡で、当該営業所を通じて外国証券業者に対して行うもの
十一 所得税法第六十条の二第一項又は第六十条の三第一項の規定により行われたものとみなされた上場株式等の譲渡
3 第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
4 第一項の規定の適用がある場合における第八条の四の規定の適用については、同条第一項中「計算した金額(」とあるのは、「計算した金額(第三十七条の十二の二第一項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額。」とする。
5 確定申告書を提出する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年の前年以前三年内の各年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額(この項の規定の適用を受けて前年以前において控除されたものを除く。)を有する場合には、第三十七条の十一第一項後段の規定にかかわらず、当該上場株式等に係る譲渡損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の同項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び第八条の四第一項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額(第一項の規定の適用がある場合にはその適用後の金額。以下この項において同じ。)を限度として、当該年分の当該上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得等の金額の計算上控除する。
6 前項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額とは、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、平成十五年一月一日以後に、上場株式等の譲渡のうち第二項各号に掲げる上場株式等の譲渡(第三十二条第二項の規定に該当するものを除く。)をしたことにより生じた損失の金額として政令で定めるところにより計算した金額のうち、その者の当該譲渡をした日の属する年分の第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額(第一項の規定の適用を受けて控除されたものを除く。)をいう。
7 第五項の規定は、同項に規定する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が前項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につき当該上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合であつて、第五項の確定申告書に同項の規定による控除を受ける金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
8 第五項の規定の適用がある場合における第八条の四(第三項を除く。)及び第三十七条の十一(第六項を除く。)の規定の適用については、第八条の四第一項及び第三十七条の十一第一項中「計算した金額(」とあるのは、「計算した金額(第三十七条の十二の二第五項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額。」とする。
9 所得税法第百二十三条第一項(第二号を除く。)(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定は、居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年の翌年以後において第五項の規定の適用を受けようとする場合であつて、その年の年分の所得税につき同法第百二十条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出すべき場合及び同法第百二十二条第一項又は第百二十三条第一項(これらの規定を同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出することができる場合のいずれにも該当しない場合について準用する。この場合において、同項中「第七十条第一項若しくは第二項(純損失の繰越控除)若しくは第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)の規定の適用を受け、又は第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定による還付を受けようとするときは、第三期において」とあるのは「租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除)の規定の適用を受けようとするときは」と、「次項各号に掲げる」とあるのは「その年において生じた同条第六項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額(以下この項において「上場株式等に係る譲渡損失の金額」という。)、その年の前年以前三年内の各年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額その他の政令で定める」と、同項第一号中「純損失の金額」とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額」と、同項第三号中「純損失の金額及び雑損失の金額(第七十条第一項若しくは第二項又は第七十一条第一項」とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項」と、「及び第百四十二条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。次項第二号において同じ」とあるのは「を除く」と、「これらの金額」とあるのは「当該上場株式等に係る譲渡損失の金額」と、「総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額」とあるのは「同法第三十七条の十一第一項(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び同法第三十七条の十二の二第五項に規定する上場株式等に係る配当所得等の金額」と読み替えるものとする。
10 第五項の規定の適用がある場合における国税通則法の規定の適用については、同法第二条第六号ハ(1)中「又は雑損失の金額」とあるのは「若しくは雑損失の金額又は租税特別措置法第三十七条の十二の二第六項(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除)に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額」と、「同法」とあるのは「これらの法律」とする。
11 その年の翌年以後又はその年において第五項の規定の適用を受けようとする場合に提出すべき確定申告書の記載事項の特例その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等)
第三十七条の十三
第三十七条の十三
平成十五年四月一日以後に、次の各号に掲げる株式会社(以下この条及び次条において「特定中小会社」という。)の区分に応じ当該各号に定める株式(以下この条及び次条において「特定株式」という。)を払込み(当該株式の発行に際してするものに限る。以下この条及び次条において同じ。)により取得(第二十九条の二第一項本文の規定の適用を受けるものを除く。以下この条及び次条において同じ。)をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者(当該取得をした日においてその者を判定の基礎となる株主として選定した場合に当該特定中小会社が法人税法第二条第十号に規定する同族会社に該当することとなるときにおける当該株主その他の政令で定める者であつたものを除く。次条において同じ。)が、当該特定株式を払込みにより取得をした場合における第三十七条の十第一項及び第三十七条の十一第一項の規定の適用については、政令で定めるところにより、その年分の第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、その年中に当該払込みにより取得をした特定株式(その年十二月三十一日において有するものとして政令で定めるものに限る。以下この条において「控除対象特定株式」という。)の取得に要した金額の合計額(適用前の一般株式等に係る譲渡所得等の金額(この項の規定を適用しないで計算した場合における第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額をいう。次項において同じ。)及び適用前の上場株式等に係る譲渡所得等の金額(この項の規定を適用しないで計算した場合における第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額をいう。次項において同じ。)の合計額(以下この項において「適用前の株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額」という。)が当該取得に要した金額の合計額に満たない場合には、当該適用前の株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額に相当する金額)を控除する。
一 中小企業等経営強化法第六条に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社 当該株式会社により発行される株式
