百詩篇第7巻
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ミシェル・ノストラダムス師の予言集>百詩篇第7巻
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- 幻滅したアキレスによる宝の櫃は
- 生まれた者たちには四角いものと認識される。
- 王家の行為で企みは知られ、
- 吊るされていた体が人目に晒される。
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- その偉大な隊長(capitaine)の不在時に、婦人は、
- 副王の愛に招かれるだろう。
- 偽りの約束と不幸な贈り物、
- バルの大公の手の中に。
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- 王族の子どもが母親を侮蔑するだろう。
- 眼、傷ついた両足、耐え難いこと、不如意
- 婦人への知らせは奇妙でかつ非常に苦い
- 彼女の味方が500人以上殺されるだろう。
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- 従属的な海の都市の
- サトラップの地位を剃髪された者が得るだろう。
- 次いで、彼に背く汚い人物を追い出し、
- 14年間、暴政を敷くだろう。
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- インスブリア地方(l'insubre contrée)の都市の前で、
- 7年間、前での攻囲が行われるだろう。
- 非常に偉大な王がそこに入るだろう。
- そして都市は、敵の外で自由に。
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- 偉大な女王によって作られた奥深い入り口は、
- 屈強で近寄れない場所になるだろう。
- 3頭の獅子の軍隊は撃破されるだろう、
- むごい事件が起こる中で。
17
- 憐憫と慈悲に乏しい君主が
- 死によって大いなる知識を変えてしまうだろう。
- 大いなる休息によって王国は働かされる。
- そのとき、すぐに偉大な者がひどい目に遭うだろう。
- 17[11]
- 憐憫と慈悲に乏しい君主が
- 彼の手下たちに平和を与えた後で
- 死によって大いなる知識を変えてしまうだろう。
- 大いなる休息によって王国は働かされる。
- 17[11]
18
- 攻囲された者たちが条約を取り繕うだろう。
- 7日後、彼らは残酷な出口を作り出すだろう。
- 中に押し戻された人々、火、血、斧に置かれた7人
- 平和を織り上げた婦人が囚われる。
19
- ニースの砦は交戦しないだろうが、
- 輝く金属によって陥落するだろう。
- その事実は長く討議されるだろう、
- 市民たちに。恐ろしく慄くべきこと。
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- 長い戦いによって軍全体が蕩尽する、
- 兵のための金銭もなくなるであろうほどに。
- 金や銀に替えて人々は革で鋳貨するようになるだろう。
- ガリアの銅貨、三日月の刻印
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- 隊長が大量の略奪品を運ぶだろう。
- 山の上には、最も近い敵たちの何人か。
- 火に巻かれた者が道を作るだろう。
- 逃れた者たちは、30人を除いて、焼き串で刺される。
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- ラングドックとギュイエンヌから一万人以上が
- アルプスを再び越えることを望むだろう。
- 偉大なアロブロゲスたち(Allobroges)はブリンディジに抗して行進するだろう。
- アクイーノとブレシアは彼らを再び砕きに来るだろう。
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- 詭計によって王国は軍隊を取り除く。
- 攻囲された艦隊、間諜に通り道。
- 2人の偽りの友が来るだろう、加担しに、
- そして長い間眠っていた怨嗟を覚醒させに。
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- ガリアの人々は大いなる後悔の中にあるだろう。
- 空虚で軽薄な心が無謀を信じるだろう。
- パンも塩もワインも水も毒もビール(cervoise)もない。
- 最も偉大な者が囚われる。飢餓、寒さ、窮乏。
35
- 大きな釣られた魚[27]は嘆き悲しむようになるだろう、
- 選ばれたことを。(人々は)年齢で誤認をするだろう。
- それ(釣られた魚)は彼らとはほとんど一緒に住みたくないであろう。
- それの言葉を話す人々(=同郷人)によって裏切られるだろう。
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- 神は天に、神の言葉全体は海に。
- 赤い者たちによって、7人の剃髪された者はビュザンティオンに運ばれる。
- 油を塗られた者(=戴冠した者)に対抗してトレビゾンドの300人が、
- 2つの法を置くだろう、恐怖、そして信頼。
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- 両足と両手の骨が閉じ込められている。
- 騒音によって長い間人が住まない家。
- 夢に基づいて墓から掘り起こすだろう。
- 健やかで噂がなくなり人が住む家。
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- 2人が毒に悩まされる。新たに
- 大君主の厨房で流しに来た者たち。
- 皿洗いを通じて、2人ともその行為は見通される。
- 長子が死んだと思い込んだものが囚われる。
注
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- ↑ Arles ne donra guerre : 17世紀以降の版には「アルルは彼に戦争を与えるだろう」(Arles le donra guerre)となっているものがある。
