百詩篇第10巻

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ミシェル・ノストラダムス師の予言集>百詩篇第10巻


6

ガルドンネマウスス[1]は非常に高く(水が)溢れるだろう。
それは、デウカリオンの再来と信じられるほどである。
巨大建築物の中に大半の人は逃げるだろう。
ウェスタの墓、消えた火が現れる。

31

神聖な帝国がゲルマニアに出来上がるだろう。
イシュマエル人(アラブ人)たちは開かれた場所を見出すだろう。
ロバたちもカルマニアを欲するだろう。
支持された者たちは全員で地を覆うだろう。

42

アングル人[2]に由来する人間的な統治が
その王国に平和と統一を保たせるだろう。
その囲い込みの中に、半ば戦争は捕らえられ、
長い間、平和が彼らを維持させるだろう。

49

新しい都市近くの世界の庭
穴を掘られた山々の途上で、
(彼は)囚われて水槽に沈められる、
硫黄に毒された水を力ずくで飲まされつつ。

56

王家の高位聖職者、ひどく痩せた没落。
口から血の大流を発するだろう。
アングル人の[3]王国は一息ついた王国によって、
チュニスでは切り株の如く半死半生になる。

66

ロンドンの首領はアメリカの王国によって、
そして、スコットランドは酷寒によって、試すだろう[4]
国王とルブ[5]は、ある人物、すなわち明らかに偽のアンテクリストを得るだろう。
その者は彼らをともに乱戦の中に巻き込むだろう。

67[6]

五月に非常に強い地震。
土星、磨羯宮、木星、水星、金牛宮に、
金星も同じく、巨蟹宮、火星、ノネー[7]では、
その時に卵より大きな雹が降るだろう。

71

大地と大気は非常に大きな水を凍らせるだろう、
人々が木曜日を崇拝しに来るであろうときに。
それが過去にあったものほど美しいということは決してないだろう。
四方から、人々はそれを賞賛しに来るだろう。

72[8]

一九九九年、七か月、
空から恐怖の大王[9]が来るだろう、
アンゴルモワの大王を蘇らせるために。
その前後マルスは首尾よく支配する。

74

七番目の大きな数が巡り終わった年が、
大虐殺(Hecatombe)の競技の時に出現するだろう。
千年紀の大きな年から遠くない。
墓に入っていた者たちが出てくるだろう。

75

どんなに待っても決して戻らないだろう、
ヨーロッパへは。アジアに現れるだろう、
偉大なヘルメスの流れを汲む同盟の中の一人が。
そしてオリエントの全ての王の上で成長するだろう。

79

古い道々は全て飾り立てられるだろう。
メンフィスで、人々は入り口[10]を通過するだろう。
偉大なるメルクリウスヘラクレス白百合
大地、海、国を揺り動かしつつ。

80

偉大な王国から偉大な王国へと統治しつつ[11]
彼は軍隊の力によって青銅の大門を
開かせるであろう。王と公爵は手を結びつつ。
崩れた港、船は水底に、平穏な日。

91

ローマの聖職者、千六百九年。
その年頭に選挙を行うだろう。
コンパニー[12]から出た灰と黒の者。
かつてない非常に邪悪な人物。

100

イギリスによる大帝国があるだろう。
300年以上のパンポタン[13]
大軍隊が海と陸を通り過ぎる。
ルシタニア人たちはそのことに満足しないだろう。

[編集]

  1. Sardon, Nemans : SardonはGardonの、Nemans はNemausの、それぞれ誤植だという点に争いはない。1656年の注釈書で1557年9月のニーム大洪水をモデルにした詩と解釈されて以降、信奉者も実証的な立場も見解が一致しているためである。なお、1668年アムステルダム版では「Gardon Nyme Eaux」と綴られている。
  2. d'Anglique : 1597年頃の「ブノワ・リゴーの後継者たち」版以降で、d'Angelique(天使の)となっていることから、そちらで読む者たちもいる。
  3. d'Anglique : 1597年頃の「ブノワ・リゴーの後継者たち」版以降で、d'Angelique(天使の)となっていることから、そちらで読む者たちもいる。
  4. tempiera : 意味不明。レオニに倣ってtemptera の変形として読んだ。
  5. Roy Reb. : 動詞が複数の人称を受けているので、Roy とReb.は並列的に捉えるべき。Reb.はRebelle(反逆者)と見られることが多い(Leoni [1982], Lemesurier [2003])
  6. w:ミシェル・ノストラダムス師の予言集#百詩篇第10巻67番を参照。
  7. アノネーAnnonay)の語頭音消失(Brind'Amour [1993] etc.)
  8. w:ミシェル・ノストラダムス師の予言集#百詩篇第10巻72番を参照。
  9. un grand Roy d'effrayeur : 1568年d版の表記。a版、b版、1590年カオール版では最後が "deffraieur"、1568年c版では "d'effraieur"、1627年リヨン版では "défrayeur"、それ以外の多くの版は1568年d版と同じ。
  10. Son entree : 1568年b版と1590年カオール版でのみに見られるテクスト。他のほとんどの版ではSomentree(意味不明。レオニやラメジャラーはギリシャ語のSymmetros(似たもの)と見なしている - Leoni [1982], Lemesurier [2003])と綴られている。
  11. 原文はAu regne grand du grand regne regnant
  12. Compagnie : 字義通りなら「集団」。カンパニア州の誤記の可能性も指摘されている。
  13. Pempotam : ギリシャ語Pan- とラテン語Potensを合成した「全能者」を意味する語とされる(Leoni [1982], Lemesurier [2003])

翻訳に関する情報[編集]

  • 底本はLes Prophéties de M. Michel Nostradamus, Benoist Rigaud, Lyon, 1568
    • この版は刊行年を変えないまま何度も再版されたらしく、同じ「1568年版」でも版によって原文に食い違いのあることが知られている。ここではリヨン市立図書館ショマラ文庫の版(便宜上「a版」とする)を軸とし、他の版の異文についてもある程度注記した。参照した1568年版は以下の通り。
      • スウェーデン・ストックホルム王立図書館所蔵(便宜上「b版」とする)
      • スイス・シャフハウゼン州立図書館所蔵(同「c版」とする)
      • フランス・アルボー博物館所蔵(同「d版」とする)
    • 明らかな誤植は後の版に基づいて読み替えた。誤植と断言しきれない場合は、原文どおり訳し、注記の形でレオニやラメジャラーの読み方を紹介した。
  • 翻訳者はウィキソースユーザーのsumaru。
  • 参考文献の一覧はミシェル・ノストラダムス師の予言集にある。