二 内国法人のうち、その設立の日以後十年を経過していない中小企業者に該当するものとして財務省令で定める株式会社 当該株式会社により発行される株式で投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合(財務省令で定めるものに限る。)に係る同法第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約に従つて取得をされるもの
三 内国法人のうち、沖縄振興特別措置法第五十七条の二第一項に規定する指定会社で平成二十六年四月一日から平成三十三年三月三十一日までの間に同項の規定による指定を受けたもの 当該指定会社により発行される株式
2 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、控除対象特定株式の取得に要した金額、適用前の一般株式等に係る譲渡所得等の金額、適用前の上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び同項の控除の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
3 第一項の規定の適用を受けた場合における控除対象特定株式と同一銘柄の株式の取得価額の計算の特例その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)
第三十七条の十三の二
第三十七条の十三の二
特定中小会社の特定株式を払込みにより取得をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者について、当該特定中小会社の設立の日から当該特定中小会社(当該特定中小会社であつた株式会社を含む。)が発行した株式に係る上場等の日(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場された日その他の政令で定める日をいう。)の前日までの期間(第八項において「適用期間」という。)内に、その有する当該払込みにより取得をした特定株式が株式としての価値を失つたことによる損失が生じた場合として次に掲げる事実が発生したときは、当該事実が発生したことは当該特定株式の譲渡をしたことと、当該損失の金額として政令で定める金額は当該特定株式の譲渡をしたことにより生じた損失の金額とそれぞれみなして、この条及び第三十七条の十の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
一 当該払込みにより取得をした特定株式を発行した株式会社が解散(合併による解散を除く。)をし、その清算が結了したこと。
二 前号に掲げる事実に類する事実として政令で定めるもの
2 前項の規定は、政令で定めるところにより、同項に規定する事実が発生した日の属する年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、同項に規定する損失の金額として政令で定める金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の確定申告書の提出がなかつた場合又は同項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
4 確定申告書(第十項において準用する第三十七条の十二の二第九項において準用する所得税法第百二十三条第一項(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による申告書を含む。以下この項、次項及び第七項において同じ。)を提出する居住者又は恒久的施設を有する非居住者の特定株式に係る譲渡損失の金額がある場合には、第三十七条の十第一項後段の規定にかかわらず、当該特定株式に係る譲渡損失の金額は、当該確定申告書に係る年分の第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額(前条第一項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)を限度として、当該年分の当該上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除する。
5 前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、特定株式に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
6 第四項の規定の適用がある場合における第三十七条の十一の規定の適用については、同条第一項中「計算した金額(」とあるのは、「計算した金額(第三十七条の十三の二第四項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額。」とする。
7 確定申告書を提出する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年の前年以前三年内の各年において生じた特定株式に係る譲渡損失の金額(第四項又はこの項の規定の適用を受けて前年以前において控除されたものを除く。)を有する場合には、第三十七条の十第一項後段の規定にかかわらず、当該特定株式に係る譲渡損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の同項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額(前条第一項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額。以下この項において同じ。)及び第三十七条の十一第一項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額(前条第一項の規定又は第四項の規定の適用がある場合には、その適用後の金額。以下この項において同じ。)を限度として、当該年分の当該一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除する。
8 第四項、第五項及び前項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額とは、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、適用期間内に、その払込みにより取得をした特定株式の譲渡(当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の親族その他の特別の関係がある者に対してする譲渡その他の政令で定めるものを除く。)をしたことにより生じた損失の金額として政令で定めるところにより計算した金額のうち、その者の当該譲渡をした日の属する年分の第三十七条の十第一項に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
9 第三十七条の十二の二第七項、第八項及び第十項の規定は、第七項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、同条第七項中「第五項の規定」とあるのは「第三十七条の十三の二第七項の規定」と、「前項」とあるのは「同条第八項」と、「上場株式等に係る譲渡損失の金額」とあるのは「特定株式に係る譲渡損失の金額」と、「添付がある確定申告書」とあるのは「添付がある確定申告書(同条第四項に規定する確定申告書をいう。以下この項において同じ。)」と、「第五項の確定申告書」とあるのは「同条第七項の確定申告書」と、同条第八項中「第五項の規定の適用がある場合における第八条の四(第三項を除く。)」とあるのは「第三十七条の十三の二第七項の規定の適用がある場合における第三十七条の十(第六項を除く。)」と、「第八条の四第一項」とあるのは「第三十七条の十第一項」と、「計算した金額(第三十七条の十二の二第五項」とあるのは「計算した金額(第三十七条の十三の二第七項」と、同条第十項中「第五項」とあるのは「第三十七条の十三の二第七項」と、「上場株式等に係る譲渡損失の金額」とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額若しくは同法第三十七条の十三の二第八項(特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額」と読み替えるものとする。
10 第三十七条の十二の二第九項の規定は、その年の翌年以後において第七項の規定の適用を受けようとする居住者又は恒久的施設を有する非居住者について準用する。この場合において、同条第九項中「第五項の」とあるのは「第三十七条の十三の二第七項の」と、「譲渡損失の繰越控除)の」とあるのは「譲渡損失の繰越控除)又は第三十七条の十三の二第七項(特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等)の」と、「同条第六項」とあるのは「同法第三十七条の十二の二第六項」と、「その他の」とあるのは「、その年において生じた同法第三十七条の十三の二第八項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額(同条第四項の規定の適用を受けて控除されたものを除く。以下この項において「特定株式に係る譲渡損失の金額」という。)、その年の前年以前三年内の各年において生じた特定株式に係る譲渡損失の金額その他の」と、「とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額」」とあるのは「とあるのは「上場株式等に係る譲渡損失の金額又は特定株式に係る譲渡損失の金額」」と、「(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項」とあるのは「及び特定株式に係る譲渡損失の金額(租税特別措置法第三十七条の十二の二第五項又は第三十七条の十三の二第七項」と、「「を除く」と、「これらの金額」とあるのは「当該上場株式等に係る譲渡損失の金額」」とあるのは「「を除く」」と、「第三十七条の十一第一項」とあるのは「第三十七条の十第一項(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)に規定する一般株式等に係る譲渡所得等の金額、第三十七条の十一第一項」と読み替えるものとする。