- ↑ verez : 古フランス語verrer(一掃する)の変化形と捉えた(cf. Leoni [1982])。verrez(あなた方は見るだろう)と捉える者もいる(Lemesurier [2003])。
- ↑ Barchinons : Barchinona はバルセロナの古称だが、文脈上バルスロンヌ(Barcelonne)と見るべきとする論者もいる(Petey-Girard [2003])。
- ↑ Saillinons : 古代プロヴァンスの住人を表したSalyens、あるいはプロヴァンス地方のセイヤン(Seillans)周辺の住民を指すラテン語名Saliniensisに因むか(Clébert [1982])。レオニやプテ=ジラールもプロヴァンス周辺の住民をさしているのだろうという点では一致している。
- ↑ Ptolon : 1672年のガランシエール版のみトゥーロン(Toulon)になっており、これを支持する者もいる(Lemesurier [2003])。他方、ラテン語でPtolomaisとも綴られた古代都市プトレマイス(Ptolemais)の可能性も指摘されている(Leoni [1982], Petey-Girard [2003])。
- ↑ ruer(馬が蹴る)は、16世紀末の版以降tuer(殺す)になっているものが多い。
- ↑ 1627年版以降の版にはAbismesがAbismerになっているものがある。その場合、4行目は「赤い者たちを深い溝に沈める」
- ↑ sexe : secte(宗派)の誤記か(Lemesurier [2003])。あるいはsexe féminine(女性)のことで、「聖職者も女性も」ということか(cf. Clébert [1982])。
- ↑ faincte : 17世紀以降の版にはsaincte(聖なる)となっているものがある。
- ↑ Pour blanches, noires & pour antiques vertes : いずれも女性名詞複数形に対応する形容詞。あてはまる名詞はcruches(甕)のみなので、それを補って訳した。なお、複数形に拘らなければ、「地図」「宗派」「哲学」もいずれも女性名詞である。
- ↑ 1594年にシャヴィニーが示したテクスト。 1605年版をはじめ、17世紀以降の版にはこれを採用している版も少なくない。
- ↑ veau : 19世紀の注釈者ル・ペルチエはヴォー(Vaud)と読むべきと指摘し、現在でも支持されている(Petey-Girard [2003], Lemesurier [2003])。
- ↑ pont de Sorgues : ポン=ド=ソルグ(Pont-de-Sorgues)という都市を指すとの指摘もある(Clébert [1982])。
- ↑ ここでは本来の語義どおり「二つの川の間(の地域)」の意味で用いられている(Leoni [1982] etc.)。
- ↑ 原語Vicaireは状況によって司教代理やローマ教皇(キリストの代理)など、幅広い意味を持つ。
- ↑ engager : 「質入れした」とも訳せる
- ↑ 三行目冒頭Puis par は、1557年版以外のほとんどの版で、Puis queとなっている。その場合「人々が指輪を誤解するであろうから」
- ↑ pont「橋」は、文脈によってPontife「教皇」やpontus「海」を指している場合がある。fort「強者」は「砦」とも訳せる。
- ↑ Marquis du Pont : ここでのPontは、ロレーヌ家が世襲する領地のひとつポン=タ=ムソン(Pont-à-Mousson)とされる(Leoni [1982], Lemesurier [2003]etc.)
- ↑ vires : 古フランス語vireは「矢」(leoni [1982])。ラブレーの用例を引きつつ「軍隊」の意味を示唆する者もいる(Clébert [1982])。他に「櫂」の可能性もある(ibid.)。
- ↑ 原文eschapees, menees はそれぞれ1650年ライデン版などに基づきéchapés, menés と読んだ。
- ↑ Ferrare : 1557年版、1568年版の一部、1643年マルセイユ版などを除けば、多くの版でFerrage となっている。この場合、Porto-Ferrajo(=Portoferraio, ポルトフェッラーイオ)とされる(Petey-Girard [2003])
- ↑ mont Royal : フランス語圏にはMont-Royalや(同じ意味の)Montréalという地名は多い。文脈上、同じ意味のイタリアの地名モンテレアーレ(Montereale)とする説もある(Leoni [1982], Lemesurier [2003])
- ↑ casane :小作地(Petey-Girard [2003])。俗ラテン語のcasana「岸」(Leoni [1982])。イタリア語のcasaと同語源で「粗末な家」(Clébert [1982])
- ↑ 初期の版の「伯爵」comteは、後の多くの版で「勘定」compte
- ↑ Favene : Favientia(現ファエンツァ)もしくはFavienta(現ファイヤンス Fayence)(前者はLeoni [1982], 後者はPetey-Girard [2003])
- ↑ pesche(pêche)には、「桃」と「釣られた魚、漁業」の意味がある。
- ↑ 現在のイエール諸島(Îles d'Hyères)
- ↑ 文脈上おかしいので、pied dans estrein pleigeant は「足は保証された鐙にはなく」(pied sans estrein pleigeant; Petey-Girard [2003])、「足は罠の(ように足に挟まった)鐙に」(pied dans estrein piegeant; Lemesurier [2003])などと読まれる。
翻訳に関する情報
[編集]- 底本はLes Prophéties de M. Michel Nostradamus, Antoine du Rosne, Lyon, 6 septembre 1557
- 明らかな誤植は後の版に基づいて読み替えた。誤植と断言しきれない場合は、原文どおり訳し、注記の形でブランダムールやラメジャラーの読み方を紹介した。
- 翻訳者はウィキソースユーザーのsumaru。
- 参考文献の一覧はミシェル・ノストラダムス師の予言集にある。