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環太平洋戦略的経済連携協定案

前文

この協定の締約国は、貿易及び投資を自由化し、経済成長及び社会的利益をもたらし、労働者及び企業のための新たな機会を創出し、生活水準の向上に寄与し、消費者に利益をもたらし、貧困を削減し、並びに持続可能な成長を促進するため、経済統合を促進する包括的な地域的協定を作成すること、締約国間及び締約国の人々の間の友好及び協力の関係を強化すること、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定に基づく各締約国の権利及び義務を強化すること、締約国間の開発の水準の相違及び経済の多様性を認めること、地域的なサプライチェーンの発展及び強化の促進を含む企業のための機会の促進により、世界市場における締約国の企業の競争力を強化し、及び締約国の経済の競争力を高めること、零細企業及び中小企業がこの協定によって創出される機会に関与する能力及び当該機会から利益を得る能力を向上させることにより、これらの企業の成長及び発展を支援すること、互恵的な規則を通じ、貿易及び投資のための予見可能な法的及び商業的な枠組みを設定すること、締約国の輸入者及び輸出者のために費用を軽減し、及び予見可能性を確保する効率的なかつ透明性のある税関手続を促進することにより、地域内の貿易を円滑にすること、締約国が規制を行う固有の権利を有することを認めるとともに、立法上及び規制上の優先事項を定め、公共の福祉を保護し、並びに公共の福祉に係る正当な目的(公衆衛生、安全、環境、有限天然資源(生物であるか非生物であるかを問わない。)の保存、金融システムの健全性及び安定性、公衆の道徳等)を保護するための締約国の柔軟性を保持することを決意すること、さらに、保健制度を採用し、維持し、又は変更する締約国の固有の権利を認めること、国有企業に対する不公正な利益の供与が公正で開かれた貿易及び投資を損なうことを認めつつ、国有企業が締約国の多様な経済において正当な役割を果たし得ることを確認するとともに、私有企業との対等な競争条件、透明性及び健全な商慣習を促進する国有企業に関する規則を定めることを決意すること、環境法令の効果的な執行等を通じて高い水準の環境の保護を促進し、並びに貿易及び環境に関する相互に補完的な政策及び慣行等を通じて持続可能な開発の目的を推進すること、労働者の権利を保護し、当該権利の行使を確保し、労働条件及び生活水準を向上させ、並びに労働に関する事項についての協力及び締約国の能力を強化すること、透明性、良い統治及び法の支配を促進し、並びに貿易及び投資における贈収賄及び腐敗行為を除去すること、締約国の関連当局が適当な場において経済全般に関する協力(為替に係る事項に関するものを含む。)を強化するために行っている重要な活動を認めること、締約国間及び締約国内の文化的な同一性及び多様性の重要性並びに貿易及び投資が国内及び国外の文化的な同一性及び多様性を豊かにする機会を拡大し得ることを認めること、世界貿易の調和のとれた発展及び拡大に寄与し、並びに一層広範な地域的及び国際的な協力の触媒を提供すること、貿易及び投資に関する将来の課題及び機会に対処するための協定を作成し、並びに各締約国の長期的な優先事項の推進に寄与すること並びに地域的な経済統合を一層促進し、及びアジア太平洋における自由貿易地域の基礎を創設するため、他の国又は独立の関税地域の加入を奨励することにより締約国のパートナーシップを拡大することを決意して、次のとおり協定した。

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