11 払込みにより取得をした特定株式及び当該特定株式と同一銘柄の他の株式を有する者につき第一項に規定する事実が発生した場合における同項の規定の特例、当該特定株式及び当該特定株式と同一銘柄の他の株式を有する者につきこれらの株式の譲渡をしたことによる損失の金額が生じた場合における第八項に規定する特定株式に係る譲渡損失の金額の計算の特例その他第一項、第四項及び第七項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る譲渡所得等の課税の特例)
第三十七条の十三の三
第三十七条の十三の三
個人が、産業競争力強化法(平成二十五年法律第九十八号)第二十六条第一項に規定する認定特別事業再編事業者(産業競争力強化法等の一部を改正する法律(平成三十年法律第二十六号)の施行の日から平成三十三年三月三十一日までの間に産業競争力強化法第二十五条第一項に規定する特別事業再編計画(以下この項において「特別事業再編計画」という。)について同条第一項の認定を受けた法人に限る。以下この条において「認定特別事業再編事業者」という。)の行つた当該認定に係る特別事業再編計画(同法第二十六条第一項の規定による変更の認定があつた場合には、その変更後のもの)に係る同法第二条第十二項に規定する特別事業再編によりその有する他の法人の株式(出資を含む。以下この項において「株式等」という。)を譲渡し、当該認定特別事業再編事業者の株式の交付を受けた場合におけるその譲渡した株式等に係る第三十七条の十から前条まで又は所得税法第二十七条、第三十三条若しくは第三十五条の規定の適用については、当該株式等の譲渡がなかつたものとみなす。
2 前項の交付を受けた認定特別事業再編事業者の株式の取得価額その他同項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税)
第三十七条の十四
第三十七条の十四
金融商品取引業者等(第三十七条の十一の三第三項第一号に規定する金融商品取引業者等をいう。以下この条及び次条において同じ。)の営業所(同号に規定する営業所をいう。以下この条及び次条において同じ。)に非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、非課税上場株式等管理契約に基づき当該非課税口座に係る振替口座簿(社債、株式等の振替に関する法律に規定する振替口座簿をいう。以下この条及び次条において同じ。)に記載若しくは記録がされ、若しくは当該非課税口座に保管の委託がされている第一号に掲げる同号に規定する上場株式等又は非課税累積投資契約に基づき当該非課税口座に係る振替口座簿に記載若しくは記録がされ、若しくは当該非課税口座に保管の委託がされている第二号に掲げる第一号に規定する上場株式等(次項から第四項までにおいて「非課税口座内上場株式等」と総称する。)のそれぞれ次の各号に定める譲渡(これに類するものとして政令で定めるものを含むものとし、金融商品取引法第二十八条第八項第三号イに掲げる取引の方法により行うものを除く。以下この条及び次条において同じ。)をした場合には、当該譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得(所得税法第四十一条の二の規定に該当する事業所得及び雑所得並びに第三十二条第二項の規定に該当する譲渡所得を除く。)については、所得税を課さない。
一 当該非課税口座に設けられた非課税管理勘定に係る上場株式等(次に掲げる株式等、受益権及び投資口をいう。以下この条(第三項を除く。)及び次条(第三項及び第五項第六号を除く。)において同じ。) 当該非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の一月一日以後五年を経過する日までの間に行う当該非課税上場株式等管理契約に基づく譲渡
イ 第三十七条の十第二項に規定する株式等(第四項及び次条において「株式等」という。)で第三十七条の十第二項第一号から第五号までに掲げるもの(同項第四号に掲げる受益権にあつては、公社債投資信託以外の証券投資信託の受益権及び証券投資信託以外の投資信託で公社債等運用投資信託に該当しないものの受益権に限る。)又は新株予約権付社債(資産の流動化に関する法律第百三十一条第一項に規定する転換特定社債及び同法第百三十九条第一項に規定する新優先出資引受権付特定社債を含む。)のうち、第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等に該当するもの
ロ 公社債投資信託以外の証券投資信託でその設定に係る受益権の募集が第八条の四第一項第二号に規定する公募により行われたもの(第三条の二に規定する特定株式投資信託を除く。)の受益権
ハ 第八条の四第一項第三号に規定する特定投資法人の投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十四項に規定する投資口
二 当該非課税口座に設けられた累積投資勘定に係る上場株式等で次に掲げるもの 当該累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の一月一日以後二十年を経過する日までの間に行う当該非課税累積投資契約に基づく譲渡
イ 公社債投資信託以外の証券投資信託の受益権のうち、第三十七条の十一第二項第一号に掲げる株式等に該当するもの
ロ 前号ロに掲げる上場株式等
2 非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく非課税口座内上場株式等の譲渡による収入金額が当該非課税口座内上場株式等の所得税法第三十三条第三項に規定する取得費及びその譲渡に要した費用の額の合計額又はその譲渡に係る必要経費に満たない場合におけるその不足額は、所得税に関する法令の規定の適用については、ないものとみなす。
3 前二項の場合において、居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づき非課税口座内上場株式等(その者が二以上の非課税口座を有する場合には、それぞれの非課税口座に係る非課税口座内上場株式等。以下この項において同じ。)の譲渡をしたときは、政令で定めるところにより、当該非課税口座内上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額と当該非課税口座内上場株式等以外の上場株式等(第三十七条の十一第二項に規定する上場株式等をいう。)の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額とを区分して、これらの金額を計算するものとする。
4 次に掲げる事由により、非課税管理勘定又は累積投資勘定からの非課税口座内上場株式等の一部又は全部の払出し(振替によるものを含む。以下この項において同じ。)があつた場合には、当該払出しがあつた非課税口座内上場株式等については、その事由が生じた時に、その時における価額として政令で定める金額(以下この項及び次項において「払出し時の金額」という。)により非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく譲渡があつたものと、第一号に掲げる移管、返還又は廃止による非課税口座内上場株式等の払出しがあつた非課税管理勘定又は累積投資勘定が設けられている非課税口座を開設し、又は開設していた居住者又は恒久的施設を有する非居住者については、当該移管、返還又は廃止による払出しがあつた時に、その払出し時の金額をもつて当該移管、返還又は廃止による払出しがあつた非課税口座内上場株式等の数に相当する数の当該非課税口座内上場株式等と同一銘柄の株式等を取得したものと、第二号に掲げる贈与又は相続若しくは遺贈により払出しがあつた非課税口座内上場株式等を取得した者については、当該贈与又は相続若しくは遺贈の時に、その払出し時の金額をもつて当該非課税口座内上場株式等と同一銘柄の株式等を取得したものとそれぞれみなして、前三項及び第三十五項の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
一 非課税口座から他の株式等の振替口座簿への記載若しくは記録若しくは保管の委託に係る口座(次項第二号及び第四号において「他の保管口座」という。)への移管、非課税管理勘定から当該非課税管理勘定が設けられている非課税口座に係る他の年分の非課税管理勘定への移管、非課税口座内上場株式等に係る有価証券の当該居住者若しくは恒久的施設を有する非居住者への返還又は非課税口座の廃止
二 贈与又は相続若しくは遺贈
三 非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約において定められた方法に従つて行われる譲渡以外の譲渡
