福島第一原発事故対策統合本部共同記者会見-05/02/2011

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福島第一原発事故対策統合本部共同記者会見とは,東京電力福島第一原発事故について,政府・東京電力のほか原子力安全・保安院や原子力安全委員会,文部科学省も出席する記者会見である。(必要な場合にはさらに他の省庁たとえば水産庁から担当者が出席することもある)

土日のほか政局のある日を除き,ほぼ毎日開催されている。 会見はニコニコ生放送で生放送される(タイムシフト視聴もできる)


NHK石川解説委員の質疑[編集]

石川 ちょっとSPEEDI(スピーディー)の議論聞いていると議論が逆立ちしているんじゃないかと思うんです。 そもそもそれを作ったのは,国民の生命と安全を守るために作ったんであって,正確な研究結果を出すためじゃないはずなんですね。安全委員会[原子力安全委員会]と文科省と保安院[原子力安全・保安院],それから最後に細野さんに,そのチェルノブイリの10分の1が放出されたという時期に,はたして国民の生命と安全を守るという意味で,SPEEDIを使うと言う意識があったのかどうか。それをお答えください。

安全委 何度もお答えしている話ですけども,今回は実際に,発電所からどれぐらいの放射性物質が出ているかという情報が,そのプラント側から与えられないという状況であったわけです。 そういう中で,環境モニタリングも,さきほど細野事務局長もおっしゃってたように,すぐには立ち上がれなかった。ようやくダストモニタリングできるようになったのが20日ぐらいですか,そこからですね,安全委員会ではじゃあそれを使って,もともと考えられてないやり方ですけれども,なんとか,この発電所からどれぐらいの放射性物質が出てんのか逆の推定をやってみようと,これまったく初めての試みだったんです。それも,どのサンプルでもできるかというと必ずしもそうじゃなくて,そっちのほうに発電所からいわゆる放射性プリュームが飛んでったときにとれたサンプルで分かるということで, それもいろいろ工夫をしてそういうサンプルをとった。それで ようやく23日の段階になって最初の一つの試算が出たわけです。 そういうことで,原子力安全委員会としては,今回は本来の使い方ができないなかで,そういった新しい使い方,これについては日本原子力研究開発機構の研究者の,本当に日夜分かたない努力も得てですね,やってきておりまして,全力を尽くしてやってきているというふうに思っております。

文科省 放出源情報がないときに有効な予測ができないというシステムであったということについては,本当にある意味ではたいへん残念な点だと思います。 したがいまして文部科学省の方では,16日にいわゆる測定ですね,環境のモニタリング測定してなるべく多くの現場を測って,測ったデータで住民の方やなどにお示しするというほうに力の注ぎ方を変え,今日までそういう形で注力をしてきているところでございます。 ただ一方,さきほど原子力安全委員会のほうからもありましたが,SPEEDIというシステムを逆になんか使うことでモニタリングのデータから放出源を推定するという新しい使い方を原子力安全委員会のほうが開発をされたということは,それは一つ大きな意味は逆にあったんではないかと。まあ安全委員会のほうだからそれができたかもしれないんですが。 ある意味で役割分担,文部科学省はちょっとなるべく多く測るという方に注力をして,安全委員会は違うやり方を考えていただいたということで。 本来の使い方ができなかったことは大変残念なんですが,それに変わるやり方をある意味一生懸命やらさせていただいている,ということかと思います。

保安院 原子力安全・保安院は,国際原子力評価尺度INESの7にしたときにやったのは,SPEEDIは使っておりませんで,これまでのデータ,放出源のデータが分からない中で,どういう操作をどういう時期にやってきたかということを緻密に積み上げてきて,どれだけの放射能が出ている,放射性物質が出ていると考えられるかということをある程度積算できるようになって,ちょうど同じころに安全委員会がいわれたような,逆の方式でSPEEDIを逆に使って試算するやりかたができて,それとつきあわせることができるようになった段階で,INESの7レベルにしたということでありました。

細野 この5000件のデータがですね,5000件のさまざまなデータがあったということ自体はですね,おそらく極めて限られた情報や手段の中で,原子力委員会や,文部科学省や保安院がですね,状況をできるだけ的確に知ろうと努力をした,そういう,いうならば積み重ねだろうと思います。今回関係者とそうとう私もいろんなやり取りをしましたしやりあってきましたけれど,なんとかこの状況をのりこえようとですね,官僚の皆さんも最大限の努力をしていたことだけはこれは間違いない。ですから,学問のためとか,興味本位でこのシミュレーションした人間は私は一人もいないだろうと信用して,信じております。 ただ,そのSPEEDIというソフト,システムというものの全体に対する理解,すなわちこれは国民の共有財産であり,国民に情報がしっかり還元をされて活かされるべきであるという意識がどれぐらいあったのかということについては,ご指摘の部分は,御批判として当たっているというふうに思います。

