盗取された国内文化財を公示する件 (平成十七年文化庁告示第二十五号)
次の重要文化財について文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第三十三条の規定による届出があったので、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律(平成十四年法律第八十一号)第五条第一項の規定に基づき、公示する。
平成十七年十月二十八日 | 文化庁長官 河合 隼雄 |
種 類
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名 称
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施 設
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所有者
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盗難の時期
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特 徴
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絵画 | 鰐淵寺宝蔵殿(島根県出雲市別所町一四八) | 宗教法人浮浪山鰐淵寺(島根県出雲市別所町一四八) | 平成十七年八月二十九日から同年九月二日までの間 | 絹本著色山王本地仏像は、料絹の寸法が縦百十三・一センチメートル、横四十・四センチメートルの掛け軸であり、表装には、外縁に丹地、内縁に紺地の裂を用いる。縦長の画面中央に緑の葉をつけた丈の高い老樹二株をあらわし、その前方中央に正面向きの座像の僧形一体、これを取り囲むように、左側には画面奥から手前に唐風の装束をつけた女形、男形、僧形、右側には僧形、唐風の女形、僧形の計六体をいずれも斜め向きの座像にあらわす。前方中央には供養台を置く。画面の天地には円相内に種字を配した亀甲文を彩色で各七個ずつあらわす。 | |
絵画 | 鰐淵寺宝蔵殿(島根県出雲市別所町一四八) | 宗教法人浮浪山鰐淵寺(島根県出雲市別所町一四八) | 平成十七年八月二十九日から同年九月二日までの間 | 絹本著色一字金輪曼荼羅図は、料絹の寸法が縦七十三・〇センチメートル、横四十五・五センチメートルの掛け軸であり、表装は外縁に青地、内縁に朱地の裂を用いる。画面中央、朱色の大円相内に火炎をつけた二重円光を負い、五仏宝冠を戴き、智拳印を結び七獅子上の蓮華座に坐す大日金輪像を大きくあらわす。大日の直下から時計回りに蓮台上の金輪、珠、女、馬、象、主蔵、兵の金輪聖王の七つの宝、および仏眼仏母像をあらわす。画面の外周には蓮華や宝相華などの文様を配した朱色の帯をめぐらす。 | |
古文書 | 元弘二年八月十九日トアリ |
鰐淵寺宝蔵殿(島根県出雲市別所町一四八) | 宗教法人浮浪山鰐淵寺(島根県出雲市別所町一四八) | 平成十七年八月二十九日から同年九月二日までの間 | 紙本墨書後醍醐天皇御願文は、縦三十二・七センチメートル、横五十一・三センチメートル。巻子装で、紙数は一紙。年紀は「元弘二年八月十九日」、年紀の次行に後醍醐天皇の花押がある。 |
古文書 | 鰐淵寺宝蔵殿(島根県出雲市別所町一四八) | 宗教法人浮浪山鰐淵寺(島根県出雲市別所町一四八) | 平成十七年八月二十九日から同年九月二日までの間 | 紙本墨書頼源文書は、縦三十一・七センチメートル、全長百八十八・七センチメートル。巻子装で、紙数は四紙。巻頭に頼源申状案(一紙)、巻末に鰐淵寺文書頼源送進状(二紙)がある。頼源申状案の年紀は「正平六年十月日」。頼源送進状の年紀は「貞和五年丙午三月廿一日」、差出は「権少僧都頼源(花押)」、宛先は「浄達上人御房」である。紙背に継目花押がある。 | |
備考
一 第一欄に掲げる種類は、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料その他の盗取された国内文化財(文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律第二条第二項に規定する国内文化財をいう。以下同じ)の種類とする。 二 第二欄に掲げる名称は、盗取された国内文化財の名称とする。 三 第三欄に掲げる施設は、国内文化財が盗取された施設(文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約第七条⒝⒤に規定する施設をいう。)とする。 四 第四欄に掲げる所有者は、盗取された国内文化財の所有者とする。 五 第五欄に掲げる盗難の時期は、第三号に掲げる施設から国内文化財が盗取された時期とする。 六 第六欄に掲げる特徴は、寸法、材質、形状、色その他の盗取された国内文化財の特徴とする。 |
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