5 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 非課税口座 居住者又は恒久的施設を有する非居住者(その年一月一日において二十歳以上である者に限る。)が、第九条の八及び前各項の規定の適用を受けるため、政令で定めるところにより、その口座を設定しようとする金融商品取引業者等の営業所の名称及び所在地、その口座に係る振替口座簿に記載若しくは記録がされ、若しくはその口座に保管の委託がされている上場株式等の所得税法第二十四条第一項に規定する配当等に係る配当所得及び当該上場株式等の譲渡による事業所得、譲渡所得若しくは雑所得について第九条の八及び前各項の規定の適用を受ける旨(以下この号において「口座設定に関する事項」という。)その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この条において「非課税口座開設届出書」という。)で、非課税適用確認書、勘定廃止通知書若しくは非課税口座廃止通知書を添付したもの又は口座設定に関する事項、勘定設定期間(第六号に規定する勘定設定期間をいう。第三号及び第五号において同じ。)その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この条において「非課税口座簡易開設届出書」という。)を当該金融商品取引業者等の営業所の長に提出(当該非課税口座開設届出書又は非課税口座簡易開設届出書の提出に代えて行う電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法による当該非課税口座開設届出書又は非課税口座簡易開設届出書に記載すべき事項の提供を含む。以下この条において同じ。)をして、当該金融商品取引業者等との間で締結した次に掲げる契約に基づきそれぞれ次に定める期間内に設定された上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託に係る口座(当該口座において非課税上場株式等管理契約及び非課税累積投資契約に基づく取引以外の取引に関する事項を扱わないものに限る。)をいう。
イ 非課税上場株式等管理契約 平成二十六年一月一日から平成三十五年十二月三十一日までの期間
ロ 非課税累積投資契約 平成三十年一月一日から平成四十九年十二月三十一日までの期間
二 非課税上場株式等管理契約 第九条の八(第一号に係る部分に限る。)の規定並びに第一項(第一号に係る部分に限る。)及び前三項の規定の適用を受けるために第一項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が金融商品取引業者等と締結した上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託に係る契約で、その契約書において、上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託は、当該記載若しくは記録又は保管の委託に係る口座に設けられた非課税管理勘定において行うこと、当該非課税管理勘定においては当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の次に掲げる上場株式等(第二十七項の規定による同項第一号に規定する継続適用届出書の同項に規定する提出をした者が同項に規定する出国をした日からその者に係る第二十九項に規定する帰国届出書の同項に規定する提出があつた日までの間に取得をしたもの、第二十九条の二第一項本文の規定の適用を受けて取得をしたものその他の政令で定めるものを除く。)のみを受け入れること、当該非課税管理勘定において振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託がされている上場株式等の譲渡は当該金融商品取引業者等への売委託による方法、当該金融商品取引業者等に対してする方法その他政令で定める方法によりすること、当該非課税管理勘定が設けられた日の属する年の一月一日から五年を経過した日において当該非課税管理勘定に係る上場株式等は、ロの移管がされるものを除き、当該非課税管理勘定が設けられた口座から、政令で定めるところにより他の保管口座に移管されることその他政令で定める事項が定められているものをいう。
イ 次に掲げる上場株式等で、当該口座に非課税管理勘定が設けられた日から同日の属する年の十二月三十一日までの間に受け入れた上場株式等の取得対価の額(購入した上場株式等についてはその購入の代価の額をいい、払込みにより取得をした上場株式等についてはその払い込んだ金額をいい、(2)の移管により受け入れた上場株式等についてはその移管に係る払出し時の金額をいう。第四号イにおいて同じ。)の合計額が百二十万円(ロに掲げる上場株式等がある場合には、当該上場株式等の移管に係る払出し時の金額を控除した金額)を超えないもの
(1) 当該期間内に当該金融商品取引業者等への買付けの委託(当該買付けの委託の媒介、取次ぎ又は代理を含む。第四号において同じ。)により取得をした上場株式等、当該金融商品取引業者等から取得をした上場株式等又は当該金融商品取引業者等が行う上場株式等の募集(金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集に該当するものに限る。同号において同じ。)により取得をした上場株式等で、その取得後直ちに当該口座に受け入れられるもの
(2) 他年分非課税管理勘定(当該非課税管理勘定を設けた口座に係る他の年分の非課税管理勘定又は当該金融商品取引業者等の営業所に開設された次条第五項第一号に規定する未成年者口座に設けられた同項第三号に規定する非課税管理勘定をいう。ロにおいて同じ。)から、政令で定めるところにより移管がされる上場株式等(ロに掲げるものを除く。)
ロ 他年分非課税管理勘定から、当該他年分非課税管理勘定が設けられた日の属する年の一月一日から五年を経過した日に政令で定めるところにより移管がされる上場株式等
ハ イ及びロに掲げるもののほか政令で定める上場株式等
三 非課税管理勘定 非課税上場株式等管理契約に基づき振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託がされる上場株式等につき当該記載若しくは記録又は保管の委託に関する記録を他の取引に関する記録と区分して行うための勘定で、次に掲げる要件を満たすものをいう。
イ 当該勘定は、金融商品取引業者等の営業所の長が、居住者若しくは恒久的施設を有する非居住者から提出を受けた非課税適用確認書、勘定廃止通知書若しくは非課税口座廃止通知書又はこれらの者から提出を受けた非課税口座簡易開設届出書に記載された非課税管理勘定の勘定設定期間内の各年(累積投資勘定が設けられる年を除く。)においてのみ設けられること。
ロ 当該勘定は、当該勘定設定期間内の各年の一月一日(非課税適用確認書の提出、非課税口座簡易開設届出書の提出又は政令で定める書類の提出が年の中途においてされた場合におけるこれらの提出がされた日の属する年にあつてはこれらの提出の日とし、勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書が提出された場合にあつては第二十六項の規定により同項の所轄税務署長から同項第一号に定める事項の提供があつた日(その勘定を設定しようとする年の一月一日前に当該事項の提供があつた場合には、同日)とする。)において設けられること。
四 非課税累積投資契約 第九条の八(第二号に係る部分に限る。)の規定並びに第一項(第二号に係る部分に限る。)及び前三項の規定の適用を受けるために第一項の居住者又は恒久的施設を有する非居住者が金融商品取引業者等と締結した累積投資契約(当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、一定額の同号イ又はロに掲げる上場株式等につき、定期的に継続して、当該金融商品取引業者等に買付けの委託をし、当該金融商品取引業者等から取得し、又は当該金融商品取引業者等が行う募集により取得することを約する契約で、あらかじめその買付けの委託又は取得をする上場株式等の銘柄が定められているものをいう。)により取得した上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託に係る契約で、その契約書において、上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託は、当該記載若しくは記録又は保管の委託に係る口座に設けられた累積投資勘定において行うこと、当該累積投資勘定においては当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の同号イ及びロに掲げる上場株式等(当該上場株式等を定期的に継続して取得することにより個人の財産形成が促進されるものとして政令で定める要件を満たすものに限り、第二十七項の規定による同項第一号に規定する継続適用届出書の同項に規定する提出をした者が同項に規定する出国をした日からその者に係る第二十九項に規定する帰国届出書の同項に規定する提出があつた日までの間に取得をしたものその他の政令で定めるものを除く。)のうち次に掲げるもののみを受け入れること、当該金融商品取引業者等は、政令で定めるところにより基準経過日(当該口座に初めて累積投資勘定を設けた日から十年を経過した日及び同日の翌日以後五年を経過した日ごとの日をいう。)における当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者の住所その他の政令で定める事項を確認することとされていること、当該累積投資勘定において振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託がされている上場株式等の譲渡は当該金融商品取引業者等への売委託による方法、当該金融商品取引業者等に対してする方法その他政令で定める方法によりすること、当該累積投資勘定が設けられた日の属する年の一月一日から二十年を経過した日において当該累積投資勘定に係る上場株式等は当該累積投資勘定が設けられた口座から、政令で定めるところにより他の保管口座に移管されることその他政令で定める事項が定められているものをいう。
イ 当該口座に累積投資勘定が設けられた日から同日の属する年の十二月三十一日までの期間(以下この号において「受入期間」という。)内に当該金融商品取引業者等への買付けの委託により取得をした上場株式等、当該金融商品取引業者等から取得をした上場株式等又は当該金融商品取引業者等が行う上場株式等の募集により取得をした上場株式等のうち、その取得後直ちに当該口座に受け入れられるもので当該受入期間内に受け入れた上場株式等の取得対価の額の合計額が四十万円を超えないもの
