独立行政法人北方領土問題対策協会法

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第一章 総則[編集]

(目的)

第一条
この法律は、独立行政法人北方領土問題対策協会の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

(名称)

第二条
この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人北方領土問題対策協会とする。

(協会の目的)

第三条
独立行政法人北方領土問題対策協会(以下「協会」という。)は、北方領土問題その他北方地域(歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島をいう。以下同じ。)に関する諸問題についての国民世論の啓発並びに調査及び研究(以下「調査研究」という。)を行うとともに、北方地域に生活の本拠を有していた者に対し援護を行うことにより、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題の解決の促進を図ることを目的とする。
2 協会は、前項に規定するもののほか、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律(昭和三十六年法律第百六十二号。以下「北方地域旧漁業権者等法」という。)に基づき、北方地域旧漁業権者等(北方地域旧漁業権者等法第二条第二項に規定する北方地域旧漁業権者等をいう。以下同じ。)その他の者に対し、漁業その他の事業及び生活に必要な資金を融通することにより、これらの者の事業の経営と生活の安定を図ることを目的とする。

(中期目標管理法人)

第三条の二
協会は、通則法第二条第二項に規定する中期目標管理法人とする。

(事務所)

第四条
協会は、主たる事務所を東京都に置く。

(資本金)

第五条
協会の資本金は、附則第二条第四項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、協会に追加して出資することができる。
3 協会は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

第二章 役員及び職員[編集]

(役員)

第六条
協会に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 協会に、役員として、理事一人を置くことができる。
3 協会に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事五人以内を置くことができる。

(役員の職務及び権限等)

第七条
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して協会の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。

(理事の任期)

第八条
理事の任期は、二年とする。

(役員及び職員の地位)

第九条
協会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第三章 評議員会[編集]

第十条
協会に、評議員会を置く。
2 評議員会は、理事長の諮問に応じて、協会の業務運営に関する重要事項を調査審議する。
3 評議員会は、前項の事項に関し、理事長に意見を述べることができる。
4 評議員会は、十五人以内の評議員をもって組織する。
5 評議員は、協会の業務に関し学識経験を有する者及び北方地域旧漁業権者等のうちから、内閣総理大臣が任命する。
6 前各項に定めるもののほか、評議員の任期その他評議員会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 業務等[編集]

(業務の範囲)

第十一条
協会は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 北方領土問題その他北方地域に関する諸問題について、定期刊行物その他の印刷物の発行、講演会、講習会、展示会等の開催その他の方法により、国民世論の啓発を行うこと。
二 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(昭和五十七年法律第八十五号)第二条第四項に規定する交流等事業(同項第一号に掲げるものに限る。)を実施すること。
三 北方領土問題その他北方地域に関する諸問題について調査研究を行うこと。
四 昭和二十年八月十五日において北方地域に生活の本拠を有していた者及びその者の子で同日後北方地域において出生したものに対し必要な援護を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
六 北方地域旧漁業権者等法第四条に規定する業務(以下「貸付業務」という。)を行うこと。

(区分経理)

第十二条
協会は、貸付業務に係る経理については、その他の業務(以下「一般業務」という。)に係る経理と区分し、特別の勘定(以下「貸付業務勘定」という。)を設けて整理しなければならない。

(利益及び損失の処理の特例等)

第十三条
協会は、一般業務に係る勘定において、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この条において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち内閣総理大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における一般業務の財源に充てることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
3 協会は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 貸付業務勘定については、通則法第四十四条第一項ただし書及び第三項の規定は、適用しない。
5 協会は、貸付業務勘定において、中期目標の期間の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項本文又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額を当該中期目標の期間の次の中期目標の期間における積立金として整理しなければならない。
6 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

(長期借入金)

第十四条
協会は、貸付業務に必要な費用に充てるため、内閣総理大臣及び農林水産大臣の認可を受けて、長期借入金をすることができる。
2 協会は、毎事業年度、長期借入金の償還計画を立てて、内閣総理大臣及び農林水産大臣の認可を受けなければならない。
3 内閣総理大臣及び農林水産大臣は、前二項の規定による認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。

第五章 雑則[編集]

(特に必要がある場合の内閣総理大臣等の要求)

第十五条
内閣総理大臣は、国内外の情勢の急激な変化その他の事由により、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題の解決の促進を図るため特に必要があると認めるときは、協会に対し、第十一条第一号、第二号又は第四号に掲げる業務に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2 内閣総理大臣又は農林水産大臣は、北方地域旧漁業権者等の事業の経営と生活の安定又は北方地域旧漁業権者等法第四条第二号若しくは第三号に規定する法人の事業の経営の安定を図るため特に必要があると認めるときは、協会に対し、貸付業務に関し必要な措置をとることを求めることができる。
3 協会は、内閣総理大臣又は農林水産大臣から前二項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。