石川 それでですね,それとともに,アメリカのDOE,アメリカの航空機からの測定は17日にすでに始まって,3月の23日にはホームページで公開されているわけです。アメリカのホームページによれば,日本側にもすべて情報を提供していると言っているわけですね。その図を見れば,飯舘村のあたりまで,12レムですか,汚染されてるのは明らかなわけです。 17日の時点で,そういうことが明らかであるのに,なにゆえ何の行動もとらなかったんですか。そういう不作為によって,どれだけの国民が余計な被ばくをしたのかと。安全委員会としてはどのように考えていますか。

安全委 安全委員会としては文科省が徐々に整えられていった環境モニタリングのデータ,それれからSPEEDIのその環境モニタリングから逆推定した線源情報を用いたシミュレーションによりまして,あのーえー,北西方向に線量が高い傾向があるということで,あのーえー,そういった状況を踏まえてですね,えー,さらに,その拡散,あのー,集積線量の計算をさらに精度を高める努力をいたしまして,4月に入った段階ではそのぜんしん[?]の集積線量について,文科省のモニタリングの結果とも合った傾向でありますので,これは北西方向について線量が徐々に高くなってってる領域についても手を打たなければならないということで,官邸の方ともいろいろご相談させていただいて,計画的避難区域の設定という意見を申し上げさせていただいたものであります。

石川 私が言っているのはそういうことじゃなくて,3月17日の時点で明らかにアメリカの,日本は主権国家であって同盟国アメリカであろうと我が国の領土で測定を許すからには我が国の利益にならなきゃいけないわけですね。その情報を得ていながら,なんにもしなかったのはどういうことか,ということを聞いているんです。

安全委 ただいまも説明申し上げましたように,文科省が行っているモニタリングデータなどから,集積線量が高くなっていってる地域があるということで,そうした地域について,普通のこれまでの避難とは違う考え方が必要であろうと,検討をしていたわけであります。

石川 細野さんに別の件ですけれども,今後の工程表について,原子炉の中のデータというのはなかなかまだ分かんないわけですね。東電のほうのおそらく推定とかですね,いろんなデータに基づくのでやっていると思うんですけれども,対策本部,官邸のほうとしては,東電とは別に,別の研究所にデータを与えて,そういう原子炉の中がどういう状況になっているのかということをダブルチェックする意味で,シミュレーションをする考え,あるいはすでにしているのかどうか,それをちょっとお聞きしたい。

細野 原子炉の中の状況については,もちろん東京電力も分析をしておりますが,当然保安院も評価をしておりますし,また東京電力の中に入っているメーカも様々な分析をしてですね,それを共有化しているんですね。ですからいまの東京電力が行っている原子炉の分析というのは,そして付け加えるならば,諸外国もそれぞれのリアクターの状況については相当精緻な分析をしておりまして,それも私どももしっかり意見として聞いております。つまり,今行っている工程表の中のですね,それぞれの原子炉の状況というのは,決して東京電力が独断で決めているものではなくて,もう日本国内はもちろんですが世界からもいろんな知見を集めた中で,いろんな議論を行って,意見が違うこともあります,意見が違うこともありますが,そこも議論を行った上で,おそらくこういうことではないかというところで判断をしてやってきているということでございます。 ですから,御主旨がセカンドオピニオンであるとか,対立的な意見を取り入れていないのかということであれば,それはですね,あらゆる意見を聞いた上で判断をしているということでございます。

石川 大変結構なことだと思いますし,やっていただきたいと思いますが,じゃたとえば世界でということでありますと,アメリカとか,どういう研究所の協力を得ているのでしょうか?

細野 それぞれの研究所にさまざまなそれぞれの抱えている事情もありますので,すべてを申し上げるわけにはいかないわけですが,アメリカの複数の研究機関がですね,関わっています。そして,そのとりまとめをしているのはNRCですので,NRCを窓口に相当数の専門家の意見を米国からは聞いていると,そういう状況でございます。

ソース:番組ID:lv48305169