ロ イに掲げるもののほか政令で定める上場株式等
五 累積投資勘定 非課税累積投資契約に基づき振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託がされる上場株式等につき当該記載若しくは記録又は保管の委託に関する記録を他の取引に関する記録と区分して行うための勘定で、次に掲げる要件を満たすものをいう。
イ 当該勘定は、金融商品取引業者等の営業所の長が、居住者若しくは恒久的施設を有する非居住者から提出を受けた非課税適用確認書、勘定廃止通知書若しくは非課税口座廃止通知書又はこれらの者から提出を受けた非課税口座簡易開設届出書に記載された累積投資勘定の勘定設定期間内の各年(非課税管理勘定が設けられる年を除く。)においてのみ設けられること。
ロ 当該勘定は、当該勘定設定期間内の各年の一月一日(非課税適用確認書の提出、非課税口座簡易開設届出書の提出又は政令で定める書類の提出が年の中途においてされた場合におけるこれらの提出がされた日の属する年にあつてはこれらの提出の日とし、勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書が提出された場合にあつては第二十六項の規定により同項の所轄税務署長から同項第一号に定める事項の提供があつた日(その勘定を設定しようとする年の一月一日前に当該事項の提供があつた場合には、同日)とする。)において設けられること。
六 非課税適用確認書 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、次項から第十項までの規定の定めるところにより第九項に規定する所轄税務署長から交付を受けた書類で、その者の氏名及び生年月日、非課税口座に新たに非課税管理勘定又は累積投資勘定を設けることができる期間(以下この条において「勘定設定期間」という。)として次に掲げる期間(当該勘定設定期間がイ(1)に掲げるものである場合には、当該勘定設定期間及び平成二十五年一月一日(同日において国内に住所を有しない者にあつては、政令で定める日。次項第一号において「基準日」という。)における国内の住所)その他の財務省令で定める事項の記載のあるものをいう。
イ 非課税管理勘定を設けることができる期間として、次に掲げる期間のいずれかの期間
(1) 平成二十六年一月一日から平成二十九年十二月三十一日までの期間
(2) 平成三十年一月一日から平成三十五年十二月三十一日までの期間
ロ 累積投資勘定を設けることができる期間として、平成三十年一月一日から平成四十九年十二月三十一日までの期間
七 勘定廃止通知書 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、第十八項から第二十項までの規定の定めるところにより第十八項に規定する金融商品取引業者等の営業所の長から交付を受けた書類で、その者の氏名及び生年月日、非課税管理勘定又は累積投資勘定を廃止した年月日その他の財務省令で定める事項の記載のあるものをいう。
八 非課税口座廃止通知書 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、第二十一項から第二十三項までの規定の定めるところにより第二十一項に規定する金融商品取引業者等の営業所の長から交付を受けた書類で、その者の氏名及び生年月日、非課税口座を廃止した年月日、当該廃止した日の属する年分の非課税管理勘定又は累積投資勘定への上場株式等の受入れの有無その他の財務省令で定める事項の記載のあるものをいう。
6 非課税適用確認書の交付を受けようとする居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類を、勘定設定期間の開始の日の属する年の前年十月一日から当該勘定設定期間の終了の日の属する年の九月三十日までの間に、金融商品取引業者等の営業所の長に提出(次の各号の申請書の提出に代えて行う電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法による当該申請書に記載すべき事項の提供を含む。以下この条において同じ。)をしなければならない。
一 前項第六号イ(1)に掲げる勘定設定期間の非課税適用確認書の交付を受けようとする場合 その者の氏名、生年月日、住所(国内に住所を有しない者にあつては、財務省令で定める場所。以下第八項まで及び第三十五項において同じ。)及び個人番号(既に個人番号を告知している者として政令で定める者(第九項及び第十一項において「番号既告知者」という。)にあつては、氏名、生年月日及び住所。以下第八項までにおいて同じ。)並びにその者の基準日における国内の住所その他の財務省令で定める事項を記載した申請書及び当該基準日における国内の住所を証する書類として政令で定める書類
二 前項第六号イ(2)又はロに掲げる勘定設定期間の非課税適用確認書の交付を受けようとする場合 その者の氏名、生年月日、住所及び個人番号その他の財務省令で定める事項を記載した申請書
7 前項各号の申請書の提出をしようとする居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、政令で定めるところにより、その提出をする際、同項の金融商品取引業者等の営業所の長に、その者の住民票の写しその他の政令で定める書類を提示し、又は第三十七条の十一の三第四項に規定する署名用電子証明書等を送信して氏名、生年月日、住所及び個人番号を告知し、当該告知をした事項につき確認を受けなければならない。
8 金融商品取引業者等の営業所の長は、前項の告知を受けたものと異なる氏名、生年月日、住所及び個人番号が記載されている同項の申請書については、これを受理することができない。
9 第六項各号の申請書の提出を受けた同項の金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、当該申請書に記載された事項(番号既告知者から提出を受けた申請書にあつては、当該事項及びその者の個人番号。以下この項、次項及び第十二項において「申請事項」という。)を、特定電子情報処理組織を使用する方法(財務省令で定めるところによりあらかじめ税務署長に届け出て行う行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項に規定する電子情報処理組織を使用する方法として財務省令で定める方法をいう。以下この条及び次条において同じ。)により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長(次項において「所轄税務署長」という。)に提供しなければならない。この場合において、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該申請書につき帳簿を備え、当該申請書の提出をした者の各人別に、申請事項を記載し、又は記録しなければならない。
10 前項の申請事項の提供を受けた所轄税務署長は、当該申請事項に係る申請書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者(以下この項において「申請者」という。)についての当該申請事項の提供を受けた時前における当該所轄税務署長又は他の税務署長に対する前項の規定による申請事項(当該申請書に記載された勘定設定期間に係るものに限る。以下この項において同じ。)の提供及び次項の規定による同項に規定する届出事項の提供の有無の確認をするものとし、当該確認をした当該所轄税務署長は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類又は書面を、当該申請事項に係る申請書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長を経由して当該申請者に交付しなければならない。
一 当該申請事項の提供を受けた時前に当該所轄税務署長及び他の税務署長に対して申請事項及び次項に規定する届出事項の提供がない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める書類
イ 当該申請事項に係る申請書が勘定設定期間の開始の日の属する年の前年十月一日から十二月三十一日までの間に提出がされたものである場合 その提出がされた日の属する年の翌年一月一日から開始する勘定設定期間に係る非課税適用確認書
ロ 当該申請事項に係る申請書が勘定設定期間の開始の日から当該勘定設定期間の終了の日の属する年の九月三十日までの間に提出がされたものである場合 その提出がされた日の属する勘定設定期間に係る非課税適用確認書
二 当該申請事項の提供を受けた時前に既に当該所轄税務署長又は他の税務署長に対して申請事項又は次項に規定する届出事項の提供がある場合 非課税適用確認書の交付を行わない旨その他財務省令で定める事項を記載した書面
11 非課税口座簡易開設届出書の提出を受けた第五項第一号の金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、当該非課税口座簡易開設届出書に記載された事項その他の財務省令で定める事項(番号既告知者から提出を受けた非課税口座簡易開設届出書にあつては、当該事項及びその者の個人番号。以下この項及び次項において「届出事項」という。)を、特定電子情報処理組織を使用する方法により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長(次項において「所轄税務署長」という。)に提供しなければならない。この場合において、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該非課税口座簡易開設届出書につき帳簿を備え、当該非課税口座簡易開設届出書の提出をした者の各人別に、届出事項を記載し、又は記録しなければならない。