(主務大臣等)

第十六条
協会に係る通則法における主務大臣は、次のとおりとする。
一 役員及び職員並びに財務及び会計(次号に規定するものを除く。)その他の管理業務に関する事項については、内閣総理大臣
二 貸付業務に係る財務及び会計に関する事項については、内閣総理大臣及び農林水産大臣
三 一般業務に関する事項については、内閣総理大臣
四 貸付業務に関する事項については、内閣総理大臣及び農林水産大臣
2 協会に係る通則法における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

(国家公務員宿舎法の適用除外)

第十七条
国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、協会の役員及び職員には適用しない。

第六章 罰則[編集]

第十八条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした協会の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十三条第一項の規定により内閣総理大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
三 第十四条第一項又は第二項の規定により内閣総理大臣及び農林水産大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。

附 則 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第三条から第七条まで、第九条及び第十一条の規定 平成十五年十月一日

(北方領土問題対策協会の解散等)

第二条
北方領土問題対策協会(以下「旧協会」という。)は、協会の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において協会が承継する。
2 旧協会の平成十五年四月一日に始まる事業年度は、旧協会の解散の日の前日に終わるものとする。
3 旧協会の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算、財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに利益及び損失の処理については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、その解散の日から起算して二月を経過する日とする。
4 第一項の規定により協会が旧協会の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、協会が承継する資産の価額(附則第五条の規定による改正前の北方地域旧漁業権者等法(以下「旧北方地域旧漁業権者等法」という。)第三条の規定により基金とされた金額(次条の規定による廃止前の北方領土問題対策協会法(昭和四十四年法律第三十四号)第十九条第一号から第三号まで及び第五号に掲げる業務に係る勘定(以下「旧一般業務勘定」という。)並びに同条第四号に掲げる業務に係る勘定(以下「旧貸付業務勘定」という。)において、積立金として積み立てられている金額があるときは当該金額を加算した金額とし、繰越欠損金として整理されている金額があるときは当該金額を控除した金額とする。)に相当する金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から協会に対し出資されたものとする。
5 前項の資産の価額は、協会の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
7 第一項の規定により協会が旧協会の有する権利及び義務を承継した場合において、その承継の際、旧北方地域旧漁業権者等法第三条の規定により基金とされた金額に相当する金額は、附則第五条の規定による改正後の北方地域旧漁業権者等法(以下「新北方地域旧漁業権者等法」という。)第三条第一項に規定する基金に組み入れられたものとする。
8 第一項の規定により協会が旧協会の有する権利及び義務を承継した場合において、その承継の際、旧一般業務勘定又は旧貸付業務勘定において積立金として積み立てられ、又は繰越欠損金として整理されている金額があるときは、当該金額に相当する金額を、それぞれ、協会の一般業務勘定(第十三条第一項に規定する一般業務に係る勘定をいう。)又は貸付業務勘定に属する積立金又は繰越欠損金として整理するものとする。
9 第一項の規定により旧協会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

(北方領土問題対策協会法の廃止)

第三条
北方領土問題対策協会法は、廃止する。

(北方領土問題対策協会法の廃止に伴う経過措置)

第四条
前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の北方領土問題対策協会法(第九条及び第十八条第五項を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。

(罰則の適用に関する経過措置)

第七条
附則第三条及び第五条の規定の施行前にした行為並びに附則第二条第三項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)

第八条
附則第二条、第四条、第六条及び前条に定めるもののほか、協会の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成一六年六月一八日法律第一二六号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一及び二 略
三 附則第四十二条の規定 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百三十号)の公布の日又は公布日のいずれか遅い日

附 則 (平成一六年六月一八日法律第一二七号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第三条の規定 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百三十号)の公布の日又は公布日のいずれか遅い日

附 則 (平成一六年六月二三日法律第一三〇号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第二条、第七条、第十条、第十三条及び第十八条並びに附則第九条から第十五条まで、第二十八条から第三十六条まで、第三十八条から第七十六条の二まで、第七十九条及び第八十一条の規定 平成十七年四月一日

附 則 (平成一六年六月二三日法律第一三五号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第十七条の規定 この法律の公布の日又は国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百三十号)の公布の日のいずれか遅い日

附 則 (平成二一年七月一〇日法律第七五号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。

附 則 (平成二二年五月二八日法律第三七号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。

(罰則の適用に関する経過措置)

第三十四条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第三十五条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日

(処分等の効力)

第二十八条
この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。

(罰則に関する経過措置)

第二十九条
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令等への委任)

第三十条
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。

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