12 前項の届出事項の提供を受けた所轄税務署長は、当該届出事項に係る非課税口座簡易開設届出書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者(以下この項において「提出者」という。)についての当該届出事項の提供を受けた時前における当該所轄税務署長又は他の税務署長に対する前項の規定による届出事項の提供及び第九項の規定による申請事項(当該非課税口座簡易開設届出書に記載された第五項第六号イ(2)又はロに掲げる勘定設定期間に係るものに限る。以下この項において同じ。)の提供の有無の確認をするものとし、当該確認をした当該所轄税務署長は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項を、当該届出事項に係る非課税口座簡易開設届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長に、電子情報処理組織(国税庁の使用に係る電子計算機と当該金融商品取引業者等の営業所の長の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法により提供しなければならない。この場合において、第二号に定める事項の提供を受けた当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該提出者に対し、同号に定める該当する旨及びその理由を通知しなければならない。
一 当該届出事項の提供を受けた時前に当該所轄税務署長及び他の税務署長に対して届出事項及び申請事項の提供がない場合 当該届出事項に係る非課税口座簡易開設届出書が第十四項の規定により受理することができないもの及び第十五項の規定により提出をすることができないものに該当しない旨その他財務省令で定める事項
二 当該届出事項の提供を受けた時前に既に当該所轄税務署長又は他の税務署長に対して届出事項又は申請事項の提供がある場合 当該届出事項に係る非課税口座簡易開設届出書が第十四項の規定により受理することができないもの又は第十五項の規定により提出をすることができないものに該当する旨及びその理由その他財務省令で定める事項
13 第七項及び第八項の規定は、第五項第一号の非課税口座開設届出書又は非課税口座簡易開設届出書の提出をする居住者又は恒久的施設を有する非居住者及び当該非課税口座開設届出書又は非課税口座簡易開設届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長について準用する。
14 金融商品取引業者等の営業所の長は、当該金融商品取引業者等に既に非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者から重ねて提出がされた非課税口座開設届出書(非課税口座簡易開設届出書を含む。)については、これを受理することができないものとし、既にその勘定設定期間に非課税管理勘定又は累積投資勘定を設けるための非課税適用確認書の提出又は非課税口座簡易開設届出書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、当該非課税適用確認書の提出又は非課税口座簡易開設届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長及び当該金融商品取引業者等の営業所の長以外の金融商品取引業者等の営業所の長に対し、当該勘定設定期間と同一の勘定設定期間又はその期間の全部若しくは一部が重複する勘定設定期間に非課税管理勘定又は累積投資勘定を設けるための非課税適用確認書の提出をすることができない。
15 既に第六項の金融商品取引業者等の営業所の長に対し第五項第六号イ(2)又はロに掲げる勘定設定期間に非課税管理勘定又は累積投資勘定を設けるための非課税適用確認書に係る第六項第二号に定める申請書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者及び第五項第一号の金融商品取引業者等の営業所の長に対し非課税口座簡易開設届出書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者は、当該申請書の提出又は当該非課税口座簡易開設届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長及び当該金融商品取引業者等の営業所の長以外の金融商品取引業者等の営業所の長に対し、非課税口座簡易開設届出書の提出をすることができない。
16 その非課税口座簡易開設届出書が第十四項の規定により受理することができないもの又は前項の規定により提出をすることができないものに該当する場合には、当該非課税口座簡易開設届出書の提出により設定された上場株式等の振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の委託に係る口座は、当該口座の設定の時から非課税口座に該当しないものとして、第五項第一号の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
17 非課税適用確認書(非課税口座開設届出書に添付して提出されるものを含む。以下この項において同じ。)の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、その非課税適用確認書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者の氏名、生年月日及び個人番号その他の財務省令で定める事項を、特定電子情報処理組織を使用する方法により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長に提供しなければならない。
18 金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が当該非課税口座(以下この項及び次項において「変更前非課税口座」という。)に設けられるべき非課税管理勘定又は累積投資勘定を当該変更前非課税口座以外の非課税口座(以下この項において「他の非課税口座」という。)に設けようとする場合には、その者は、当該変更前非課税口座に当該非課税管理勘定又は累積投資勘定が設けられる日の属する年の前年十月一日から同日以後一年を経過する日までの間に、非課税管理勘定又は累積投資勘定を他の非課税口座に設けようとする旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この条において「金融商品取引業者等変更届出書」という。)を、当該金融商品取引業者等の営業所の長に提出しなければならない。この場合において、当該金融商品取引業者等変更届出書を提出する日以前に当該非課税管理勘定又は累積投資勘定に既に上場株式等の受入れをしているときは、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該金融商品取引業者等変更届出書を受理することができない。
19 前項の規定による金融商品取引業者等変更届出書の提出があつた場合には、次に定めるところによる。
一 当該金融商品取引業者等変更届出書に係る非課税管理勘定又は累積投資勘定が既に設けられているときは、当該非課税管理勘定又は累積投資勘定は、当該提出があつた時に廃止されるものとする。
二 当該金融商品取引業者等変更届出書の提出があつた日の属する年の翌年以後の各年においては、当該金融商品取引業者等変更届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、当該変更前非課税口座に新たに非課税管理勘定又は累積投資勘定を設けることができないものとする。ただし、当該金融商品取引業者等の営業所の長が、同日後に、非課税適用確認書の提出を受けた場合又は第二十四項の規定により勘定廃止通知書若しくは非課税口座廃止通知書の提出を受け、かつ、当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長から第二十六項第一号に定める事項の提供を受けた場合は、この限りでない。
20 金融商品取引業者等変更届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、当該金融商品取引業者等変更届出書を提出した者の氏名、当該金融商品取引業者等変更届出書の提出を受けた旨、非課税管理勘定又は累積投資勘定を廃止した年月日その他の財務省令で定める事項(以下この項及び第二十六項において「変更届出事項」という。)を特定電子情報処理組織を使用する方法により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長に提供しなければならないものとし、当該変更届出事項の提供をした金融商品取引業者等の営業所の長は、当該金融商品取引業者等変更届出書を提出した居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対し、勘定廃止通知書を交付しなければならない。
21 非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が当該非課税口座につき第九条の八及び第一項から第四項までの規定の適用を受けることをやめようとする場合には、その者は、当該非課税口座を廃止する旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この条において「非課税口座廃止届出書」という。)を、当該非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に提出しなければならない。
22 非課税口座廃止届出書の提出があつた場合には、その提出があつた時に当該非課税口座廃止届出書に係る非課税口座が廃止されるものとし、当該非課税口座に受け入れていた上場株式等につき当該提出の時後に支払を受けるべき第九条の八に規定する配当等及び当該提出の時後に行う当該上場株式等の譲渡による所得については、同条及び第一項から第三項までの規定は、適用しない。
23 非課税口座廃止届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、当該非課税口座廃止届出書を提出した者の氏名、非課税口座廃止届出書の提出を受けた旨、非課税口座を廃止した年月日その他の財務省令で定める事項(以下この項及び第二十六項において「廃止届出事項」という。)を特定電子情報処理組織を使用する方法により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長に提供しなければならないものとし、当該廃止届出事項の提供をした金融商品取引業者等の営業所の長は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるときに限り、当該非課税口座廃止届出書を提出した居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対し、非課税口座廃止通知書を交付しなければならない。
一 当該非課税口座廃止届出書の提出を一月一日から九月三十日までの間に受けた場合 当該提出を受けた日において当該非課税口座に同日の属する年分の非課税管理勘定又は累積投資勘定が設けられていたとき。
二 当該非課税口座廃止届出書の提出を十月一日から十二月三十一日までの間に受けた場合 当該提出を受けた日において当該非課税口座に同日の属する年分の翌年分の非課税管理勘定又は累積投資勘定が設けられることとなつていたとき。
24 金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書を提出して当該非課税口座に非課税管理勘定又は累積投資勘定を設けようとする場合には、その者は、その設けようとする非課税管理勘定又は累積投資勘定に係る年分の前年十月一日から同日以後一年を経過する日までの間に、当該勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書を、当該金融商品取引業者等の営業所の長に提出しなければならない。この場合において、当該非課税口座廃止通知書の交付の基因となつた非課税口座において、当該非課税口座を廃止した日の属する年分の非課税管理勘定又は累積投資勘定に既に上場株式等を受け入れているときは、当該廃止した日から同日の属する年の九月三十日までの間は、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該非課税口座廃止通知書を受理することができない。
25 第五項第一号又は前項の勘定廃止通知書又は非課税口座廃止通知書(非課税口座開設届出書に添付して提出されるこれらの書類を含む。以下この項及び次項において「廃止通知書」という。)の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、当該提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者の氏名、当該廃止通知書の提出を受けた旨、当該廃止通知書に記載された非課税管理勘定若しくは累積投資勘定が廃止された年月日又は非課税口座が廃止された年月日(次項において「廃止年月日」と総称する。)その他の財務省令で定める事項(以下この項及び次項において「提出事項」という。)を特定電子情報処理組織を使用する方法により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長(次項において「所轄税務署長」という。)に提供しなければならない。この場合において、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該廃止通知書につき帳簿を備え、当該廃止通知書を提出した者の各人別に、提出事項を記載し、又は記録しなければならない。
26 当該提出事項の提供を受けた所轄税務署長は、当該廃止通知書を提出した居住者又は恒久的施設を有する非居住者(以下この項において「提出者」という。)に係る第二十項又は第二十三項の規定による変更届出事項又は廃止届出事項(当該提出事項に係る廃止年月日と同一のものに限る。)の提供の有無を確認するものとし、当該確認をした所轄税務署長は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項を、当該提出事項の提供をした金融商品取引業者等の営業所の長に、電子情報処理組織(国税庁の使用に係る電子計算機と当該金融商品取引業者等の営業所の長の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法により提供しなければならない。
一 当該提出者に係る変更届出事項又は廃止届出事項の提供がある場合(次号に掲げる場合に該当する場合を除く。) 当該金融商品取引業者等の営業所における当該提出者の非課税口座の開設又は当該営業所に開設された当該提出者の非課税口座への非課税管理勘定又は累積投資勘定の設定ができる旨その他財務省令で定める事項
二 当該提出者に係る変更届出事項若しくは廃止届出事項の提供がない場合又は当該提出事項の提供を受けた時前に既に当該所轄税務署長若しくは他の税務署長に対して同一の提出者に係る提出事項(廃止年月日が同一のものに限る。)の提供がある場合 当該金融商品取引業者等の営業所における当該提出者の非課税口座の開設又は当該営業所に開設された当該提出者の非課税口座への非課税管理勘定及び累積投資勘定の設定ができない旨並びにその理由その他財務省令で定める事項
27 非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が出国(居住者にあつては国内に住所及び居所を有しないこととなることをいい、恒久的施設を有する非居住者にあつては恒久的施設を有しないこととなることをいう。以下この項及び第三十一項並びに次条第二十六項において同じ。)により居住者又は恒久的施設を有する非居住者に該当しないこととなる場合には、その者は、その出国の日の前日までに、当該非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める届出書の提出(当該届出書の提出に代えて行う電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法による当該届出書に記載すべき事項の提供を含む。以下この条において同じ。)をしなければならない。
一 帰国(居住者又は恒久的施設を有する非居住者に該当することとなることをいう。第二十九項において同じ。)をした後再び当該非課税口座において非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく上場株式等の受入れを行わせようとする居住者(当該出国の日の属する年分の所得税につき所得税法第六十条の二第一項の規定の適用を受ける者を除く。)又は恒久的施設を有する非居住者で、これらの者に係る同法第二十八条第一項に規定する給与等の支払をする者からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由に基因して出国をするものが、引き続き第一項から第四項まで及び第九条の八の規定の適用を受けようとする場合 その旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(次項、第二十九項及び第三十一項において「継続適用届出書」という。)
二 前号に掲げる場合以外の場合 出国をする旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書
28 非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が前項の規定による継続適用届出書の提出をした場合には、その者は、引き続き居住者又は恒久的施設を有する非居住者に該当する者とみなして、この条(第六項から第二十項まで、第二十四項から前項まで、第三十二項及び第三十三項を除く。)及び第九条の八の規定を適用する。
29 第二十七項の規定による継続適用届出書の提出をした者が帰国をした後再び同項第一号の非課税口座において非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく上場株式等の受入れを行わせようとする場合には、その者は、当該継続適用届出書の提出をした日から起算して五年を経過する日の属する年の十二月三十一日までに、当該継続適用届出書の提出をした金融商品取引業者等の営業所の長に帰国届出書(帰国をした旨、帰国をした年月日、当該非課税口座において非課税上場株式等管理契約又は非課税累積投資契約に基づく上場株式等の受入れを行わせようとする旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書をいう。以下第三十一項までにおいて同じ。)の提出(当該帰国届出書の提出に代えて行う電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法による当該帰国届出書に記載すべき事項の提供を含む。次項及び第三十一項において同じ。)をしなければならない。
30 第七項及び第八項の規定は、帰国届出書の提出をする居住者又は恒久的施設を有する非居住者及び当該帰国届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長について準用する。
31 非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が出国により居住者又は恒久的施設を有する非居住者に該当しないこととなつた場合には、その者は当該出国の時に非課税口座廃止届出書を当該非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に提出したものと、第二十七項の規定による継続適用届出書の提出をした者が当該継続適用届出書の提出をした日から起算して五年を経過する日の属する年の十二月三十一日までに第二十九項の規定による帰国届出書の提出をしなかつた場合には、その者は同日に非課税口座廃止届出書を当該継続適用届出書の提出をした金融商品取引業者等の営業所の長に提出したものとそれぞれみなして、第二十二項及び第二十三項の規定を適用する。
32 金融商品取引業者等の営業所の長が、政令で定めるところにより第九項、第十一項、第十七項、第二十項、第二十三項、第二十五項その他政令で定める規定に規定する所轄税務署長(以下この項において「所轄税務署長」という。)の承認を受けた場合には、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、これらの規定にかかわらず、特定電子情報処理組織を使用する方法により、これらの規定により提供すべきこととされている事項(以下この項において「提供事項」という。)を財務省令で定める税務署長に提供することができる。この場合において、当該金融商品取引業者等の営業所の長は、当該提供事項を所轄税務署長に提供したものとみなして、第九条の八及びこの条の規定を適用する。
33 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が平成二十九年から平成三十五年までの各年(その年一月一日において当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者が二十歳である年に限る。)の一月一日において金融商品取引業者等の営業所に次条第五項第一号に規定する未成年者口座を開設している場合には、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者は同日において当該金融商品取引業者等の営業所の長に同日の属する年の属する勘定設定期間の記載がある非課税適用確認書が添付された非課税口座開設届出書の提出をしたものと、当該居住者又は恒久的施設を有する非居住者は同日に当該金融商品取引業者等と非課税上場株式等管理契約を締結したものと、当該金融商品取引業者等の営業所の長は同日に第九項に規定する所轄税務署長に同項に規定する申請事項を提供したものと、当該金融商品取引業者等の営業所の長は同日に第十七項に規定する所轄税務署長に同項に規定する事項を提供したものとそれぞれみなして、第九条の八及びこの条の規定を適用する。
34 第十三項から前項までに定めるもののほか、第十項の所轄税務署長が同項の金融商品取引業者等の営業所の長を経由して同項各号に定める書類又は書面の交付をする際に当該所轄税務署長が当該金融商品取引業者等の営業所の長に提供すべき情報に関する事項、金融商品取引業者等が非課税口座につき備え付けるべき帳簿に関する事項、非課税口座開設届出書の提出をした個人がその提出後当該非課税口座開設届出書に記載した事項を変更した又は変更する場合における届出に関する事項その他第一項から第十二項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
35 金融商品取引業者等は、その年において当該金融商品取引業者等の営業所に開設されていた非課税口座で非課税管理勘定又は累積投資勘定が設けられていたものがある場合には、財務省令で定めるところにより、当該非課税口座を開設した居住者又は恒久的施設を有する非居住者の氏名及び住所、その年中に当該非課税口座において処理された上場株式等の譲渡の対価の額、当該非課税口座に係る非課税口座内上場株式等の配当等の額その他の財務省令で定める事項を記載した報告書を作成し、その年の翌年一月三十一日までに、当該金融商品取引業者等の当該非課税口座を開設する営業所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
36 非課税口座において処理された上場株式等の譲渡又は非課税口座内上場株式等の配当等に係る所得税法第二百二十四条、第二百二十四条の三及び第二百二十五条の規定の特例その他前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
37 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第三十五項の報告書の提出に関する調査について必要があるときは、当該報告書を提出する義務がある者に質問し、その者の非課税口座及び当該非課税口座における上場株式等の取扱いに関する帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
38 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第三十五項の報告書の提出に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。
39 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第三十七項の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
40 第三十七項及び第三十八項の規定による当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
41 前項に定めるもののほか、第三十八項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(未成年者口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税)
第三十七条の十四の二
第三十七条の十四の二
金融商品取引業者等の営業所に未成年者口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、次の各号に掲げる未成年者口座内上場株式等(未成年者口座管理契約に基づき当該未成年者口座に係る振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又は当該未成年者口座に保管の委託がされている上場株式等をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じ当該各号に定める期間内に、当該未成年者口座内上場株式等の当該未成年者口座管理契約に基づく譲渡をした場合には、当該譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得(所得税法第四十一条の二の規定に該当する事業所得及び雑所得並びに第三十二条第二項の規定に該当する譲渡所得を除く。)については、所得税を課さない。
一 非課税管理勘定に係る未成年者口座内上場株式等 当該未成年者口座に当該非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の一月一日以後五年を経過する日までの間
二 継続管理勘定に係る未成年者口座内上場株式等 当該未成年者口座に当該継続管理勘定を設けた日から当該未成年者口座を開設した者がその年一月一日において二十歳である年の前年十二月三十一日までの間
2 未成年者口座管理契約に基づく未成年者口座内上場株式等の譲渡による収入金額が当該未成年者口座内上場株式等の所得税法第三十三条第三項に規定する取得費及びその譲渡に要した費用の額の合計額又はその譲渡に係る必要経費に満たない場合におけるその不足額は、所得税に関する法令の規定の適用については、ないものとみなす。
3 前二項の場合において、居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、未成年者口座管理契約に基づき未成年者口座内上場株式等の譲渡をしたときは、政令で定めるところにより、当該未成年者口座内上場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額と当該未成年者口座内上場株式等以外の上場株式等(第三十七条の十一第二項に規定する上場株式等をいう。第五項第六号において同じ。)の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額とを区分して、これらの金額を計算するものとする。
4 次に掲げる事由により、非課税管理勘定又は継続管理勘定からの未成年者口座内上場株式等の一部又は全部の払出し(振替によるものを含む。以下この項及び第六項第四号において同じ。)があつた場合には、当該払出しがあつた未成年者口座内上場株式等については、その事由が生じた時に、その時における価額として政令で定める金額(以下この条において「払出し時の金額」という。)により未成年者口座管理契約に基づく譲渡があつたものと、第一号に掲げる移管若しくは返還又は第三号イに掲げる廃止による未成年者口座内上場株式等の払出しがあつた非課税管理勘定又は継続管理勘定が設けられている未成年者口座を開設し、又は開設していた居住者又は恒久的施設を有する非居住者については、当該移管若しくは返還又は廃止による払出しがあつた時に、その払出し時の金額をもつて当該移管若しくは返還又は廃止による払出しがあつた未成年者口座内上場株式等の数に相当する数の当該未成年者口座内上場株式等と同一銘柄の株式等を取得したものと、第二号に掲げる相続若しくは遺贈又は第三号ロに掲げる贈与により払出しがあつた未成年者口座内上場株式等を取得した者については、当該相続若しくは遺贈又は贈与の時に、その払出し時の金額をもつて当該未成年者口座内上場株式等と同一銘柄の株式等を取得したものとそれぞれみなして、前三項及び第二十七項の規定その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
一 未成年者口座管